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リソースなくしてリサーチ無し、リサーチなくしてリソース無し

NBRP(ナショナルバイオリソースプロジェクト)のシンポジウム「バイオリソースとライフサイエンス研究最前線」に参加した。

基調講演は遺伝研においてマウスの系統保存事業を推進してきた森脇和郎と、リソース利用者代表として本庶佑という大物二本立て。

業務の都合で午後になって参加した文科省職員が「森脇先生は“研究者は敵だ”とおっしゃったでしょうか」と心配していたが、リソース事業は今の日本では「業績」にならないから敬遠され、しかも予算は奪い合う相手だから、対立してもおかしくはない。だが、「リソース(材料)なくしてリサーチ(研究)無し」。そもそも材料が入手できなければ研究は始められない。また自分で作出した場合でも、それを維持し、請求があれば分譲しなければならないから、その負担は研究者にとって大きい(かつて論文に載せた材料の分譲は研究者の仁義であったが、今や不正疑惑への身の証としても材料保存は必須になっている)。だからリソース事業は研究者にとって利益なのだ。

ここまでは子供でもわかる理屈(大人になると総論賛成各論反対に)。凡人と違うのは「リサーチなくしてリソース無し」と開発事業に駒を進めていること。生物の多様性を見くびると誤った結論に安住する危険がある(そういえばヒトゲノム計画で「誰のゲノムを分析するのか」はどう解決したのだろうか)。

「リサーチの予算を少しで良いからリソースに割いて」と慎ましく要望されていたが、リサーチグラントがないなら、科研費からはオーバーヘッドとして一律拠出するくらいしてはいかが>文科省殿

おっとその前に、省庁間の軋轢があるような指摘がありましたが、その解決が先でしょう。利用者としては何省の事業かは重要ではない筈。

話は変わるが、情報公開サイトは24のリソース(中核機関)を提示しているものの、「並べただけ」つまり縦割り的という印象がある。たとえばヒトの高次神経活動を研究使用とする人はニホンザルに直行してしまうのではないか。まぁ、マウスやラットにも注意を払うとは思うが、ショウジョウバエやゼブラフィッシュはどうだろう(ナルコレプシーのゼブラフィッシュには正直驚きましたよ)。目的に応じて適切なリソースを紹介するような機能はあるのだろうか。ある市役所の案内図を思い出してしまった。役所を訪れる市民は「〜〜の用事は何課に行ったら良いのか、その課はどこにあるのか」を知りたいのに提供されているのは「一階の案内図はこちら、二階の案内図はこちら...」形式。利用者の視点になってない。


会場で、バイオフォーラムのアクティブであったMさんを発見。相変わらずお元気の様子だが、頭髪がすっかり白くなっていたのにはびっくり。歳月のせいばかりではなくご苦労もされているのでしょう。

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