2017/08/31

献血ルーム巡り23(静岡県・赤十字血液センター浜松事業所)

3階建てのビル、ガラス張りの玄関の上に「静岡県赤十字血液センター浜松事業所」の金文字。

8月30日に静岡県赤十字血液センター浜松事業所まで遠征して血小板を提供。これにて静岡県の献血ルームコンプリート!

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2017/08/14

献血ルーム巡り22(長野県・赤十字血液センター諏訪出張所)

うかうかしているうちに「諏訪には夏になってから、ついでに霧ヶ峯ホテルを見納めてこよう」と心に決めた8月になっていた。そこで静岡県コンプリートは後回しにして諏訪へ。

諏訪出張所

長野県には献血ルームが2つ、それとは別に血液センター諏訪出張所でも献血を受け付けている(そのほかに献血バスが4台ある)。ただし火・木・土限定。というわけで10日(木)に遠征と相成った。

玄関上の白壁に赤十字マークのある2階建て洋館。壁には「諏訪赤十字血液センター」と。

壁の二面がガラス窓の明るい待合室

所在地
〒392-0007 諏訪市清水3-3840-1

アクセス
JR上諏訪駅から徒歩約20分
同じく自動車で約6分(公共交通機関は不明)
中央道諏訪インターチェンジから約7分

受付電話番号
0266-53-7211

予約専用
0120-12-7212(受付時間外自動応答)

受付時間
全血献血 9:00〜12:00/13:00〜17:00
成分献血 9:00〜11:30/13:00〜16:30

休日
毎週 月・水・金・日曜日
8月15日、12月31日、1月1日

ベッド数
6?

ロッカー
17(8+9)

自販機
飲料1台(紙コップ式、コカ・コーラボトリング)

新聞・雑誌・書籍
棚+ラック

受付・問診・検査

高速の渋滞に巻き込まれ、午前の受付時間には間に合わなかったので、昼食をとり午後の開始直後に乗り込む。14時まで休むところが多い中で13時開始はありがたい。玄関を入ると、一瞬「靴を脱ぐの?」と思わせる三和土と上がり框があるけれど土足そのままで入って構わない。靴の汚れが気になる場合はスリッパに履き替えられる。待合室に入ると右手に受付カウンター。型通りの同意書確認とタッチパネルを使った問診。受付番号は20番。血圧測定機はないので医師が測るようだ。

ロッカーは廊下に大が8、中が9。ナースに呼ばれて採血室に入ると、この時点で検査採血待ちの先客が2人。まずは医師問診で、血圧は142/86とやや高め。「こういう所で測ると高くなる人が多いですから」と若い医師は気に留める風もない。ヨウ素アレルギーについて確認された他は書類チェックで合格。

次に検査採血。ここのナースは全員靴まで揃っている(白衣の色からしてまちまちなルームもあり、「色が違うのは階級が違うのか?」などと考えることも)。また紫色の医療用手袋はドナー1人ごとに取り変えて消毒している。それが基本なのかもしれないが、手袋つけっぱなしとか手袋なしとかのところもあったので新鮮。検査値には何の問題もなかったが、血小板の注文はもうないとのことで血漿を提供することに。午前中に来れば血小板を提供できたのに残念。「400mLか血小板の献血をお願いします」と貼り出されている中での血漿成分献血はなんか「おまけ」的な気分。

トイレ

正面に便座、右手の壁にペーパーホルダー、非常呼び出しボタン、洗浄操作用パネルが。採血することが決まり〈飲み逃げ〉の恐れがなくなったので無料飲料自販機からホットアクエリアスを選んで水分補給(採血前はホットが推奨されている)。次いで採血中に自然に呼ばれないようトイレへ。男性用と車イス用は共通で(女性の車イス利用者もこっちに?)、入ると左側に朝顔が2つ、右側に個室が1つ、そして奥に車イス用多目的トイレ。

入口には小用も座位でとの注意。非常呼び出しボタンは朝顔の間に1つ、これは立ったまま押せる(しゃがんでしまうと難しい)位置に、それと個室の中に1つ。この個室は以前は2つだったのではないかと思えるほど広くドアも2つ付いていた(片方は閉鎖)。手すりがないのは奥にがっちり手すりのある車イス用トイレがあるからか。

虚を突かれたのは照明で、点灯消灯は利用者がする。このところ自動点灯に慣れていたことに改めて気づく。

採血

ベッドは6台か7台。奥にあるのは心電図測定用ベッドだろう。足の運動の説明票を見ると片面はレッグクロスではなくて爪先を伸ばす運動。反対側はレッグクロスっぽいけれど上に重ねた足を押し下げるだけ(よそでは両足に力を入れろと)

4サイクルは小一時間で終了し、抜針した後には丸いガーゼ付き絆創膏。ヨウ素を拭ったのはハイポかエタノールか? 圧迫帯は包帯式のディスポタイプ。

終了後の血圧は113/80で、普段からこれだったら理想なのにという値。

採血を終えて

待合室に戻って休憩。記念品はグリコの「カレー職人(中辛)」を選択。複数回献血クラブに登録していたからかマルハニチロの「牛たま丼」もいただいた。こちらには麗々しく「献血記念品 諏訪地域献血推進協議会」という熨斗紙が。いずれも帰ったら災害用非常持出袋の中へ。

ここは待合室の大きさの割にはコミックが豊富な気がする。こういう機会でもないと手に取ることもないので眺めていると『献血ラッシュ』(花とゆめコミックス)なんてものが! ところが開いてみるとのっけから吸血鬼登場! おいおい良いのか、そんなのを置いて! 捨て子?の吸血鬼を押し付けられて養親にさせられた女子高生の物語らしい(あまりの展開にすぐ閉じた)。後で調べると、この吸血鬼に血を吸われても吸血鬼にはならないという設定なのが救い。逆に言うとずっと血を吸われ続ける。

大判の棚には月刊「動物のお医者さん」などというものも。これは2003年ころ発行。B5判で大きな漆原教授とご対面できた。もともと掲載誌がこの大きさなのだが、花とゆめCOMICSから入った身には拡大版に写る。この名作は加計学園問題で引っ張られたのかまた話題になっている。Amazonでは期間限定でkindle版の無料閲読ができていた。実はかつて全12巻を買い揃えたが被災地へ寄付してしまった。また買おうか思案中(ダウンロードした無料版は期間終了と共に閲覧不能に。だからクラウド型電子書籍って嫌なんだ)

その後、諏訪まで来たついでと霧ヶ峯ホテル跡を訪問した。

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2017/07/25

献血ルーム巡り21(静岡県・献血ルームみゅうず)

書いている途中で指が止まり、いつのまにやら7月も下旬に。急いでアップ。

長野県には、先に〈攻略〉した長野市の他、松本市と諏訪市に献血ルームがある。諏訪といえばかつて生化学若い研究者の会(生化若手の会)で夏の学校を連続して開催した霧ヶ峯ホテルへの往復で馴染みの街。そういえばあのホテルはどこだったっけと地図検索したらヒットしない。えっと思い調べてみると、なんと2010年10月には事業を停止し、11年9月に自己破産しており、今では廃墟検索地図に掲載されている有様。Googleストリートビューで見るとたしかに廃墟然としている。

閑話休題。というわけでなんとなく気勢をそがれ、「諏訪には夏になってから、ついでに霧ヶ峯ホテルを見納めてこよう」と決め、6月は静岡県コンプリートへ駒を進めることに。

献血ルームみゅうず

浜松市には献血できる常設会場が2つある。その1つが献血ルームみゅうず。もう1つの静岡県赤十字血液センター浜松事業所が月・水・日曜限定なので都合の着いた8日(木)に〈みゅうず〉へ向かった。

まずは施設概要。

所在地
浜松市中区板屋町110-5 浜松第一生命日通ビル1階
アクセス
浜松駅北口より徒歩約5分
受付時間
全血献血 10:00〜13:00/14:00〜17:30
成分献血 10:00〜12:00/14:00〜16:30
定休日
年末年始
ベッド数
14
ロッカー
27
自販機
飲料1台(紙コップ式)
新聞・雑誌・書籍(コミック)
ラック+書棚6列

ここもグーグルストリートビュー(SV)で待合室の様子を見ることができる。

今回は新幹線を使用した。浜松駅からは地下道が旭町交差点まで伸びているので雨天や炎天下でもそれほど苦労はしない。通路Cは両側に献血を勧めるポスターが。

通路右側に掲示されたポスター「POWER OF 献血」

通路左側に掲示されたポスター「みんな仲間だ! 献血へ行こ〜よ!」

通路右側のポスター「200m先 C2出入口すぐ」の案内もあるが、右半分は空き領域。「みんな仲間だ! 献血へ行こ〜よ!」(うーん、不景気で広告枠が埋まらないのかもしれない)

通路左がに掲示された輸血を受ける女性の絵柄ポスター 「私にできる人助け」「知らないあなたが私のヒーローです」(女性だって献血しますよ!)

歩道脇の壁に掲げられた地図付きの案内板 「献血会場」と書かれた幟
地上に出たところにはホテルクラウンパレス浜松の壁に案内図、浜松第一生命日通ビルの前には目立つ幟。自動車で来た場合は市内提携駐車場を使うと駐車券をもらえるとある。献血ルームに一番近いのは名鉄協商パーキング浜松駅前第1だろうか(と思ったら「※2017年6月20日(木)17時で営業終了です。」と!)

受付・問診

献血ルームは1階で、入口を入るともう待合室で奥に受付があり、女性2人と男性1人。前日に電話をしていたので「細川です」と名乗り、いつもの手続き。セルフで測った血圧は1回目が162/94というべらぼうな値だったので、2回目の最高血圧が140mmHgの方を提出(1回目のも提示はした)。薬を飲んでいないかとか歯の治療はしていないかというのは恒例だが、目薬はさしてませんかと聞かれて狼狽。数日前に第三類医薬品のロート養潤水αを使ったが、さて何日前だったか? ステロイドは入ってないから72時間もあけることはあるまいと「いいえ」。しかし、ちゃんと申告して判断してもらった方が良いと反省。その後タッチパネル問診。同意書は平成29年5月30日施行の第3版、つまり前回(4月21日)の後に改訂された最新版だったので注意深く目を通す(でも違いは分からなかった)。手首に巻かれた紙テープに記された受付番号は18番。

空いていたのかすぐに検査採血。検査結果を見たナースから血小板20単位の提供を依頼され、快諾するとカルゲンミニを渡された。これは20単位の場合、戻される赤血球と一緒にキレート剤(凝固防止剤)が通常より多く体内に入りカルシウム不足状態(カルシウムはあるのに機能しない状態)に陥るので、それを補うため。そのあと医師問診。

トイレ

便器右側の壁にL字手すり、ダブルのペーパーホルダーとその上に非常用ボタンがあるトイレの個室医師問診はすぐ終わり待合室へ。採血呼び出しを待つ間に排尿を兼ねてトイレチェック。トイレは献血ルームの外でビルの共有スペース。「採血後の小用は男性も座位で」という注意書きは見当たらず。緊急呼出しボタンは個室にのみ。ちなみに2つあった個室のうち、L字手すりは入口寄りにしか設置されていなかった。

採血

ベッドは全部で14台あり、時計回りに数えて4番目を使用。ナースは5人。全員手袋を着用し、消毒もこまめに行っていた。採血中に飲み物を持ってきてくれるというのでアルフォンソマンゴーのホットを依頼。20単位なので通常よりも時間がかかり、昼休みにかかったこともあり、気がつけばドナーは私だけ。レッグクロス運動にも飽きた頃にやっと終了した。職員も手の空いた人から休憩に入っており、抜針は刺してくれた眼福ナースとは別の人、残念。

採血を終えて

ハローキティの周りに東海北陸ブロックの7血液センターのオリジナル〈けんけつちゃん〉が配置された図柄のクリアファイル待合室に戻りスポーツドリンクBCAA+を飲んで休憩。記念品としてクリアケース、食器用洗剤、救急絆創膏から3択を提示されたのでクリアケースを選択した。地が透明なので写真では裏面、そして背景の寒冷紗が写り込んでいる。

帰りは16時半発の高速バスを予約しているのでゆっくりと休憩。DVDの棚を見ていたら、もう「シン・ゴジラ」が入っていた。またパウチされたA3の「けんけつちゃんトランプ Q&A」なるFAQも(千葉県赤十字の出した本物のトランプとはおそらく別物)

浜松といえば餃子(宇都宮の皆さんごめんなさい、あっ「餃子といえば浜松」ではないから許されるか)というわけで、昼食は街に出て餃子屋を探す。ところが行ってみると持ち帰り専門店だったり開店前であったり。やはり事前の調査はきっちりやらないといけない。さすがに疲れたので遠州病院駅から遠州鉄道に乗って新浜松駅へ。遠州男唄濱松たんとの浜松駅南口店で餃子定食を食す。「お飲み物は?」と笑顔で勧められたが採血直後の飲酒はご法度なので、ビールの代わりに涙を飲んだ。そんな不完全燃焼感があったので、エキマチにあった石松で水餃子を追加。

雲のかかった山の上に輝く満月そのあと16:30発の高速バス「渋谷新宿ライナー浜松8号」に乗って帰還。3620円で済むうえに、居眠りもできる、トイレも付いている、献血の後でなければ酒も飲める、それでいて約4時間で到着するのだから使わない手はない。浜松IC近くに停留所があるので次回の静岡県赤十字血液センター浜松事業所でも使えるか検討しよう(浜松駅からは遠いので往路に適当な便があるかが問題、夜行バス!?)。自家用車の場合は終わったら評判の炭焼きさわやかで栄養補給だ。


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2017/04/24

献血ルーム巡り20(長野県・長野献血ルーム)


NAVER まとめに取り上げられた献血ルーム巡り、第20回は静岡県コンプリートを先送りにして長野県の長野献血ルーム

計算では「雪の回廊」を回っても午前中の受付終了時刻(成分献血は12:30)に間に合うはずであったが、志賀高原から前をずっと制限速度遵守のバスが走行して大名行列を作ったり、駐車場の位置未確認が仇になって長野市内で道に迷ったりで、受付に飛び込んだのは12:35。「400mLならまだ間に合います」と言われ、一瞬とある目論見が脳裏をかすめたが、「14時まで待ちます」と答えて受付と機械問診を済ませて昼食を摂りに。落ち着いて考えるとここはこちらの都合ではなく血液の需要に合わせた判断にすべきであった(一般的には全血よりは成分献血が歓迎されるが、太田献血ルームでのようなこともある)

ざるそばと麦とろ飯のセット。小皿で野菜天ぷらが。 食事は成分献血前に脂っこいものはダメと分かっていたのになぜか天ぷらの付いたそばセットを頼んでしまう。天そばを避ける分別はあったのだが、麦とろご飯とそばに目を奪われ、小皿で天ぷらが付いてくることを失念し... で、残したら作った人に失礼、なんて気遣いまでしてしまい完食。少量だし、すぐには血中には出ないだろうと正当化。いけませんね(幸い事前検査で遠心分離させたところ問題なし判定)

手首に巻かれた紙テープには23という番号が手書き戻って受付番号23の記された紙テープを右手に巻きつける。この日23番目の献血者ということだろう。一瞬、少ないようにも思ったが、平均して1時間に6人以上だから、混雑とまでは言えないが閑散というほどでもない。


長野献血ルーム

まずは施設概要。

所在地
長野市鶴賀問御所町1271-3 TOiGO WEST 2階
アクセス
JR長野駅善光寺口より徒歩約10分
長野電鉄市役所前駅より徒歩約3分
バス「昭和通り」下車
上信越自動車道 長野I.C.より約20分(TOiGOパーキング長野まちなかパーキング利用可)
受付時間
全血献血 9:00〜13:00/14:00〜17:00
成分献血 9:00〜12:30/14:00〜16:30
ベッド数
10
ロッカー
30(小20、中10)
自販機
飲料2台(紙コップ式)
新聞・雑誌類
ウェルカムスペースには閑静な門前町の風情と温かさを演出する中庭を設置。待合室は自然素材をふんだんに使い、やわらかく明るい雰囲気です。シンプルな造りの壁面部分には、『献血×アート』というテーマのもと、長野県内を拠点に活動する作家・アーティストの作品を展示しています。イラストや絵画のほか、陶器やガラス、金属を使った立体作品が展示され

とあるように細長い待合室は明るく、全体に木調で、なんとロッカーの扉も木製(扉を壊すような本式の窃盗は想定する必要はないからか)。また壁には油絵(tomoi artsというサイン)がかかり、壁際の棚には工芸品が陳列されていた。奥の壁にはシェアフォトと題しスナップ写真を集めた額が2つ掛かっており、中には採血中の姿も。

紙コップ式の飲料自動販売機は入口近くと奥とに2台。「献血前は温かいものを飲んで」という注意書き。飲み終わったコップや飲み残しを捨てる設備はまとめられていた。そこには「包帯・消毒綿はこちらに」と書かれた容器も置かれた板が、側面にはバイオハザードマークがしっかり描かれていた。確かに〈審査〉には合格したものの感染性廃棄物だね。ゴミ捨て場的な不潔感がないせいか、「LINEはじめました」「ツイッターをフォローして」といった案内も掲示されていた。翌々日のツイートには図書入荷の様子が紹介されていた。

また4日前には、花粉症の薬を服用していても献血できる場合がありますという案内も。これ、だいぶ前に方針転換したと記憶するが、以前の「服薬していたら献血できない」がしっかり浸透、というか浸透しすぎて仇になっている模様。かといって献血者が血液の安全性に無頓着になっても困るから痛し痒し。「血液検査の結果を知らせてくれるから、自分の健康管理にも役立つ」と「エイズ検査目的での献血は絶対にお止めください」の両立が理解できない人(少なからずいる模様)を相手にするのはご苦労なことである。

トイレ

14時の業務再開を待つ間にトイレチェック。ご婦人用の内部は分からないが、男性用のトイレは廊下に面した木の戸を引くと突き当たりに洗面台、右手に温水洗浄便座が1つという構造。朝顔(小便器)がないのは採血後の立位での排尿を防止するためか。といっても「座位で」という注意は見当たらず。便器が斜めに設置されていたのはスペースの関係だろう。便座から立ち上がると自動で洗浄されるのは便利だが、普及前にこれに慣れるとよそで流し忘れをしそうで怖い。

非常呼び出しボタンはL字手すりより低い位置に。壁にはL字手すりが取り付けられ、非常呼び出しボタンは低い位置にあって先に気分が悪くなってしゃがみこんでも押せるように配慮されていた(外から解錠できるのかな?)。トイレ内の洗面台にも消毒剤とペーパータオルが完備。


受付・問診

3つの確認とタッチパネルを使った問診は食事前に済ませた。普段だとここでセルフで血圧測定となるのだが、ここでは医師による測定だった。Oi Electricの無線呼び出し機が鳴って医師問診へ。ヨウ素アレルギーの有無など簡単な問診に続いて血圧測定。1回目は収縮期血圧が140を超えてしまったところ優しく「測り直しましょう」と言われ、深呼吸をして心を鎮めたところ117に。これには医師もびっくり、二人して笑ってしまった。ちなみに許容される上限値はいくらか聞いたところ、チェックしているのは最高血圧が90mmHg以上あるかだけだという(さすがに180超とかであれば見合わせるとも)。そういえばどこかの献血ルームの血圧測定器のそばにお断りする数値は書いてあったな。

住所が県外であったり前回が静岡県であったりすることに気づかれたので献血ルーム巡りをしていることを説明。すると、ここのナースは優秀で、と誉め始める。献血者からの評判も良いとかで、聞けば転出してからも県外から通ってくる人もいるとか。

事前検査

続けて事前の血液検査。ここのナースは紫色の手袋着用。血球数は合格で「血小板を」。続けて「お時間は」と聞かれたので早手回しに「20単位ですか?」と聞いたらこれは外れ。このときの説明では20単位取るには数値が足りないとのことであったが、後日届いた検査結果を見ると20単位取られたときと遜色はなかったので謎。

雑談をするのは献血者が少ないからかと思っていたら、その間に遠心分離もしており、血漿と血球がきれいに分かれたので合格(乳ビにならず安堵)

(未完)

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2017/03/27

献血ルーム巡り19(静岡県・献血ルームあおば)

いろいろあって間のあいてしまった献血ルーム巡り、第19回は静岡市にある献血ルーム・あおば。前日の22日に電話をして空いていることを確認し、乗用車で赴いた。

献血ルーム・あおば

まずは施設概要。

所在地
静岡市葵区七間町8-20 毎日江崎ビル6階
アクセス
JR静岡駅北口より徒歩約15分
提携駐車場に限り、駐車券提供
受付時間
全血献血 10:00~13:00/14:00~17:30
成分献血 10:00~12:00/14:00~16:30
ベッド数
16
ロッカー
45
自販機
飲料2台(紙コップ式)
新聞・雑誌類
新聞および週刊誌(ラック2面)
DVD(棚4段)
大判雑誌(棚4段)
コミック類(棚8段)

こちらもGoogleストリートビュー(SV)で内部を見ることができる。

しかしGoogleマップは、「自動車で行くなら東名高速の清水ICで降りて」という不適切な情報で惑乱させてくれたので恨みがある。1つ先の静岡ICまで行った方が早く着けた!(280円高くなる) でもまぁ、午前の受付時間終了ぎりぎりに間に合ったので許す。カーナビの指示に従わなかった(降りろと言われないのにICを降りた)私にも非はあるし。

受付・問診

とにかく12時前に受付をしないと2時間待たされる、というので息せき切って飛び込んだのが11時50分頃(駐車場の入庫時刻が11:46)。カウンターの中には女性が一人。献血カードを渡し、3つの同意事項(副作用に関するもの、健康などに関するもの、研究利用に関するもの、で合ってるか?←うろ覚え)の確認。書類の更新日を見て、前回と同じだから読まなくても理解という態度でいたら、明確な承認を求められた。これは受付の女性が正しい。

荷物をロッカーに入れ、セルフで血圧を測るよう言われたが、自然の呼声が強かったため、いったんトイレへ。戻ってから血圧を測ると、膀胱を空にし、深呼吸をして緊張をほぐしたにも関わらず、上がI度高血圧の領域に入っている。しかし見咎めれることなくタッチパネルでの問診へ。今までなかった回答ミスがあって嫌な感じ。受付番号は13番。平日昼間はやはり少ない。待合室で水を飲んで待機(万一、検査などで弾かれると−−過去に経験がある−−〈飲み逃げ〉になるので決定するまでは遠慮)する。

トイレ

ドアに貼ってある「献血後のトイレは坐位にて行ってください。」というお願い。

トイレはビル共用で、これは前橋などと同じだが、今までと違い、気分が悪くなったときのための非常呼び出しボタンも「男性も採血後は座位で」という注意もなかった(献血ルームのドアには貼ってあることにSVを見て気がついた)。便座クリーナーを備えていても、L字手すりもベビーキープもなかったのは公共の建物として問題だと思う。隣のテナントは放送局(株式会社シティエフエム静岡の「76.9FM-Hi!(エフエム ハイ!)」)だし。

検査・心電図・医師問診

呼び出されて事前検査用の採血。続いて前回の測定から1年が経過していたので心電図をとる。電極をつける看護師が胸にある掌大の発赤に気づく。長い付き合いなので意識の外にあったけど、そういえば湿疹ぽいのができている。申し送りを受けた医師が診て問題なしとされたので成分献血確定。看護師は恐縮していたが、現場は注意深い方が良い。

採血

献血事業は日本赤十字が行っているが、やり方は各県赤十字、また各献血ルームによって微妙に異なる。着目点の一つが看護師の手袋。医療用の手袋を着用している場合が多いのだが、中には使用しない看護師や、指先の触覚を重視するのか先端を切除した手袋を使用する看護師も見たことがある。某センターでは、担当したのが手袋もつけなければ手指消毒もしない看護師でハラハラした経験も(とはいえ、無菌操作のベテランはブンゼンバーナー1つで完璧にこなし、不器用な学生は無菌箱を使ってもコンタミさせるので、これだけではなんとも言えない)。で、この献血ルーム・あおばの皆さんは、なぜか片手にだけ紫色の手袋をつけた人が多かった。そして手指の消毒はこまめに行なっていた。半袖の職員が多いことに気がついたが、今まではどうだったかな?

採血ベッドは8番(番号はベッドに大きく表示)。靴を脱いで上がったが、ふと気づくと14番のベッドの男性は靴を履いたままだ。一方、5番の女性は靴を脱いでいたし...謎だ。ベッドテーブルの上には普通「レッグクロス運動の案内」とか献血後の注意事項とかが載っているのだが、ここではなし。腕を温める温パックも握り棒もなし。始めたのが12時半近くだったためか、採血中に「まだ時間がかかりますから」と待合室の自販機から飲み物を持ってきてくれた(ホットココアを所望)。そういえば柿田川でもベッドに飲み物を持ち込めるようカップホルダーが用意されていたっけ。

今回の提供は血小板。特に断りもなく、またカルシウムウエハースもなかったので10単位だろう。約50分で終了。血圧測定は看護師が直々に。収縮期血圧は低すぎず高すぎずの112という値に「普段からこれなら」と口をつく(拡張期血圧は失念したが70台だったか)。消毒用ヨウ素を拭うのはハイポ。

採血を終えて

献血と書かれた看板を持つ「けんけつちゃん」と、血液型の書かれた4つの風船を持つ「ナース・キティ」と「クロクマ」が並んだクリアファイル

13時を過ぎると全血献血の受付も終わり、ルームの中のドナーは私一人。受付の女性も休憩に入ったのか、献血カードを返してくれたのは男性の、おそらく管理職。記念品は歯磨きとボールペンと鼻セレブから1択(PILOTの2色ボールペンを選択)、それにクリアファイル。これはNurse Kitty ×Kenketsuchan ×Crokumaというまったくクリア(透明)でないファイルだが、好きな人は喜びそう。

駐車券は2時間分。静岡県赤十字のポイントカードは持っていたが提示しなかったところ新しく作ってくれた。前回の2ポイントと合わせて5ポイント(今回1ポイント多いのは午前中の受付だったから)となり、10ポイントが現実的になったのでにわかに意欲が出る。次はちゃんと予約しよう。

この日はタッチパネル問診で「薬を飲んできた」と回答したり、終了後に休憩室で何を飲んだか記憶になかったり、ルーム外観の写真を撮り損ねたり、いろいろと調子が変だった。街中でゆっくり食事をするつもりだったのに、ナビに誘導されるままに高速道路に入ってしまうし... さすがにすぐ日本平パーキングエリアに入って昼食にしたが、このときも箸を取り忘れる、箸を取って席に戻ってから卓に酢も醤油もないことに気づいてまた配膳口に行くという間抜けっぷり。しかし幸いなことに無事帰宅できた。次の浜松はJRを使うのが賢明か。

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献血ルーム巡り18(静岡県・柿田川献血ルーム)

献血ルーム巡りはいよいよ静岡県に着手。実は去年(2016年)の11月18日に済ませていたのに、なぜか記事にするのが遅れに遅れた。というわけで大急ぎで。

柿田川献血ルーム

まずは近いところから、というわけで三島市の隣、駿東郡清水町にある献血ルーム 柿田川に向かう。施設の概要は以下の通り。

所在地
駿東郡清水町伏見58番地の26
アクセス
JR三島駅よりバスで約12分
自動車の場合はサントムーン柿田川駐車場を利用
受付時間
全血献血 10:00~13:00/14:00~17:30
成分献血 10:00~12:00/14:00~17:00
ベッド数
12
ロッカー
小型24、中型13
自販機
飲料1台(紙コップ式)
書籍類
書棚6面(ほとんどコミックだが雑誌とDVDも)

新しい感じの明るくて清潔な印象のルームである。なんとGoogleストリートビュー(SV)で内部を見ることができる(上記の概要のうちいくつかはSVで確認)

実はこれ、次の献血ルーム・あおばへ行った記事を書いていて気がついた。なお、SVで建物の上階に進みたければ、階段やエレベーターを虚しくクリックするのではなく、画面右下にある数字が階数を示しているのでそれをクリックするということは今知った。

湧き水へコインを投げ入れないで、というお願い立て札

この日はカーナビが旧いことを失念したためインシデントに巻き込まれ、午前中の受付終了時刻(12:00)に間に合わなかった。そのため柿田川公園を巡り、サントムーン柿田川(看板のロゴを見て分かったが「太陽sunと月moon」である!)で昼食(血液が乳糜状にならぬようツナと大根のパスタを選択)を済ませたが、それらの詳細は割愛。

受付・問診

14時を待って入室。手続きはいつもと同じ。ちょっと変わっていたのが問診用タッチパネルで、大概のところは斜めなのだがここはほぼ水平に置かれていたSVで確認できる)。そして、そのために画面の「いいえ」と「次へ」の部分は他と反射が異なることに気がついた。頻繁にタッチされてすり減ってしまったのだろうか?

セルフの血圧測定結果は収縮期が149という不本意な値。息せき切って駆け込んだ直後なら分かるけれど、今回はしっかり休憩した後だというのに! が、受付嬢は「大丈夫です」と。受付番号(手首に巻かれる紙テープに書かれている)は29。

事前血液検査と医師問診も問題なく進み、湯たんぽの入ったアームカバーのような袋で腕を温められる。採血の用意を待つ間にトイレチェック。

トイレ

並んだ小便器の間の壁に取り付けられた非常呼び出しボタンは膝ほどの高さに。

トイレはビルの共用部なので献血ルームの外。男女は別れており、自動水栓とペーパータオルが備えられていた。男性に座位を促す注意書きはなかったが、朝顔の間にある非常呼び出しボタンの位置は低く、しゃがみこんでも押すことが可能。一方、個室にL字手すりは備わっていなかった。

20単位

休憩室に戻って待っていると看護師がやってきて「1時間かかっても良いですか?」と問う。構わないと答えると「いま機械を用意するので、これを飲んで待ってて」とカルシウム飲料を渡された。機械が足りなくて遅い旧式機を引っ張り出すのかと思ったが、違う、20単位だ!

奥のベッドへ案内され、靴を脱いで上がる。折を見て20単位かと聞くと、血小板が多いからと認め、ウエハース大宮献血ルームでの高単位血小板献血参照)持ってきますか、とも。

レッグクロス運動は5秒×5回×2がワンセットと今まで聞いていたのよりハードな説明。やっている途中で回数が分からなくなるので適当に。およそ65分で終了(15:45)。

採血を終えて

定番の「お願い!」や「今一度、ご確認をお願いします!」(検査をすり抜けやすいハイリスク行為に心当たりがあったら今日中に匿名電話をくれたら黙って捨てます)や「同意書」に加え、記念品(3択の中から筆記具を選択)とポイントカードを貰って辞去。

予定より遅くなっていたので感傷旅行は取り止めて真っ直ぐ帰宅。やっていたら交通事故とかのろくでもない目に遭っていたかもしれないし、心の奥底に仕舞っておくのが正解。でも丸正事件の現場は回っても良かったかも。

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2016/08/06

献血ルーム巡り17(群馬県・前橋献血ルーム)

一昨年から始めた献血ルーム巡り、群馬県の最後は前橋献血ルーム

受付・問診

今回も八高線を使ってゆったりと行った。成分献血はやや余裕ができているのか、受付は午前中のみと言われたので11時過ぎを予約してある。入居している大同生命ビルはとても目立つため、まったく迷うことなく到着。

受付で予約である旨を告げて献血カードと群馬県赤十字のポイントカードを渡す。カウンターの向かいにあるロッカーへ荷物を入れてから本人確認。右手に巻きつけられた紙テープを見ると受付番号は10番。次は図書コーナーの前に行って血圧のセルフ測定。上が146とかなり高いのが気になる。今回は列車でゆったりと来たし、迷うことなく辿りつけたので異常に上がるような要素は何もないから悔しい。あまり悔しいので採血を待つ間に測り直したら138/93になっていた。

恒例の確認に続いてタッチパネル問診。画面の指示は「終わったらICカードを抜け」だがカードリーダーのところには「抜かないで係員を呼んで」と。こういう矛盾は人を混乱させる。無線呼び出し機を渡され医師問診を待つ間に自販機で温かい飲み物を選ぶ。ホットアクエリアスもあったが、まずはホットカルピス(なぜかミルク入り)

問診医はやや高齢の男性。前回の献血地と住所を見て怪訝な顔をするので「まわってます」と説明。「ここの献血ルームはどうですか」と聞かれても返事に困る。献血者の少ないことを気にされているようなので、平日ならこんなものでしょうと慰めた。

続けて検査採血。紫色の手袋をつけたナースがリストバンドの番号を確認してバーコードラベルを貼付。消毒薬はエタプラスとイソプロパノールを併用。今回は採血用の右腕に温パック、ということはなかった。検査結果は良好で血小板を提供することに決定。

トイレ

共用の男性用トイレの扉に貼られた注意書き。「採血直後は、脳貧血防止のため、座位でお願いします。」「座位」の字が強調され、便座のイラストも。便座左の壁にペーパーホルダーが2つ。その右上に非常呼び出しボタン。20センチメートルほどの紐が下がっていて床に倒れてしまっても人を呼べる。トイレの中で無線呼び出し機が鳴るので見たら圏外でエラーの表示。朝顔(小便器)の上の壁にも「座位で」という注意書き。非常用呼び出しボタンはない。

いったん待合室に戻されたのでトイレ探索。「外にあります」という掲示通り、エレベーターホール脇の通路奥、やや分かりにくいところにあった。男性用トイレの扉には「座位で」という注意。入ってみると自動で照明がつく。朝顔1に個室1という構成。

個室の非常呼び出しボタンは紐もついているので、腰掛ける前に気分が悪くなってしゃがみ込んでしまったとしても手が届く。しかしL字手すりは付いていない。全体に狭い感じで、ベビーキープもなし。

ちなみにトイレは無線呼び出し機の圏外。

朝顔の上にも「採血直後は、脳貧血防止のため、座位で」という注意(便座の絵が描いてあるのは「座位で」が通じないことを考慮しているのか)。「注意はしたからな」という訳でもないだろうが、迷走神経反応を起こした場合の非常呼び出しボタンはない。

採血

無線呼び出し機が鳴動したので停止ボタンを押してから採血室へ。上下を薄いピンク色で決めたナースに呼び出し機を渡し、10ある採血ベッドの7番目に靴を脱いで上がる。ベッドもしいて言えばピンク、タオルもピンク、部屋の隅に見えるカーテンもピンク、なんと無線送信機のケーブルまでピンクというピンク尽くし。しかし天井は高崎駅献血ルームとは違って殺風景な蛍光灯。

穿刺前の消毒はエタノール綿で入念に5回清拭(3回のところが多い)し、その後ヨード塗布。針が心持ちぶっとい様な気もするけれど、そんなことはあるまい。手際良く刺されて採血開始。4サイクルでおよそ50分とのこと。採血している腕だけでなく上半身にもバスタオルをかけてくれた。

途中でメニューを差し出され「お飲み物はいかがですか?」。そういえば前回は注文を聞いただけで持ってこなかったなぁと思いつつ、それなら来なくても悔しくないようにとホットアクエリアスを選択。ところが今回はちゃんと来た(運んできてくれたのは受付にいた女性)。そしてこれがホットもホット、とても熱い。マクドナルドで出したら訴訟になりそうな熱さ。こぼしでもしたら大変なことになる、といったんはテーブルに戻すが、なんとなくまた手にとってフーフーしながら一口二口。事故というのはこういう時に起こるんだなぁと思いながら無事飲み終わる。

12:20ころに終了。テーブル上の砂時計が倒置され針が抜かれる。ここでもヨード除去はエタノール綿。血圧を測定すると上が120で下が80ちょっと。「これを読んでください」と渡されたのは採血中にするレッグクロス運動の説明(だけではなくて当日の過ごし方などの諸注意)。終わってからも2セットやるように書かれていたので真面目にやろうとしたが、(5秒+5秒)×5×2が1セットという複雑さなので、途中でどこまでやったか分からなくなった。砂時計も落ちきったので「ま、いっかぁ」。ハイリスク行為に心当たりがあれば匿名で血液を廃棄できるという「今一度、ご確認をお願いします!」を受け取って退出。

記念品とか

渡されたフォルダを受付に戻ししばし休憩しているとカウンターの女性が色々もってやってきた。まず献血カード、それから新しいポイントカード(前のはスタンプがいっぱいになった)を受け取る。それから同意説明書の類。その次がややこしい。献血記念としてロールペーパー1巻か17アイスクリームを選べるという。ロールペーパーはまだあるのでアイスクリームを希望すると、今度は平日予約のポイントカードがいっぱいになったからハーゲンダッツアイスクリームが選べる、と。えー、アイスクリーム2つですか、と思ったら17アイスクリーム(待合室に自販機がある)はコイン引換券にできるという。よく分からないまま引換券(どこで使えるの?)とカップアイスの現物をもらう。

袋に入った7センチメートル×7センチメートル×23センチメートルほどのパン。取っ手のついた幅15センチメートル、奥行き10センチメートル、高さ9センチメートルの赤い紙箱

また協賛企業の提供だろうか、「天然酵母のソフトパン」を1本、さらにポイントカードがいっぱいになったというのでハニードーナツ1箱(80グラム)を頂戴する。やはりカードのポイントには執着しないのが賢明か。


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2016/07/21

献血ルーム巡り16(群馬県・高崎駅献血ルーム)

前回、太田献血ルームで想定外の400mL献血をしたために間があいてしまった献血ルーム巡り。群馬県2か所目は高崎駅献血ルームHarmony

血小板は不足気味?

群馬県赤十字血液センターではベッドの空き具合を複数回献血クラブにも載せていない(また、たとえば茨城県赤十字血液センターではウェブで各ルームの予約状況を公表しているがそれもない。)。そこで念のため前日電話で予約を申し込むと「平日血小板献血ですねっ♪」とえらくハイテンション。400mL全血にならなくて良かった。関東甲信越地域の献血状況を見ると成分は全型「困っています」なのに対し、400mLはいくぶん余裕がある(型によっては「困っています」だが、名乗る前なので向こうはこちらの血液型を知らない)。ちなみに「困っています」の状況がさらに悪化すると「非常に困っています」となる。そうなると2月に経験したようにハガキや電話で個別に要請するようになるのだろう。ともかく7月7日正午の予約をした。

ちなみに以前から疑問だった「血小板にABO式血液型は関係ないのでは?」については、血小板製剤にはABO式血液型が影響する血漿が含まれているということで解決した。

八高線は切り欠きホーム

さて鉄道を使うか自家用車を運転していくかで迷ったが、駐車場に関する記述に疑問があった(「利用可能です」とはあるが、自転車・バイクと異なり料金を負担するとは書いてない)こともあり、鉄道を使うことに。新幹線を使えば東京駅からでも1時間弱だが、八高線を使ってみた。奇妙な名前に聞こえるが王子と崎を結ぶから八高線。久しぶりにディーゼルカーというものに乗った。

八高線の車内。ロングシートとカーテン八高線の車内。ボックスシートとカーテン。後方上部に吊り革。
列車は二両編成でトイレ付き。トイレは入ってみなかったので詳細は分からないが、水郡線のように車イスでも入れるタイプではなさそう。座席はボックスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシート、ボックスシートは1-2の3アブレスト、つまり一人がけと二人掛けの組み合わせ。窓の日除けはブラインドではなくてカーテン、それもしっかりとした厚みがある。吊り革は持ち手の部分が三角形でかつ窓に対して直角(以前の電車は、乗客は進行方向を向いて立つという前提で、持ち手の輪は窓に対して平行だったが、実際には乗客は窓を向いて立つので吊り革を自然につかめるよう今の向きになった)

右は2番線、左は4番線のホームを100メートル進むと3番線になるという案内番線を示すホームの標識は4,3,2と並んでいる
高崎駅に着くとホームが狭い。しばらく進むと切り欠きホームということが分かった。降りたときは逆方向で気づかなかったが、迷う人が多いのだろう、郡山駅の水郡線ホームと同じ奇怪な案内表示が大きくなされている。1時間に1本しか列車がないため、念のため時刻表を撮影する。

献血ルームHarmony

2階エスカレーター脇の3つも出して努力はしているが目立たない案内改札を出ると、そこはイーサイトの2階。献血ルームは3階にあるのだが、階段もエスカレーターも見当たらない。普通、エスカレーターは売り場の中央にありますよね。店内をうろうろと歩きまわり、建物の隅にようやく発見。3階は献血ルーム、高崎市民サービスセンター、パスポートセンターだけで売り場がないから地味なのか。初めからそういう設計?

献血ルームの入り口は両開きのガラス扉窓からの眺め。青空の下、駅前から片側3車線の道路がのびている。
エスカレーターで3階に上がると正面に献血ルーム。扉を開けるとこれまた正面に受付カウンター。予約であると名乗り献血カードを渡す。住所申告と静脈認証で本人確認。体重を訊ねられた時はしばらく計測していなかったので内心慌てたが「だいたいこんなところ」を入力。同意事項などの確認は、質問事項を書いた紙の更新日が前回献血日より前であることだけ確認して(ときどき内容が変わるから油断ならない)「はい」。リストバンドの番号は13番。無線呼び出し機を渡されて、まずは血圧のセルフ測定。145と高いのが気になる。続いて食事時刻と睡眠時間を聞かれてからタッチパネル問診。合間に窓から外の風景を撮影。

一応仕切られた小部屋での問診は男性医師。タッチパネルでの回答をいくつか確認してすぐ終了。「待っている間に温かいものを飲んでください」と言われたので待合室に戻ると自販機でオニオンスープを選択。フーフー言いながら飲んでいると呼び出し機が鳴り、慌てて検査採血へ。

リストバンドの番号を確認され、バーコードを貼付される。ここのナースは紫色の手袋を着用。左右の血管を確認し、本採血に使う右腕には温パックを巻きつけられ、左腕の正中皮静脈から検査採血。あれ、上手だな、ほとんど痛みを感じない。検査結果はすぐに出て血小板を提供することが確定。

トイレ

トイレを済ませて待て、と言われたものの駅で済ませたばかりだからと無視して待合室で座っていたところ、カウンター内の女性がわざわざ出てきて「トイレは外にあります」と教えてくれた。申し訳ないので偵察がてら用をたすことに。

トイレ個室に入ると左側に便器。座ると左側に来る奥の壁にはL字手すりや非常呼び出しボタン。水を流すときは非常ボタンの隣のセンサーに手をかざす。トイレ個室に入ると右手奥にベビーキープ。正面壁の低いところに非常呼び出しボタン。小便器のそばに非常呼び出しボタンはない
外に出てエスカレーター脇の廊下を進むと手前に多目的トイレ、その奥の入口をくぐると右が女性用、左が男性用のトイレ。男性用は朝顔2に個室1。個室の中に赤ん坊を座らせておくベビーキープがあるのは今や標準? しかし手かざし式フラッシュはアクセシブルだろうか(「L字手すりの横棒の終端上」のように場所が統一されていればまだしも)。それと温水洗浄便座でないのがちょっと残念。一方、非常呼び出しボタンはペーパーホルダーの上と床近くと2つあって感心(しゃがみ込んでしまうと手の届きにくいボタンはたまに目にする)。なお、小便器のそばには「気分が悪くなった方はボタンを押して職員をお呼びください」とステッカーが貼ってあるものの肝心のボタンが無い。なんたる手落ち!と思ったが、よく見ると先に「脳貧血防止のため、座位でお願いします。」と書いてある。つまり①座って用を足せ、②個室で気分が悪くなったらボタンを押せ、ということのようだ。紛らわしい。

採血

無線呼び出し機が鳴ったので慌てて戻り(今回はどうも忙しない)採血室へ。11?ある採血ベッドの10番に靴を脱いで上る。テレビはさっさと消して周囲を観察。天井には星空を模したような電飾。テーブルの上には砂時計(太田献血ルームにもあったから群馬県赤十字の方針か)。レッグクロス運動の説明はA型看板というか受付サインプレートというか、要するに三角柱を横にした物で提供されていた。よそと違って、血液を返送中は足首の屈伸、採血が終わったら足を重ねて上下から押し合う(これが一般にレッグクロス運動として説明されている運動)とある。4サイクルで1時間ほどかかると告げられたけど、えーっとレッグクロス30分?

最後の返送が終わるとナースが来て砂時計をひっくり返す(終了後5分は座っていろということ)。針を抜き、ハイポ(チオ硫酸ナトリウム)ではなくエタノールでヨウ素を拭きとり、包帯を巻いて「1時間そのままに」。血圧を測ると126/73と、初めからこうなら文句ないという値。砂時計が落ちきったところで「取り消すなら今日中に」といういつもの紙とカルテや試料の入ったフォルダを渡されて退出。

終了後

待合室に戻り、フォルダをカウンターに渡し、「お願い」はかばんを入れてあるロッカーに放り込み、時刻を確認して休憩開始。採血室待合室それぞれ3人程度と、とても閑散としている。平日だからやむを得ないか。そういう訳で平日に予約して成分献血をした特典としてアイスクリーム券をもらえた(イーサイト2階にある31アイスクリーム)。ちなみに福島県の献血ルームには17アイスクリームのベンダーがあったけれど、ここにはない。記念品?はなぜかロールペーパー2巻とスマートホンクリーナー。ポイントカードも貰ったが、正直なところ群馬県はあと前橋ルームに行って終わらせる予定(でも、そういう事は言わない)。次回は7月21日以降。

所定の時間を経過したので退室し、まずは昼食。1階のイートインに吉野家があったが、メインは牛丼ではなく蕎麦なのでカレー蕎麦を食す。

デザートがわりに31アイスクリームを食べ(コーンタイプは暑さでみるみる融けて難儀)、ヤマダ電機をひやかしてから高崎駅へ。郡山駅の水郡線ホームへ向かうような不思議な案内に導かれて八高線ホームへ。

とても暑い日だったので、途中で薬局に立ち寄り500mLのヴァームウォーター(安売りしているところが多い)を買って飲みながら帰った。

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2016/07/14

血小板の血液型?

ABO式血液型は赤血球の表面にある抗原によって決まる。だから血小板には関係がない。にもかかわらず、成分献血の現場ではABO式血液型毎に足りるとか足りないとか言っている。不思議には思っていたが、深くは追究しないでいたところ、次のようなツイートを目にした。骨髄移植後の患者にはAB型の血小板が必要だ、と。

どういうことだろうか? そこで時間のあるのを幸いに調べ始めたところ、思いのほか簡単に理由が明らかになった。

ググって見つけたのは福井大学医学部附属病院輸血部のウェブページ。おお、これはプロだ。「輸血Q&A」の質問18の回答を見ると次のように書いてある。

血小板はHLAクラスI抗原や血小板同種抗原を持っていますが、赤血球に発現されるいわゆる血液型物質A,B抗原はあるけど微量のため無視できます。従って、抗Aや抗Bの存在を考慮する必要がありません。

ふむ、血小板にABO式血液型に関与する抗原は、あることはあるけれど考慮する必要はないと。私の抱いた疑問はだいたい合っていた。ではなぜ骨髄移植の場合にAB型血小板が必要になるのか。

しかし、血小板製剤は血漿をかなり含んでおります。赤血球の寿命は120日ありますので、移植後も当分の間は患者の赤血球が残っております。骨髄移植後は頻回に血小板輸血が必要になることが多いので、マイナーミスマッチの時には血漿中の抗A、抗Bが問題となります。

「血小板製剤は血漿をかなり含んでおります」で膝を打った。使うのは血小板そのものではなくて血小板製剤。A型の人からの血漿にはB抗原に対する抗B抗体が、B型の人からの血漿にはA抗原に対する抗A抗体が、そしてO型の人からの血漿には抗A抗体と抗B抗体の両方が含まれている。したがって受血者の赤血球と供血中の抗体が反応するマイナーミスマッチが起こりうる(他方、供血中の赤血球と受血者の抗体が反応するのをメジャーミスマッチといい、輸血した赤血球が壊れてしまう)。普通の血小板輸血であれば受血者と製剤の型を合わせておけば済む。ところが骨髄移植では、移植後に血液型が骨髄ドナーのものに変わることがあり、その場合、過渡期には2種類の赤血球が同居することになる(上記ツイートに「患者さんの血液型が定まるまで」とあるのはこれを指す)。その間に血漿を含む血小板製剤は何型のものを投与すれば良いのか。

対策としますと、血漿を除いた血小板(洗浄血小板)を入れればいい訳ですが、少し手間ですし慣れていないと不安です。そこでAB型血小板を使用すれば、血漿を除く必要がありません。

血漿中に抗A抗体、抗B抗体のいずれをも含まないAB型(の血液ドナーから作った)血小板製剤であれば、この問題を手軽に回避できるというわけ。

ただ、AB型血小板は手に入りにくいこともありますし、他に必要な方のために残してあげたい気がします。本来はドナーの血液型の洗浄血小板を使用すべきでしょう。自分の施設で洗浄血小板を作成できなければ、血液センターに相談すれば作成してもらえる場合もあります。

整理すると、次のようになる。

  1. 血小板そのものにはABO式血液型はないと考えて構わない。
  2. しかし血小板製剤には血漿がかなり含まれており、これは供血者の血液型を反映した抗体を持っている。
  3. 頻繁に血小板製剤を投与する場合はマイナーミスマッチが問題になる可能性があるから受血者の型に合わせた方が良い。
  4. 骨髄移植の場合、骨髄ドナーとレシピエント(受血者)のABO式血液型が異なることがあり、骨髄ドナーの血液型に変わりきる前にその型の血小板製剤を投与するとマイナーミスマッチとなる可能性がある。
  5. その場合は血漿を取り除いた血小板(洗浄血小板)を使うが、AB型血小板製剤は抗体を含まないので洗浄血小板の代用となる。

参考にした輸血Q&Aには「本来はドナーの血液型の洗浄血小板を使用すべき」とあるが、洗ってしまうなら血液型は無視して構わないのでは?という点が疑問。微量とは言え血小板にも血液型抗原が存在する場合があるからなのかな。

ちなみにこの問題、昨年に福島県赤十字血液センターで献血した際に軽く考察していた。「血漿中には血液型に応じた抗体が存在するので無視はできないのだろう」は正解。分離した血小板も血漿を含んでいる(それも「かなり」の量)を見落としたのは、名称に惑わされたというか頭が固いというか。そういえば採血基準には「血小板成分献血1回を2回分に換算」とあり、これは「一緒に血漿もいただいてます」ということなのだろうか(約400mL抜かれており、その分散媒は血漿だろう)

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2016/04/17

献血ルーム巡り15(群馬県・太田献血ルーム)

一昨年の秋から始めた献血ルーム巡りは、いよいよ群馬県へ。「複数回献血クラブ」で「よく献血される地域」を群馬県に変更。するとほどなくして血液が足りませんというメール。

ただ今、群馬県では新年度の始まりと花粉症等の影響により、献血のご協力を頂く方が激減しており、医療機関へお届けする血液の確保が厳しい状況となっております。

成分献血は全型「困っています」、全血400mL献血はAB型の「困っています」以外はすべて「非常に困っています」そこで血小板の端境期である木曜日に太田献血ルームへ行ってきた。ところが受付で「全血400と成分とありますが、どちらがお好み?」と問われ、「どちらでも。そちらが必要な方で。」と答えたところ400mLになった。珍しい。全血も不足しているの? 確かに「関東甲信越地域の献血状況」を見ると、成分献血が「困っています」に対し、全血は「非常に困っています」が多い。

しかし、年度始めは、企業をはじめ各団体において献血会場としての受け入れが難しくなるなど、献血にご協力いただける方が減少いたします。  また、4月に入ってから、B型の輸血用赤血球製剤の供給量が前年度と比べて大幅に伸びている状況が続いており、平成28年4月の赤血球製剤在庫シミュレーション(下図:4月14日時点)では、特にB型とA型の血液が適正在庫量を割り込むことが予想されております。

太田献血ルーム

太田献血ルームまでは最寄り駅から徒歩20分と遠いので自動車で行った。太田市学習文化センター敷地内のため、駐車場はゲート付き。もっとも受付で駐車券を渡せば無料になる。案内には「全国的にも珍しい単独平屋建ての献血ルーム」とあるが、なるほど献血ルームは商業施設の中、賃貸ビルの中、血液センターと同居が多い。福島県赤十字血液センターの会津出張所いわき出張所は独立建屋だったが2階建て。埼玉県の鴻巣献血ルームも、以前は平屋だったような気もするが、今は2階建て。独立建屋にするには地価が安くないと難しいが、そういうところは人口密度が低くて献血者が集まりにくいだろう。献血バスを巡回させる方が広い地域をカバーできるのだから、単独平屋建てはある意味で贅沢。

入室したがのが12時直前で、リストバンドの番号は18。待合・休憩室はゆったりとした作りなため閑散とした印象だが平日だからこんなものか(土日休日には溢れかえるのだろう)。キッズコーナーは幼児が来ていないせいだろう、片隅に寄せられていた。

トイレ

受け付けを済ませると無線式の呼び出し機を渡されて医師問診の呼び出しを待つ。その間に休憩室の奥にあるトイレをチェック。

「小便も座ってお願いします」朝顔はなく洋式便器が1つだけ。壁には小用も座位でと促すポスター。主目的は昏倒防止のはずだが、「キレイにお使い頂きありがとうございます」とあるところを見ると尿はね防止も兼ねているのか。

L字の手すりはない。操作パネルのそばに非常用呼び出しボタン。「Press this button if you feel sick」と英語の説明もついている。座位で使用していればこの高さでも問題なく呼び出せるだろう。

洗面台の鏡の下にある非常用呼び出しボタンからは先に飾り玉のついた長さ20センチメートルほどのヒモも垂れている洗面台の脇にも非常用呼び出しボタン。自動水栓なのは衛生的だけど、ペーパータオルが取りにくいのは難。写真撮影中に呼び出しボタンがなって焦る。

便座が固定されているかどうかはチェックしなかった。

問診・採血

血圧は相変わらず高めだが、医師からはお咎めなし。検査採血をする看護師は空色の手袋をし、消毒は70%イソプロパノール。止血はガーゼとテープのみで止血帯は使用せず。分析結果はすぐに出て「問題なし」。

「温かい飲み物をとってお待ちください」と言われ休憩室に戻る。自動販売機のホットアクエリアスにはご丁寧に「献血前」と書かれていたのでこれを選択。

呼び出し機が鳴って採血室に入るとリストバンドの番号を確認されてから採血ベッドへ。ここは靴を脱いで上がる。改めて名前と血液型で本人確認。アームウォーマーの上に腕を載せ、アルコールとヨウ素で消毒。針を刺して採血が始まると、レッグクロス運動を解説したシートを渡され「ずっと続けて」と指導。 「ずっと?」と思ったが全血は成分と違って速いのだ。しかし内容が以前とは若干違っていて、足を交差→両足首を伸ばし5カウント→リラックスを5回繰り返し、足を組み替えてさらに5回で1セットと複雑化している。4セットほどやったところで採血終了。看護師さんも驚く早さ。案内に従い終了後もレッグクロス運動を2セット。

終了後はそのまま5分間休憩ということで目の前に砂時計を置かれた。それから再度血圧を測定すると最高血圧は122と低下。始まりもこれくらいだと良いのだが。休憩室に戻って、今度は「献血後の水分補給にオススメ」という冷アクエリアスを飲む。

休憩室の書籍

以前、某献血ルームの休憩室に近藤誠の『がん放置療法のすすめ』を見つけて仰天して以来、休憩室に置いてある書籍雑誌にはそれとなく注意を払っている。幸いなことに「無農薬で庭づくり」とか「エアコンのない云々」といったエコでロハスな本はあるけれど、反医療系の駄本は置いていない。ちなみに近藤本を置いていた献血ルームを管理する県赤十字に問い合わせたところボランティアの寄付だった由。こういう場所を舞台に「けしからん本を置くな」という陣取り合戦みたいなことはしたくないが、さすがに医療否定本を赤十字が娯楽用に閲覧させるのは見過ごせない。大川隆法とか池田大作とか谷口雅春の本だったらどうしよう。地元の政治家だったら「政治利用しやがって」と思う反面、運営に多大な協力をしている可能性は否定できないから、これは迂闊なことを言わないのが賢明。

キャンペーン期間中ということでカシミアBOXティッシュ(ポスターでは「ティシュー」)をいただき、認証済と押印された駐車券を受け取って辞去。群馬県内で昼食をとるつもりがうっかり利根川を越えてしまったので道の駅めぬま(妻沼とかいて「めぬま」とよむ)でカレーラーメンをいただく。

直径3メートルほどの池の中央にある島から水が流れ出ているが、どう見ても石造りに似合わないビニールホースついでにバラ園に寄ってみたが、まだ花は咲いていなかった。それにしても中央にある噴水?の情緒の無さよ。

入り口のところにある瓶コーラの自販機 「ビンのコーラあります」って麗々しく看板が出ていたけど、珍しいのかな? 確かに最近は缶かペットボトルしか目にしないけど。写真だけ撮って買わず。代わりにパーキングエリアで奥会津産の天然炭酸水を飲む。

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2016/03/21

献血ルーム巡り14(埼玉県・大宮献血ルーム)


一昨年の秋から始めた献血ルーム巡りは、昨秋埼玉県に回帰して鴻巣献血ルームで全血400mLを提供したためしばらくお休みしていたところ、埼玉県赤十字血液センターから「血小板が足りません」と成分献血を依頼するハガキが。そして追いかけるように電話でも依頼が来た(実は2月にも電話をいただいたのだが、折悪しくステロイド軟膏を使ったばかりで不適格に)。そこで14日の月曜日に大宮献血ルーム「ウエスト」へ予約を入れてもらった。血小板製剤は有効期間が4日間と短く、週の後半には土日に仕入れた在庫が底をつく。そのため水曜の献血者には優待を設ける献血ルームもあり、私も可能な場合は水木金に協力していたのだが、月曜から来てほしそうだったのでそれに従った。いったい、どれだけ不足しているんだ?(関東甲信越地域の献血状況はネットで公開されている。)

高単位血小板献血

大宮献血ルームウエストはJR大宮駅に近く、また近隣には契約駐車場も多い(受付時に駐車券を渡すと帰りに時間分の無料サービス券をもらえる)。渋滞や混雑を考えると、また帰りの安全も考慮すれば、公共交通機関を使うのが賢明だろう。

入居している建物DOM PART3の入り口はとても分かりやすく、自動車で通過しつつ視認できた。専用エレベータで5階に行くと受付があり、問診や採血は6階で行われる。受付で荷物を預け、型通りの同意(1.献血に伴う副作用について、2.個人情報の取扱いについて、3.血液の検査等について、4.血液の有効利用についての4項目と電子パネルを使った問診。血圧測定はセルフ。上が130を超えたので「まずいっ!」と思ったが、そばに書いてあった献血できない血圧はずいぶんと高めで、実際カウンターに恐る恐る差し出してもすんなり受理された(こっそり測り直した2回目は152/100mmHgとさらに高かったので握りつぶし)。検査採血と医師による問診は6階で。こちらも問題なくパスし、血小板20単位を提供すること(高単位血小板献血)に。以前にも20単位提供した記憶はあるが、たいていは10単位なので今回はその2倍。成分献血では必要な成分(血小板とか血漿)を遠心分離し、赤血球は体内に戻すのだが、その際、遠心前に添加した血液凝固防止剤(クエン酸ナトリウム)も一緒に入ってしまい、血液中のカルシウムをキレートしてしまう。20単位の場合は身体に戻る凝固剤の量も多くなるのでカルシウム入りのウエハースを食べておいてと渡される。

さすが埼玉県内最大の献血ルールというだけあって、採血ベッドが推定24台。20単位採れるのは新たに導入した機械らしい。それでも通常の成分献血より時間がかかり、周りのベッドは全血なのか血漿なのか、とにかくどんどん入れ替わっている。

PC Premium Club

ここでもレッグクロス運動の指導はなし。なんか面白いものはないかとテーブル上のパウチシートをめくっていたらPC Premium Clubなるものが。すると看護師さんが来て「後でご説明しようと思っていたのですが」と解説を始める。

つまり献血協力者が年々減少しており(従来の協力者も年齢制限や持病などでリタイア)、少子高齢化で需要は増えるのに供給者が増える見込みが無いので、血小板20単位を提供する「高単位血小板献血」協力者を募集している、と。あらかじめ登録しておいて、医療機関から要請があったら連絡するので協力してね、と(ええと、今回は登録してないけどハガキと電話で依頼が来ましたが)。血小板は寿命が短く、採血後、血液製剤としての有効期間はわずか4日間だから、という事情はすでに書いた通り。そして20単位採血すると2人の患者に提供することも可能なのだが、「高単位血小板献血にご協力いただくことができるのは、血液中の血小板の数が多いなど、さまざまな条件を満たした、大変希少な方」という事情がある。

今は献血ルーム巡りの最中だからここにはもう来ないだろうと説明はしたが、埼玉県内ではまだ川口駅献血ルームには行くと思い直して登録することに。会員カードを提示して何回か高単位血小板献血をすると記念品をもらえるそうだが、血液無償の原則の縛りのせいだろうか、とてもショボイ。もっとも、別に物が欲しくて協力しているわけではないから気にしない。なお、ネット上には情報が見当たらないのでカードの画像を載せておく。

左が4人のけんけつちゃんの描かれたカードのおもて面、右が職員が名前を書いた裏面

トイレ

恒例のトイレチェックも忘れずに。もっとも5階と6階の2か所にあったので一方のみ。

男性用小便器脇の高さ1メートル半ほどのところにある非常呼び出しボタン 気分が悪くなったときのための非常呼び出しボタンはあるけれど、位置が高い。しゃがんでしまったらもう押せない。

個室内の非常呼び出しボタンはドアのそば、高さ1メートルほどのところにあり、その上部にはポスターが 個室内のボタンは妥当な位置に。ルーム内はいろいろ掲示してあるが、あまりたくさんあると見てもらえない。トイレ内なら確実に見てもらえる? 「誕生月に献血したらプレゼント」だそうで。

壁に取り付けられた便座クリーナー便座除菌スプレーが備えられていたが、どうやら空になっていたようだ(操作法が悪かったのかも)

乳児を座らせられるベビーキープ荷物置きに使ってしまったが、これはベビーキープ(赤ん坊を座らせる)。右に見えているのはL字手すり。

なお、トイレはいずれもエレベーター前の、職員の目の届きにくい場所にあり、非常ボタンを押せないまま中で失神したりすると発見は遅くなりそうな印象。

駐車券

3時間分の無料駐車券をもらったけれど、ゆっくり休憩すると追加料金が発生しそうだったので早々に退散。実際、停めた位置に戻った(駐車位置を忘れて彷徨った)ときには残り10分になっていた。

私たちは、忘れない

帰りにもらったミネラルウォーターは日本赤十字謹製「私たちは、忘れない」。あの日、「血液が不足するぞ」と酒断ちをして東北各県の血液需要を調べたものの、なかなか「不足」とならない。輸血の必要な重傷者はほとんど出ず、遭難した人はみんな死んでしまったらしいと気づいて慄然。さらに各血液センターはウェブを更新する余裕もないのではと懸念した(宮城県・岩手県・福島県の各血液センターは11日朝を最後に更新が止まっていた)。14日になって宮城県赤十字血液センターのウェブは更新されたが「宮城県内の献血ルーム、献血バスでは献血の受付をすることはできません。」(幸いなことに他県から供給があり、17日に閲覧すると「県内で使用する輸血用血液は、お蔭様で不足なく安定」となっていた)。結局、被災地の献血ルームを回りだしたのは2015年になってからで、宮城・岩手・青森・千葉は未踏。

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2016/02/11

米を食べて、治す・予防する

フェイスブックで教えてもらった講演会「知らないではもったいない!!! 米を食べて、治す・予防する研究が進んでいる」(PDF)に行ってきた。

以前、石浦さんの講演を聞いたことがあるのだが、セロトニンレセプター(の数だったかタイプだったか)がその人の好奇心の強さと関係があるようだという話をしてから聴衆に、今はデータの集積中なのだが検査に協力してくれる人はいますかと問いかけ、手を挙げた人に「あなた方は好奇心の強い人だからサンプルとして偏ってしまう」というようなことを言われたのが記憶に残っている。

小島さんは去年BLOGOSに「非科学的な遺伝子組み換え作物論争に終止符を!」というインタビューが掲載されていた人。『誤解だらけの遺伝子組み換え作物』の編集人でもある。

第二部のバネル討論は盛り上がりを見せたけれど、終わってすぐに神保町にある和亭『なにわ』の創業40周年感謝フェアへ行って八海山に溺れてしまい、翌日はコピスみよしへ行ってまたワインビールに浸ってほとんど流れてしまったので、会場で書いたアンケートを清書するにとどめる。

アンケート回答

1)基調講演について
「スギ花粉症緩和米の臨床研究における効果」どちらとも言えない
「アルツハイマー病の予防」やや満足
「健康機能性米への期待」やや不満
「メディアの立場から」やや満足
2)具体的にどの点が

「スギ花粉症緩和米の臨床研究における効果」はペプチドの作用機構が理解できなかった。

「アルツハイマー病の予防」は挑発的で結構。もっとやれ。

「健康機能性米への期待」はもう少し落ち着いてしゃべってほしい。薬に近いものを素人判断で摂取できる食品として提供して大丈夫?

「メディアの立場から」改宗者の方が信仰心は篤い。信用できる。

3)遺伝子組換えイネ等を用いた機能性作物の開発についての期待感
 やや期待する
4)具体的に

○投与が簡単。生産手法が確立していて安価に供給可能。成分が安定。新しい薬草・生薬といえる。

△効きすぎる成分を入れたものが想定外の事態を引き起こし、反動が来ることを懸念。

5)遺伝子組換え技術について
 大いに期待する
6)(自由記述)

「知識を与えれば理解される」という欠如モデルは大人には当てはめられない。

不安をもっている人の中には事実を突きつけられると怒り出す人がいる。

あまり無知をバカにしない方が良い。バカにされて話を聞こうとするのは優等生くらい。とはいえNMRをMRIといいかえたのは不満。

「健康に良いもの」として提示すれば、考えの固まっている大人も受容する鴨。海外で普及させてから逆輸入という奇策も。←「人体実験」と非難される

補足

「不安をもっている人の中には事実を突きつけられると怒り出す人がいる」というのは、昨年「誤った情報を正すための3つのコミュニケーション術」という記事で話題になった。9月のICRPダイアログセミナーで東京大の早野教授が引用したのを聞いた人もいるだろう。上記記事は全文を読むには会員登録するか雑誌を定期購読する必要があるのだが、幸いなことに公開されている最初のページにこう書いてあるのが読める。

1979年にスタンフォード大学のチャールズ・ロードらが行った画期的な研究では、人間は事実に基づく科学的な証拠によって自説の間違いを示されると、ネガティブな反応を示すことが判明した。自分が持っている考えと一致する証拠だけを受け入れるこの現象を、ロードは「確証バイアス」と呼んだ。

これは先行研究で、本題はその次。

ダートマス大学のブレンダン・ナイハンとエクセター大学のジェイソン・ライフラーは、「バックファイア効果」というさらに危険な傾向を実証している。実験では、誤りを指摘された人々はその誤認をさらに強めたという(英語論文)。

端的に事実を指摘されただけでもこうである。もし、揶揄嘲笑とともに浴びせられたらどうなるだろうか? 権威ある専門家から理解できない難解な用語や数式を散りばめた反論を受け、衆人環視の下でぐうの音も出なかったら考えを改めるだろうか? どちらも期待できないし、たぶん復讐の炎は地獄のように我が心に燃えとなるであろう(これをマイクロアグレッシブだと感じた方は、自尊心ばかり無駄に強い男が勘違いで怒り狂う歌をご教示ください)

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2015/12/01

献血ルーム巡り13(埼玉県・鴻巣献血ルーム)

昨秋から始めた献血ルーム巡り(ある野望に基づき)埼玉県に回帰して鴻巣献血ルームへ。15年11月24日に行ったものの、なぜかブログ記事にするのを忘れていた(12月1日付けでアップするが、実際の日付は2016年である)。どうやら顔本にあげて安心してしまったらしい。

鴻巣献血ルームは運転免許センターの中

埼玉県警察運転免許センター敷地内にある鴻巣献血ルーム。ここは全血400mLのみ。成分献血だと1時間近くかかるのに、400mLは10分かからなかった。なお、献血当日に運転免許試験を受けて合格した人にはプレゼント(このときはマフラータオル)が用意されている。

A型緊急、O型緊急、B型不足、AB型緊急この日はA,O,ABが「緊急」、Bが「不足」だった。「お薬服用中でも献血できる場合があります」という看板も。

「お薬服用中でも献血できる場合があります」という看板を首から下げたマスコット人形服薬中は原則として献血ができない。しかし安全率を大きくとって「全部ダメ」としていたら花粉症の季節に血液不足が深刻になってしまったという。そこで現在は薬剤の種類ごとに制限を変えている。潔癖症というのはある意味で贅沢。

受付・問診・採血

受付で全血しか受け付けていない旨を確認される。もとよりそれは承知之助(というか、6か月ほどお休みするつもりで3か月の休止期間のある400mLを選択した)

型通りの同意とタッチパネルによる問診を済ませ、無線呼び出し機とアクエリアスをもらって待機。待合室は高くて明るい天井。大きなテーブル1つと小さいテーブルが3つ、イスはベンチと合わせて約20人分。

医師問診では「酒を飲みますか」と聞かれたが、別に肝機能値に問題があったわけではなさそう。セルフ測定した血圧が151/108と高めだったためか再測定。結果は問題なし。

採血ベッドは6台。靴を履いたまま上がる。看護師の手袋は紫色。採血部位をエタノール綿で2回、ヨード綿棒で1回消毒するのは他所と同じだが、看護師の指はヨード消毒していなかった。成分と違い全血はレッグクロス運動をするまもなくアッという間に終わる。

おみやげのカップスープ。転がり防止のため「起き上がりムンク」の助けを借りる終わると鴻巣献血ルーム限定の「ぽかぽかキャンペーン」ではカップスープをくれた。(左に写っているのは「起き上がりムンク」)

トイレ

トイレにはL字てすり2014年にリニューアルしたばかりとあって、明るく清潔で、そしてバリアフリー構造。しかし手すりが必要な人が献血できるのだろうか?という疑問も。採血後の血管迷走神経反射(VVR)対策かもしれないが。ちなみに気分が悪くなったときの非常呼び出しボタンは押しやすい位置にあった。

右手の壁、手すりのそばに非常用呼び出しボタン洗浄操作パネルのそばだけど、視覚障害者は誤操作しないだろうか?

採血後のお手洗いは座位でこんな注意書きを貼るより、便座を固定してしまった方が確実だと思う。清掃しにくくなるのを嫌ってるのかな。

水道の左脇にはエアータオルエアータオル(ハンドドライヤー)が用意されている。

募金箱の列

棚に並んだ募金箱待合室の棚には募金箱が並んでいた。一見同じだけれどよく見ると、「平成27年台風18号等○○災害義援金」「平成27年台風21号与那国町災害義援金」「屋久島町口永良部島新岳噴火災害義援金」「東日本大震災義援金」「中東人道危機義援金」とそれぞれ目的が異なっていた。ただ、これだけ並べられると、特に縁でもないと選ぶのは躊躇われるし、かといって全部に良心の疼かない金額を入れるのも大変で...はい、写真を撮っただけです。orz

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2015/11/03

献血ルーム巡り12(福島県・郡山駅献血ルーム)

昨秋から始めた献血ルーム巡りは、山梨・栃木・茨城に続き、10月26日ついに福島県をコンプリートし、東北地方に橋頭堡を築いた(大袈裟な)

郡山駅献血ルーム

福島県の最後は郡山駅献血ルーム。駅構内にあるので鉄道を利用した。新幹線を使えば東京駅から1時間18分(在来線のみだと4時間超)で着く。

駅構内、ということで油断して場所を確認しないまま着いたところ、それらしき案内が全く見当たらない。通常、献血ルームは建物の外壁に垂れ幕を下げたり幟を立てたりと賑々しいし、案内表示は大きな赤十字(これを使用できるのは赤十字社など法律で認められた組織のみを使って目立つようになっているのだが。

ビル前の通りに街灯と同じ高さに掲げられた甲府献血ルームの標識たとえば山梨県の甲府献血ルーム「グレープ」は入居しているココリの前に赤十字マークを使った常設の標識が立っている。(2014年12月)

表通りに出された「旅人献血大歓迎」の看板あるいは栃木県のうつのみや大通り献血ルームは通りに幟とスタンド看板が並べてあった。(2014年12月)

ビルの壁面には2本の垂れ幕、窓には大きな赤十字で献血ルームの存在をアピール2015年3月に移転する前の水戸献血ルームは入居する建物の7階から垂れ幕が2本下がって存在をアピールしていた。6階の窓には大きな赤十字マーク。(2015年2月)

建物の前に「献血」と書いた幟が3本、入り口の両脇に「つくば献血ルーム 献血実施中」という高さ2メートル、幅70センチメートルほどの立て看板つくば献血ルームも幟と大きな立て看板を出している。もっともこれは遠目には分かりにくいけど(と、目と鼻の先で献血を呼びかけるビラを配っていた女性に「献血ルームはどこですか」と聞いた失態を糊塗)。(2015年3月)

目立つはずの赤十字マークも見当たらないところがそういったものが全く見当たらない。駅舎の外に出ても看板も幟も横断幕も見当たらない。これは困った。

駅の2階通路を突き当たり近くまで進むと隠れていた赤十字マークが見えてくる 後で分かったことだが、上の写真に写っている鉄道警察隊詰所の前まで進めば、通路突き当たりの右側に看板が見えてくる。これはとても分かりにくいので改善を希望したい。なお、オリジナルクリアファイル後述に描かれた地図を見ると、赤十字としては徒歩またはバス・自動車で来て、1階マクドナルド脇の階段を登ってくることを想定しているようだ。

近くに来ればサイネージもあって目立っている献血ルームの入り口 さて、いったん駅舎の外に出て端から走査することでめでたくも献血ルームに辿りつくことができた。入室は受付開始時刻から17分後。今回は予約をしていないので時間はあまり気にしていない。

受け付け

風除け室を通って室内に入ると左側に受付カウンターがあり、女性が二人。献血カードを渡すと「駐車場のご利用は?」と聞いてきた(駅周辺に5か所の契約駐車場がある)。ちなみに受け付けを済ませてから見ていると、後から来た人も皆駐車場の確認をされていた。

朝食の時刻と睡眠時間そして同意事項を確認されてから2台あるタッチパネルのうち1つを使って細かい質問に回答。福島県内は全血が不足しているので400mL提供も覚悟していたが、血小板を依頼される(血漿成分献血は予約限定と表示されていた)。続いて血圧のセルフ測定。85-140とやや高めなのが気になる。ここで右手に紙製のリストバンド。そこに手書きされたK-10が受付番号だが、呼び出しは名前であった(会津出張所では呼び出しは番号を使用)。番号で呼ばれることを嫌う人もいるだろうけど、プライバシーを守りたい人もいるから難しい。やはり無線の呼び出し機が必要?

待合室

ハロウィンモードに飾り付けられた広めの待合室には、平日の午前にもかかわらず、先客が数名。手荷物を入れるロッカーは右手奥に15人分あり、利用するには100円硬貨のデポジットが必要(解錠すると戻ってくる)。ロッカーに収まらないコートやジャンパー用であろう、隣にはハンガーラックがあった。

飲み物とアイスクリームの自販機が並んでおり、飲み物は無料。アイスクリームは献血後に渡されるコインを使用する。その隣にウォーターサーバーがあったので、検査で弾かれて飲み逃げになっても後ろめたさを軽減できるよう水を飲んで待つことに。

この献血ルームは新幹線の高架下にあるため、ときおり通過する列車の音と振動を感じる。だが業務には支障がない模様。自販機の横にアンテナがあるので、もしやと思いiPod touchを取り出してみるとWiFiサービス(フリースポット)が利用可能であった(以前、どこかで登録していたためであろう、自動的に接続されていた)

医師問診と事前検査

しばらく待っていると名前を呼ばれ、まず医師の問診。問診室は採血室の隅に設けられ、隣には検査カウンター。幸い高血圧を咎められることもなく無事終了。いったん待合室に戻り、また名前を呼ばれて今度は血液検査。

両腕を調べ、血管確保しやすい方を本採血に回し、反対の腕から検査用採血。看護師は白いニトリルの手袋を着用するとエタノールをスプレーして擦り合わせてから処置にとりかかった(手袋は一人ごとに交換している)。試料は後ろにある機械にセットして直ちに分析。「肝臓の値は数分で分かります」と言われて、前回γ-GTP値が145(IU/L)と基準値(68以下)を大幅に超えていたことを思い出す。東京では同じく肝機能値であるALTの値が高いことを理由に断られたこともあるのでドキドキしたが、幸い問題になる値ではなかったようで(値を告げられた記憶はない)、採血用の腕の肘に温パックを固定すると「戻ってお待ちください」と。ちなみに後日届いた今回の値は103とまだ高いもののかなり改善していたし、ALTは33と完全に基準値内。

ここも採血のあとは円形のガーゼ付絆創膏を貼るだけで止血帯は使用せず。

アクセプトされたので安心して自販機からアクエリアスを取って飲む。なお、ここの採血室は携帯電話使用と飲み物持ち込みが禁止であった。栃木県のうつのみや大通り献血ルームでは採血が終わると看護師がベッドまで飲み物を持ってきてくれたけど。もしかして採血中にリクライニング姿勢のまま飲もうとしてむせる事故でもあったのか?

トイレ

トイレは献血ルームを出てすぐのところにもあるが、ルーム内にも男女各1室が用意されている。男性用の便器は洋式で小便器はない。しかし、献血後の小便は座位でという注意はあるが便座は固定されておらず立位での使用は可能。便座シートは用意してあるのだから一律座位強要でも構わないのでは。あ、掃除が大変か。

扉を開けて入ると右手に便器、正面の壁の右手には使い捨て便座シート、中央やや左下に紐も下がっている非常呼び出しボタン、その左にトイレットペーパーホルダー。気分が悪くなったときのための非常呼び出しボタンは低めに設置されており、紐を引いても鳴らすことができる。そこはよく配慮されていると言いたいけれど、この狭さだとあまり意味はないような。なお、温水洗浄装置はついていない。

トイレを出ると男女共用の流し台があり、ペーパータオルも用意されている。

外のトイレにも非常呼び出しボタンがあるかどうかは気が回らず、チェックしていない。

採血

採血室には7+3で10台のベッド。いずれも明るいピンクである。ひざ掛け毛布もピンクが多かったが、中には違う色(明るい緑だったように記憶)も。

看護師は4人。全員がパステル調のエプロンを着用し、スカート派とパンツ派が混在。手袋はまめに交換していて消毒も徹底。採血に先立ち、肘窩はエタノール綿を2回交換して清拭された。さらにポピドンヨードを塗って自然乾燥しているあいだに、看護師は手袋をした自分の右手の人差指をエタノール綿で清拭したうえにポピドンヨードを塗る徹底ぶり。

握り棒を持たされ、ぶっとい針を静脈に刺されて約50分の4サイクル採血還流開始。テーブルの上にはラミネートされたシートが5枚。1枚目はレッグクロス運動の説明で、ここは「両足を重ねて絞り込め」「5秒×5回」「腹や尻にも力をこめろ」「息は止めるな」と細かい。「看護師の合図で始める」とあったけれど、指導は特になかったので勝手に始めてみた。残りのシートは成分献血とはどういうものかの説明、皮下出血を起こさないための注意、献血後に気分が悪くなったときの注意そして予約の勧め会津出張所の記事を見て、提供した血液の使用を止めて欲しい場合の連絡方法がないことに気がついた←これは献血カードと一緒に渡される)

ベッドは7,8割は塞がっていただろうか。後から来て先に出ていくのは全血の人か。女性が成分献血できるのは54歳までなので、55歳から69歳の女性は400mL全血になる(200mLは高校生のみ、と)

採血中はすることがない。本や雑誌を読むのは片手が拘束されているから難しい。テレビも気に入った番組をやっているとは限らないし、気に入った番組だと途中で「はい、終了です」となると辛い。献血ルームの中にはDVDの貸し出しをしているところもあるが、これも山場で「終わりです」とならないかと心配。というわけで、いつも私は眠るか看護師を観覧するかにしている。今回は事前検査で血液を分析する機械の廃液タンクが満杯になったので交換するという珍しい光景に遭遇できた。血液が混ざっているのでピンク色をした液体の詰まった10L(?)のポリタンクにバイオハザードマークのシールを貼り、看護師が運び出し。

献血を終えて

献血が終わるとハイポでヨードを脱色してガーゼ付絆創膏を貼られ、紙包帯をややきつめに巻かれる。それから血圧の測定。かなり下がっていて、普段からこれくらいになりたいという値。ここも戻る時は手ぶら。「ありがとうございました」と看護師から言われてなんと返事をしたら良いか迷うのも恒例行事。

献血ルームの地図が描かれたオリジナルクリアファイル待合室に戻ると献血カードを返され、アイスクリーム自販機用のコインも渡される。さらに好きな記念品を選べるというので、ティッシュボックスはまだあるし、ハンドタオルやウェットティッシュもあまり使わないのでヤクルトの「麺許皆伝」(2個セット)をいったん選ぶも、気が変わってオリジナルクリアファイルにしてもらう。表に案内の出ていたハロウィン期間限定のプレゼントは「コアラのマーチ」のチョコレートだった。

アイスクリームはチョコナッツバニラモナカを選択。この自販機は14種類から選べるのだが、メーカーサイトの商品一覧に載っていないものもある。あるファンサイト?を見ると20種類ではきかない模様。これのコンプリートはけっこう難しいかも。

アイスクリームを頬張ったので食事をする気は失せてしまったが、とにかく何か食べないと身体に悪い。献血ルームを出て左に行くと2013年に来たときに鍋焼きうどんを食した店があったが、今回は街中で消費しようと外へ出る。

人通りの少ない郡山駅前大通り駅前のメインストリートを歩いてみるが、平日の昼間とはいえ人通りの少ないことに驚く。もうカレーもラーメンも解禁(成分献血前に脂っぽいものを食べるのは血液が乳ビという状態になるので好ましくない)だと思っても食指が動かず、結局駅前に戻ってとんかつ たかのでランチを頼んだ。うむ、血液が再生される気分。

矢祭町へ

1行目が「たべらんしょ」、そのすぐ下に「せんべい」と書いてあるので「たべら...せん」と読める今回は電車移動なので荷物は増やさないよう土産物屋は素見のつもりであったが、「たべられません」と読めたのにショックを受けて会津たべらんしょせんべいを購入。水郡線に乗って6月に目的を果たせなかった矢祭町へ向かった。


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2015/09/15

献血ルーム巡り11(福島県・赤十字血液センター会津出張所)

今回は会津出張所での献血のあと郡山市で「心理学カフェ」、その翌日には伊達市で開かれている「第12回ICRPダイアログセミナー」とハシゴをしたので、書きたいことがたくさんあって、早く整理しないと忘れてしまいそうなので急いで書く。

もともとの予定では、9月の献血は月末のはずだった。それが福島エクスカーションに参加したとの当ブログエントリーを読んだ方から、(こいつなら福島まで来るかもと期待されたのか)郡山でサイエンスカフェを開くとの連絡をいただいた。初めは「テーマは面白そうだけど郡山はねぇ...」と思っていたが、午前中に献血を済ませれば間に合うことに気付き、9月12日に日帰り強行軍を設定した。と、その後からICRPのダイアログセミナーが12,13の両日に開かれ、これが一連のダイアログセミナーの最後になるという情報。うーむ、これは聞きたい。会場の伊達市は遠いけれど郡山からは近い、ということで郡山に一泊することにした。そのため今までの遠征は前泊だったが、今度は早朝に出ることに。

会津出張所

出発して間もなく震度5弱の地震に見舞われる(地震とは思わず、エンジンの不調で車体が震えだしたのかと思った)も、土曜の早朝は道が空いていていて快適。順調に会津へ向かう、と書きたいところだが出発が少々遅かったのに加え、途中で巡邏中のパトカーにぴったりとつかれて制限速度順守走行を強いられたり、パーキングエリアで空揚げそばを頼んだら肉を揚げ始めて待たされたりがあって(最大の原因は出発遅延だが)、予約の10時になってもまだ高速道路の上。うまい具合にパーキングエリアがあったのでそこから電話をし、「気をつけておいでください」と焦りを見透かす注意を受ける。さらに例によってカーナビが音声案内を終了しても建物を見つけられないという事態発生。さいわいにも屋上に設置された大きな赤十字マークを彼方に発見して辿りつくことができた(帰りはすんなりと表通りに出られたので、何が悪かったのか謎)。ちなみに「ふくしまけんせきじゅうじけつえきせんたーあいづしゅっちょうじょ」ではカーナビに入力できなかったので、所在地「会津若松市一箕町大字八幡字門田1-2」で検索したのだが、そこに何か問題があったのかも。

受け付け

駐車場に車を入れ、玄関へ入るとスリッパへの履き替え。さらにガラス扉を開けると奥に受付カウンターのある待合室。かなり小ぢんまりとしている(ウェブページに載っている写真を見て分かるように、椅子が8脚)。遅刻を詫び、献血カードを渡すと同意事項の説明から(今までの献血ルームもそうだったはずだが、なぜか新鮮な印象)。ろくに読まないで「はい」と言ってから27年5月18日からの第2版と気づく。どこが変わったのか尋ねると、4の研究利用で、単に「研究開発等に使用することがあります」だったのが「個人を特定できる情報と切り離し云々」と厳格化されたとのこと。

成分献血で予約をしており、「血小板で」と確認を求められたので、「緊急!400mL献血のお願い」というメールが来ていたことを念頭に「全血が不足しているのなら400でも」と申し出るも成分で構わないとの返事。でも後ろに貼り出してあるボード福島市のセンターに掲げられていたのとおなじもの)には「超ピンチ」となっていた。400mL献血をすると3か月はお休みなので(その間に6か月禁忌となる行為に及ぶという道もあるが)、ちょっぴり安堵。

タッチパネルの問診はいつもの通り。ついでセルフ血圧計で測定、したが結果を印字した紙が出てこない。職員2人があれこれ調べ、紙切れと判明(直前に用紙不足の警告が出て、互いに確認しないまま「補充されたもの」と思い込んでいたらしく、紙の点検が最後になっていた)。遅刻したり道が分からなくなったりのせいであろう、深呼吸をして臨んだのに最高血圧150を超える結果だったので、再測定ににんまり。2回目も下がったとは言え140を超えていたが、お咎めはなし。その間に手首に個人識別用の紙テープを巻かれたので、2回目の測定は腕を機械に通すのが大変だった(ここは個人名で呼ばない方針)

トイレ

ペーパーホルダーの隣に貼られた「座位で」のお願い医師による問診を待つ間に荷物を玄関にあったロッカー(硬貨不要)に入れ、水分補給をしてからトイレをチェック。扉を開けると奥に個室が1つだけ。一瞬、間違えて婦人用を開けてしまったかと振り返った。間違いなく男性用と確認してから個室へ。「採血後は、小便も座位で」とある。洋式便器だけなら便座を固定してしまえば合理的と思ったが、固定はされておらず、床には〈誤爆〉の痕が。

白い筐体に灰色のボタンで目立たないボタン 非常呼び出しボタンは目立たない。テプラは水平に貼りましょう(タイルが貼ってあってグリッドになっているんだから)

問診と事前検査

戻って待っていると番号で呼ばれて医師による問診(検診と書かれることが多いと思うが、ブースの表札は「問診」)。「前回献血のあと何か問題は?」「ありません」で終わり。続いて血液検査のための採血へ。前回、採血のあと止血帯を巻かれず指で押さえていろと言われたことに不満を漏らしたが、会津出張所では「包帯は使いません」という説明書きが用意されていた。指で押さえた方が止血成績が良いそうだ。ただ、看護師に頼めば絆創膏の上に包帯を巻いてくれるようだ。

結果は特に告げられず(ルームによっては教えてくれる)待合室へ戻る。本棚を眺めたり(震災のあと会津若松市の仮設住宅へ避難されてきた楢葉町民の記録『会津の日々』(非売品)が雑誌ラックにあった)、ガラス越しに採血室(の美人看護師)を眺めたりして待つ。

献血

短期記憶がいかれているのか、自分の番号を勘違いしていて、呼ばれたにもかかわらず無視。職員が不審そうに眼を向けるので「私じゃないから」と手首を見たら、呼ばれている番号ではないか。慌てて入室。

部屋の右端は検査カウンター、入口正面は問診ブース。残り(左の約2/3)が採血スペース。淡いピンク色の採血ベッドが3,2,3で8台あり、熊谷献血ルームと同じくらいか(熊谷は6床だが、待合室は会津より広い)

ひざ掛け毛布はやや濃いピンクで、全体に明るい感じになっている。アームレストには温パックが用意されていた(前回ほど熱くはない)。前回疑問に感じた「テレビの音はどうやって聞いている?」と確かめるべくリモコンで点けてみるとベッドの平坦なヘッドレストから音が聞こえてきた。イアホンを使う必要はないんだ。

Tシャツ(?)の上にエプロンを着けた看護師は新しい白いニトリル手袋をはめるとエタノールを噴霧し両手を擦り合わせて消毒。次にこちらの肘窩をエタノール綿で3回清拭してからポピドンヨードを塗布。ヨードが乾くまでの間に色々な作業をすすめるのは共通だが、目を離した隙に左手人差し指が茶色になっていた(ヨードで消毒)。その指で未消毒の部位を触ったら消毒した意味がなくなるので、人差し指だけピンと伸ばしているのだが、アレやったりコレやったりが大変そうで、ちょっと段取りが疑問。気になったので、採血の間に他の献血者への作業をじっと見ていたら、あれれ人差し指の消毒はしていない! 別の看護師を見ているとエタノール綿で丹念に拭いているのでヨードは使わないのかと思って目を離すと、いつの間にか指先が茶色になっている。どうなってるの?

いよいよ針を刺す段になって、「メガネが曇って血管が見えない」と言い出した。律儀に鼻までマスクをかけているので、呼気がメガネに当たって曇るのだ。「見ようとするな、感じるんだ」と言いかけたが、洒落にならない気がしたので沈黙を守る。幸いにもちゃんと血管に刺さってくれた。後は4サイクルの採血と(遠心分離した赤血球の)返送が終わるのを待つだけ。

採血ベッドのテーブルにあったラミネートの内容は、福島市の赤十字血液センター献血ルームと同じく、気分が悪くなったらしゃがめ、内出血の予防法、提供した血液の使用を止めて欲しい場合の連絡方法そしてレッグクロス運動の案内。このレッグクロス運動は、見回してみると皆さん真面目にやっている模様。少なくとも隣の男性と向かいの女性ははっきりやっていた(向かいの女性は真面目に足首屈伸をやっているせいか毛布がずれて裸足が露出して結構艶かしかったが、気づいた看護師が毛布をかけ直してしまった)

土曜日のせいか、ほぼ絶え間なく献血者が入ってくる。回転が早いのは400mL献血者もいるためのようだ(成分献血のほぼ半分の時間で終わる)。採血の終わった血液バッグの処置を見ていると、どうも見慣れた光景とは違う気がする。チューブシーラーが据え置き型なのかな。

献血を終えて

待合室に戻ると定型の儀式、すなわち献血カードの返却、「献血の同意説明書」「お願い!」「今一度、ご確認をお願いします!」といった書類の交付そして感謝の言葉。

「今一度、ご確認をお願いします!」は、6か月禁忌に抵触するけど正直に言えなかった人のために、匿名で血液利用を止める方法の説明(電話をかけて採血番号と生年月日を録音すると該当血液は使用されない)。禁忌事項の筆頭は「不特定の異性または新たな異性との性的接触があった」。これはかなり厳しい条件(だし、該当しても正直に答えにくい質問)であるが、B型肝炎ウイルスは性交渉で感染するし、検査で発見できるようになる前に感染させられるようになるという危険極まりない病原体なので危険(かもしれない)性的接触があれば献血をしないというルールを全員に順守してもらう必要がある次第。ちなみに前記リンク先にあった症例の一つはオーラルセックス(をされて? 確認しようとしたらリンク先の毎日プレミアは閲覧回数制限があるようだ)で感染しており、当人はなかなか納得しなかったとか。これはB型肝炎ウイルスだけでなく、C型肝炎ウイルスやヒト免疫不全ウイルス(これに感染した重症例がAIDS)も同じく危険なウインドウ・ピリオドを持つ。

献血記念として社会福祉法人こころんで作られた型抜きクッキー・シュガーラスクを、また予約特典ではエゴマラスクだんでらいおん製造)をいただいた。選べる記念品の中には福島市でもらった「佐賀の神崎 名水そうめん」、いわき市でもらった「タフマン」もあり、どうも株式会社ヤクルトがまとめて提供しているようだ。

前回から新たに挑戦を始めたセブンティーンアイスクリーム制覇ではブルーベリーのチーズケーキを選択。しかしアイス抹茶ミルクに続けると身体が冷えて、これは失敗。献血後の飲み物はホットにしよう。

表からみると玄関ロビーのガラス壁に不気味な白い影が次の予定の時刻が迫っていたので休憩は20分ほどで切り上げて辞去。玄関にはアニメ風の女子の等身大パネルがあった。これこれ、福島市の血液センターにあったのはこれ。裏からみると、白い人形(ひとがた)で、ここでは1つだけど4つも5つも並んでいるとシュール。調べてみると、これは小峰シロという白河観光物産協会の公認キャラクターで、献血にもオリジナルポスターやオリジナルクリアファイルで協力している。

さらに調べるとパネルのきれいな写真を撮影している方が見つかった。

名前の由来は小峰城なのね...

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2015/09/09

献血ルーム巡り10(福島県・福島県赤十字血液センター)

なかなか仕事が決まらないため、暇つぶしと社会貢献を兼ねて始めた献血ルーム巡り。福島県の二番目は福島市内にある県赤十字血液センター内の献血ルーム。今回も前泊することにして、「ホテルを予約して、ホームレスの生活自立を支援しよう」というhotels4changeから白河市のホテルルートイン新白河駅東を予約。ここは福島エクスカーションに参加すべく新白河駅に降り立ったときに「あ、ここにもルートイン」と思ったものだが、距離も手頃、値段も手頃ということで決定。

前泊

翌朝撮影したホテルの車寄せ。隙間なく駐車している。 booking.comの情報には「駐車場なし」と恐ろしいことが書いてあるが、ホテルのページには「無料」「先着順」「113台」「近隣コインパーキング有り」と(最後の一項目が意味深だが)頼もしいことが書いてある。Googleストリートビューでホテルの駐車場があることを確認して出発した。しかし、着いてみると満車! フロントでは車寄せに停めても構わないというけれど、そこもすでに一杯! もう一回相談すると近くの〈無料駐車場〉を紹介してくれた。新幹線駅の目の前なのに、皆さん自動車で来られるんですなぁ(人のことを言えるか)。着いたのが21時を回っていたため、ホテルのレストランは閉店、周辺に店らしい店もなく(駅まで行けば〈はなの舞〉があるのは分かっていたが)虫の知らせか途中のPAで蕎麦を食していたのを良いことにそれを夕食とすることに決定。

前回宿泊したいわき泉駅前はバス・トイレの広さとバリアフリーに驚いたけれど、残念ながらこちらは普通に狭い〈ホテルのバス・トイレ〉。便座が斜めなので普通より狭いかもしれない。それでも放尿姿が鏡に映らないのは高評価。また部屋着は浴衣でなく甚平で、1階の大浴場もその格好で行けるのはありがたい(今まで経験したビジネスホテルの多くは、浴衣姿で廊下に出るなというので、自販機に飲み物を買いに行くにも着替える必要があった)。WiFiも前回の設定がそのまま使えた。ところがアラーム時計の時刻が合っていない。はじめは2分ずれているだけかと思ったが、よく見ると11時間58分ずれていた!

試しに午前10時25分に鳴るようセットしたら、午後10時23分に鳴り出した。モーニングコールも(さすがに午前/午後は合っていたが)なぜか2分早くかかってくる。

それでも旅の緊張からか、寝過ごすこともなく無事に起床、朝風呂を浴び(寝ぼけていたらしく、大浴場のロッカーでセットした錠番号が偶然にも部屋番号と一致! 後で気づいて冷や汗である)、朝食を摂って予定の時刻に出発できた。白河インターから東北自動車道に入り、安全運転で福島西インターまで。そのあとカーナビに導かれて福島県赤十字血液センターに予定よりやや早く9時半頃に到着。

血液センター献血ルーム

福島県赤十字血液センターは3階建ての大きな建物で、3階の窓に「献血ルーム」と貼ってあるけれど、ルームそのものは1階にある。航空写真で見てもらうとよく分かるが駐車場も広くとられ、うち6台分は献血者用に確保されていた(もっとも枠外に停めてから気づいたのだが)。入り口ロビーはガラス張りで、駐車場側からみると複数のヒト形パネルが白い裏面を見せていて、なんか現代芸術っぽい(ああ、写真撮り損ねた。来週また福島市を通るけど、駐車場に入って写真だけ撮って帰ったら怪しまれるよなぁ)

ロビーに貼り出された「本日の血液在庫状況」の表ロビーには「本日の血液在庫状況」が貼り出され、この日(8月27日)はAとOが「超ピンチ」、BとABが「ピンチ」という厳しい状況。そして200mL献血は「高校生のみ受け付けます」と完全に「全血400mLまたは成分献血」に舵を切っていた。ちなみに保存のきく血漿はABが「少し心配」のほかは「安心」、血小板がいずれも「超ピンチ」となっていて、血小板を提供するつもりで来ている身としては我が意を得たり!なのだが、よく考えると血小板や血漿の輸血にABO式血液型って関係あるのだろうか?(血漿中には血液型に応じた抗体が存在するので無視はできないのだろうが)

トイレ

トイレのペーパーホルダーの脇に設置された非常呼び出しボタンロッカーが目立たない場所にあったため、カバンを担いだままカウンターに行き10時予約である旨を告げると、すいていたためかすぐに受け付けが始まった。最初に服薬と歯科受診の確認(3日以内に歯石除去のような出血を伴う歯科処置を受けていると献血はできない、次にセルフで血圧測定。朝食の時刻と睡眠時間を申告したらタッチパネルを使った問診。最初の「体調は良好ですか」に「はい」と答えた後は軒並み「いいえ」。かるがもクリニックでMMRワクチンを接種したのは去年の8月26日なのでワクチンの質問にも久しぶりの「いいえ」。ただし海外旅行の経験には「はい」。結果はICカードに書きこまれてフォルダへ。右手首に受付番号の入った紙テープをまきつけられる。医師による検診を待つ間に荷物をロッカー(美術館などによくある、後で戻ってくるけれど100円効果を入れないと鍵の閉まらないタイプ)に入れ、トイレをチェック。〈朝顔〉の上には献血後は座位で用をたすようにとの注意が貼られ、気分が悪くなった時のための非常呼び出しボタンは個室の中にだけ。押す面が大きくて非常用向き。

検診と事前検査

そんなことをしているうちにマイクでの呼び出し。慌てて戻り、男性医師の検診を受ける。特に問題もなくすぐ血液検査へ。いちおう両腕をチェックして検査用採血は左腕からに。ナースの白い医療用手袋は指先に破れ目があるのが気になる。しかし処置前に消毒液を擦り込んでいるから問題ないか。針を抜いた後、これまでだと厚いガーゼのついた絆創膏を貼られ、止血帯を巻かれるのだが、なぜか畳んだガーゼを当てて「押さえていてください」。

このカウンターは採血ベッドから見えるので、献血中に別のナースが担当する後の人の様子を見ていると、手袋は毎回交換した上に消毒しているし、採血の後は止血帯をまいてもらっている。中には本採血用の腕に温パックを巻かれている人も。何なのこの違いは?

待合室に戻って待機。自動販売機(無料)から炭酸入りアクエリアスを飲んで水分を補給する。書棚を見ると主に新書判コミックスで、漫画雑誌も少々。「美味しんぼ」が並んでいるのを見ると「撤去しちまえ」と毒づきたくなる。壁にはナースが撮った写真や小学生の献血ルーム見学の様子が貼られている。ガラスケースの中には継続的な献血協力者への感謝状や記念品の見本も。また献血および供血状況を示したパネルも展示されていた。骨髄バンクの案内にはパンフレットだけなく、ノートパソコンを使った動的コンテンツも用意されている。

採血

そうこうしているうちにベッドの用意ができた。ベッドは(たぶん)10台。ここのは明るい黄色である。ヘッドレストにスピーカーの内蔵されたタイプ。今までテレビもビデオも見る気がないので、着席するとすぐに消してしまっていたから、よそでは音声をどうしていたか思い出せない。隣の音が聞こえてこないのだからイアホンか何かを使っているのだろうが、考えてみると見知らぬ他人の使ったイアホンを耳に入れるのは気持が悪い。こういうタイプが増えていくのだろう。

靴を脱いで上がる。アームレストには温パックが用意されていた。腕を載せてしばらくすると、温かいを越して熱くなってきたので間にタオルを入れてもらう。エタノール綿で清拭してからヨード液で消毒。ヨード綿棒は1本ずつパックされていた。驚いたのはナースが自分の人差し指をヨード綿棒(使用済み)で念入りに消毒していたこと。これは他所では見た覚えがない。ヨード液が乾いたら採血開始。4サイクルおよそ40分で血小板を提供。

テレビはスピーカーを確認してすぐに消してしまった。テーブルの上にパウチされた書類が何枚かあるの手にとってみると、献血後の注意(気分が悪くなったらしゃがめ、内出血の予防法、提供した血液の使用を止めて欲しい場合の連絡方法)とレッグクロス運動の案内。この運動も献血ルームごとに微妙に異なるのが面白い。ナースの指示でやってもらうから、それまでに読んでおいてと書いてあるが、結局指示はなかった。まぁ、勝手に始めていたからかもしれないが。基本は両足首を重ね、上下から押しつけ合う運動なのだが、力をいれる時間がルームによって6秒だったり5秒だったり。同時に腹にも力を入れろというところもあれば、足首の屈伸を組み合わせろというところも。

ベッドがちょうど検診室と事前検査カウンターの前だったので人の動きを見ていると、前述したようにナースによって処置が微妙に異なることを発見。これは他所のルームでも見られた。ちなみに服装はパンツの人とスカートの人が半々くらい。全員がエプロンを着用し、マスクはきちんと鼻まで覆っていた。

包帯を巻かれた右腕少しうとうとっとしたところで終了。こちらも止血帯は使わず、ガーゼ付絆創膏の上から包帯を巻かれた。少し朦朧としていたのか、血圧を測る前に降りようとして制止されてしまった。この終了後の血圧測定もルームによって使う機械が違うのが面白い。家庭用の手首に巻くタイプのところもあれば、腕にカフを巻くタイプのところも。共通しているのはセットすれば自動で測定するところ。上下とも問題のない血圧であった。

献血を終えて

待合室に戻ると定型の儀式。ただ、よそだとドナーのところへ職員が一式持って来るけどね。献血記念にティッシュボックス(例の、東北六県ご当地けんけつちゃんの描かれた物)それと予約して行ったのでもう一品選べるというので血迷って佐賀の「名水そうめん」をいただく。

自販機専用のコインももらえたのでセブンティーンアイスクリームを食すことに。ボタンの数は4×2+3×3で、その名の通り17種類あるはずなのだが、よく見ると重複があって12種類しかない。がぜん刺激されて、「17種類コンプリートを目指す!」となり、ひとまず今まで食べた記憶のない「ミルクあずきモナカ」を選択。ちなみにメーカーサイトを見るとセブンティーンと言いつつ20種類ある(年齢詐称アイドルみたいだ)ので、献血ルーム以外でもチェックしておく必要がありそう。期間限定商品もあるな。

さらに水分を補給し、約30分休憩して退出。ここもロッカーは出入口のそばで、職員は奥の方にいるので、荷物を取り出したら黙って出ていくことになる。

信夫山

せっかく福島市まで来たのだから、すぐに帰るのはもったいない。ということで福島大学の松川資料室に見学を申し込んであるのだが、約束の時刻は15時。それまでには間があるので信夫山へ行ってみる。

第一展望台には登らず直下の駐車場から福島市街を眺めている人たち市内を一望できるという第一展望台周辺は工事中であったため(左端に写っているのは工事関係車両)、駐車場から景色を眺める人も。

岩に嵌めこまれた「暁に祈る」の歌碑展望台には「暁に祈る」の歌碑。なんでここに? と不思議に思い、帰ってから調べると、これは戦時歌謡の「暁に祈る(作詞をした野村俊夫が福島市出身)で、シベリア抑留中に起きたリンチ事件(「暁に祈る」事件)とは無関係だった。歌の方が先にできているので「本家はこっちだ」と言われれば返す言葉がない。

駐車場の隅に設置されたリアルタイム線量計駐車場にはリアルタイム線量計が設置されており、その値は0.30μSv/h。この値はおそらくバックグラウンド値込み。よく持ち出される「年間1ミリシーベルト」はバックグラウンドと医療用被曝(そして職業被曝)を除いた追加被曝線量なので、この値を単純に外挿して「年間2.6ミリシーベルトだ! こんなところには住めない」と騒いではいけない。

このあと信夫山公園にも回ったが、鉄板で囲って工事中のところが多く、危うく身動きが取れなくなりそうにもなったので早々に退散した。

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2015/08/08

献血ルーム巡り9(福島県・いわき出張所)

山梨、栃木、茨城と県内すべての献血ルームを制覇して、次の目標は福島県! ということで福島県赤十字血液センターいわき出張所へ行ってきた。さすがにこの距離になると日帰りは難しく思われたので、前泊することにした。ホテル予約はもちろんhotels4changeから。

前泊

5日の晩に宿泊したのはホテルルートインいわき泉駅前。本館の部屋に入って驚いたのが、バス・トイレがとてもゆったりとしていたこと。そして手すりが取り付けられ、段差もないユニバーサルデザインになっていたこと。これは顔本に写真をあげた。ただひとつの難点はフェイスタオルを干すところが見つけられなかったこと。

夕食は街でとろうと外へ出たが、駅前だというのにほんっとに店がない。21時前でもう真っ暗。来るときにある程度当たりをつけておいたので、幹線道路に向かっててくてく。戻って自動車を出した方がいいか、と弱気になったところでステーキのけんが営業しているのを発見。パクチーの載ったチキンステーキを頼み、勢いでパクチーサワーも注文。メインメニューを頼むとライス・サラダバー・スープが食べ放題、がこの店の特徴らしい。食べ終わって満足して会計をしようとすると、「フルーツも食べ放題ですけど」「いや、もう充分」「ポイントカードをお作りしますか」「こっちにはもう来ることないから」(福島ローカルだと思っていた)という会話。店を出てから気づいたが、「こんな店、もう来ねーよ」と受け取られたら悪いことをした。

ホテルに戻る途中で泉駅に立ち寄る。ここには20年前になるか、自動車で来て列車組をピックアップして仕事先へ向かったことがある。しかし駅は今世紀に入って改装されたそうで、面影は全くない。アクアマリンふくしまのチラシを貰った。

呼び水が注入されたせいで、ホテルの自販機で〈飲み物〉を補充。部屋の冷蔵庫が動作していないようなので温くならないようにすぐに飲み、10日の福島エクスカーションに備え『はじめての福島学』を100ページほど読んでから寝た。

いわき出張所

6日はアラームが鳴る前に目が覚めたので、開いたばかりの大浴場で汗を流す。ここは部屋着(甚平)のまま浴場へ行けるのがありがたい(たいていのホテルは浴衣で室外に出ることを制限)。朝食はバイキング形式なので和洋折衷で済ませ、毎度道に迷うため用心して8時に出発。下道だけでも行けるのだが、平日朝夕割引の回数を稼ぐため無理やり常磐自動車道を経由して福島県赤十字血液センターいわき出張所へ到着したのが9時前。幸い、ここは9時から受け付けてくれるので、10時に予約している旨を告げてさっさと手続き。

ここは来訪者用駐車スペースが18、手荷物用ロッカーも18用意されている。

問診
問診用のタッチパネルは入り口から入ってすぐのカウンターに。うーん、プライバシーに踏み込む質問に答えさせるにはちょっと難が(後ろに人が立つことはないけれど)。いつものようにサササッと答え、受付番号の書かれた紙テープを右手首に巻かれる。私は慣れているしなんとも思わないが、非人間的な扱いを受けたと感じる人もいるかな。

血圧は自動計測器で自己計測。値を控えようと思ったが、係の人が出力をさっさととってファイルに閉じてしまった。「先生の診察を受けてください」と奥へ案内される。医師は問診結果を見て「78回ですか...予防注射はいつされましたか」「去年の8月です」。会話はそれだけ。続いて事前検査の採血。針を抜いてからガーゼ付絆創膏を貼られるが、「しばらく手で押さえていてください」。え? 止血帯はなし? 結果は分析機にかけるので直ぐに出るが、他所では結果概略を教えてくれるのに、ここでは「血小板でお願いします。待合室でお待ちください」。まー、〈合格〉だからいいか。自販機からスポーツドリンクを選んで水分補給。この自販機にはホットアクエリアスはない。代わりに泡立ついちごオ・レとかコーンポタージュスープとか見慣れぬものが。

トイレ

トイレの壁に貼られた注意書きと非常呼び出しボタン成分献血はおよそ50分かかるので、事前にトイレに行っておくことが勧められる。トイレは廊下を挟んで採血室の向かい。「採血後は座位で」という注意書きは朝顔の前に立つと正面に。また「気分の優れない方は下のボタンを押して」ともあるのだが、このボタンは分かりにくい。なんでこんな黒い小さいボタンにしたのだろう。消防の非常ベルみたいに真っ赤だと気後れする心配はあるけれど(今までの例ではオレンジ色など、目立つけれど敷居の高さは感じさせない配色)、これは地味すぎて目立たないのではないだろうか。
個室の中の非常呼び出しボタン。配線が斜め。 個室もチェック。ペーパーホルダーの上、手の届きやすいところにあるけれど、やはり黒くて小さいボタン。ボタンの箱には「気分の悪くなった方」とあるのは不統一だし、配線もプロらしからぬ...

しかし遥々いわき市までトイレチェックって、まさに「福島にションベンしに行ってきた」つまりアメションならぬ福ションではないか。w

採血

採血室にはベッドが7台。眼を引くのがベッドもタオルもピンク色で統一されていること。これは不安を和らげるには効果的かもしれない。色といえば、ナースさんたちはみなパステルカラーのエプロンをしていた。赤系統と青系統の人がいたけれど、キャリアが違うのかな?

手袋(他所では紫色が多いが、ここは白色。材質はニトリル)は全員が着用していただけでなく、見ていると頻繁に外している。そして新しい手袋を着用するとまず消毒。着けっぱなしであちこち不衛生なところに触れば元の木阿弥なので、無菌操作が要求されるときに限って着用するのは合理的かもしれない(でも経費が心配)。あるルームのナースは手袋をつけたまま指先の感覚を確保するためか、人差し指先端(もちろん手袋の)をカットしていたが、あれは本末転倒だろう。

ベッドには靴を脱いで乗る。ヨード綿棒は個包装されていた。握り棒もレッグクロス運動の説明もない。テーブルの上にパウチされた紙があったので手にとってみると、震災以降、平日の献血が減少しているという献血のお願い。献血カードに次回献血可能日が印字されているから帰るときに予約して欲しいと。血小板の端境期(寿命が約4日なので日曜に採血した分は木曜で使えなくなる)に来たのは有意義だったとにんまり。でも、次回は他所へ行きます。機械のディスプレイで4サイクルの進み具合を見たり少しうとうとしたりしているうちに終了。針を抜くと手際よくガーゼ付絆創膏を貼り、ここでも止血バンドは使わず包帯を巻かれた。終了後の血圧は下が75で上が125とまずまずの値。他所では書類の入ったフォルダを自分で受付に持っていくことが多いが、ここでは手ぶらで帰された。

待合(休憩)室

待合室に戻ってしばし休憩。記念品は東北六県のご当地献血ちゃんイラスト入りのティッシュボックス。福島県は白虎隊!(献血する方じゃなくて輸血される立場じゃないの? しかし会津のプレゼンスは大きいのだな) さらにアイスクリーム自販機用コインも頂戴する。自販機は玄関を入った風除室(気閘)にあった。品揃えは水戸と同じ。ここではチョコナッツクランチを選択(これの全品制覇も目標に加えようか)

六種類の「けんけつちゃん」の描かれたティッシュボックス。右端の福島県けんけつちゃんは「白虎隊」と染めた旗を持っている。

予約をして行ったので更にナノックス/パスタ(バジリコ)/タフマン/ウェットティッシュの中から一つ選んでと言われ、タフマンを選択。しかし冷えていなかったので飲むのは後回し。

本棚には主にコミックス。「美味しんぼ」も置いてあった。棚の隅にあった『赤十字巡礼』が気になって手にとると、赤十字創設者アンリー・デュナンの伝記であった。序文により赤十字発足からノーベル平和賞受賞までの40年間に破産・失踪・困窮という波乱の人生を送ったことを知る。もう一冊『血液センター連盟のあゆみ』が気になって開いてみると、こちらは資料集のような感じでよく分からなかったが、どうも血液センターは日本赤十字のもとに統一的に設立されたものではなく、もともとは各地区で独自に発達してきたもののようだ(昔は遠距離で血液を融通することもできないから全国組織であるメリットはなかっただろう)

20分休憩して落ち着いたと判断したので辞去。こういう時ってなんと挨拶したら(挨拶を返したら)良いのかいつも迷う。「お世話様」も違うし「またねー」も嘘になるし。

このあとマンガ「いちえふ」で刺激を受けた常磐自動車道開通区間の走り初めと、国道6号で帰還困難区域の通りぬけを敢行した。

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2015/07/12

献血ルーム巡り番外編:献血ルームMEET

茨城県の献血ルームは4月に制覇したつもりであったが、2月に訪れた水戸献血ルームが3月20日に移転、新装して献血ルームMEETとなったので、6月に再遠征してきた。

今回も交通費を節約するため、高速道路の深夜割引を利用すべく未明に出発。首尾よく4時前に常磐自動車道に入ることができた。この調子なら、どこかで日の出を見ることができるかも、と思ったが生憎なことに曇天。それでも意地になって前回行くことを断念した風神山まで足を延ばしてきた(どのみち予約は11時からなので、時間はたっぷり過ぎるほど)

風神山

風神山自然公園は日立市にあり、茨城県の初日の出スポットとしても知られている。今回は下調べも十分、時刻も早いので急かされて分岐地点を素通りすることもなく無事に到着、と言いたいところだが、なんと早朝散歩?のご老人たちの多いこと多いこと。そしてもう一つの見落としが、NHKのTV中継所までの道がとても荒れていたこと。自動車で行かれる方は早朝であっても見晴らし台のある「風のひろば」へは直接向かわず、駐車場へ入れてから徒歩で行かれるのが良い(駐車場からNHKの中継所への裏道がある)

見晴台から東方を望むが、木立の向こうの空は雲に覆われている。手前の草地にはベンチが2つ。晴れていれば太平洋が望めたであろう。ちなみにたくさんの写真を公開されている方を見つけたのでリンクしておく。当初はここで仮眠をとって時間調整をする予定であったが、道があまりに狭く、対向車が来たらお手上げになりそうだったので早々に下山。すれちがうご老人たちは避けてくださるが、先を行く男性は耳が遠いのか超然としているのか、道の真中を堂々とお歩きで通してくださらない。仕方が無いのでエンジンを止め、距離が開いてからゆっくりと発進し、麓まで来て道が広くなったところで慎重に追い越し。

千波湖は緑の水辺

3枚組写真。上は緑色の縞模様が見える湖面。中は商工会議所環境委員会が立てた「アオコをなくすための実験をしています」という看板。二頭身の水戸黄門イラスト入り。下は湖の中央に設置された噴水。数十本が輪になって外側に水を噴き上げ、中央の噴水は10メートル以上の高さに。水戸まで戻り、朝食をと思ったら、またもやガスト(日立に行った時も朝食はガストだった)。ここも仮眠をとるには相応しくないので、焼鮭定食を食べてから千波湖のそばに無料駐車場があったはずと移動した。どうにか駐車場に入って一安心したところで、なぜか朝日が煌々と射してくる。木陰にベンチはないかと千波公園の中を探すが見つからない。せっかく湖畔に来たのだからと湖面を覗き込むと、聞きしに勝るアオコの惨状にびっくり。リン除去剤を投入したり曝気や噴水で溶存酸素濃度を高めたりして浄化に努めているようだが... (リン除去剤の実験は今年5月からなので結果を云々するのは尚早か)

森を抜けたところに広がる草地。その向こうにはまた森。 湖にはがっかりしたものの、南側の「少年の森」は神秘的と言っても良い雰囲気。少年の森専用の駐車場には木陰ができているのを発見し、D51前から自動車を移動した。しかしやはり仮眠は難しい。10時近くまで休憩し、ダメ元で献血ルームへ移動。前回と同じエクセル南口立体駐車場へ入れ、徒歩でエクセルみなみまで行くと...まだ開店前でした(10時開店)。ちなみに水戸駅には南北に駅ビルがあり、どちらも水戸ステーション開発株式会社が運営しているのだが、コンコースに対して北口のエクセルは2階、南口のエクセルみなみは3階でつながるという不思議な構造をしている。

献血ルームMEET

エクセルみなみ6階に出されている献血ルームの看板。「mito de MEET」(みと で みーと)と書いてある。MEETというのは水戸と音を合わせ、出会いの場というつもりなのだろうが公式ページにある動画では「家をテーマに、みんなが気楽に集まり、リラックスできる(中略)コミュニティスペース」とあり、エクセルみなみのテナント紹介にも「みんなが気軽に集い、出会い、交流できる献血ルーム」と)、名称として動詞を採用するのは珍しいのでは? ちなみに辞書を見るとMEETは名詞の場合、その意味は「競技会」になります。

それはともかく、係の人に「予約は11時だけれど、早く着いてしまったので、もし空いていたら」と事情を話したところ、すぐに始めてもらえることになり、受付番号は3番。さすがに平日だと朝から一杯ということはないようだ。健康状態などに関する簡単な質問の後にタッチパネルを使った詳細な問診。そのあと検診医による血圧測定と問診。例によって去年8月に接種したMMRについて聞かれるが、今回は「なんで成人のあなたが予防接種を?」という趣旨だった。風疹が流行ってましたから、というと納得された模様。続いての事前検査(血液検査)

左腕、肘の外側よりに貼られた止血用ガーゼ。今回はなぜか、いつも採血する肘窩の中心(正中皮静脈というのか?)ではなく、親指側にずれた位置にある血管(橈側皮静脈というのか?)から採血をされた。血管の名前をググッていたら、やはりこの血管から採血されて、看護師に質問をした人のブログが見つかった。看護師の説明によれば、理由は以下の3つ。ヘー、知りませんでした。

  1. 近くに神経があまりないので、神経を傷つけるリスクが少ない
  2. 深部に動脈がないので、誤って針が静脈を貫通しても動脈を傷つけるリスクが少ない
  3. 腕の内側よりも外側のほうが痛みを感じにくい

検査値に問題はなく、血小板を提供することに。

呼び出し機をもらって待合室へ戻る。待っている間に飲み物の自動ベンダー(無料)で水分補給。ここにも恐怖のホットアクエリアスがあった。雑誌を眺めていると程なくして呼び出し音楽が鳴る。奥の採血室に行くと、ここの採血ベッドは茶黄系という珍しい配色。それが室内に円形に配置されているのだが、中央に作業スペースが設けられているので見通しは悪い(言い換えれば見られる心配は少ない)。ここも靴を脱いで上がる。看護師さんは全員白いスラックスに揃いのエプロン。紫色の手袋を着用し、エタノール消毒も励行。携帯電話についてはマナーモードにして、という注意書き(電源を切って、というところが多い)。レッグクロス運動の説明は見当たらず。握り棒を渡されたほか、腕の下にクッションを入れられたのが珍しい。後は大体よそと同じ。

およそ50分で終了し、受付で書類ケースを渡すと「ティッシュボックスと洗剤とアイスクリームのうち、どれがほしい?」と聞かれたのでアイスを所望。専用のコインをもらい、ベンダーで木苺とチーズのアイスを選ぶ。また予約をしていたので、さらにビスコを頂戴した(他の菓子あるいは清涼飲料という選択肢もあった)。頼まないのに献血ポイントカードや成分1・2・3キャンペーンポイントカード(平日に予約して成分するとポイント)も作られ、とても「もう茨城県では献血しないから」とは言えず、ありがたく頂戴してきた。

トイレは共用部

2枚組み写真。上はカード型送信機の表で「気分が悪くなったらボタンを押して」と。下は裏側。型式STR-Cなどと書いてある。献血終了後は血圧が下がっていて、脳貧血を起こす心配がある。そこに排尿時の血圧降下が加われば失神する危険も。というわけで献血の現場では、トイレに非常呼び出しボタンを設置するとともに、先に用を足してくること(そうでなくても採血中に尿意を催されたら困る)、献血後は男性も座位で排尿することを勧めている(前回の日立献血ルーム「さくら」は例外)。しかし商業施設の間借りで、一般客も使用するトイレに呼び出しボタンを設置することは難しいようだ(18時で献血ルームが閉じた後に、一般客が非常事態に直面してボタンを押しても役に立たないことが懸念される)。そのためか、献血ルームMEETではトイレに行くという利用者に対してはポータブルの非常呼び出しボタンを渡していた(山梨県の「グレープ」も商業施設kokoriの中だったけれど、どうだったろうか? あ、越谷川越もトイレをチェックしていない)。なお、この非常呼び出しボタンも、事前検査後に渡される呼び出し機も、通信範囲はトイレ付近まで(フロア図参照)とのこと。

中村ビル今昔

2枚組写真。上は15年2月撮影で、献血をお願いする2本の垂れ幕がビルの壁面にかかっており、6階の窓には大きな赤十字マークと「水戸献血ルーム」の文字。下は6月撮影で、垂れ幕は外されている。駐車券には時間の余裕があったので、北口の中村ビル(3月まで旧ルームがあった)の様子を見に行った。2本の垂れ幕は外され、6階の窓は以前から入居しているコンタクトレンズ販売店の宣伝に入れ替わっていた。

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2015/04/29

献血ルーム巡り8(茨城県・日立献血ルーム「さくら」)

なかなか仕事が決まらないため、暇つぶしと社会貢献を兼ねて始めた献血ルーム巡り。茨城県の最後は日立市にある献血ルーム「さくら」

当初、4月29日(祝日)を予定していたが、予約状況を調べるとすべて空きなし! というわけで急遽2週間早めた(19日に「ふくしまの話を聞こう4」に参加すれば、そのあとの懇親会で肝機能値が悪化する恐れが高かったため)。平日なので高速道路の休日割引が使えない。そこで深夜割引をと3時起きして出発したが、首都高が事故のため通行止めとなっていて、常磐道に入ったのは4時を回っていた(つまり割引は適用されず)。実は出発に手間取り、首都高に入った時点で間に合いそうもなく自己嫌悪に襲われていたので、「予定通りに出ていても間に合わなかった」に気分スッキリ。

「無断駐車禁止」の看板はまだ「すかいらーく」のまま とはいえ、距離の長い区間で割引が効かないのは痛いので、あまり早く着いても駐車料金が高くなることも考え、水戸で一般道で降りることにした。予定では風神山自然公園で日の出を...のはずが夏至も近い今頃はとっくに日が昇っていたし、6号からの分岐があまりに鋭角だったため(あとで調べたら手前に、標識はないけれど広い交差点があった...これも下調べ不足)見送り。通勤時間の混雑が始まったのでファミレスで時間調整でも、と思ったところで24時間営業は常識ではないことを思い知らされる。そんなこんなはあったものの、無事ガスト日立駅前店(ここは24時間営業で、駐車場の看板を見ると以前は「すかいらーく」だったことが分かる)に着き、朝食(脂に気をつけながら焼きサバ定食)を摂って時間調整。空いてはいたが、席でぐうぐう眠るのもはばかられたので、浜の宮ロードパークに移動して仮眠を試みた。
ロードパークから見た堤防と左手に広がる太平洋ここは茨城県の日の出スポットにも選ばれる場所で、眺望良好。ただ、6号バイパスを引っ切り無しに自動車が通るので、落ち着いて眠ることはできなかった(日光直射を避けるためバイパス側を向いて停めたせいもある)。そこでラジオをつけるとバルトーク作曲「ルーマニア民俗舞曲」 が。これは以前、目覚まし音楽に使っていたのですっかり目が覚めた。予約の10時にはまだ間があったものの、遅れるよりはということで出発。駐車場の位置は事前に確認していた(ガストに入る際ナビに導かれて前を通過していた)ので難なく駐車。場所を忘れないよう区画の標示を撮影して出場。

日立出張所?

5階の窓に「献血ルームさくら」と文字が貼ってあるが、数が合わないため最後の一枠に「くら」と二文字建物の外側に献血ルームがあることを示しているが、「さくら」の部分を声に出して読もうとすると妙な感じに。
入り口には献血ルームの看板やポスターが沢山ビルの入口は献血ルームがあることを「これでもか」とアピール。1階にある場合は珍しくないが、ここは5階。オーナーの理解があるのであろうか。
入り口の上には「茨城県赤十字血液センター日立出張所」ルームの入口には「茨城県赤十字血液センター日立出張所」と。こういう標示は初めて見た。そういう時代に開設してからずっとここにあるのかな。
ガラス扉の下部には「鹿島建設」という文字が残っているドアガラスには「鹿島建設」という文字が。居抜きしたのだろうか。この先ルーム内は撮影自粛。

問診から採血まで

受付開始時刻(10時)前であったが開いていたので入って予約である旨を告げる。献血カードを渡してしばらく待機。待合室は採血室と職員控え室の間にあるため、開始時が近づくとナースさんたちがぞろぞろと通り抜け。みなさんとご挨拶。

待合室のイスに座って両足をマッサージ機に入れた。足の間に操作パネル。待合室にはフットマッサージ機があったので、血行を良くしておこうと試してみる。「自動」で任せていると温めたり脹脛を締め付けたり足裏を押したりと色々してくれるが、何時まで経っても終わらない。呼ばれて慌てるのも嫌なので「運転 入/切」ボタンで止めてしまった。

問診はタッチパネルだが、なぜかスタイラスペンがなく、指でタッチ。反応が悪くて少しイラッとさせられる。続いて医師による問診。この若い先生は新任なのかまだシステムに慣れてらっしゃらないようで、ベテラン?ナースが付きっきりで助言。血圧がやや高めであったが何も言われず事前検査へ。検査用採血はいつもと同じ左腕。ナースさんのピンクの腕時計が素敵であった。ヘモグロビン値を告げられて「血小板をお願いします」。もとより望むところ。

いったん待合室へ戻る。本棚をチェックすると、新聞雑誌のラックには赤十字の講習テキストがあるのは水戸ルームと同じ。本棚はコミック単行本。浮世離れしないために『進撃の巨人』の第2巻を読んでみる。うーん、登場人物がまるで識別できない。

呼ばれて採血室へ。ベッドの数は...そんなに多く無い。番号が振られていないようだ。ウェブサイトにある によれば6台あり、そんなものかな(小規模な部類だろう)

北側の、窓から2番目のベッドに案内され、靴を脱いで上がってみるとモニター画面に「予約席」と手書きの札が。(^^; 

ここでは採血機のモニタを見ることができ、どれだけ血を抜かれているかを追跡できた。1サイクルで400gの血液を処理し、血小板は合計およそ230g。バッグの中に血漿や血小板(を含んだ血漿?)が溜まっていく様子も眺められた。遠心分離する様子は見てみたい。赤血球が下に落ちるというのは想像できるが、血漿と血小板はどう分けているのか。


トイレの注意書きは疑問

アサガオの脇に「気分が悪くなったらすぐしゃがんで」と立って用便を前提の注意ここのトイレもビルの共用部。よその献血ルームでは「採血後は男性も座位で」というところが多いけれど、ここは「気分が悪くなられたときはすぐにしゃがんで」と立位を前提。うーん、いいのか?(そもそも〈放水中〉じゃしゃがめませんよ)。これは気になったのでアンケートに記入しておいた。

Imgp0246非常呼び出しボタンはアサガオのすぐ脇に。これらボタンは概ね立った状態で押すことを想定しているようだが、へたりこんでから「立てないから、仕方ない、人を呼ぼう」という方が多いのではないだろうか。どこかの施設ではボタンが床上40cm位のところにあった記憶がある。
ビルの入口にある献血ルームの看板の下に、入る時にはなかったラジカセが終わって出てみるとラジカセが呼びこみをやっていた。しかし平日昼間とはいえ、特急も停まる駅の駅前なのに人通りはとても少ない。午前中の献血協力者は、私を含めて一桁台か(婉曲表現)。豪華景品抽選会のご利益もあまり無いようだ。どうやって増やすかは課題。
道路の向かい側にも献血ルームの看板が道路を挟んで玄関の向かいにも献血を呼びかける看板が。このあと駐車場に戻り、もらった駐車券(300円分)を入れて出ようとすると100円足りなかった。300円だと2時間半なのだが、2時間32分いたからか!

常陸牛と梅クリーム大福

このあと「せっかく茨城まで足を延ばしたのだから、地元名産を食べて」ということで目を付けていた常陸牛のお店へ。海沿いの道をひたちなか市までゆっくりと。ところがまたしてもカーナビに「音声案内を終了」されても目的地を発見できずに彷徨するという失敗を。ちゃんと建物外観も把握していかないと。
鉄板にステーキと付け合せ。御飯と味噌汁と小鉢太平洋の雄大な眺めに気が大きくなって、昼食はちょっと贅沢。ただ、正直いうと期待したほどでもなくて、もしかするとサーロインステーキよりも(少し安い)もも肉ステーキの方がお似合いだったかも。素直に「茨城そだち」御膳でも良かったかな。
梅クリーム大福の包装はマンガチックな絵柄の水戸黄門友部サービスエリアで休憩中、売店で発見した「梅クリーム大福」。あまりの脱力ぶりについ購入。脱力といえば「納豆ショボーン」などというもの(ググッて出てくるものとは異なる)もあり、これも憑かれて、もとい疲れていたためか購入。梅クリーム大福は美味であった。
上は検査用採血、下は本採血のあとに貼られたガーゼ。どちらも血液は微量。 帰ってからガーゼを剥がしてみると、出血はほとんどなかった。処置が素早かったからだろうか。

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2015/04/22

献血ルーム巡り7(茨城県・つくば献血ルーム)

なかなか仕事が決まらないため、暇つぶしと社会貢献を兼ねて始めた献血ルーム巡り。水戸の次はつくば市へ、血小板の端境期となる木曜日(3月12日)に遠征した。

つくばまで

今回は用心してネットから事前予約をして臨む。予約手続きを済ませると「一週間以内にメールで」と表示され、あと4日しかないのに大丈夫か?と不安になったが、無事月曜日に確認メールが届いた。そこには「治療中・服薬中・体調不良等の場合はご協力いただけない場合もございます。海外から帰国後4週間以内のご協力はいただけません。」とは書いてあるが、採血前にカレーは食うなとか新しい恋人と親密な行為に及ぶなとかの注意はない。後者は日赤サイトにある献血をご遠慮いただく場合の9番目、エイズ、肝炎などのウイルス保有者、またはそれと疑われる方に該当する行為。これらハイリスク行為は本人に限らず、性的パートナーにも回避が求められるので、早い話が「あんた、尻尾と角を生やしていませんか(浮気されていませんか)」と聞かれているようなもの。そんなの本人は気づかないもんだよ、普通は。感染防止を徹底したい気持ちは分かるけど、少々現実離れしているようにも思える。そのうち刑務所や拘置所等で長期隔離されている人に協力を依頼するようになったりして。
「サイエンス」が正しくScienceと綴られた標識 それはともかく、場所を確認して一路常磐道でつくばへ。谷田部インターチェンジを降りてサイエンス大通りへ入ると、かのSaiensu-odoriという標識は正しくScience Ave.と綴られていた。ただし、撮影地点が異なるので全部が直っているかは定かでない。
広場の向こうの建物に献血ルームの看板つくば献血ルームへ自動車で行く場合、都市交通センター駐車場を3時間まで無料で使えるのだが、南2へ行くはずがうっかり南1へ入れてしまったため、歩き出してから迷子に。予約時刻が迫っていたので電話をして道を尋ねると「西武百貨店は見えますか」と。まさかそれが目の前のイオンの裏手とは思わなかったので、「見つかったらまた電話します」といったん切ってさらに迷走。ようやく予定と違う駐車場に入れたことに気づき、15分遅れでルームにたどり着いた。呼びこみをやっていたお姉さんたち、目の前にあるのに「献血ルームはどこですか」と尋ねたおじさんを「こいつの血ぃ使って大丈夫か?」と思ったのではないだろうか。

問診から心電図まで

あとはいつもの通りで献血カードを渡し(「駐車券は?」と聞かれて慌てて渡そうとしたら「後でいいです」と突き返され)、タッチパネルで質問に答え、そのあと医師の検診。道に迷い走ったので血圧が心配だったが、収縮期血圧も137で「問題ありません」と。例によって「1年以内の予防接種」で引っかかるかと思いきや「去年の8月です(MMRつまり麻疹(measles)、流行性耳下腺炎(mumps)、風疹(rubella)の新三種混合ワクチンを8月末に接種した)」であっさりクリア(インフルエンザ等の24時間から狂犬病の1年間まで幅があるので、該当するものが多い3か月までは慎重にチェックされるのだろうか?)。続く血液検査も無事にパス。しかし心電図は前回が2014年の2月だったためとり直すことに(想定済み)。もちろんこれも合格したが、平日の午前中だったのに、なぜか血漿献血に。カウントが1なので回数制限ぎりぎりの今なら幸運かも(成分献血は血小板1回を2回に換算して1年間に24回まで

以上の手順、タッチパネルによる問診から始まるのは共通だが、医師による検診と血液検査はルームによって順序が異なることがある。結果を総合判断して決定するなら医師による検診は最後でなければおかしいような気もするが... もっとも採血という侵襲的・観血的な検査は、血圧その他で弾いた後にするのも合理的。

待合室にて

いったん待合室に戻って待機。なんとなーく本棚をチェック。宜保愛子とかは目くじらを立てることもあるまい。幸いにも近藤本とか内海本は置いてなかった。

「水分を補給して」という指示に従いルーム内の自販機からたまねぎスープを選んで飲む。この自販機には恐怖のホットアクエリアスもあった。

またオムロンの体脂肪計がカウンター席にさりげなく置いてあった。戯れに測ってみると「隠れ肥満(体脂肪率26%超、BMI23)」 orz

採血室へ

順番が来て採血室へ。これで10以上の献血ルームを経験したわけだが、内装は千差万別。個性があるのは楽しいけれど、規格はないのか?とちょっと心配。ほとんどが間借りだから統一は無理なのだろうが。しかしベッド番号は天井からの標識かテレビの背面かくらいは揃っていても良いような(テレビモニタの背面を使っていたのはここが初めて)。統一といえば、ここのナースさんたちは全員紫色の医療用手袋を着用していた。それだけでなくネームカードを付けたストラップに、ドラえもんとか水戸黄門とかいろいろ付けていらっしゃる(ざっと見たところ2種類ずつ)。これも〈制服〉? そういえばここのナースさんはパンツ派とスカート派に分かれていた(印象ではパンツ派の献血ルームが多いけど...読者の報告を求む)。採血室に(検診医とは別に)男性(白衣を着ていたのでたぶん医師)の姿、しかも2人を見たのも珍しい。1人はナースさんの指導をしていた。

各採血ベッド脇には小さなゴミ箱が一つあって、ちょうど1人のナースさんが中身を回収していた。ゴミ箱の中にプラスチック袋をセットしているのだから、それごと交換すればいいのに、中身をあけて一つに集約しているような... 作業が終わってから手袋を交換するかも気になったが、腕に針を刺されてベッドに寝ているので仔細に追えなかった。

採血後の脳貧血を防ぐため?レッグクロス運動というものが勧められている...のだが、これがまた献血ルームによって案内があったりなかったり、あっても内容が異なっていたりと不思議な現象がある。埼玉県の献血ルームでは足首を交差させて上下から押し合うという方法を案内しているが、ここでは足首の屈伸運動(つま先を上げたり伸ばしたり)。水戸はどうだったかな...移転したらしいからもう一回行った方が良いだろうか?

トイレは共用部

トイレにある非常呼び出しボタン終わると型通りの説明を受け、記念品を選び、3時間分の駐車券を貰ってしばらく休憩。トイレは共用部分にあったが、気分が悪くなったときのための呼び出しボタンは設置されていた。外へ出ると、昼休みのせいだろうか、呼び込みティッシュ配りをしていたお姉さんたちの姿はなかった。
献血ルームの案内板来るときは散々迷ったけれど、帰りはアッという間に駐車場へ到着。そして通路には大きなパネル。素直に出口に向かっていればここを通ったはずなのだが... 駐車場の使い方を根本的に間違えていないか?>自分(自動車を降りてからの行動に問題があるようだ)
このあと、せっかく茨城県まで来たのでのらっくす農園へ足を延ばすことにした。

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2015/02/14

献血ルーム巡り6(茨城県・水戸献血ルーム)

なかなか仕事が決まらないため、暇つぶしと社会貢献を兼ねて始めた献血ルーム巡り。栃木県に続いて茨城県コンプリートに着手した。

水戸市民は献血熱心

当初予定では日立献血ルームから取り掛かるはずが、前日に予約状況を見ると「電話」も「ネット」も終日「空きなし」になっていたので、ネット予約なら「空きあり」になっていた(電話予約とネット予約が別枠になっているというのもよく分からないが)水戸献血ルームへ急遽変更。ただし複数回献血クラブは事前に登録した地域(県)しか予約できないので、予約なしで(帰宅後、「よく献血される地域」を茨城県に変更したら、強制的にログアウトさせられた挙句、再ログインを試みると「あなたさまは現在、仮登録となっております。登録完了のメールが届くまでお待ち願います。」に、そして茨城県赤十字血液センターからメールが届いたのは翌朝10時半)
ビルの壁面には2本の垂れ幕、窓には大きな赤十字で献血ルームの存在をアピール 水戸駅南口にある駐車場に乗り入れ(受付開始の10時前には着く予定が、いろいろあって10時9分入場)、「ほぉ、ビックカメラもある。」と感心しながら北口へ出ると、左手にとても分かりやすく存在をアピールしていた。
中村ビルの6階でエレベーターを降りると、すぐ目の前に献血ルームの看板。一緒に乗っていたうちの一人がさっさと中へ入っていく。しまった、出遅れた(エレベーターの開ボタンなんか押して譲るんじゃなかった)と慌てて続くと、既に中はぎっしりの人だかり。先に入った男性は「混雑しているので今からですと...」と説明を受けているのに、私はなぜか「献血カードは? 駐車券は?」と当然のように事前受付が始まる。手荷物とジャンパーをロッカー(中と小とがあった)に入れ、カウンター席に空きを見つけてしばらく待つと呼び出されてタッチパネルによる問診。いつものようにホイホイ回答していくと、既往症のところで「アレ?」。以前は今までにかかった疾患だったと思うが、それが「1年以内に」となっていた。というわけで昔罹った病気は除外。受付番号をもらうと22番(待合室は4人がけのテーブルが4卓にカウンター席が8つほどだから、混んでいるわけだ)。続いて医師による検診。お齢を召された女医さんだったせいか、心配された血圧は文句ない正常値で合格(不自然に高くなることがあり、女医さんにときめいてしまったのか、などと)。さらに事前検査でも問題はなく、血小板を提供することに(血小板は2回にカウントされるので、これで年間24回の制限まであと僅か)

事前検査のカウンターには献血前の食事の注意が貼り出され、牛乳、ハンバーガー、ラーメンなど脂っこいものは避けて、と。この手描きポスターは待合室にも貼り出されていた。これ、ウェブにも載せるべきだと思う(気にし出すとファストフード系は軒並みアウトだし、定食でも焼肉、焼き魚、炒め物は引っかかりそうで、確実なのは素うどんとか掛け蕎麦あるいは盛り蕎麦になりそうな...)。なお、この乳びについては広島県赤十字血液センターブログに解説がある。

また待合室に戻り、30分ほど待機。その間に大手を振って水分を補給し、また待合室の奥にあるトイレもチェック。「採血直後の使用は座位で」という注意書きが貼られ、個室内と朝顔脇の2か所に(気分が悪くなったときのための)非常呼び出しボタンが設置されていた。

採血が始まったのは実に12時過ぎ。採血ベッドには靴を脱いで上がる。「4回(成分献血では血を抜いて遠心分離した赤血球を戻すというサイクルを繰り返す)、42分です」と看護師さん。れ?前回は3サイクルだったような、と思いつつも異議を唱えるわけにもいかず、おとなしくまな板の上の鯉。いったん腕に巻かれたカフが実は隣の機械のものだったとか、静脈に針を刺したらガーゼで拭うほど出血したとか、粘着テープを床に落とすとか、細かいことはいろいろあったものの無事開始。

で、例によって観察を始める。採血ベッドは10。その下にはカゴがあり、栃木センターでは手荷物を入れている人もいたが、こちらでは毛布やクッション入れになっている模様。東京や埼玉では最近目にしない握り棒(ハンドグリッパーというの?)はここでも使用。隣では温パックを腕の下に入れるとか甲斐甲斐しく面倒を見られているが、こちらは後半にタオルケットを掛けられたくらいで基本放置。レッグクロス運動の説明はない(けど、勝手に始めた)。看護師さんは全員紫色の手袋を着用。しかし手の消毒はしていない、というかお馴染みの手指消毒スプレーが見当たらない! まー、針を刺すところはヨウ素を使って念入りに殺菌されているわけだけれど。

出てみると入口の前には昼休みのお知らせが。 終わってからの解体、じゃなくて装脱はなぜかナース2人がかり。終了後の血圧は手首ではなくて腕で測定。最高血圧・最低血圧共にやや低くなってはいたが異常はなし。「20分は休憩してください」と送り出されてみれば13時。家族連れもいて大賑わいだった待合室は閑散としていた。受付スタッフも半減し、手の空いた看護師さんたちが食事に出ていく。自販機で再度水分補給。ラインナップは他所と大差ないけれど、白湯と冷水があるのは珍しい? ちなみに私、開始前はアクエリアスで、終わってからはリアルゴールド、いずれも氷なしで。

掲示されている開設許可書を見ると、水戸献血ルームは2007年オープンらしい。人口27万人の都市の献血ルームとしてはやや小ぶりな印象(人口20万人を切る甲府市にあるGrapeの方が広々としていた)。休日とは言え、午前中の混雑ぶりは水戸市および周辺自治体住民の意識の高さの現れなのか。午前中に待っている間にもグループで訪れる人もいて、待つ側はちょっと大変だけど、効率からいえば理想的? 日立(人口18万)やつくば(人口22万)が楽しみ。

4つのテーブルには菓子とウェットティッシュが用意され、カウンターに備え付けの図書はコミックが中心で若干の文庫本も。新聞・雑誌のラックには赤十字の各種講習テキストも並んでいたのが印象的。献血ルームでよく見る血圧計はなかったが、体重計があった。また待合室では無料WiFiが使用できたけど、案内は見当たらなかったので、もしかしたら他所のにタダ乗り? ツイッターのパスワードは変えた方が賢明かな。

ビルの2階と駅を結ぶ通路に出された「献血のお願い」幟。その前には魚民の「飲み放題」という看板が。 献血カードを返してもらい、いろいろ注意書きとレトルトカレー(これは選択した)の入った袋、そして駐車サービス券を受け取る。これも室内に貼り紙がしてあって、以前は30分だった余裕を1時間に延長しました、と。食事とかしているうちに時間オーバーしてしまった人がいたのだろうか、あるいは中村ビルでの消費庄やは昼営業しており、魚民は夕方開業のはずだが駅からの通路に看板が)を促そうという方針か。

血小板を抜いたのだから常陸牛で精をつけようと意気込んで食事に出たが、下調べでリストアップしておいた加護やに行ったところ、魚料理は舌平目とあるのを見て茨城県北部海域のヒラメは出荷制限が解除されたというニュースを思い出し予定変更(地元産と確認はしなかったが...この辺りいくぶん思考力が落ちていた)。椀の蓋を味噌汁の中に落とすなど、注意力低下が疑われたので食事はゆったりと。コーヒーを飲み、女性従業員を眺めているうちに元気が出たので出発したのが14時半頃。

水戸センチメンタルジャーニー

来るときは水戸南インターチェンジから降りたが、帰りは水戸インターチェンジを使おうと市内を北上(国道50号から千波湖へ抜ける逆川緑地脇の通りに素敵な並木道を発見)。千波湖畔の県民文化センターには故フィッシャー・ディースカウのリサイタルを聴きに来たことがあったなぁ、などと昔を懐かしみつつ、ちょっと足を伸ばして那珂川河畔まで。街の様子はずいぶんと変わっていた。


水戸北スマートICを使う気はなかったので、踵を返して水戸ICを目指す。後から考えると、このコースは正木ひろしが蒼泉寺から辿った道ではないだろうか(後に首なし事件と呼ばれる警察官による拷問致死事件を解明するため、弁護士の正木ひろしは蒼泉寺に埋葬されていた被害者の遺体を発掘し、東京大で鑑定するために頭部を切断して密かに持ち出し、列車に遅れそうになったため水戸駅には向かわず赤塚駅へショートカットして上野行きに乗り込んだ)。大塚池を横目に見ながら国道50号をのろのろと進み、途中で給油をし、常磐道に乗り入れる。

トンネル入口にはKaraokeyamaという表示友部インターチェンジで北関東自動車道に乗り換え、カラオケ(唐桶)山トンネルというふざけた名前のトンネルを抜けると沿道に雪が残っていることに驚愕。うむ、あの山はひょっとして元祖過激派蜂起の地、加波山であったのか。

今後の予定

3月4月で日立とつくばに行けば茨城県コンプリートである。

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2015/02/08

「これぞ「放射能ってなに」」への批判と自己批判

前回記事「これぞ「放射能ってなに」」は、途中で「オレら、お勉強したいんじゃないのよ。ベクレルがなんだ、原子がなんだとか、そんなお勉強がオレらに必要なわけじゃない。オレらに必要なのは、これで測って、それからどうするか。」という(別の人に向けられた)批判を目にして大幅に改稿したものだけど、それでもお勉強臭さが抜けきらず、なにより冗長で、「本当に中学卒業程度を念頭においてます?」と問い詰められると頭を下げるしか無い。

今までにいただいた批判に自己批判を加えて中間集計すると以下のようになる。
・長い
 反省してます。

・図を入れるべき
 反省しています。

・本文にない言葉が見出しに使われている
 反省しています。

・「まとめると以下の通り」から各章へハイパーリンクを張ると読みやすい
 (要するに長いから全部は読まない、ということですね、ごもっとも)次回から取り入れます。

・自然放射能について触れていない
 おしまいの方に申し訳程度にカリウム40について触れてますが(「よく例に出されるカリウム40は、半減期から考えて現在の8倍近くあったはず」)... いわゆる文系の人でも放射線年代測定は知っているだろうから、そこを緒に触れるべきだったか。しかしまた長くなりそう。

・福島県民の被曝状況について触れていない
 国や県の調査結果を端から信用しない人もいるので、できるだけ公式発表に依拠しないようにと思いまして。

・チェルノブイリハートは放射能と関係ないことに触れていない
 「ない」を説明するのは困難ですから。ちなみに映画「チェルノブイリハート」に対して、USA大統領科学顧問を務めた(この肩書だけで陰謀論好きの人たちは疑ってかかるだろう)ムラーは否定的に評価している。

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2015/02/04

これぞ「放射能ってなに」

以前のエントリーで「反原発出前授業:放射能ってなに」を批判した。いろいろ問題はあるが、なんといっても肝心の「放射能ってなに」があまり語られていないところが特に不満だった。

そこで、批判ばかりしていても仕方がないと、中学卒業程度の知識の持ち主を念頭においた「放射能ってなに」を自分でも書いてみることにした。なお、以前にも「原子力問題を理解するためのクイズ」という一連のエントリーを挙げているので、そちらも見てほしい。

門外漢が放射能に関心を持ったのは2011年の東京電力原発事故の影響が大きいと思われるので、通常の「フランスの科学者アンリ・ベクレルが、1896年、ウラン化合物を...」という歴史は割愛し、核災害に対する放射線防護を中心に述べていく。彼の功績を讃えて放射能の単位がベクレルになったとか、ストーリーで追うのも楽しいとは思うけれど、残念ながら手に余る(なにしろ誤って伝えられた話とか都合よく歪められた話とかを鵜呑みにしたら格好の突込みどころとなってしまう)

まとめると以下の通り。
・放射線からの身の護り方と放射性物質からの身の護り方とは違う
・今回の事故で現在気にする必要がある放射性物質は放射性セシウムだけで、そこから出る放射線はベータ(β)線とガンマ(γ)線
・放射性セシウム原子は、一度放射線を出せばそれっきり(放射能がなくなる)
・ベクレルは放射能の単位で直接計測できる
・シーベルトは被曝の影響を考えるのに使う、計算して出した推定値で、外部被曝でも内部被曝でも使える共通の尺度
・放射線から身を守るには浴びる時間を短くし、遮り(遮蔽)、距離をあける
・放射線の害の一つは、強い放射線で細胞が死んでしまうことにより起きると考えられている(確定的影響)
・被曝症状として一般に思い浮かべられる出血は1シーベルト(1000ミリシーベルト)以上、下痢は6シーベルト(6000ミリシーベルト)以上の被曝で起きる
・確定的影響の出ない弱い放射線でも、がんや遺伝障害が起きることはある(確率的影響)
・放射線でがんになるのは「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」の結果
・遺伝子の異常で子孫に伝わるのは生殖細胞に起きたものだけ
・妊婦が通常の放射線検査(数ミリシーベルト)を受けても胎児に影響はない
・放射能を眼に見えるようにすれば、いたずらに怯えずに済む

放射能、放射線、放射性物質

まずは押さえておきたい基本のキ。

放射能とは放射線を出す能力
放射能を持つ(放射線を出す)物質を放射性物質と呼ぶ
放射線とは放射性物質から出てくる光に似たエネルギーの流れ

この3つは「ゴジラは水爆の放射能で〜」と語っている分には区別する必要はなかった。しかし、原子力発電所が爆発し、広範な放射能汚染に見舞われた現在、放射線放射性物質はきちんと区別する必要がある。なぜなら放射線と放射性物質とでは防護の仕方が異なるから。

一般に放射防護服と思われているアノ白い服(商品名タイベック)は、放射性物質の付着は防げるけれども、放射線(とりわけガンマ線)を防ぐ機能はない。たとえば住宅の屋根が汚染されて、そこからの放射が問題になる場合はタイベックを着ても全面マスクをつけても全く無意味だが、寝室を2階から1階に移すだけで被曝線量を大幅に減らすことができる。

あるいは学校の校庭が汚染された場合、汚染された土が埃となって舞うなら放射性物質としての対策が必要で、そうでないなら放射線としての対策が有効。郡山市立橘小学校ではペットボトルに水を詰めて並べることで教室の線量を1/3に下げることに成功している。ひとしなみに「放射能恐い」では有効な対策は立てにくい。

放射線の特徴と放射能の特徴

一口に放射線といってもいろいろな種類があり、その性質もそれぞれ異なる。しかし原発事故による放射能汚染で気にする必要があるのはアルファ(α)線、ベータ(β)線、ガンマ(γ)線の3つ。そのうち今般の事故で問題になるのはβ線とγ線(α線を出す物質は幸いにもあまり飛散しなかった)。β線は、人体への影響が強いけれど、透過力は弱い。突き抜ける力は弱いので遠くまでは届かず、届いたものも皮膚で吸収されてしまうため、外から来る場合はあまり心配する必要はないけれど、身体の中から出てくる場合(これが内部被曝)は脅威。γ線は、レントゲン検査に使うX線のように大抵のものを突き抜けて届くけれど、人体への影響は比較的弱い。壁や服も通り抜けてしまうので外部被曝は主にγ線による。

原子核が自然に壊れて放射線が出てくるのが放射能の正体(壊れやすい原子核を持つものを放射性同位体とか放射性元素と呼び、自然には壊れないものを安定同位体と呼ぶ)。放射性ヨウ素や放射性セシウムは、放射線を1回出すと放射能を持たない安定同位体に変わる(厳密に言うと、β線を出してからγ線が出る2段階だが、ほぼ同時に起こるので1回に数える)。ウランやラジウムが放射能を持たない鉛に落ち着くまで何回も放射線を出すのと異なり、ヨウ素もセシウムも1回きりで安全になる(それぞれキセノン131、バリウム137という放射能を持たない安定同位体になる)

放射性物質の原子の原子核(以後、原子(核)とする)がいつ壊れるか(=いつ放射線を出すか)は予測できない。ただ原子の種類ごとに「壊れやすさ」は決まっていて、それを時間で表したのが半減期。半減期を過ぎると半数の原子(核)が壊れており、放射線が出て行ったぶん放射能も減って半分になる。放射性ヨウ素の半減期は約8日なので、8日で半分、16日経つとそのまた半分で1/4、24日で1/8、32日で1/16となる。16日で0になるわけではないので注意。

半減期8日の放射性ヨウ素(ヨウ素131)の原子が64個あったとする。8日経つ間に32個の原子(核)が壊れて放射線を出す。仮に一定の間隔で放射線が出ると仮定するとガイガーカウンターが6時間に1回「ピッ」となる計算。実際にはガイガーカウンターがあるのとは反対側や上下左右に飛んでいった放射線は検出できないので、もっと少ない(食品検査のようにベクレルを測るときは検出部を試料の中に埋め込む)。半減期約30年の放射性セシウム(セシウム137)ではどうか。64個では8日間に「ピッ」と鳴るのは1回かせいぜい2回、おそらく1回も鳴らない(つまり放射線は出ていない)。量を考えるのが大事。

放射性物質の半減期はそれぞれ決まっていて、人為的に短くしたり長くしたりはできない。強い放射線を当てて別の原子(核)に変えてしまえば半減期の長さも変わる(そうやって核のゴミを無害化しようという研究はある)が、微生物とかナノ純銀とか米の研ぎ汁とかではエネルギーが弱すぎて原子(核)の変換は不可能 。

ベクレルとシーベルト

次に放射線の害について記そうと思ったが、身の回りに存在するようになった以上は定量的に捉えなければ意味が無いので、先に単位について説明、と思ったけれど、何度書き直しても微に入り細を穿つ記述となって「中学卒業程度の知識で理解できる」という趣旨に沿わなくなる。そこで単位で悩んでいる人は、以前に「ベクレルとシーベルト(用語解説)」というエントリーを上げたので、そちらを参照してもらえるとありがたい(いま見直すと細かいミスがあって、「これはマズい」という1か所は直したところ)。こちらでは触れないグレイ(Gy)についての説明もある。

大雑把にいえば放射能を考えるときはベクレル(Bq)、放射線の影響を考えるときはシーベルト(Sv)という単位を使う(一般の人が気にするのは実効線量なので、同じシーベルトを使っているが8倍から100倍大きな数字で出される等価線量の値で驚かないこと。ベクレルは「1キログラム当たり何ベクレルか(Bq/kg)」と「全部で何ベクレルか」とを分けて考える。1000Bq/kgだ! 基準の10倍だ!といっても、その物が1グラムしかないのなら全部で1Bqなのでそんなに心配する必要はない(エアコンのフィルターに埃が1kgもついているようなら、放射能よりも電気代の心配をした方が良い、それと掃除に対する無関心ぶりにも)。シーベルトも同様に、「時間当たり何シーベルトか(Sv/時のほかにSv/年の場合も)」と「積算量で何シーベルトか」を分けて考える。積算とは、0.01mSv/時で1時間被曝したなら0.01mSv、10時間なら0.1mSvということ。

なお、放射性ヨウ素と放射性セシウムでは同じ値のベクレルでも意味するところは異なる。ヨウ素131で100Bqは8日後には50Bqにまで下がっているけれど、セシウム137の100Bqは8日経っても(ほぼ)100Bq、1年経ってもほぼ100Bq。それにセシウム137から出るγ線の方が強い。したがってある時点で同じベクレル数でもセシウム137の方が強く被曝することになる(外部被曝の場合)。一方、シーベルトは一生のうちのいろいろな被曝(自然被曝、医療被曝、職業被曝など)を合算するために組み立てた数値なのでヨウ素であろうがセシウムであろうが、また外部被曝であろうが内部被曝であろうが、1シーベルトの影響はどれも同じ

も一つ大事なこと。シーベルトは直接測定できる値ではなくて、計算して出した推定値。だから計算の前提が合っていないと(空間線量測定装置を地面に置くといった不適切な計測操作など)不正確な値が出るし、「この内臓への影響はもっと重視しよう」となれば計算の仕方が変わってくる(計算に使う組織荷重係数はマニュアルの発行年によって変動している)

なお、ベクレルは時間経過によってしか減少しないが、シーベルトは測定する場所によって変動しやすい(離れれば減少する)。除染の効果を調べるのならシーベルトを使うのが妥当だが、一時期話題になった「放射能を減らす技術」の場合はベクレルで論じた方が正確。

補:数字の大小について
ところで「1年間に1ミリシーベルト(mSv)」の印象が強いので、「食べ物の基準は100ベクレル(Bq/kgだから、そのものを1kg食べなければ100Bqにはならないのだが)」が不当だと感じている人がいるかもしれない。セシウム137を100Bq(Bq/kgではなくてBqそのもの)口から体内に入れると1年間で0.0013mSv被曝すると考えられている(尿などに排出されるので1年後には3Bq程度になっている)ので、その100倍量を口に入れてもまだ0.13mSvである。たとえば基準値ギリギリの米(実際には確実に下回っている物しか出荷しないためギリギリのものが食卓にのぼることはない)を100kg食べても0.13mSvである(日本の一般家庭の平均米消費量は1人当り年間60kgを下回っている)

ベクレルは桁が大きくなりがちなのでしばしば100万ベクレルをメガベクレル(MBq)、十億ベクレルをギガベクレル(GBq)にして桁を小さくする。放射性物質を扱い慣れた人が〈素のベクレル〉を恐れないのはそのせい。一方シーベルトは小数点の後に0が何個も続くので、こちらは千分の一をミリシーベルト(mSv)、百万分の一をマイクロシーベルト(μSv)にして扱う。μSvでは見た目大きな数字になるので、慌てないで単位を確認しましょう(1mSv=1000μSv)

放射線から身を護るのは時間・遮蔽・距離の三原則

時速100kmで走っている自動車でも、6分でガス欠を起こしたら走れたのは10kmで、それは時速20kmの自転車で1時間頑張って走った距離より短い。速度を線量率(Sv/時)、距離を被曝量(Sv)と考えると、被曝する時間を短くすることが防護に有効と分かるだろう。理想的には0なのだが、0.000001秒でも浴びたら人生真っ暗というわけではない(そんな短時間で影響が出るのは360,000,000Sv/hr、毎時三億六千万シーベルト以上の放射線)。放射線を浴びる時間を短くするのが第一。

そばに強い放射能を持つ物(放射性物質、放射線源)があっても、遮蔽がしっかりしていれば心配はない。実際、事故前にも原子炉の中には強い放射能を持つ物体が大量にあったわけだけれど、外に出ないよう密封され、厚い鋼鉄とコンクリートによって放射線も遮られていたので近隣住民は平穏に暮らすことができていた。遮蔽には2種類あって、放射性物質が漏れてこないようにすることと放射線が出てこないようにすること。

放射性物質が液体や気体の場合(固体でも飛び散りやすい微粉末の場合)は密閉が必要になる。なお物体の状態は時間と共に変わることがある。ラジウム(キュリー夫妻が発見したことで有名な天然の放射性元素)は、それ自体が放射線を出すばかりでなく放射線を出した後にできるラドン(常温で気体の元素)も放射能を持つので、遮蔽を完全にするには密封する必要がある。放射能を持った埃やガスを吸わないようマスク(大きな埃ならガーゼマスクで済むが、ガスの場合は吸収缶を使ったガスマスク)を着用するのも一種の遮蔽。 なお、繰り返しになるがお馴染みの白い防護服は放射線(ガンマ線)を遮蔽できない。放射性物質が身体に付かないよう遮断しているだけである(たとえ外側が汚染されても、用が済んで脱ぎ捨てれば被曝時間も短く抑えることができる)

放射線の遮蔽しやすさは、放射線の種類による。今般の原発事故で問題になるのはベータ(β)線とガンマ(γ)線。ただし、β線は透過力が弱いため、厚さ1ミリメートル程度のアルミ板で遮られてしまうし、水中なら1センチメートル未満、プラスチックなら1センチメートル、空気中でも数十センチメートルしか進めない(放射性セシウムからのβ線は決まった強さでは出ないので透過力には幅がある)。問題はγ線で、放射性セシウムから出るものを遮断するには厚さ数センチメートルの鉛が必要(より高密度のタングステンなら薄くできるが、遮蔽効果は質量に比例するので軽くすることはできない)。空気中なら数百メートル飛ぶ。原子炉作業員が着るタイベックでも防げないのであるから、民間人の一般服では遮蔽効果はない。2011年の夏に福島県下の児童が炎暑の中を長袖長ズボンで登下校する姿がテレビに映されたが、周辺から降り注いだγ線に対しては役に立たず、汗で土埃(放射性セシウムで汚染されていただろう)が肌につきやすくなっただけと思われる。毎日洗濯していれば土埃対策にはなっただろうが。

三番目の防護方法は距離をとること。君子危うきに近寄らず。放射線源から遠く離れれば間に空気やら樹木やら建物が入って遮蔽効果が発揮されるけれども、実は真空中であって間に遮るものが何もなくても距離をとると放射線は弱くなる。γ線は電磁波の一種で、性質は光とよく似ている。電球から離れればそれだけ暗くなるのは日常経験する通り。電球からの距離が2倍になれば、明るさは1/4になる。γ線も同じで、放射線源から離れれば距離の二乗に反比例する(つまり弱くなる)。だからといって電球の表面に密着したら明るさ無限大になるかというと、そんな事はない(明るさ無限ということはエネルギー無限ということで、エネルギー問題解決!?)

内部被曝が恐ろしいと言われる理由の一つは、外部被曝であれば近付いている時間を短くしたり(時間)、安全な建物に隠れたり(遮蔽)、放射線源から遠ざかったり(距離)することで低減できるのに、身体の中から来る放射線にはどれも使えないことによる。

ちなみに放射性物質が体内に入ってしまった場合は、その物質の性質に応じて特定の組織に集中しないようにしたり、体外への排出を促したりすることで防御する。放射性ヨウ素(ヨウ素131)を吸ったときは、放射能のないヨウ素(安定ヨウ素)を服用して甲状腺への集中を妨害する。放射性セシウムの場合はセシウムと結合するプルシアンブルーという物質を服用して血液中から腸内に出てきたセシウムの再吸収を防ぎ、便と共に排出させる(体重1キログラム当たり千ベクレルというような汚染の場合に有効)

なお、一般的に放射性物質の毒性は放射能だけ考えれば良い。放射線量で大したことがないと証明されると「いや、セシウムの化学毒性が」「バリウムは有毒元素」と論点を変えて頑張ろうとする人がいるけれど、化学毒性が出るほどの放射性セシウムを摂取したら、放射線障害で死んでしまう。

放射線はなぜ怖い?

放射線のいったい何が悪さをするのか? 放射線が当たると分子が壊れる。細胞の中にある小器官を形作る分子や遺伝子(DNA分子)が直接壊されることもあるし、細胞内にあった水分子が壊されてフリーラジカルという酸化性の強い分子になり、それが細胞内小器官やDNAを壊すこともある。大量の放射線が当たって細胞内の小器官がズタボロにされれば、その細胞は死ぬ。そこまでいかなくても、細胞の設計図であるDNAが壊されてしまうと細胞は増殖できなくなって、寿命が尽きると死ぬ一方になる(異常を察知して細胞の自爆装置が働くこともある)。たくさんの細胞が死んで補充がされなければ、その組織は機能を全うできなくなり障害が現れる。出血を止める、病原体を制圧する、栄養を吸収する、身体と外界の境界を作るといった働きをしている細胞が不足すれば、小さな傷でも血が止まらなくなり、ウイルスや細菌や原虫その他が跋扈し、栄養状態が悪くなり、体表面から血漿が大量に失われ、最悪の場合、死に至る。

細胞の中には放射線の影響を受けやすいものと受けにくいものとがある。分裂準備中の細胞は放射線にとりわけ弱い。そのため細胞が盛んに分裂増殖する胎児や小児は放射線の影響を受けやすい。また成人では骨髄細胞、腸の内側の細胞、毛根細胞、表皮細胞、生殖細胞が影響を受けやすい(といっても、ほんの少しでも被曝したらアウトというわけではなく、たとえば妊婦が通常の放射線検査を受けても胎児に影響はない

被曝症状として誰もが思い浮かべる全身からの出血、貧血、感染症、下血、嘔吐、脱毛は確定的影響と呼ばれ、それぞれ発症する実効線量がおよそ決まっている。短時間に1Sv以上被曝すると骨髄細胞に影響が出て、出血が止まらない、感染症に対して無防備になるといった症状が出る。骨髄移植など適切な治療を受けないと1か月ほどで死亡する。6Sv以上被曝するとそれに加えて下血(血便の下痢)が始まる。この場合、高度な治療を受けても約半数は死亡する。(メルクマニュアルによる)

逆にいえば、ある線量より低ければ確定的影響は出ない。この線量を閾値(いきち/しきいち)と呼ぶ。

一方、確定的影響の出ないような弱い放射線でも、被曝するとロシアンルーレットを回したように、確率的影響が現れることがある。具体的には固形がんと白血病そして遺伝的影響で、被曝線量が下がれば発生する率も低下し、下限100mSv(累積線量)からは線量増加に比例して確率も上がることが知られている。それより低線量では他の発がん要因の影響もあって、はっきりとした比例関係は認められないが、防護の原則として安全側に立つために、0mSvまでは小さいながらもがんになる蓋然性はあるという閾値なし直線仮説(LNT仮説)が採用されている。

このLNT仮説は「放射線管理の目的のためにのみ用いるべきであり、すでに起こったわずかな線量の被曝についてのリスクを評価するために用いるのは適切ではない」とICRP(国際放射線防護委員会)は注意を促している。たとえるならば、公道で制限速度を5ポイントばかり超過したとして、それだけのために事故が起きることはほとんど無いけれど、それでも取り締まりの対象にするよ、ということか。

では、低線量の放射線を浴びたとして、どれだけがん(白血病や脳腫瘍のような癌の定義に当てはまらない悪性新生物と癌の総称としてひらがなで書いたがんが使われる)が増えるのかというと、累積1Svの被曝でがんによる生涯死亡リスクが5%上昇するというのが広く受け入れられた見解。

放射線によるがん

放射線を浴びるとなぜがんになる(ことがある)のか。

がんは、発がん物質によってできると思う人もいるかもしれないが、本質的には遺伝子に起きた異常が原因でできる(発がん物質は遺伝子を傷つける)。しかし、「放射線は遺伝子を傷つける、だから放射線を浴びるとがんになる」には飛躍がある。

人体の細胞は、一部の例外を除き同じ遺伝情報を持っている。爪の垢から皮膚の細胞一つを取り出し、上手に増やせば原理的には元と同じ人間ができあがる(クローン人間)。逆にいえば、細胞の中の遺伝情報のほとんどは一生眠ったまま(垢になって落ちる皮膚の細胞にも心臓や肝臓になるための情報がある)。その眠った遺伝子に傷がついたところでなんの影響も現れない(「眠っていろ」という指令を受け取る部分が壊れると話は別)。また細胞には長短はあれど寿命がある。もう分裂することのなくなった細胞の遺伝子にどんな傷がつこうと、その異常は細胞の死と共に消え去る(「分裂しなくて良い」や「もう死ね」という指令を出したり受け取ったりする部分が壊れると話は別)。結局、がんに結びつくDNA(狭義の遺伝子に当てはまらない部分もあるのでDNAと言い換える)の傷(異常)というのは、かなり限られたものになる。比喩的にいえば、アクセルが開いたまま戻らなくなる異常か、ブレーキが掛からなくなる異常が細胞に起きたとき、暴走するがんに向かって進み始める。それ以外の、たとえば室内灯が点きっぱなしとか窓が開かないとかの故障が暴走に直結することはないし、冷却系や電源系の異常なら走行不能になって(=細胞が死んで)、やはり暴走には至らない。

そういうやばい所をうまい具合に傷つけられた細胞ががん細胞になるわけだが、放射線がDNAの特定の領域を狙い撃ちできるとは考えにくい。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるで、たまたまがん化した細胞があって、それが増えてがんになると考えるのが相当(努力はしたけれど偉くなれなかった人が教訓話に登場しないのと同じ)

そしてまた、がん細胞も1個や2個、いや100個や200個あってもがんにはならない(一説には、がん細胞は毎日5000個うまれている。それは免疫機構ががん細胞を排除するから。

「タバコを吸い続けて30年経つけど、肺がんにはならない」と豪語する人がいるのは、タバコに発がん性がないからではなくて、煙の中の発がん物質が肺の細胞のDNAを傷つけても、それが必ずしもがん化に結びつくものではないこと、またがん化した細胞は免疫機構から攻撃されること、そしてがんはある程度の大きさにならないと症状が出ないことによる(解剖して顕微鏡で調べなければ分からないような小さながんのまま他の原因で亡くなれば、普通はがん患者とは呼ばないだろう)

放射線による遺伝障害

放射線によるDNA損傷が子孫に受け継がれ、先天性の異常として現れることはある。ただし、それは異常が生殖細胞(女性なら卵子、男性なら精子)に生じた場合のみ。たとえば100mSvを超える被曝によってリンパ球の染色体異常が起きるが、これは子孫には伝わらない(「獲得形質は遺伝しない」:親ネズミの尻尾を切っても産まれてくる子ネズミの尻尾の長さは正常なのと同じ)

精子は思春期以後に毎日新しく分裂によってできてくるので、精原細胞などが放射線の影響を受けると多数の精子に影響が出る(「親ガメこけたら皆こけた」)が、卵子の元になる卵母細胞は誕生時には数が揃っているので、生後に浴びた放射線の影響が拡大することはない。

また遺伝子は両親に由来する2つが1組になっているので、1つが働かなくなっても影響が現れるとは限らない(ただし間違った働き方をするようになると片方だけでも異常は出てくる)。実のところ、健康な人もそのような隠された異常を複数持っていると考えられている(たとえば後述の紫外線によるDNA損傷の修復能力を欠く遺伝病は、日本では113人に1人が保因者と推定されており、保因者同士の間に生まれた子は1/4の確率で発病する)。もちろん無駄にリスクを増やすことは避けた方が好ましいけれど、少しばかりの被曝を気に病みすぎるのは別の面で不健康を招きかねない。

なお、広島市と長崎市における被爆者の健康調査から、親の放射線被曝との関連性のある被爆二世の疾病はないものと考えられている。もしかすると詳細な調査によって今後なにかしら見つかるかもしれないが、それは70年かけてもはっきりとは見えて来ない現象であり、また両市で降り注いだ放射線は急性障害で人がばたばた死ぬほどの高線量であったことに注意。

補:遺伝子の修復能力について
放射線以外でもDNAを傷つけるものはある。身近なものでは太陽光に含まれる紫外線。紫外線によるDNA損傷を直す能力の欠けた遺伝病患者は日光に当たるとひどい日焼けを起こし、10歳以下でも皮膚がんを発症する(進行の穏やかなタイプもある)。放射線と紫外線とではDNAにつく傷の種類は異なるけれど、生体にはDNAを護る機構が備わっているということ。ちなみに生物が地球上に現れた三十数億年前の自然放射能は現在よりずっと高かったと考えられる(よく例に出されるカリウム40は、半減期から考えて現在の8倍近くあったはず)。そのなかで生物は進化してきた。

放射線による先天性障害

母親の胎内にいる時期に被曝すると、発生異常が起きて障害児が生まれることがある。有名なのは原爆小頭症。これも妊娠中に少しでも被曝したら、というものではなくて、特定の時期にある線量以上の被曝をすると生じるということが分かっている。前述の通り、現在では妊婦が通常の放射線検査を受けても胎児に影響はないとされている(今でも妊娠中のX線は危険と思われているのは、1967年にICRPから出された「10日ルール」の印象が強くて、その後の新しい知識に置き換わらないのだろうという指摘がある)

2011年3月の事故発生当時に妊娠していた胎児については、先天性異常の発生率は全国平均と差がないという調査結果が出ている(原発事故など無くても3%程度は先天性疾患を持った子は生まれるので、「お待たせしました」とはしゃぐフリージャーナリストや、ショッキングな医学写真を並べて脅かす素人ブログに騙されないように)

なお、人工妊娠中絶は母体保護法に定められた理由がなければ行えず、手術後は理由とともに都道府県知事に届け出なければならない。したがって「放射能のために障害児になっているかも」という心配だけで中絶を行おうとしても医師に断られる。また近年は麻酔薬の管理が厳しくなっているので、闇中絶も困難。少なくとも堅気の人には無理であろう。「障害児は中絶されたから調査で見つからない」は無理筋。

放射能の〈神話〉

と、駆け足で見てきたがいかがであったろうか。

日本人にとって放射能の恐ろしさは広島市と長崎市に投下された原子爆弾、水爆実験で被爆した第五福竜丸そしてJCO臨界事故によって印象づけられていることだろう(原発問題に関心のある人ならチェルノブイリ事故も)。これらは悲劇であることに間違いはないが、「原爆許すまじ」の悲願の元、脅威がいささか誇張されてきた気配もある。

それでも核兵器については、まだ国民的合意があった(少数ながら核武装論者がいることは承知している)。問題は原子力発電。夢のエネルギーと歓迎された原子力がいったいいつから忌避されだしただろう。そして政争の道具となり、賛成であれ反対であれ、誰が何を言っても背後の思想性を勘ぐられるようになって議論が難しくなった。

学校教育で放射能が扱われなかったのは実に残念なこと。もし小中学校に校正された線量計が数台ずつ配置され、教師や児童生徒が測定に習熟していたら、汚染地域に向かって避難するような事態は避けられただろうし、患者が残る病院に戻ろうとした医師が足止めを食うこともなかったのではないだろうか。これは80年代には提唱されていたのだ(当時はまだ米ソ核戦争の脅威が現実的だった)

もちろん、いざ実施しようとすれば「子供に放射能を扱わせるなんて!」と非難の声が上がり、理科の教師といえども同僚の誤解(誤解ではなく安全だと分かっていても反対する教師はいるだろう)を解くことはできず、まして父母の納得を得ることは難しかっただろうことは想像に難くない(文部省や教育委員会に父母の納得を得ようなんて甲斐性があったとも思えない)。かえすがえすも「事故は起きません」で押し通そうとし「だから放射能教育は必要ない」となったことが悔やまれる(「ソ連の原爆が落ちるかも」とか「事故は起きるかもしれませんし、原発を停めても放射能は消えません」で放射能への民間防衛を進めていれば...なお、JCO臨界事故を経て原子力安全委員会は「事故は起きるかもしれません」に方針を変えていたのに、「では具体的な避難訓練を」と前向きに対応できなかったことも痛恨の極み...)。それでもまだカリ肥料とか夜光塗料とか無難な教材はあったと思うのだが(ちなみにチェルノブイリ事故で汚染されたベラルーシの学校では、生徒たちは食材の放射能測定法を学習している)

サーベイメーターという、放射能を可視化する道具を使いこなせれば、見えないお化けに怯えるのとは違った対処が可能になる。ご質問をお待ちします。

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2015/01/22

献血の制限は厳しい

献血をしようとする場合、3種類の制限がある。一つは献血する人の健康を慮るもの。採血やそれに伴う消毒等によって健康を害してしまっては申し訳ないという理由。たとえば貧血とかヨードアレルギーとか。もう一つが輸血を受ける患者の健康を慮るもの。感染症が典型(発熱等体調不良は両方にかかる)。そして採血する側の都合。たとえば血管が細くて針が刺しにくいと断られる人がいると聞く。また製剤の寿命が短い血小板は「今日の分は足りてます」ということがある(この場合は血漿献血に切り替わる)

日本赤十字社のサイトには「献血をご遠慮いただく場合」というページがあって、詳しく解説されている。そして献血の現場でも問診項目になっており、該当すると「今回はできません」ということになる。だから献血に協力しようと思い立ったらこのページをチェックするのが吉。でないと無駄足になることがある。ちなみにこの解説にはない項目もあって、実はそれに引っかかったことがある。一つは肝機能値の一つALT(GPT)が高すぎるという理由、もう一つは朝食にカレーを食べていたという理由(血液が脂肪で濁る乳びのため)で。

それらを網羅した解説ページがあれば便利だとは思うが、時々刻々変化するものであるのですぐ陳腐化してしまう(厳しくなるだけでなく、緩和されることもある。たとえば以前は花粉症で服薬していると一律アウトであったが、いまは非ステロイド系抗アレルギー薬であれば当日服用していても問題ない。結局のところ職員・検診医にお尋ねくださいに落ち着く。しかし、わざわざ出かけていって、検査用採血までしてから(医師による問診が検査用採血より前の場合もある)「残念ですが、また今度」となるのは双方にとって無駄になるので、前記「献血をご遠慮いただく場合」をその都度確認し、気になる場合は行こうとしている献血ルームか管轄する都道府県赤十字血液センターに事前に問い合わせておくのが吉。できればメールで回答をもらい、それを持参して見解の不統一があった場合に備えよう(電話の場合は名乗っておくと回答記録があれば参照しやすい)

問診で答えにくくないだろうか?

「以下に該当する方は献血をご遠慮ください」5aは「新たな異性と性的接触があった」、7は「4週間以内に東京・代々木公園周辺に行った」など さて、献血には前世紀から協力しているのだが、全体的な傾向として制限が厳しくなってきたという印象がある(前述のように緩和された項目もある)。とりわけ感染症予防のための制限がそう。2014年には、タッチパネルで答える質問にはないけれど検診医から「代々木公園・新宿中央公園・外濠公園に行きましたか」と聞かれたり、注意書きが貼り出されたりしていたデング熱の国内感染を警戒しての注意だが、冬になったらもう無意味)

それくらいならイエスでもノーでも答えやすいのだが、次のような質問はどうだろうか。


  • 過去6カ月間に麻薬・覚せい剤を使用しましたか?

  • 過去6カ月間に不特定の異性または新たな異性との性的接触がありましたか?

  • 過去6カ月間に男性どうしの性的接触がありましたか?

  • 過去6カ月間に上記に該当する人と性的接触をもちましたか?

「麻薬・覚醒剤を使いました」と正直に申告する人はどれくらいいるだろうか。また特定の異性であっても親密な交際が6か月以内なら申し出ろとは、かなりプライバシーに踏み込んだ質問。高校献血キャンペーンとかで学校に献血バスが来て、後ろに同級生や教職員がいる中でこんな質問に答えさせているのだろうかと余計な心配までしたくなる(性体験を自慢し合うような学校だと見栄張ってアウトになるおっちょこちょいが出で一騒動起きるかも)。企業の中にも職場に献血バスを呼ぶところがあるけれど、カミングアウトしていない男性同性愛者にとっては踏み絵のような苦痛らしい(もっともその辺は赤十字職員も心得たものでうまく処理してくれると聞いたことがあるが)。最後に「上記に該当する人と性的接触を」に至ってはもう「カレシの元カノの元カレを、知っていますか?」(動画)の世界。結婚している人にとっては「夫/妻は浮気をしているか、覚醒剤を打っているか、」と聞いているようなもの。正確に答えられるはずもないし、深く問えば家庭を壊しかねない。

赤十字としても問診で完全にハイリスクグループを排除できるとは考えていないだろうが、それなら問診をもう少し簡素化できないだろうか(献血ルームの場合、これらの質問にはタッチパネルで回答する)。献血する側の負担が強くなっているようで気になる。

いろいろ書き出してみると考えがまとまらなくなってきたので、とりあえず前半を公開。後半は...未公開のまま終わるかも。

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2015/01/14

献血ルーム巡り5(栃木県・栃木県赤十字血液センター)

なかなか仕事が決まらないため、暇つぶしと社会貢献を兼ねて始めた献血ルーム巡り。新年第一回で栃木県をコンプリートした。

栃木県赤十字血液センター

栃木県の常設献血場所はうつのみや大通り献血ルーム栃木県赤十字血液センターの2か所。前者は昨年のうちに済ましている。

血液センターは宇都宮市内とはいえ案内に「お車でのご来場が便利です」と書かれるような場所。しかしおかげで探すのにも苦労しないし、駐車場も広々としていて快適。

高さ1メートルほど、前面上部のボタンを押すと殺菌されたスリッパが出てくる機械が3台正面玄関から入ると、スリッパに履き替えてとの案内。感心なことにスリッパは紫外線で殺菌されている。ただ、説明の字が小さいので最初は戸惑うかもしれない(上部中央のボタンを押すと下からスリッパが出てくることはシールですぐ分かったが、帰るときに上に置けば良いというのが分かりにくかった)

13時までは昼休みなのだが、受付手続きは13時前からどんどん進めてくれた。献血カードで前回も栃木県内で献血していることを知るや「ポイントカードをお持ちですか」とは「ファミマか!」と突っ込みたくなるが「栃木県は今回制覇なのでもう来ないから」なんて意地悪は言わず黙って差し出す。受付を済ませて暫く待つ。

待合室にはマッサージチェアが2台あり、また幼児が遊べるキッズコーナーも設けられていた。実際、子連れの献血者も数組。こうやって親の姿を見ていれば18歳になったら「自分も」と思うようになるだろう(献血そのものは16歳から可能だが200mLだけ。17歳になると男性は400mL、18歳になると男女とも400mLと成分献血が可能に)

ロッカーキーはけんけつちゃんキーホルダーにロッカーの鍵にはサンタ姿のけんけつちゃん(採血ベッドの足元にも手荷物を入れられるカゴがあり、これはよそでは見なかったような)

「トイレは採血の前に」という注意書きはあったものの「男性も座って」という注意書きはなかった。つまり採血後の使用は考えていない? ただし非常呼び出しボタンはトイレ内に複数設置。

ここでも無線呼び出し機はなく館内放送で呼び出し。ただし名前ではなく、受付時に発行される番号で呼ばれるのはうつのみや大通り献血ルームと同じ(プライバシー保護のため番号で呼びますというお断りが貼ってあった)。「牛は10桁、人は11桁」なんていう人には堪えられないかな。手首に紙テープを巻かれて、それに番号やバーコードが書いてあるというのも導入当初はちょっと驚いたけれど、もう慣れた。

午後の最初は26番。午前中に25人来ていたということか。ざっと6分に1人の割合なので順調な稼働率。採血ベッドは10台以上(12台?)あるけれど、一斉には稼動させず時間差を設けている模様。番号を呼ばれて入ると素敵な女医さんによる問診(待合室には問診医の当番表が張られていた)。そのせいかまた血圧が高めに(尿意を堪えながら自動車を運転してきたわけだが、すでに用は済ませ、20分近く休憩していたから大丈夫と思ったのだが)。腕を変えて測り直したが、やはり最高血圧は140に。「病的ということはありませんから」ということで採血可となったけれど少々気になる。ちなみに献血の基準は「最高血圧が90mmHg以上」で上限値はないけれど、140は「I度高血圧」(旧基準では軽症高血圧)に該当する。ぐぬぬ...

採血ベッドに乗る際、スリッパに履き替えているから「靴を脱ぐか脱がないか」で迷わないと思ったら「スリッパを脱ぐかどうか」で迷うことに。「脱いで」が正解。

担当のナースさん、ベテランなのかずぼらなのか、数人いるナースの中でただ一人ゴム手袋を着用せず、見ていると手指の消毒もしない。気になって別の人の採血をする様子をずーっと見ていたのだが、「ここでするだろ普通」というところでも消毒しないまま穿刺。まー、消毒綿を持てば指先は殺菌されるし、指先が触る皮膚はヨウ素で殺菌されているしで、素人が心配することではないのかもしれないが... あ、エプロンで指先を拭いた、あなたさっき自分の顔に触ったでしょ、いま持ったそのファイルは受付カウンターから届いたものだよね、ぎゃあ〜、お願い消毒して〜。エタノールスプレーが寂しがってますよー。

30分少々で3サイクルが無事終了すると、チューブを固定していた粘着テープを取り、無造作に針が抜かれる。ここまでは前回と似たりよったりだが、採血中に針のところを覆っていたガーゼは取らず、そのまま止血テープを巻かれたのにはびっくりした(もちろんハイポでの脱色はした)。そういえば検査採血の際も「1分間おさえていてください」というだけでガーゼ付き絆創膏も止血バンドも使わなかった。これが栃木県スタンダード? 今回は真面目に押さえていたためか出血は少なくて済んだ。

血のついたガーゼ。前回よりは出血は少なかった。上の写真、血が少ないガーゼは検査用採血のあとを押さえていたもの。下の写真、前回本採血のあとを押さえていたガーゼ。経験したことがないほど血が染みていて驚いた。

採血が終わったらしばらく休憩(献血ルームによって推奨休憩時間は異なるような)。そのために持ち込んだ『放射線被曝の理科・社会』を読んで時間をつぶす。

「おトクにけんけつ」のチラシ。優待サービスを受けられる15の店の一覧赤十字もあれこれキャンペーンで献血者を増やそうと努力をされている。献血未経験または1年以上間が空いている人を紹介してくれたら特製マウスパッドをプレゼントという「献血×ONE PIECE」というものも(関東甲信越地域限定)。また県内のラーメン店で組織した栃木照る照る坊主の会とのタイアップでラーメン増量などのサービスの受けられる「おトクにけんけつ」というキャンペーンも(ラーメン店のみならず焼肉屋や中古タイヤ販売店なども参加)。ちなみに成分献血の前にラーメンなど脂っこいものを食べるのは禁物です。乳びという状態になり、最悪の場合、赤血球と血漿の分離が正常に行われず採血中止という事態も。ラーメンや焼肉は献血後に(カレーやハンバーガー、さらには乳製品も要注意なのだが、なぜか日赤公式の注意には見当たらない)


壬生パーキングエリア

レモン牛乳ソフトクリーム帰りは北関東自動者道路の壬生PAでレモン牛乳ソフトクリームを賞味。「関東・栃木レモン10%使用」と書いてあるが、もちろん無果汁

パーキングエリアの駐車場から道の駅の駐車場へは歩いていけるこのPAは道の駅と一体となったハイウェイオアシス(みぶハイウェーパーク)なのだが、こういう構造にするならスマートICも設置すれば良いのにと思った。正直な話、オートバイなら道の駅側駐車場へ出るのも...(良い子はやらないように)

駐車場には出された「禁止事項」看板の1項目目は「オフ会・集会」そして「オフ会禁止」という謎の掲示。


今回は冷凍餃子を買いそこねた。福島県遠征の際は電車を使った方が賢明そうだから、東北自動車道とはしばしの別れである。

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2014/12/31

献血ルーム巡り4(埼玉県・熊谷/川越/越谷)

順序は前後したけれど、埼玉県制覇の途中経過をひとまとめに。

なかなか仕事が決まらないため、暇つぶしと社会貢献を兼ねて始めた献血ルーム巡り。手始めに数も手頃な埼玉県の攻略にとりかかった。というのも神流川にある下久保ダムへフラッシュ放流を見に行く途中に熊谷駅献血ルームがあることに気づいたから。

熊谷駅献血ルーム

JR東日本埼玉県赤十字血液センターも「くまがや」と読むが、「あれはクマガに決まっている」(「熊谷次郎直実」は「くまがいじろうなおざね」である)という方もいらっしゃる。噺家の桂文治(十代目)はそれで駅員に食ってかかって弟子が困ったという話も(故人は高田馬場駅についても「あれはタカノババ」と山手線内で放送を聞くたびにお怒りになられたそうで、十一代目曰く「埼京線ができて本当に助かった」)

それはさておき熊谷駅献血ルーム。駅前という交通至便の位置にある。電車ならばJR高崎線で上野駅から1時間ほど、上越新幹線を使えば30分強で着く。自動車の場合は国道17号あるいは関越自動車道で(ちなみに「次はオマエダ」(動画で有名な小前田駅は花園インターチェンジのそば、秩父線で熊谷から8番目なので好事家は立ち寄られては)。近隣駐車場と提携しているので、受付でいえば駐車サービス券をもらえる(わりと太っ腹に余裕を持たせてくれるので、食事や買物も済ませるとよろしいかと)ティアラ21の駐車場は店内で精算しておくとゲートでは停まらずに出場できる。

「雨の日献血」の看板が出ている熊谷駅献血ルーム入り口 駅と同じ建物のためか、非常にこじんまりしており、案内によれば「6ベッドの県内では一番小さなルーム」。しかし待合室は遜色ない。型通りにタッチパネルを使って質問に答え、問診医のところへ行くと「この予防接種(MMR)はいつですか」との質問。歯の治療は3日、予防接種は24時間と思っていたが、24時間なのはインフルエンザなど限られたワクチン。MMRに含まれる風疹とおたふくかぜは4週間空けないといけないと知って驚愕。さいわい接種は8月26日だったのでギリギリセーフ。問診医もしばらくマニュアルとカレンダーを確認していた。

雨の日に献血した記念の缶入りサクマ式ドロップスこの日は血小板を提供。雨天だったので、「雨の日献血」でサクマのドロップをいただいた。

川越クレアモール献血ルーム

10月は川越クレアモール献血ルーム。25日に肝機能を悪化させるイベントが予定されていたのでその前に。待合室は広く、キッズコーナーまで用意されている。ここは血圧を自分で計る(熊谷駅ルームもそうだったような気がするが定かでない)。血圧測定器のそばの掲示板に「川越献血ルームなうとつぶやこう」と貼ってあったが、無料wifiに弾かれてしまった。そして今回も「1年以内の予防接種」で問診医が悩む。あのー、接種後にもう献血しているんですけど。
3周年記念としてもらった菓子の詰め合わせ この日は血漿のみ提供(夕方だったせいかな)。移転3周年ということで記念にお菓子の詰め合わせを頂戴した。

越谷レイクタウン献血ルーム

入口の看板 11月は越谷のイオン店内にある越谷レイクタウン献血ルームへ。血小板製剤は採血から3日(72時間)で寿命となってしまうため、平日の献血が喜ばれる。というわけで木曜日に出動。最寄り駅はJR武蔵野線の越谷レイクタウン駅だが、自動車で。
駐車した場所の番号を控えた 広大な駐車場を前に迷走し、適当な入り口から入り、帰りに迷子になるのを防ぐため、番号を撮影。店内に入ると幸いにしてルームは目の前にあった(「近い駐車場は「イオンレイクタウンmori立体駐車場」」と書いてあったのに...事前の調査不足を毎回反省)。ちなみに駐車料金は平日は5時間まで無料。ただし店内精算をしてもティアラ21の時のようにそのままは出られず駐車券の提出を求められるので注意。

看護師さんたちが花柄のエプロンをつけ、指をヨード消毒していたのが印象的。採血ベッド(イス?)には靴を履いたまま(熊谷や川越もそうだったような気がするが定かではない)。休憩室の自販機でファンタメロンというものを体験。

灰色の水をたたえた湖。対岸には住宅が見える。 レイクタウンとご大層な名前だけれど、その「湖」はこれ。もっとも晴天であれば見栄えも良かったかもしれない。おそらく元は農業用溜池。
「歩行者は青信号2回でわたってください(=1回で渡り切ろうとするな、中央分離帯で1回待て)」と国土交通省からの指示 周辺道路は車線が多くて幅広いため、歩行者にはやや厳しい。

検査結果

夏に悪化した肝機能値は徐々に回復している 献血をすると生化学検査と血球計数検査の結果が送られてくる。脈拍はいつも高めだが血圧は医者に誉められるほど。問題は肝機能値で、特にALTは高すぎて献血を断られたこともあった。それが秋以降順調に低下(10月25日に前後不覚になるほど飲んだのだが、値は低下)。γGTPはまだ基準値超だが、これも順調に低下。しかし年末年始の暴飲がどう出るか...



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献血ルーム巡り3(栃木県・うつのみや大通り献血ルーム)

なかなか仕事が決まらないため、暇つぶしと社会貢献を兼ねて始めた献血ルーム巡り。次は栃木県制覇を目指す。

うつのみや大通り献血ルーム

山梨県コンプリートから2週間を過ぎた12月下旬、今度は栃木県のうつのみや大通り献血ルームへ出かけた。またしても乗用車。そしてこちらは12時から昼休みに入るのに、渋滞に捕まったり道を間違えたりしているうちにタイムアウト。予定を変更して食事と給油を先行(なぜか給油しようと思うとGSが見当たらなくなり、おかげで時間調整には困らなかった)。14時少し前に立体駐車場に車を入れて通用口から入って受け付けへ。
表通りに面した入り口 表通りに面した入り口は分かりやすい。
表通りに出された「旅人献血大歓迎」の看板「旅人献血」なる看板が出ていて、県外からの献血者を歓迎していた(栃木県民は献血をしないのか、なんていう人もいるけど、キャンペーンで県外から人を呼び込めれば地元でお金を落としていく経済効果も期待できるから悪いアイデアではないと思う)
「いちごけんけつちゃん」クリアファイル。裏には関東甲信越のご当地けんけつちゃんが勢揃いこれが記念品の一つ「いちごけんけつちゃん」クリアファイル。裏には関東甲信越のご当地けんけつちゃんが勢揃いしている。
バスケットボールチームTochigi Brexなどスポーツ選手の写真を配した「栃木プロスポーツメモ用紙」もうひとつの記念品は4種類のメモパッドがセットになった「栃木プロスポーツメモ用紙」。TOCHIGI BREX(バスケ)、宇都宮BLITZEN(自転車)、ICE BUCKS(アイスホッケー)、TSC(サッカー)と、すみません、全部知りませんでした。

さて、受け付けが終わると、腕に紙のタグ。通し番号(?)が振られていて26。無線の呼び出し機ではなく館内放送で呼び出されるのはレトロな雰囲気。待合室兼休憩室のインターネットコーナーに血圧の自動測定器はあったけれど、これは利用者サービスらしく、プリント出力はなし。血圧は問診医が測定。そしてここでも1年以内の予防接種で悩まれる(話が前後してしまうが、この後アップする熊谷駅献血ルーム参照)。 採血イスは11台あり、うち2台は全血専用の模様。ここも靴を履いたまま。靴を履いたままでタオルを掛けられるとレッグクロス運動はしにくいのよね(そういばレッグクロス運動の案内はなかった)。テレビはいつも見ないのでさっさと消したが、ここのモニタは少し大きく(13インチ)て、それは自慢の一つみたい。 終了少し前には看護師さんが注文を聞いて飲み物を持ってきてくれた。これは初めての体験。また、あのぶっとい採血針を(よそでは「抜きます」と宣言してから慎重に抜くのに)アッという間もなく抜かれたのにも驚いた。

県外からの初献血ということなので、終わると上記の記念品を渡されるとともにアンケートを依頼された。汚い字でごちゃごちゃ書いたことを反省し、後でツイッターアカウント宛に清書したものを送った。

きっかけ:その他(献血ルーム巡りの一環)
意見・要望:表通りに面していて入りやすい造りだと思います(ビルの上階というルームも多い)。
できれば昼休みなしでお願いしたい(12時に間に合わず時間調整することに)。
モニタにTwitterアカウントが貼ってあったが、携帯を切っていては控えられない。
いろいろな献血ルームを巡っていると、微妙な差があって面白い。スタッフの皆さんもプライベートで他県のルームに行ってみては?(実行済みでしたら失礼)。

昼休みを取るなとかブラックな要求に見えるけれど、実際ノンストップでできているルームもあるわけで...とはいえ複数の問診医をそろえる必要があるなどハードルは低くない。ひっきりなしに来るならともかく午後になっても献血者が2名という状況では人員増強は困難か。もっとも私が行った日は1時間のうちに10人も来る盛況ぶりだったが。

宇都宮でお買い物

終わってから近所に書店はないかと尋ねると、ドン・キホーテの上階か宇都宮パルコの8階にあるという。ドンキは見つけられなかったので(後で地図を見たら、パルコより遠くにあった)、パルコにある紀伊國屋書店へ行き『知ろうとすること。』と『水危機 ほんとうの話』を購入。20日に会った知人(2児の母)が、放射能のことを気にしているのに福島県の乳幼児をホールボディーカウンターで精密に測定しても汚染は見出されないことをご存じないことに危機感を覚えて献本を決意(『水危機』は自分用)。あれば『いちから聞きたい放射線のほんとう』も買いたかったが、駐車場の時間(献血ルームでくれた駐車サービス券は余裕が30分ほど)が気になってじっくりと探せず(自動車をパルコの駐車場に移していれば、ゆっくりと探すことができた...と気付いたのはレジで「駐車券はご入用ですか?」と聞かれて)。ともあれ、昼食をけちって地域経済にあまり貢献しなかった埋め合わせは完了。次回、栃木県血液センターに行けば栃木県はコンプリート!


(珍しく年内に投函した年賀状に「12月26日の宇都宮遠征から無事帰還できているならば元日にはブログ(http://ow.ly/GpQMq)が更新されて近況とか新年の抱負みたいなことが書かれていることでしょう。」と書いて、無事帰ってきたものの抱負は未だ用意できず。どうする?!)

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献血ルーム巡り2(山梨県・甲府献血ルーム)

なかなか仕事が決まらないため、暇つぶしと社会貢献を兼ねて献血ルーム巡りを始めることにした。すでに記念品を頂戴するほど回数を重ねてはいたが、少数の〈馴染みの店〉に固まる傾向があった。見聞を広めよう。そして、どうせやるなら全部を〈制覇〉しようという趣旨。

甲府献血ルームGrape

山梨県には献血ルームが1か所にしかない。というわけで遠征を決意したのが11月。ちなみに山梨県赤十字血液センターは服薬についての細かい注意を公開している。これは全国共通と思われるが、なぜかよそでは見つからない(日本赤十字のサイトでさえ「薬の種類によって献血をご遠慮いただくことがあります」と一般論)。そしてそこには目薬など局所投与の薬物は当日使用していても構わないと書いてあったが、「外用薬については、服用当日献血をお願いできない場合もありますので、血液センターまでお問い合わせください」と注があったので、以前ステロイド入り目薬を理由に断られたことも思い出し、電話をかけてみた。すると私が使っている外用薬は、当日塗布しても全血献血ならば構わないが、成分献血の場合は72時間あけてほしい、と。それでリスケジュール。

さて12月の上旬に甲府まで出かけた。常識的に考えれば列車を使うべきなのだが、いろいろあって乗用車を運転して行った。

ビル前の通りに街灯と同じ高さに掲げられた甲府献血ルームの標識ココリの前には大きく看板。
実はこの看板を見つけたのは終わって出てきてから。ちなみにこの通りは一方通行。緑の看板がココリの駐車場だが、事前に見つけることができなかったため手前の提携駐車場に入れ、徒歩で来て建物の反対側から入ったのは内緒だ。

献血ルームの入り口はガラス張り。人の背丈ほどのクリスマスツリーやポスターが飾られている。2階へ行くと早くもクリスマスモードの献血ルーム。12年9月に移転したとあって、真新しい感じの明るいルームであった。型通りの手続きを終えると問診。血圧が高く出て女医さんに不審がられる(とっさに「先生がお美しいから」なんて言うほどの度胸はない)。駐車場であたふたしたせいだろうと説明して再測定で合格。

採血室には写真撮影お断りと大きな掲示。中の様子を知りたい方は公式ページの写真をご覧ください。採血イスへは靴を履いたまま。

休憩室の書棚には『キャン・ユー・スピーク甲州弁?』『女性の品格』などと並んで近藤誠の『がん放置療法のすすめ』が! 休憩室もゆったりとした造りで、雑誌や書籍も豊富なのだが... なんと近藤誠の著書『がん放置療法のすすめ』が置いてあった。日本赤十字はこれを推奨するのだろうか? と頭に血が登りかけたが職員を問い詰める気力が湧かなかったし、万が一「何がいけないんですか?」とか「お読みになっての批判ですか?」と反論されたら脳出血してしまいそうなので黙って退出(ちなみにある放射線科医は「近藤某は持続的に恐らく数百万以上に働きかけて、私ですら死者を複数知ってますからね。直接的には2人。」「私は仮に他のあらゆるものを一切罵らなくなったとしてもあいつだけは最大限の罵倒語で罵りますよ。」とお怒り)。山梨県赤十字か日本赤十字にメールを送ろうと思いつつも手付かずのまま。
記念品のクリーナー付きストラップ(胴体がブドウの房になっているご当地けんけつちゃん)の絵柄入りにこやかに記念品を受け取り、籤を引いて帰った献血者の中には、こういう陰険なのもいるということで。
Imgp0102 「平日限定年末お楽しみ抽選」(PDF)で当たったトートバック。今まで赤十字からいただいたもの(タオルとかエマジェンシーアルミブランケットとか)を詰め合わせて非常持出袋にした。

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献血ルーム巡り

学生の時に始めた献血は、途中にブランク期間を挟みながらも70回を超えた。男性の場合は69歳まで供血可能だけれど、疾病その他で欠格者となる事態も十分にあり得る。あと何回協力できるだろうかと考えたら「いつも同じ献血ルームで良いのか?」という疑問が湧いた。思い返せば、飯屋飲み屋も固定しがちな〈定住民族〉。これではいけない、生き方を変えよう(大袈裟な)。そこで一念発起した「全国献血ルーム巡り!」。

とはいえ、さすがに飛行機で遠出するほどの余裕はないので、近県から攻略すべく計画を立ててみた。

期間制限・年間制限

献血には全血(200mL/400mL)と成分(血漿/血小板)とがある。日赤サイトにある献血基準によれば、成分献血をしたら次は2週後以降という期間の制限がある。また血小板成分献血1回を2回と数えて、血漿成分献血と合計で年間24回までという年間の制限もある。つまり血小板献血だけなら年に12回(月1ペース)、血漿だけなら24回(2週に1回で続けると12か月目に制限)。400mL献血だと年に3回しかできないのとは大違いである。

ちなみに輸血を受ける側からしても、全血ならば400mLずつ少人数から提供された血液の方が安全であり、それよりも必要な成分を選択して投与される方がなお副作用が少ないという利点がある。実際、献血ルームではほとんど毎回「成分でお願いできますか」と聞かれる。

東京都と埼玉県は攻略途上

行動エリアの都合で、今までは東京都内の献血ルームに行くことが多かった。ところが15か所もある! そのうち足を運んだことがあるのは4か所(移転その他でなくなってしまった所を除く)。これはコンプリートに時間がかかりそう。いずれも交通至便なので後半に回そう。

埼玉県は7か所ある。既に行ったことのあるルームもあり、残りは半年もあれば攻略可能。そこで9月に下久保ダムのフラッシュ放流を見に行った帰りに熊谷駅献血ルームに寄って作戦の第一歩を記す。ところが鴻巣献血ルームは全血しか扱っていない。400mL提供したら3か月お休みだから、これも後に取っておこう(海外旅行など一時的な不適格になる直前に行くのが合理的か)。というわけで埼玉県も後回し。

千葉県は6か所で、しかもいずれも東京寄りで攻めやすそう。一方、神奈川県は9か所(2015年1月オープンを含む)と数が多い。とはいえ横浜市に半分が集まっている(横浜市と言っても広いけれど、横浜駅周辺でないのは旭区にある二俣川献血ルームだけ)

ここで北関東三県に目を向けると茨城3か所、群馬3か所、栃木2か所と、その気になればそれぞれ1か月でコンプリート可能ではないか。だが、もっと容易な県があった。それは山梨県。山梨県には献血ルームが1か所にしかないのだ。かくして献血ルーム県内制覇の第一目標は山梨県と決まった。

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2014/12/16

「放射能ってなに」批判

youtubeに「セミナー: 放射能ってなに?」という動画がある。北海道で高校教師が開いている一連の原発出前授業の一つで、2012年の12月に開かれたものの記録。その内容があまりにお粗末ではないかという批判があり、枚挙しようとした人が「あまりの膨大さに整理がつかなくなってしまいました」とSOS。観てみると、70分ほどの動画で「膨大というほどのことはないのでは?」と思ったのが大間違い、「口を開けば間違い」が大袈裟でなく思えるほど問題発言が多い。そこで逐一指摘することを試みた。

実は放射能のことはあまり語っていない

この講師、本業は社会科の教師で、自分が理解したことを非専門家に共有したいというその志は買いたい。ところがどうもじっくりと勉強はせず、知識のつまみ食いをしてしまった模様。バックグラウンドがないためであろう、知識を総合することができていない。

それでも同僚教師(理科)からの意見等もある程度取り入れており、開き直った群馬の教師(同僚に質問すれば確認できるような間違いをいつまでも言い続ける不思議な人)ほど凝り固まってはいないようだ。

そのためか、前半でチェックの入った点が後半では正しく語られているようなこともあり、誤りとしてまとめるのに苦慮する。当初、逐次ツイートで済まそうとしたものを、こうしてエントリーにまとめたのもそのせい。

さて、全体を聞き終わった感想を3つに纏めると、
1)肝心の「放射能ってなに」についてはあまり語られていない
2)理化学的な誤りもさることながら、さまざまな事実認識の誤りが目立つ
3)受け狙いが滑っているためばかりでなく、軽薄・無責任という印象をうける

では、順を追って指摘してみよう。なお、タグを付与して整理を試みたが、うまくいっていない。また諸単位を仮名書きしたり記号にしたりと不統一で面目ない。


ここが変だよ、出前授業


行頭の数字は開始からの時間。たとえば0706は開始後7分6秒の映像(厳密ではない)

0655 「日本は地震大国で津波大国」
【原発事故】女川原発、福島第二原発、東海第二原発は津波に耐えている(改善の余地はあるとは言え「日本に原発は不向き」は短絡的)
そもそも原発が海岸近くに作られている理由を理解していないのではないか。だから世間ではしばしば原発を象徴させるのに巨大な冷却塔を使ってしまう。あれは大陸の川沿いに作られた原発に必要な設備で、日本の原発にはない。

0815 「ものすごい量の放射能が今もフクイチからは漏れている」
【要確認】「今」とは2012年12月。異常な量の放射性物質は放出されていないのではないか? 核反応は止まっているから、気体状の放射性物質はとっくの昔に飛んでしまい、今残っているのは不揮発性(固体)のもので、塵埃として舞うことはあっても「どんどん漏れている」というのは疑問。汚染冷却水の話と混同しているのか?

0945 「石油石炭を燃やす、天然ガスを燃やす」
【重箱の隅】火力発電の燃料を挙げるのに「石油石炭天然ガス」という語順からして、ひょっとして火発の主流は石油だと思っているのかも。石油ショック(73年および79年)を受けて石油を燃やす火発は新設されず、火力の燃料は石炭と天然ガスが主力になっている。1960年代に義務教育を受けている人は「石油を燃やす火力発電が電力の柱」という知識がアップデートされないままになっている可能性がある(当然、原子力発電の比率もご存じないだろう)

1102 「核分裂で何千度」
【大袈裟】原爆ならば正しいが、原発の場合、そこまで温度は上げない(沸騰水型で約300℃)。と思ったらペレットの中心は千数百度に達するらしい。しかし何千度ということはない。この先生は全般的に数字が大雑把な上にスケール(桁の感覚)がおかしい。

1214 「原爆と原発は基本的には同じ」
【こじつけ】これが通るならば、「焼夷弾と火力発電は基本的には同じ」「100メートル走とマラソンは基本的には同じ」「フーリガンとサポーターは基本的に同じ」も通ってしまう。

核分裂エネルギーを利用するのは同じだが、原子炉用核燃料を使って核爆発を起こすことはできない。だからこそ核兵器の拡散を心配することなくUSAは原子力発電を広めてきた米朝枠組み合意では北朝鮮に対してさえ提供しようとした)。「濃縮すれば可能」という理屈に従えば市販の風邪薬も麻薬や覚醒剤として取り締まらなければならなくなる(運動選手が試合前に服用するとドーピングを疑われ失格することがあるけれど、所持までは規制されない)。ちなみに風邪薬からの麻薬成分抽出よりも、核燃料から兵器級核物質を濃縮する方がずっとずっとずっと困難。

1258 「なぜ核発電としなかったのか」
【こじつけ】「原子爆弾」に「原子力発電」と言っている。確かに「核」を忌避する傾向は世間にあった(NMRをMRIと言い換えたなど)ものの、核兵器のイメージを隠すために原子力発電と呼んだというのは牽強付会であろう。音では「ゲンパツ」の方がよほど「ゲンバク」に近い(立地では「ゲンデン」と呼んでいるという話もあるが)。ちなみに英語でもatomic power plantという言葉はある模様。

[補]この出前授業の4か月ほど前に「核と原子力の使い分けは云々」と主張した元新聞記者がいたが、「それは無意味」と窘められていた。水爆が開発されて、ひとまとめにする用語が必要になったとき、日本語では原水爆という便利な言葉で対応できたが、英語ではnuclear bombとなったのだろうというはなるほどと思わせる。

1500 「もっと小さい単位はあります。分子陽子中性子」
【言い間違い?】分子は原子の集まった物(単原子分子を除く)で「もっと小さい」ということはない。「電子」の聞き間違いではないかとなんども聞き返してしまった。
なお、「物の最小単位」は分子の方が適切であろう。「水の分子」「砂糖の分子」「ケラチンの分子」はあっても「水の原子」は存在しない。続く発言からも原子と分子、原子と元素といった基本的な概念を理解していない疑いがある。

1510 「百なん種類の原子」
【物理化学】原子と元素の区別が付いていない。同位元素は元素としては同一だが、原子としては別種。たとえばセシウム134の原子はセシウム137の原子と異なる。原子の種類はゆうに3000種類を超える。

1558 「このワンピースを組み合わせていろんなものができる」
【物理化学】原子の説明としてレゴブロックのワンピースを挙げている。どうも分子という概念が欠落している疑い。

1610 「百なん種類ある原子の中に割れる原子ってのもあるんです、20種類くらい」「われわれを作っている原子は割れない原子」
【物理化学】「割れる」というのを核分裂に限定しても、鉄より重い元素(生体元素でいえば銅、亜鉛)は核分裂するので、20という数も生体構成元素は割れないというのも誤り。

1645 「ピカッと光ってますよね。これがいわゆるピカドンのピカなんです」
【物理化学】原子核が分裂する図を指しての説明だが、一個の原子核の分裂で光は出ない。これは詳しい説明が必要かなぁ? 面倒臭いなぁ。

1713 「核分裂生成物、中に閉じ込められていたものがパーンと出てくる」
【不適切な比喩】原子核が割れると、その破片はそれぞれ新しい原子核になるということを理解していない疑い。ウラン原子の中にセシウム原子やヨウ素原子が閉じ込められていたわけではない。

1805 「一瞬にやる」
【不適切な比喩】原爆に限定しない核分裂の連鎖反応の説明だが、2つおかしい。まず臨界量でなければ連鎖反応は途中で自然終息する。そうでなければ原爆は組み立てた途端に爆発してしまう。次に原子炉の中での核分裂の連鎖(臨界状態)は長く持続する。個々の反応はたしかに一瞬で起きるが、中性子の数と速度を調整することで全体としてはじわじわ進む。核爆発、すなわちまとまった量の核物質を一瞬に核分裂させるのと混同してはいけない。1830付近で原子炉は別と説明しているのに、原発と原爆は同じと錯覚させることを狙っていないか?

連鎖反応が持続しにくいのは、核分裂で飛び出した中性子が速過ぎるため。そのため原子炉では減速材というものを用い、原爆では中性子が飛んでいった先にもウラン235(またはプルトニウム239)原子があるような高密度状態で連鎖反応を維持する。

1825 「1個のピカは小さいけれど、これが何億何千とバーンと割れると」
【数量感】核爆発の説明なのだが、原子の数を論じるときのスケール感がおかしい。広島に落とされたリトルボーイで核分裂したウランの量は約1kgと推定されているが、これは約4モルである。つまり24×1023個の原子(核)が分裂した。これを命数法で表すなら「千垓」である(垓は万京であり京は万兆そして兆は万億である)。億の単位で考えることがいかに桁がずれているか分かるだろう。これは巨大タンカーの輸送量を油滴の数で考えるのよりもズレている(油滴はミリグラムの単位なので十万トンでも乖離はたったの百兆)。この数量感の欠落はベクレルを論じるときに致命的となる。

1832 「(原子炉では)これをゆっくりやるんです。減速材というのを間に入れて」

[補]【物理化学】減速材は核反応をゆっくりと進めるためのものではない。核分裂で発生した中性子の速度を落とすものだし、そもそもそれは核反応を持続させるため。JCO臨界事故では減速材の役割を果たしていた冷却水を抜くことで沈殿槽内で起きていた核分裂の連鎖反応を終息させている。一方、原子炉の中には減速材を用いない高速炉というものも存在する(高速中性子を使うから高速炉)

数秒後の「1個ぶつけて1個出す」に目を奪われて、18日の改稿まで気付かなかった。校正の実務においては「間違いを見つけて赤字を入れたら、その前後で見落としをしやすい」と言われているが、まさかこうまで集中してデタラメを垂れ流されているとは思わなかった。

1840 「1個ぶつけて1個出す」
【物理化学】減速材の働きは中性子の速度を落として原子核に吸収されやすくすること。核分裂で出てくる中性子の数を減らすわけではない。比喩ばかり読んで原理で考えないとこうなるのではないかと言いたくなる。

[補]「原子炉では核反応をゆっくり進めるために減速材を入れている」という間違いを発見したので、そちらに説明を追加した。なお、原子炉で中性子の数を抑制するのは制御棒。

1849 「制御しないで一気にやると原爆」
【こじつけ】原子炉では制御棒を抜いて出力全開にしても爆発などせず、連鎖反応は全体として〈ゆっくり〉と進む。そもそも核燃料の密度が違うことを理解していないのか?

1855 「チェルノブイリ原発事故は原爆と同じことが」
【こじつけ】チェルノブイリ事故では爆発は起きたが、それはいわゆる核爆発ではない。

[補]読み直していて気付いたが、原子力過剰忌避派の皆さんは、どうも核爆発というものの威力を誤解(強い言葉を使えば「舐めきっている」)のではないだろうか。3号機の爆発は核爆発ではないかという主張もそう(そもそも爆発が起きた際、異常な中性子線・ガンマ線は検出されていない。「核兵器は恐い」という割には不思議な現象である。恐れる対象のことを正しく理解せずに身を守ることができるだろうか。

1911 「すべての原発は原爆のようになる可能性がある」
【こじつけ】可能性はない。ウラン燃料はウラン濃度が低すぎる(爆発するには235Uが最低70%は必要と言われるが原子炉用燃料では4%以下)。またプルトニウムを核爆発させるには高度な爆縮技術(国家として核兵器開発に取り組んでいるイランは製造に費用はかかるが爆縮不要のウラン原爆を選択した)が必要。

1930 「これが世に言われる放射能」
【物理化学】放射能と放射性物質の混同。核分裂生成物は「世に言われる死の灰」。生成物は文字通り作られたものであり「ウランの中に閉じ込められていた」訳ではない。

1950 「放射能は他のものからは出てこない」
【物理化学】核分裂生成物が出てくるのは原発と原爆だが、「放射能」と言った以上は天然の放射性元素、たとえば炭素14やカリウム40を忘れてもらっては困るし、空からは宇宙線が降ってきている。概念が混乱していると言わざるをえない。

2054 「放射性物質はウランの原子核の中に閉じ込められていた粒粒(つぶつぶ)なんです」
【不適切な比喩】放射性物質も量が多くなれば眼に見えるようになる。どうも割れた原子核の破片がそのまま新しい原子核になるということが分かっていない? そもそもウラン自体が放射性物質なのだが(誤解が無いように書いておくと、その放射能は別に〈閉じ込められていた〉セシウムやヨウ素に由来するわけではない)

2136 「1秒間に1本の線を出すのが1ベクレル」
【物理化学】1ベクレルの定義は「1秒間に1個の原子核崩壊が起きる」(1個の核崩壊から放射線を2本だす場合もある)なので間違い。聞き齧りにありがちな、基礎的な用語の自己流解釈。教師の使命はこのような一知半解を矯正することではないのか。

2200 スライド「1秒間に100本の放射線=100ベクレル」
【重箱の隅】ベクレルの自己流解釈で間違い(だけど、実際には1秒換算で100本のγ線があったら100ベクレルとするだろうから「重箱の隅つつき的指摘」に格下げ)

2232 「福島産の桃があって100ベクレル」
【基準】基準値の「ベクレル」とはBq/kgである。桃の実は大きめのもので300グラム程度。これも単位を自己流に解釈し大袈裟に反応している。

2234 「100本も出たら恐い」
【放射線防護】100ベクレルだから1秒間に100本の放射線が出ている、と大袈裟に怖がっているが、全方向に対して100本である(平面の場合は「360度」というけれど、立体空間の場合はなんというのだろう?)。さらに距離の二乗に比例してヒットする放射線は減る。さらに後述するように、一本の放射線が生体に及ぼす影響はとても小さい。100Bq/kgの桃は外部被曝線源としてはもちろん、内部被曝線源としても到底心配する必要のない(ただし、毎日毎日10kgを1年間も食べ続ければ健康に影響が出かねない...肥満とか)物。

2335 「100以下でも(数値を)書いてくれれば」
【基準】基準値の意味も測定の実際も知らないようだ。1年間食べ続けても1mSvに達しないように定められたのが基準値。ちなみにチェルノブイリ事故後、汚染された輸入食材を弾くための基準は370Bq/kgだった(輸入食材ばかり食べはしないから)。また同じサンプルでもくり返し測ると値は変動する(放射能が弱い場合は特に)。だから現場では「百をぎりぎり下回ったからOK」みたいに杜撰なことはしていない。さらにいえば(この講演のあった2012年末でどうであったかは不明だが)検体の多くは検出限界以下であった(たとえば2012年8月の検査結果(PDF)を見ると、福島市のモモから5Bq/kg検出されているが、郡山市のモモは検出限界下(<3.1)である)。99の物が混じっているかのようにいうのは下劣な印象操作...と言いたいところだが、確かめもせず口から出任せで言ったのならばただの愚劣

2417 「つかむこともできない」
【重箱の隅】新生児ができる数少ない行動のひとつが「つかむ」(把握反射)。

2450 「放射性物質の能力は生まれた時がピーク」
【物理化学】放射線と放射性物質と放射能を区別しなさいと同僚の理科教師にツッコミを受けたとのことで「放射性物質の能力」という言い方をしているが、なるほどベクレルは時間経過と共に小さくなっていく。しかし一つ一つの原子核から出てくる放射線の強さは終始不変である。その数が減っているということを理解していないようだ。繰り返し「放射性物質は粒粒」と言っているのに、放射性物質の原子と言わないところからして、1個のセシウム137原子は放射線を出してバリウム137に変わったらそれでおしまい(もう放射線は出さない=放射能はなくなるということも理解していないのではないだろうか。

2628 「セシウムは半分になるのに30年もかかる」
【重箱の隅】セシウム134(半減期2年)とセシウム137(半減期30年)を区別していない。

2644 「広島も長崎も50年60年経って人住んでんじゃん」
【放射線防護】高校生の疑問として引用しているが、広島市も長崎市も被爆直後から継続して人は住んでいる。50年経って戻ってきたわけではない。そして当時「75年は草木も生えぬ」とまことしやかに噂され、放射能の害に無知だったわけではない(75年云々自体は誤った知識ではあるが)

2710 「数万トンです」
【数量感】核燃料の量と核分裂生成物の量を混同、と思ったがウランの量は一基当たり69-94トンなので、まったくのデタラメ

2719 「広島長崎の何十倍何百倍という量があそこに」
【数量感】広島の場合、核分裂したウランの量は手で持てるくらい(推定1kg)と言っていた。その千倍が「数万トン」? 確かに原爆の核物質はキログラム単位で、原発はトン単位である(4基合計しても400トン未満)が原子炉の核分裂生成物の大半は格納容器内(4号機では燃料プール内)にとどまっていると考えられる(建屋内がすぐに死んでしまうような高線量だと嬉々として語っているが、それこそ全部が外に出たわけではない証拠)。いかにこの社会科教師の数量の感覚がおかしいかが分かる。

2736 「福島はまだやっている」
【原発事故】1Fの核分裂はとっくの昔に止まっている。3月11日、地震と同時に制御棒が入って核反応は停止。この人は何を言っているのだ。しかも広島と長崎の核被害は大したことないとでも言いたげである。

[補]福島の被害を強調するために広島・長崎の被害を軽視するような倒錯は実に唾棄すべきことである。一方で、福島の被害を過剰に言い立てる勢力に対抗するため、そして希望を持ってもらいたいがために、つい「汚染は大したことはない」みたいな論調に自分が陥りがちなことには注意している。避難を余儀なくされている方がここを読んで、もし不快に思われたなら、とても申し訳なく思う。


腹が立ってきたのでさっさと進めよう。

2758 「プルトニウムは半分になるのに24,000年」
【放射線防護】半減期の長さがそのまま放射性物質の恐ろしさならばウラン235は7億年、238は44億年と上には上がある。ウラン238は劣化ウラン弾として剥き出しで戦車に積み込まれている。ビスマス209は半減期が (1.9 ± 0.2)×1019年(≒ 1700京〜2100京年)と極めて長いが、あまりにも長い(=重量当たりの放射能が弱い)ために放射能を持たないと思われてきたほど。半減期が長いから恐いわけではない。

2852 「放射性物質、粒粒には」
【不適切な比喩】放射性物質も放射能を持つということを除けば普通の物質と同じということを理解していないようだ。しきりに「粒粒」と言うが、原子と言わないところを見ると(「ウランの中に閉じ込められている」と合わせて考えると)PM2.5のような微粒子と思っている節もある。なお放射性の貴ガス(ラドンやキセノン)は常温では文字通り気体であり粒粒とは言えない(ガスも原子レベルでは確かに「粒粒」ではあるが、そういうレベルの粒粒ではないように思う)

2912 「放射線は粒粒」
【重箱の隅】ガンマ線やエックス線も光子ではあるけれど、あれは電磁波の一種であり、粒子放射線の中には含めないのが一般的だろう(wikipediaには「含むという説もある」と書かれているが)

3106 「放射線は身体を突き抜ける」
【放射線防護】エックス線を例にしてきた勢いで踏み越したのかもしれないが、代表的な放射線の中でもα線とβ線は身体を突き抜けない。というか、後段で本人も「α線β線は紙1枚で遮っちゃう」と言っている(ご丁寧なことにβ線の透過力を間違えている)

3212 「私はピストルと弾丸という喩えを使っている」
【不適切な比喩】放射線は弾丸で、突き抜けるから恐いと説明しているが、テニスボールと弾丸の違いは運動エネルギー。また防護三原則「遮蔽・距離・時間」に照らして、1km先から撃ったピストルの弾なら当たっても「いてぇなぁ」で済む。

3250 「放射線も身体を突き抜けるんです、ピストルの弾のように」
【不適切な比喩】突き抜けた放射線は無害。有害なのはエネルギーを渡してしまい、突き抜けない放射線。

3257 「(放射線の)当たり所が悪ければ命に関わる」
【数量感】放射線は原子より小さいから突き抜けるのではなかったか(この後3456で「細胞遺伝子の間をすり抜ける」と説明)。大きな弾丸と異なり、放射線は突き抜ける際に組織も遺伝子も破壊しない(破壊するのは吸収された放射線)。そして放射線の粒子サイズ(10-15m)と細胞のサイズ(10-5m)を比較すれば、実に百億分の一であるから、一本の放射線の破壊力も推して知るべし。

[補]これが納得できない人は痛くない注射針のことを調べてほしい。

3410 「遺伝子情報」
【重箱の隅】 この場合は遺伝情報で良いと思う。「遺伝子情報」といったら、「遺伝子に関する情報」であって、「遺伝子に書きこまれている情報」ではない。またその情報を担っているのは〈レール〉の方であって〈枕木〉ではない。

3449 「電子遺伝子の間を通り抜ける」
【言い間違い?】遺伝子の構造が分かっていない? 遺伝子は一塊の単位。またヌクレオチドは遺伝子ではない。

3535 「全く同じ遺伝子情報が入っているそうです」
【重箱の隅】DNAの二重鎖は互いに相補鎖なので情報は異なる(し、相補鎖は遺伝情報を持たない場合も)

3640 「なんでかっていうと遺伝子がちゃんと記憶しているから」
【重箱の隅】傷が治るのはDNAの「バックアップデータ」とは無関係。傷が治るのは遺伝子の修復ではなくて細胞の複製。この人は切り傷や火傷が遺伝子レベルの損傷だと思っているのか?

3654 「1ベクレルはいいけれど100ベクレル以上はダメ」
【放射線防護】ベクレルとシーベルトを混同している可能性。100Bq/kgは、1年間食べ続けることを前提。「100本の放射線に当たる」から規制している訳ではない。

[補]なお、散々言われていることではあるが、人体は自然放射能を6000ベクレル前後もっており、毎秒数千発の放射線を内部被曝している。それが自然発がんの原因の一つかもしれないが、6000ベクレルが一時的に6100ベクレル(当該の農産物を1kg食べた場合)になったとして、どれくらい影響があるだろうか?

3712 「100本も飛んできたら避けようがない」
【放射線防護】ヒトの細胞は約37兆個あり、それは原子よりはるかに大きい(直径でおよそ一万倍。遺伝子に当たる確率はかなり低い上に、細胞には遺伝子の傷を治す能力がある。電離放射線ではないが紫外線も遺伝子を傷つける。普通に生活していると紫外線を浴びてDNAはズタズタになるが、それでも皮膚がんになる人はとても少ない(色素性乾皮症(XP)という、紫外線によるDNA損傷を修復する能力を欠く遺伝病があり、その患者は少し陽に当たってもひどい日焼けを起こし、皮膚がんになりやすい。それを見ると、いかにDNAの損傷と修復が頻繁に起きているかが理解できるだろう。)

3728 「何箇所も切られたら修復できない、失敗する」
【医学生物学】分裂を止めたG0期の細胞であれば、DNAを相当切られても修復できる。造血細胞や腸細胞あるいは毛根細胞が放射線に弱いのは分裂が盛んで修復が間に合わないことがあるから。それでも影響が出てくるのは実効線量で2Sv辺りから。なお修復が間に合わない場合は自爆プログラムが作動して細胞は静かに死んでいく(この細胞死を司る遺伝子が損傷を受けたような場合はがん化の恐れあり)

3735 「放射能の怖さは遺伝子を傷つける」
【医学生物学】紫外線も遺伝子を傷つける。そしてヒトはそれに適応進化してきた。また自然界には多くの変異原(遺伝子を傷つけ突然変異を誘発する物質でそれらの中には発がん性を持つものも多い)がある。微弱な放射線はそれらに比べて頭抜けて強力な遺伝子損傷作用があるわけではない(調べるのが億劫なので「微弱とはどれくらいか」とは突っ込まないでほしいが、目安として1Sv以下?)

3750 「壊れたままコピーされる」
【医学生物学】修復が間に合わない場合はプログラム細胞死によって排除される。修復や細胞死を司る遺伝子が傷つくと大変だが、さてあれは一つだったかな?

[補]遺伝子が傷ついたら、その細胞は必ずがんになるわけではない。一部の例外を除き、すべての細胞は同じ遺伝子を共有しているが、たとえば神経になった細胞では筋肉で発現する遺伝子は眠ったままなので、そこが傷ついても影響は小さい。また〈ただある〉だけで、一生読み取られることのないDNA領域(そもそも情報を担っていないかもしれないので遺伝子とは言いがたい)も多数存在するから、そこが傷ついてもおそらく無問題。生存に必要な重要な遺伝子が傷ついてしまった場合、その細胞はがんにもならず死んでいく。さらに遺伝子にはdominant/recessiveという性質がある(日本語訳は優性/劣性だが、誤解が多いので中国で使われているという顕性/潜性で覚えてほしい)。recessiveな遺伝子が壊されても影響は出てこない。遺伝への影響が心配と思った人は生殖細胞と体細胞の違いを勉強してほしい(それゆえ生殖器の被曝には要注意)

3848 「シーベルトは何本殴られたか」
【放射線防護】「どれだけ殴られたか」の単位はグレイ(Gy)。γ線の場合はGy=Svと考えて間違いはないが、α線の場合は1Gy=20Sv。パンチがズシンと響くのが(紙1枚で遮られる)α線。

4016 「一般人の年間被曝許容限度量は1ミリシーベルト以内」
【放射線防護】1mSvは一般人で許容される年間過剰被曝線量。つまり自然放射線はバックグラウンドとして除く。居住地によってバックグラウンド線量は異なり、たとえばブラジルのグァラパリの自然放射線量(年間0.9~28mGyで平均で5.5mGy)は福島市の線量(2014年12月13日のから算出した年間1.9mSv)より高いけれど、さらに+1mSvまで許容する余裕がある(γ線の場合はmGy=mSvと考えて良い)。これは奇妙に思われるかもしれないが、医療被曝のように被曝リスクを上回る利益がある場合は1mSvに束縛されないし、また職業被曝の限度は5年間に100mSv(特定の1年間に50mSv)である。つまり安全と危険の境界を示す絶対的な区分ではない。あくまで、公衆被曝の追加限度1mSvとは、普段の生活よりもリスクを高めるのはこれくらいまでという目安に過ぎない。なお、現在は緊急作業の場合、職業被曝は年間250mSv(5年間でも250mSv)に引き上げられている。

4045 「CTは気をつけてください」
【放射線防護】CTによる被曝量は確かに単純X線撮影よりも高い。ではなぜCTが許されているかに触れていない。また職業被曝が別であることも説明できていない。知識が本人の中で統合されていないようだ。

4340 「地上で計れよ」
【重箱の隅】高いところの方が広い範囲の放射線を拾うのだが。測定条件の統一ということに考えが及ばないらしい。

[補]もともと高所での測定は、核実験によるフォールアウトを測定する目的だったという。福島県内のモニタリングポストはおそらく高さ1mで統一されているだろう。この人達は測定器を直置きしてβ線込みで高い値が出ないと満足できないのだろうか。そうだとしたら検温のとき体温計をこすって「熱あり」にしようとした小学生並み。

4402 「裸ではいったら」
【放射線防護】いわゆる防護服に対する誤解。放射線を防ぐ機能はほとんどない(防げるのはα線くらいか)。タイベックの機能は放射性物質を身体に付着させないこと、そして外部に持ち出さないこと。放射線と放射性物質を混同して「放射能を防ぐ服」と思っていることからくる誤解。

4452 「作業時間は一人15分から30分くらしかできない、それ以上いたらヤバイ」
【放射線防護】作業現場においては計画線量の75%に達したら撤収するため時間的制限がきつい。計画線量は健康障害が起きるには程遠い線量(平常時は年間20mSvが目安)。これについては、たとえば『いちえふ』を読むことをおすすめする。

4536 「絶対に放射能は漏れませんと」
【こじつけ】JCO事故のあと絶対安全論は引っ込められている。でなければオフサイトセンターなんてものが建設されるわけがない。こういうのを藁人形論法という

4740 「福島です、北関東です。年間で20ミリシーベルト、100ミリシーベルトっていう汚染地帯が」
【要確認】北関東に年間100mSvの地帯があるか?

4756 「確実にがんにかかる確率が上がる」
【言い間違い?】意味不明。確実とは100%であって、0.5%上昇では確実ではない。

4950 「がんにならないんだって読んじゃう」
【重箱の隅】そんなふうに読むというのは邪推ではないか。これもいるかどうか分からない想定上の人物を持ち出して非難する藁人形論法。

5107 「95なら安全ですか」
【測定】基準値は安全側にマージンを取って設定されているし、測定現場では95なんて出ていない。

5250 「ブチッと切ったらアウト」
【医学生物学】「放射線によりDNAがブチッと切れたが修復が間に合わず、プログラム細胞死(アポトーシス)もすり抜け、その変異ががん化に関係し、細胞の異常増殖が免疫系の監視をすり抜けたらがんになる」が正しい。それも検診で早期に発見できれば治療される。

5300 「できるだけ低くすることが放射線の場合は大事」
【放射線防護】ではなぜ、子供も含めた一般公衆に年間1mSvの無意味な追加被曝を許容するのか? この単純化された議論では、意味がある場合(たとえばCTなどの医療被曝)はさらに被曝しても構わないとしているのも説明できない。

5320 「放射性物質そのものを身体の中に入れてしまうんですよ。すっごいちっちゃいんですよ。小さい粒粒、埃より小さいんです。」
【不適切な比喩】またしても「放射性物質は粒粒」。放出当初のプルームは雲とか霧とか言われて確かに小さな粒子だったが、ほどなくして不溶性のものは会合したり土壌粒子に吸着されたりして大きくなっている。

5331 「今も少し飛んできているかも」
【数量感】どの程度「少し」なのか。2012年末であっても観測網に引っかかるような量は飛んでいない。

5344 「雨降ったらドーンと上がる」
【物理化学】これはおそらくビスマス(「雨です・ビスマス・降ってます」)。11年の夏には(一部とは言え)一般にも知られていた現象。

5414 「α線β線は紙1枚で遮っちゃう」
【放射線防護】β線は紙1枚で遮蔽は無理。

5458 「雨といっても、空中に浮いているのが雨で当たったら染み込むかもしれない」
【放射線防護】飲まない限り雨水が体に染み込むことはない。「放射能雨に当たってハゲる」は外部被曝(の脅威を誇張したものであろう)

5610 「ヨウ素は甲状腺、だから甲状腺がんになるんですけど、ここ、リンパって言うんですか、ここに入っちゃう」
【重箱の隅】甲状腺とリンパ節は全く別物。

5622 「似ているんです、成分が」
【重箱の隅】ストロンチウムの成分って何?

5650 「われわれは細胞はどんどん死んでくだけです」
【重箱の隅】年寄りの細胞は増えないというのは間違い。たとえば年寄りでも垢が出るのは表皮の細胞が入れ替わっているから。

5700 「彼らはどんどん吸収しちゃう」
【放射線防護】子供は放射線に対する感受性が高いというのは正しい。一方で子供はセシウムをどんどん排出する。生物学的半減期は子供の方が短い。

5750 「チェルノブイリハートという映画は是非見てほしい」
【要確認】チェルノブイリハートの話はどこまで本当か。「この映画は、科学的な研究を目的としたものではありません」という批判もある。

5923 「もう永久に住めないかもしれません」
【大袈裟】何を根拠に「永久」というのか。

10040 「200km以上離れているのにかなりの高濃度地帯、これホットスポットというのですけれど」
【要確認】「かなりの高濃度」とは。ホットスポットと呼ばれるところは相対的には高濃度であるが、そこに居住した場合の被曝線量は?

10135 「やられちゃいました私たちも終わりです」
【大袈裟】プルームが来たからと言って安易に「終わり」と口走るような人間を信用してはいけない(しかも北海道である)。軽薄の極み。正座させて「終わっているか?」と問いつめたい。

10320 「福島のコメは安いから」
【要確認】学校給食に福島産米を使う理由として本当に教委がそう答えたのか?

10500 「もうすぐ原発はゆっくりと止まっていきます」
【重箱の隅】原発が1-2年に1度、運転を停めて定期検査に入ることを知らないようだ。しかも、この直前には大飯原発が再稼動している。

10534 「福島の放射能は何万年も残る」
【大袈裟】炉外に出てしまった放射性物質についてなら間違い。どこまで下がったら許容するかによるけれど、長くても数百年(十分に長いことは認めるけれど、万年に比べれば百分の一である)

10539 「子供たちは原発の電気の利益を享受しない」
【重箱の隅】それは原発を無駄に停めてるからだ、というのはさておき、化学資源としての石油・石炭を享受している(石油・石炭は燃料以外の使い道も大きい)

10555 「原発をゼロにして死ぬのが大人の責任」
【物理化学】原発をゼロにしても借金(放射能)は減らない。

10610 「今度の選挙は」
【重箱の隅】2012年総選挙の民意は卒原発を掲げた日本未来の党を否定(61議席→9議席)。

10649 「核廃棄物の行方とエネルギーの行方をしっかり考えること」
【こじつけ】いくら考えても既にある核廃棄物の放射能は自然減よりも減らすことは不可能(高速炉に入れて〈燃焼〉させると半減期が短くなるという研究はあるが)。そして安全に管理する方法があるなら原発を止める理由の一つはなくなる。

10656 「福島の子供たちをあそこから早く救って」
【大袈裟】「福島」とはどこか。広い福島県全域か? 

10708 「すでに甲状腺がんになったという子供」
【医学生物学】甲状腺がんが「発見された」が正しい。従来やられてこなかった検査をすれば自然発生のがんが発見されても不思議はない。またチェルノブイリ(事故後4年)より早く病気が出てくるとする根拠不明。

10712 「間違いないんじゃないか」
【重箱の隅】これは「たぶん絶対」並に矛盾している。口頭だからやむを得ないともいえるが。

10719 「福島の子供を北海道に疎開」
【大袈裟】ヨウ素による被曝は既に無くなっているから疎開は無意味。セシウムについては、ホールボディーカウンター(WBC)の結果を見ると、低レベルの汚染さえ子供からは見つかっていない。

10744 「子供たちは新陳代謝が早い」
【自爆】これは正しい。しかしそれまでの主張(避難が必要)を自らひっくり返してしまっている。

10756 「最終日は辛い」
【こじつけ】子供たちが帰るのを嫌がっているの? 大人の勝手な思い込みではないのか。


意味のある「じゃあ、どうする?」が決定的に欠けている。

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2014/10/07

キニーネは劇薬か?

専門外の人は毒薬・劇薬と毒物・劇物を区別しない(区別できない)ことが多いように思う。毒薬・劇薬というのは薬事法で決められるもので、簡単にいえば毒性による医薬品の分類。一方、毒物・劇物というのは毒物及び劇物取締法で定められているもので、その定義は「この法律で「毒物」とは、別表第一に掲げる物であつて、医薬品及び医薬部外品以外のものをいう」(同法第二条)である。「医薬品及び医薬部外品以外のもの」がポイント。ちなみに毒薬の定義は「毒性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品(以下「毒薬」という。)」(薬事法第四十四条)。

同じ物質でも医薬品であれば毒薬(劇薬)、医薬品以外であれば毒物(劇物)になる。たとえば塩酸(濃度10%超)は、医薬品として販売されるものは劇薬であり、それ以外の洗浄用などは劇物となる。今()で濃度について注記したが、危険性がなくなるまで希釈したら毒薬(毒物)ではなくなる。リン酸ジヒドロコデインという物質は、麻薬でありかつ劇薬であるけれど、1日に使う量の中に50mg以下しか含まれないシロップ剤は普通薬、つまり薬局薬店で匿名で購入できる(その手軽さのため未成年者による乱用が問題になったこともある)。トイレの洗浄剤には塩酸、自動車用鉛バッテリーには硫酸、インクジェットプリンタのインクには苛性カリ、マッチの頭薬には塩素酸カリなどと、単品であれば劇物になる物質が使われているけれど、希釈されているため製品は法規制を受けない。もし「毒性があるならどんな濃度でも規制しなければいけない」となったら、カフェイン(劇薬)を含むからコーヒーも茶も購入するたびに身分証を提示しなければならなくなるし、飲用規制の意味を持たせるために1日に飲んだ量を記帳しなければならなくなってしまうかもしれない(それを簡単に行うスマートホン用アプリが販売されたりして)

ここまでを整理すると。


  • 毒薬・劇薬、毒物・劇物はそれぞれ別の法律によって定義されている
  • 成分単体としては規制を受ける物質でも、製品中の含有量が少なければ普通物扱いになることがある

毒という言葉は日常的には比喩として用いられることがあり、それが厳密な定義を必要とする法律上の理解との齟齬を生んでいるのかもしれない。


キニーネは劇薬か


光り輝く飲み物というtogetterまとめ(紫外線を当てると蛍光が見える飲み物を列挙した楽しい読み物)を読んでいたら「日本国内じゃキニーネは劇物指定」という記述があった。すかさず「キニーネは劇物ではないでしょう。」とコメントしたところ(ストリキニーネと混同してない?と助け舟を出したのに)、「劇薬の様ですね」と斜め上のコメント。

そこであらためて薬事法施行規則の別表第三に載っていないことを指摘。ダメ押しでファイザー株式会社の製品詳細の「規制区分」には「処方せん医薬品」としか記載されていないことも書き加える(他の薬品で、劇薬であればここに記述されることを確認済み)

その人はこれで納得されたようだが、気になって「キニーネ 劇薬」で検索すると1670件ヒットした。最初のページを見るとほとんどが「トニックウォーターには本来キニーネを入れるのだが、日本では劇薬指定なので云々」というもの。どうも「親亀コケたら皆コケた」の観。wikipediaにも2011年4月13日 (水) 12:43時点における版から「日本では、劇薬に指定されている。」という記述が唐突に。しかし巷に広がったのはこれより前のようなので、wikipediaは患者0号ではない模様。

これに限らず昔の飲み物には恐ろしげなエピソードがけっこうあります。かつてのコカコーラにはコカインが入っていた、というのが有名どころでしょうか。
などと書いているブログもあるが(「これ」とはキニーネの話)、それを言ったらコーヒーはどうなるのだ、と。カフェインは劇薬だ。すまし汁はどうなるのだ、食塩も大量に摂れば死ぬことがある。DHMOはどうなるのだ...

コカ茶はコカインを含むために日本では規制対象だが、南米では普通に販売されている。工場で作られた(らしい)ティーバッグになっていて普通の商店で売っていたので問題はないと勘違いした(事実の錯誤)日本人が土産に持ち帰り、税関でも見過ごされ、それをもらって話の種にと飲んでからアワワとなったことがある。といっても薬が効いてきたわけではなくて、「なんてことないねー」と笑ってから、調べてみたら非合法と知って「警察に知られたら検挙される、アワワのワ」という次第。ちなみにもう公訴時効です。

毒薬・劇薬は人体に有用だから医薬品

毒薬・劇薬と聞くと「恐い」と拒否感を顕にする人がいる。健全な反応ではあるけれど、「物」ではなくて「薬」となっている点に思いを馳せてほしい(毒物・劇物も人体にこそ使用しないけれど、有用な物質なので使用を前提に法律で規制されている)

子宮頚がんワクチンが劇薬であることを問題視する人もいるらしいが、ワクチンはすべて劇薬指定。致死量の観点からは(ワクチンを打ちすぎて死んだという話は寡聞にして知らないので)普通薬でも構わないような気がするけれど、おそらく使用量と過剰投与で副作用の出る量との差が小さいなどの理由があるのだろう(「おおむね以下の基準」という点に注意)。あるいは多人数に接種するので、副作用の現れる率が普通医薬品並であっても発症が不可避という視点だろうか(これは公衆の放射線防護にも通じるような)

毒物・劇物の指定は結構恣意的

恣意的だなどというと叱られるかもしれない(辞書的な意味で「恣意的」が正しいかは実は微妙)が、大学の実験室で3年生(専門課程に入ったばかりで素人同然)にも使わせていたようなありふれた物質が、悪用された事件(傷害目的で給湯ポットに混入された)の続発をきっかけに毒物指定されたことがある(毒物及び劇物取締法の別表第一に記載されていないので変だなと思ったら、別表第一第二十八号の規定で毒物及び劇物指定令で指定されていた...政令のほうが法律よりは機動性があるからね)。正常性のバイアスと言われるだろうけど、釈然としない。 なお、毒性が強くても産業上使用されることない物質は毒物にも劇物にも指定されない。それは規制する意味が無いから(それに対して、免疫系は存在しない物質にも対応する、というのが大野乾博士の講演の掴みだったな...と意味のない知識の披露)。また新規物質の場合、指定が間に合わないことがある。罰則のある法律なので、罪刑法定主義の立場から曖昧な指定は許されない。これは危険ドラッグ取り締まりでも問題になっている通り。

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2014/07/01

「全部載せ」の好きな人達

ツイッターでフォローしている人が、放射能の危険を過剰に訴え「福島に来ないで」「福島のものを食べないで」と主張する人は同時に予防接種にも反対していると指摘していた(なお「矯正接種」は「強制投与」の誤りで、HPVVとはヒトパピローマウイルスワクチンいわゆる子宮頚がんワクチンのこと)

この写真がいつ・どこで撮られたものかは明らかでなく、したがって誰が掲げているのか不明なのだが、よく見るともう一種類「立ち上がろう」というメッセージがある。それが何かは分からないものの、少なくとも2種類の互いに関連の薄い主張を同時に掲げている。

これとよく似た現象が、先日参加した映画上映会でも見られた。映画「原発の町を追われて」の正・続2編が上映されたのだが、会場で主催団体が配布したものは「労働者派遣法改正案」「武器輸出」「袴田事件」「イラク派遣」「集団自衛権」等とてんこ盛り(肝心の福島核災害関係も井戸川鼻血前町長とか集団疎開訴訟とか「もうやめて」と言いたくなる代物で、評価できるのは福祉作業所の障害者が避難時にどういう扱いを受けたかという指摘)。共催や協力・友好団体が自分の活動アピールをするのは分かるけど。

「全部載せ」しないと気が済まないのだろうか。でも、そうやって論点を多数並べると「全部で一致できなければ敵っ!」という不毛な選別に行き着きやすい様な。

この映画に関して言えば、加須(かぞ)市に設けられた避難所の中に入り、双葉町町民の声を記録したという点においては評価する(娘婿がFukushima50の一人だと誇らしげに語る町民には感動した)。また全編にわたって字幕をつけたことも、かつて学祭での映画上映に際し、聴覚障害を持つ学友のために手製字幕をつけた経験のある者として賞賛したい(「4号機は危ないよ、たぶん」という発言の「たぶん」をカットしたことは看過しない)。だが、その現実認識には首をかしげたくなることが多々。歪んだ認知に基づく行動が実害をもたらすのではないかとも懸念する。

それでもこの映画は一見の価値はあるとは思う。言ってみれば、チャーシュー好きなら麺やスープに不満はあってもチャーシュー麺を注文できる、みたいな。

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2014/02/24

真に画期的なものは裏通りでは売られていない

KEKの黒猫先生(最近は白猫の写真も多用されているが)が経口の成長ホルモン剤にお怒りのツイートをしていた。

ペプチドホルモンとか酵素のような機能性タンパク質を口から摂取しても胃腸で消化されてしまうし吸収されることもないということは「酵素補説」でも述べた(ただし、そこでも触れたように「タンパク質がそのまま吸収されることはない」については若干の例外事象もある)

これは基本中の基本なので、インチキ健康食品などに騙されないようしっかりと覚えてほしい。タンパク質(ペプチド)は口から飲んでも消化されてしまう。だから酵素やタンパク質性のホルモンを口から飲んでも効かない

しかし口から飲むインスリン製剤の話も聞いたことはある。もちろん真っ当な筋からである。で、「インスリン 経口」で検索するとそういう研究が進められていることが分かる。イノベーションというのは不可能(と思われていたこと)を可能にすることなので、「そんなの無理」と決め付ける前に最新情報を調べてみるのは悪くない。

かつてウイルスメール対策として一時「知らない人から送られてきたメール」や「外国語のメール」が危ないという注意が広まったことがある。ほどなくして日本語のなりすましメールが広がって全く無意味に。無意味どころか「知り合いからだったから」「日本語だったから」と迂闊に開いて感染する例が出て、むしろ有害な〈対処法〉となってしまった。おまけに覚えやすいようにと単純化して注意を広めたセキュリティ担当者への信頼が低下してしまうという副作用まで。だから覚えやすいスローガン(標語)というのは要注意。覚え易いという点では優秀でも、内容が間違っていたり陳腐化しやすかったりすれば、それは悪いスローガン。「四本脚はいい、二本脚は悪い」

「口から摂ったタンパク質(酵素・ホルモン)は栄養素以上のものにはならない」というのを教条的に覚えても実害はほとんど無いだろう。医師から「新しいいい薬が出ましたよ」と言われて「このインチキめ! 次はホメオパシーか」と激昂したら問題だけど、さすがに厚労省が承認した薬品にケチを付ける頓痴気は...いるか orz。ノバルティスのおかげで保険承認薬の権威も揺らいじゃったし。

というわけで、「難しいことを考えるのは苦手」と思い込んでいる人にもすぐ分かる標語はないだろうかと悩んでいて思いついた。真に画期的なものは裏通りでは売られていない(もちろん画期的な製品もコモデティ化すれば裏通りでも売られるようにはなる)

EMとかナノ純銀とかで放射能をなくせるなら、高レベル放射性廃棄物の問題も一気解決ではないか。世界中で売れるから特許をとれば大儲け。生産が間に合わないならライセンス供与をすれば良い。あるいは儲けを放棄して技術公開しても世界の恩人と讃えられることまちがいなし。しかし、これがあるから安心して原発を増設しましょうと言わないのは(言っているのかもしれないが、真に受ける人はほとんどいないのは)、それなりの理由があるのだろう。信じて買うのは、こう言ってはなんだが、騙され易い人たちばかり。

子供向けの読み物とか映画には、お屋敷の屋根裏部屋で発見された古い書物に、世間の人がまだ知らない真理が書かれている、みたいな設定があるけれど、現実にはそういう事はまず無い(歴史的事件の当事者の日記とかだとそういう事はあるかもしれない)。投資のど素人のくせに「絶対儲かる」お得な話が舞い込んでくるなんて信じていると身ぐるみ剥がれてしまう。同じように、「世界の大発明」は特許によって守られ識者のお墨付きとなってから凡人の前に登場すると心得よう。


なお、発端となったと見られるニュース(2011年5月)を見ると、成長ホルモンそのものではなく「成長ホルモンを刺激するプログラム」(として作動する何か)を販売していたらしい。「身長が伸びる」と効能をうたったことで薬事法違反(記事では「無許可販売」となっているが、おそらく無承認無許可医薬品の販売)。中身(原価は1600円)に成長ホルモンが含まれていたら、別の罪状(医薬品の無許可販売)も加わったかも。

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2013/06/23

酵素補説

togetterに「はたらけ!酵素ちゃん ~酵素物語 その6~」という素晴らしいまとめがあります。酵素学の門外漢である主婦が、「酵素飲料」とか「酵素ダイエット」とかのあやしい酵素にだまされないための解説絵本を書こうと思い立った。

ラフを一読して、「ここは押さえておいてほしい」と思った点をいくつか。

酵素には種類がたくさんある

酵素の相手は、基本的に一酵素につき一種類。デンプンを消化する酵素はタンパク質を消化できない(基質特異性)。また同じ反応を司る酵素にも〈兄弟〉がいて、性質に違いがある(ある酵素はアルカリ性でよく働き、別の酵素は同じ反応を中性でより促進する)。生息環境の異なる生物(たとえば大腸菌とヒト)間で酵素が異なることは容易に想像できるが、同じ生物種の体内でも働き方が異なる酵素が存在することがある(イソ酵素/アイソザイム)。

酵素ダイエットとか酵素飲料とかにコロッと ***Deleted for the Courtesy Reasons*** な人は、おそらくここを理解していない。細菌飲料といえば分かるだろうか。乳酸菌飲料なら人体に有益だけれども、大腸菌飲料とかコレラ菌飲料を飲みたいとは思わないはずだ。ましてや「お腹で活き活き」を謳っているならば!(医学史では有名なお話の一つに、コレラの原因を巡る論争がある。コッホが発見した「コレラ菌」はコレラの原因ではないとするペッテンコッファーは培養コレラ菌を飲むという人体実験を行った。彼自身は下痢だけで済んだが、弟子の中には危うく死にかけた者もいる。)

酵素は基本的に6種類

前のエントリーでEC番号(酵素番号)を説明するとき割愛してしまったのだが、酵素は司る反応によって大きく6つに分類される。
酸化還元酵素
基質(酵素が働きかける相手)を酸化したり還元したり。例としては酒を代謝するアルコールデヒドロゲナーゼ。
転移酵素
基質の構造の一部を別の基質へ移す。例としてはリン酸基を移すキナーゼ。
加水分解酵素
水と反応させながら化学結合を切って基質を分解する。例としては消化酵素のペプシン。
脱離酵素
脱離反応や付加反応をと言ってもピンと来ないでしょうなぁ。別名は除去付加酵素。例も適当な酵素が思い浮かばない。
異性化酵素
分子内の反応を進める。例としてはアミノ酸のL体をD体にかえるラセマーゼ。
合成酵素
ATP(アデノシン三リン酸)を使って複数の基質を結合する。例としては切れたDNAを修復するDNAリガーゼ。

上記のまとめで登場する「ロミエット」が登場するのは、脱離酵素(リアーゼ)と合成酵素(シンテターゼ)が媒介する反応。これが〈結婚〉させる反応。〈重婚〉になるのを防ぎたいなら(ytambeさんが挙げている)グルクロン酸抱合は好例。

〈離婚〉に相当するのは加水分解酵素。〈変身〉は酸化還元、転移、異性化か。

酵素は基質と結合する

絵解きする場合に描く必要はないけれど、酵素は基質とくっつくことで反応を進めるということは頭に入れておいた方が良い。ここを押さえていると基質特異性とかKm値とか酵素の阻害とかも理解しやすい(と思う)

酵素は壊れる

酵素は触媒であり、触媒は化学反応の前後で変化しないと定義されている。つまり反応が進んでも酵素が比例して減ることはない。

とはいえ酵素のほとんどはタンパク質なので、徐々に壊れていくし、熱や極端なpH、泡などによって構造が崩れ(変性)、機能しなくなってしまう。食事などで外から与えられた酵素が働かないと考えられるのは、次の理由による。


  1. 調理の過程で壊れる(加熱でも壊れるし、泡立てるとそれだけでタンパク質は構造が崩れる。また細胞が壊れると掃除屋である分解酵素群の封印が解かれ、目的とする酵素も破壊されてしまう)

  2. 胃酸で変性してしまう

  3. 胃や腸で消化されてしまう

  4. 目的の場所に到達しない(胃腸での変性や消化を免れてもタンパク質がそのまま吸収されることは少ない。また血中に入ったところで目的の組織や細胞内に選択的に入る可能性は極めて低い。)

さらに細胞内には変性したタンパク質(酵素)を元に戻す機能があり、またpHも安定しているので細胞外よりも酵素は壊れにくい。その点でも外部から加えた酵素は分が悪い。

なお、微生物の中には高温の温泉や低温高圧の深海底のような極端な環境で生育するものがいて、それらが利用する酵素には高温や強酸性/強アルカリ性でも壊れずに働くものがある。また普通の酵素は働かない低温で作用するものもある。しかし、これらは普通の食材には含まれていないだろう。

酵素は働く時と場所が決まっている

前にも触れたように、酵素(群)は生体内の至る所で働いている。何かを作る酵素がいれば、それを壊す酵素もいる。それらが勝手に働けば、生命は維持できない。たとえば急性膵炎は、小腸に分泌されてから働くべき消化酵素が、働くべきでない膵臓内で勝手に働き出して膵臓自身を消化してしまうために起きる。

また多くの場合、酵素が司る反応は複数が協調的に進んでいる。たとえばタンパク質の合成を考えると、1)DNAの読み取りとRNAの合成、2)RNAの読み取り、3)アミノ酸の結合、4)折りたたみと輸送、がシンクロしていなければ、原料が不足したり中間産物が溢れたりしてうまくいかない。「食べ過ぎたから消化酵素を飲む」で済むような単純な例は少ないのである。

合成されたばかりのタンパク質は、アミノ酸がつながっただけのヒモなので、そのままでは働かない。しかるべき構造に折りたたまれて初めて機能するようになる。またタンパク質の中には金属イオンやタンパク質以外の低分子(補酵素)と結合することで機能するようになるものもある。鉄はヘモグロビンに必要であるし、ビタミンB群は補酵素として機能している。

なお、酵素の働きを制御する方法としては、使うときに合成し用が済んだら分解するほかに、ストッパー(インヒビター/阻害剤)を外したり付けたりする、完成一歩手前の状態(プロザイム/前駆酵素/前酵素)で蓄積しておいて、短時間で一斉に完成させるなどのやり方がある。

前述の急性膵炎は、スタンバってる消化酵素(の前酵素)に誤った「それ、ここで働け」という合図が送られてしまうことで起きる。

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2013/06/19

酵素ってなんでしょう

私は大学の卒研で酵素を扱いました。そのころから「万田酵素」なんてものがあり、「なんか違う〈酵素〉があるな〜」とは思っていましたが、最近は酵素飲料とか酵素ダイエットなんてものも出てきて、物理学の人が〈波動〉を誤解されているのと似た状況に陥っているようだと現状認識。

きっかけは「かーちゃん」ことButayama3さん(わ、敬称内蔵型だ)がtogetterにまとめられた「酵素物語」(1-4)。酵素学をかじった人間が当たり前だと思っている知識が、実は全然当たり前ではないことを再認識させられました。基礎の基礎を生活感覚に合わせて説明しなければ...

さて評判の酵素飲料の作り方を調べてみると、「まずはこちらを見てください↓」と酵素についてもっと知りたい!! 素朴な疑問Q&A 【食事で酵素を効果的にとる 3つのワザ 】というページが紹介されている。そこをひらくともう目眩...

「免疫力を上げるには「酵素」をとる事です。」...そもそも免疫力の正体が不明ですが、仮に免疫細胞の活性だとしても、酵素は無関係。遺伝子の発現には酵素が必要とか、インターロイキンの合成には酵素が必要ってところまで行けば辻褄は合いますが...それなら「免疫力を上げるには炭素をとる事です」も成立する。

「(酵素とは)消化と代謝を助ける栄養素です」...もうね、アボカド、バナナと。

いちいち反論していたら長くなるので、上記ページのQ&Aに沿って解説しましょう(Q4,5は割愛)。

Q1. そもそも酵素って何?

(生体内で)化学反応を素早く行わせる触媒で、その実体はタンパク質(限られた領域ではRNAも酵素として機能しているが専門外の人は無視して構わない)。タンパク質だから、口から入れれば消化されるし、ヒト以外に由来する酵素を注射すればアレルギーを起こすことがある。

基本的に一種類の酵素は一種類の化学反応を司る。たとえばタンパク質を消化する酵素はデンプンを消化しない。タンパク質の消化でも、大きくぶった切る酵素と、腸で吸収できるアミノ酸にまで分解する酵素は別。また「タンパク質なら何でもござれ」というものから「特定の(構造を持った)タンパク質しか分解しない」というものまである。

多くの生命活動は酵素によって担われていると言える。たとえば刺激が神経を伝わるのさえ、酵素が関与している(殺虫剤の中には酵素を働かなくすることでシナプス接合部における神経伝達を異常にして虫を殺すものがある)。古典的な抗鬱剤が働きかけているのも脳の中の酵素。かと思えば毒蛇の毒も酵素、ジフテリア菌の毒も酵素。

発酵も微生物の酵素の働きで起きる。その過程を制御できていれば発酵だが、意図しない方向に進んだら腐敗と呼ぶのが相当。初めから酢を作るつもりなら酢酸発酵で、同じ現象でも酒を作るつもりが酸っぱくなってしまったのなら酸敗。

発酵、酵母、酵素。これらは互いに関係はあるものの、それぞれ別のもの。発酵は現象、酵母は発酵を起こす微生物(の一種)そして酵素は発酵を起こす物質。酵母による発酵は酵母菌内の酵素によって起こる。非正統的な酵素は発酵と区別の付いていないものが多い印象を持つ。これは ***Deleted for the Courtesy Reasons*** せいではないだろうか。

Q2.酵素は何に含まれているの?

酵素にはいろいろな種類がある。「酵素一般」が存在するのは生化学会大会の発表分類くらい。

アミラーゼなら唾液の中、ペプシンなら胃液の中、トリプシンなら小腸の中、カタラーゼなら血液の中、γグルタミルトランスペプチダーゼなら肝臓の中、ナットウキナーゼなら納豆の中といった具合。なお、それしかないという意味でも、そこにしかないという意味でもない。たとえばアミラーゼは麦芽や大根の中にもある。

したがって「酵素は何に含まれているの?」という問はナンセンス。それは「ビタミンの多い食べ物は何?」という質問が意味をなさないのと同じ(食べ物に限定しなければ「総合ビタミン剤」だが)

Q3.酵素が不足すると、どうなるの?

触媒は化学反応の前後で変化(減少)しない。もし生体内で酵素が不足すれば自動的に合成される(前酵素という半完成品で貯蔵しておいて、必要に応じて活性化する例もある)。それが間に合わなければ病気になる。生体外から補給した酵素が働くことは、極めてまれ(口から入れれば消化されるから)。効果があるのは風邪薬に配合されたリゾチーム(効かないという異論もある)、消化剤に配合されたジアスターゼやリパーゼくらいか。おっと脳梗塞の特効薬t-PAもその正体は酵素だが、これは消化酵素の影響を受けないように注射によって投与される。

Q6.酵素を無駄使いしないためにはどうしたらいいの?

「酵素の無駄遣い」が意味不明。酵素飲料などを信じている ***Deleted for the Courtesy Reasons*** な人の根本的な思い違いは、実際に機能している酵素とは別の、得体のしれない何かを酵素だと思い込んでいること(wikipediaの酵素の項目[2013年6月9日 (日) 21:18]にはわざわざ「酵素摂取による健康法が謳われ、健康食品やダイエットサプリメントなどに「酵素」の名を冠したものが数多く発売されているが、十分な科学的根拠がないものも多い。詳細は、酵素栄養学の項を参照」と注記されており、その酵素栄養学の項目では「一般的な生理学・分子生物学等との矛盾点」という一節が設けられている。)

実際に機能している酵素とはどんなものか。もちろん未同定のものはあるものの、その機能や性質がきちんと調べられたものには国際生化学分子生物学連合が名前を決め、EC番号を発行している。もし未知の、ヒトの健康に有用な酵素があるならば、家庭でできる摂取法の開発などよりも、その単離と同定に力が注がれるのが常識。特許を取るにはその方が有利だから。本当に有用であれば第三世界の民間療法さえ特許で押さえてしまうと非難される先進国の製薬会社等が見逃すはずがない

つまりまっとうな酵素であればEC番号を持っているし、それが未決定の場合でも名前を持っている。なぜならば名前がなければ研究を進めるのに支障をきたす。まさか論文に「アレ」とか「例の酵素」とか「松風」と書く訳にはいかない。そして司る反応が分かっていれば語尾が「-ase(カタカナの場合は〜アーゼもしくは〜エース)」の名前がつく。

逆にいえばEC番号がなく、名前(系統名または常用名)の無い酵素はモグリと言える。なお、語尾がaseではない酵素もある(カルパイン EC 3.4.22.17、ペプシン EC.3.4.23.1-3など)。

まとめ

世の中には酵素学が扱うような(まっとうな)酵素と、そうでないものとがある。 まっとうな酵素それぞれは、相手にする物質や促進する化学反応が決まっているスペシャリスト(体の中ではチームで働いている)。 まっとうでない〈酵素〉はただちにインチキと断定できるわけではないが、作用や性質が研究されている酵素と同列に見るべきではない。 酵素栄養学は正統的な学問とはみなされていない。

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2013/04/08

うがい薬を飲まない

2年経ってみると「あの時の騒ぎはなんだったのか」と思えるようになってくることがある。

先日、練馬区の〈男女共同参画センターえーる〉へ過剰広告に惑わされないための科学的見方を聞くために行ったところ、廊下にあったポスターで吹き出した。

原発事故が起きたときの行動を説明した新聞見開きほどの大きさのポスター

制作主体のよく分からない「その時、あなたはどうする!」というポスターは、地震などいろいろな事象を列挙して危機管理を促す内容なのだが、その一つに「放射能汚染」を挙げていた。読むと内容は玉石混交で、明らかに「それは誤解だろう」という内容もあるのだけれど、我慢して読み進むと「原発震災になったときに」「【避難先では】」として「ヨウ素を含むうがい薬を飲まない」と。

「ヨウ素を含むうがい薬を飲まない」という注意が5番目に

あの頃は昆布出汁を飲めとかいろいろな説が飛び交いましたね。

なぜうがい薬を飲んではいけないのか。その理由は被災地でさえヨウ素剤の配布が行われなかったのと同じ。ヨウ素の過剰摂取等による副作用が懸念され、それは服用しないことによって予想される被害より大きいから(放射線で予想される被害の方が小さかった)

ただし、この方針というか広報は大いなる反発を受けたし、実際問題公平性を疑わせるところはあった。なぜって、薄めたうがい薬を飲むことが本当にそんなに害があるなら、うがい薬にその旨の注意が明記されていなければおかしいが、一般的な「用法用量を守れ」以上の注意があった記憶はない。それどころか喉に直接噴射するのど薬があるし(噴射後薬液を吐き出してとは聞いてない)、古典的にはルゴール液という代物さえある。喉が荒れていると、塗られた後はゲェゲェしたくなるけれど、治ってくるとケロリンパで、薬液も普通に飲み込んでいた。だから「数滴を薄めて飲め」で重篤な過剰症が出るかのようにいうのは危険を強調しすぎ。

もちろんヨードアレルギーというものはあるし、心配のあまり十数滴を希釈したり原液を飲んだりするようなパニック行動も起こりうるから(「飲み過ぎないで」ではなく)「飲まないで」と広報したのは正しいのだが、疑心暗鬼となっている人々には「事態を過小に見せかけようとする政府の陰謀」と受け取られてしまったようだ。

事故を過小に見せかけるのに、どうして自衛策を禁じるのだろうか? そのつながりが分からない。空港や駅に警官が出て検問をし、自主避難を妨げるようなことをしただろうか? 駅に人が殺到して混乱したならば規制もされたかもしれないが、幸いそんなこともなく、逃げたい人は逃げられた。治安的にはこっそりうがい薬を飲むよりも荷物をまとめて西へ避難する方がよほど問題になるのに「避難してはいけません」などとは言われなかった。それがうがい薬で「飲んではいけない」と政府機関から注意(PDF)が出たのは、端的に言って有害無益だから。なお、放医研の説明ではヨウ素過剰は理由に挙げられておらず(むしろ少ないから効果がないと)、服用を想定されていない外用薬成分の摂取を危険視している。

さて避難先で注意点としてあげるならば、「安定ヨウ素剤は指示に従って服用すること」を主とすべきであり、「勝手に飲んだり、配布されないからと言ってヨウ素を含むうがい薬を薄めて飲んだりしない」というのはどちらかというと副次的。

どうもこの「その時、あなたはどうする!」はピンぼけな感じがする。

一読しておかしいと感じた点を列挙すると、こんな感じ。


  • 放射能に汚染されたがれきは増え続けている(増えてません
  • 手抜き除染による汚染の効果と拡散(除染後に下がった測定値がまた上がるのは手抜きとは関係ないし、「汚染の効果」は意味不明
  • (セシウムは)カリウムと入れ替わって筋肉に蓄積(入れ替わったりはしないし蓄積もしない
  • 原発の風下に向かって逃げない(近隣ならいざしらず、どの原発からも遠い首都圏で風下云々は無意味

「先の見えない不安がいっぱい!」と赤で書くことにどんな意義があるのだろうか? その不安を軽減・解消するためのポスターではないのか?

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2012/09/05

反原発の知人への返信

1日に「放射線情報を正しく理解するための基礎講座」を聞いた後で、知人からのメールに次のような返信をした。

反原発派の端くれとして微妙なのですが、つまり「今回の事故は当初悲観したほどひどくはなかった」ということなのですね。いまでも避難を強いられている方々には申し訳ないけれど、広瀬隆が昔『東京に原発を』で書いた、人がばたばた倒れるの目の当たりにして「大変なことが起きた」と慄くような事態ではなかった。
以前、映画「アレクセイと泉」を観た時は、政府の避難勧告を無視して汚染された村に住み続ける住民を「無謀な」と思ったものだ。泉だけは汚染されていないと言っても「百年前の水が湧き出る」なんてのは事実の裏付けがない伝承であって、翌年から汚染水が湧き出すかもしれないじゃないかと憤ったりもした。原爆の図 丸木美術館の展示にも、汚染された村での生活を選択する住民を描いた作品群があり、たしかに天秤の一方には〈故郷を喪うことによる精神的打撃〉があると理解したものの、もう一方に載る〈放射能の危険〉を重視していたので、腑に落ちない思いをしたことを記憶している。

多くの人がそうであろうが、私の放射能への恐怖感は広島・長崎に代表される核攻撃の事例で形成されている。ところが瞬時にエネルギー(放射線)を放出し放射性物質を広範囲にばらまく核兵器と、じわじわ反応型の原子力発電所とでは様相が異なる。これについては以前の記事に書いた。

といっても、原発事故は恐くはない、と楽観しているわけではない。


これはいろいろな幸運が重なった結果であって、〈次回〉もそんな僥倖に恵まれる保証はないわけですが。

言霊の幸わう国で「次回」などと口に出したら非難轟々だろう。だが、世界はもちろん日本に限っても脱原発には悲観的なので、次の事故はいずれ起きる。それが10年後か50年後かは分からないが。

そしてその時には緊急停止に成功しないかもしれない。複数の原発が連鎖的に制御不能に陥るかもしれない。風が大量の放射能雲を大都会へ運んでくるかもしれない。水源地帯が汚染されるかもしれない。収穫直前の作物が高濃度の90Srで汚染されるかもしれない(ストロンチウム90の検出には2週間かかる)。...

しかし、今回は緊急停止に成功し、事故を起こしたのは東京電力1F(福島第一原子力発電所)に限られ、風は放射能雲の多くを海へと運び、多くの農地は作付け準備中であり、そして陸地の90Sr汚染は少なかった。住民の被曝線量は低く、毛が抜けて吐いて死ぬようなことが起きないのはもちろん、白内障でさえ起きそうにない。なによりも汚染源である1Fで多くの作業員が働いている。彼らが将来がんに罹って死ぬ可能性はいくばくか高くなってはいるけれども。

で、本来なら「ああ、良かった」と安堵すべき(繰り返しますが、これは遠隔地の勝手な安堵)ところ、なぜか健康被害が出ないと納得しない人達が蠢き始めた。福島県からの避難援助くらいなら構わないけれど、避難しない人を攻撃する、東京も危ないと煽る、瓦礫処理を妨害する...とどんどん素っ頓狂で有害な行動が目立ちだした。

懲りていないように見える原発業界の監視も必要なのに、とんだ二重対峙です。共産党を警戒していたら、反共が看板のヒトラーとかムッソリーニとかの変な連中が台頭してきたみたいな。


「反原発をファシスト呼ばわりした」と誤読して非難されるかもしれないが、文章をちゃんと読めば分かるように反原発勢力がファッショであるとは書いていない。書いてはいないが、「ヒトラーと対抗するために手を結んだら相手がスターリンだった」という比喩にしなかった理由はご賢察の通り。

あと、このメールの相手のような年齢の方に「二重対峙」なんて用語を持ち出すとピクッとされるかと心配したが、今のところ看過されている。

特に小さい子を抱えた母親たちの怯え方は想像以上で、東京から沖縄に避難する、沖縄で青森からの雪の搬入に反対する、親の情緒不安定は子供に悪影響必至で、ちょっと座視できない。(中略)「放射能を帯びた土埃を吸い込んだって、痰や鼻クソで出ていくでしょ」と説明したらとても晴れやかな顔をしていたのが印象的。理屈で判断する手がかりを得たら、不安に振り回されずに済むようになった。セシウムが検出された食品の話でも、「干し椎茸を1kgも一度には食べない」と気づくと、実際の被曝量を考えることができる。

あと気づいたのは、意外なほど「量の概念」が共有されていないこと。きくまこさんの「5時間講義」では冒頭延々と指数とSI接頭辞が解説されるのはそのせい。


「5時間講義」については、翌2日に荻窪で開かれIWJが中継したものよりも以前に録画したもの推奨されている。

ベクレル(Bq/kg)とミリシーベルト(mSv/y)は似たような桁(1以上100以下)で出てくるので等価に感じている人が多いみたいだが、セシウム137(137Cs)を10,000Bqを経口摂取しても(預託)実効線量は0.13mSvにしかならない。外部被曝の場合は1mの距離に100万Bqの137Csがあっても、1日に0.0019mSvしか被曝しない(原子力資料情報室の説明)。これは年間でも0.7mSvに満たない線量で、避けるべき無駄な被曝の基準1mSv/yを下回っている。それなのにエアコンの埃から7万ベクレル!と大騒ぎする人がいる。100万Bqでも0.7mSv/yなのだよ。その1/10以下(実際には134Csも検出され、これは137CSよりも強い比放射能を持つけれどここでの結果には影響しない)。しかも7万Bqがそこにあったのではなくて、7万Bq/kgのセシウム(134+137)。エアコンのフィルターに埃を1kgもためたら、放射能は関係なくそっちの方が問題(フィルターごと測定と訳のわからないことが書いてある)。実際の埃の量はせいぜい数グラムであろう。なら放射性セシウムの絶対量は? 計算するのもバカらしい。

こうして放射線による被害がなさそうだと知られてくると、今度は化学毒性を持ち出してくる。前の記事にも書いたように、量的にお話にならない。化学毒性が問題になるほど放射性セシウムを摂取したら、その前に放射線障害で死んでいる。

メールをくれた知人からは、旧知の反原発仲間との討論会を提起された。「ぼくらが、きちんと討論できないようだったら、日本全体での総意形成など不可能と考えます。」

うーん、重たい。

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2012/03/11

シマウマ症候群/医学生症候群(用語解説)

ありふれた症状を重篤な疾患と関連付けてしまうこと。

「ウマの蹄音を聞いて、シマウマが歩いていると考える」に由来。アフリカならいざしらず、この言葉ができたであろう欧州においては、パッカパッカという足音がしたら、それはウマが歩いていると考えるのが普通。それをシマウマかもと考えてしまう。

以前は医学教育を受けている学生に多く見られたらしい。それで「医学生症候群」とも(googleではこちらの方がヒットする)。近年はメルクマニュアル医学百科最新のようなウェブやブログ、『家庭の医学』のような書籍、あるいは健康をテーマにしたテレビ番組を見て、「この病気にかかっているかも」と怯える一般人も多いようだ。

もっともジェロームの小説『ボートの三人男』(1889年)の冒頭にも、この描写がある。図書館でふと医学書を紐解いたばかりに、ありとあらゆる病気(ただし、膝蓋粘液腫は除く)にかかっている気になってしまった主人公は、その足で医者へ赴く。話を聞いた医者が処方したのは、ステーキを食って酒を飲み、ぐっすりと寝ろというもの。これによって主人公は〈健康〉を取り戻す。

手漕ぎボート中心だったテムズ川に登場したスチームランチに対し、あの傍若無人な汽笛の音をきけば陪審員も「正当防衛による殺人」と認めるだろうなどと前半では罵倒するのだが、後半になってボートを牽引してもらうと掌返し。これら主人公の態度は現代の日本人にも通じるというか、近代の大衆の典型かもしれない。道具立てが図書館からインターネットに変わっただけで、行動の本質は同じ。

患者側がかかると「小騒動 - #私は家庭の医学で不安になりました」でも指摘されているように、ヒポコンデリー(心気症)である。

映画などには、新人医師がありふれた疾患で大騒ぎするシーンがある。題名は忘れたが、社会奉仕で田舎での診療を命じられた若い医師がドクターヘリを呼ぼうとしたのを町医者が押しとどめ、簡単な施術であっさりと治してしまうとか。

ただし、希少な疾患というのは、珍しいとは言え実在するわけで、それゆえに見過ごされる危険も大きい。20世紀後半、イギリスで天然痘の小流行があった際、多くの医師は見逃してしまい、天然痘と診断できたのは過去に天然痘患者を診察した経験のあった老医師だったという話がある。

『続 推理する医学』には「シマウマのひずめの音」という一章が設けられ、重症筋無力症にかかった女性が、そうと診断されるまでの経過を描いている。多くの医師はありふれた疾患として扱ったが、最後の医師が「これはウマではなくてシマウマ」と看破して患者は救われる(wikipediaによれば「適切な治療によって80%は軽快・寛解し、日常生活に戻れる」、つまり診断が大切)。

だが、こういう話を読むと、また素人は「私は重症筋無力症かも」と思いこみかねないなぁ。

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『続推理する医学』はさすがに古本しかない。

ただし『推理する医学2』として改装版が出ている。

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2012/02/20

ここがおかしい、ベクレルの説明

ベクレルとシーベルト(用語解説)で取り上げたベクレルの説明のおかしなところを説明する。

内部被曝ベクレルは
ベクレルは被曝の単位ではない。また被曝の単位シーベルトは内部と外部を分けない(そのための単位)。
(ベクレルは)細胞を傷つける放射回数の単位
ベクレルは放射能の単位だが、1つの原子(原子核)が放射能を出すのは原則として1回だけ。放射線を出して違う元素の原子核になり、それがまた放射線を出すことはあるが、1つの原子(原子核)がいつまでも放射線を出し続けるわけではない。
生体への影響を見るのに使うのはシーベルトだが、細胞が何個傷ついたかを数えているわけではない。
1日に体のどこかの細胞が 何年も攻撃され続け 壊れる
放射性物質による〈攻撃〉は何年も続くわけではない。原則「ハチの一刺し」と同じで、1回放射線を出すとそれでおしまい。セシウムは2回出す代わりに、なかなか刺さないという性質を持つ(逆にヨウ素131は気が短くてすぐ刺すので1週間ほどで放射能を持つ原子が半減してしまう)。
放射線による細胞への障害は修復される。大量に被曝すると個体死に至るのは、修復や他の細胞によるカバーが間に合わなくなるため。また被曝した細胞ががん細胞に変化しても、免疫系がその増殖を抑えている。かりに治療が必要ながんになっても、それは放射線以外の原因によるがんと違いはなく、同じように治療可能。
惑わされぬよう!騙されぬよう!余計な被曝はしないよう!
「騙されぬよう」とは何の話か? 誰が、どう騙そうとしているのか。「政府や御用学者が、安全と思わせて危険な物を食べさせようとしている」という主張は、政府も同調している学者も危険だとは考えておらず、したがって騙すという意図が存在しないので成り立たない。「政府の主張は間違っている」ということは自由だが、「騙そうとしている」は故意の存在を証明できるまで控えておくのが身のため。
余計な被曝はしないよう!というのは唯一の正しい主張。ただし、過剰に被曝を避けようとして反対側に落し穴がないかには注意が必要。
1ベクレル×1日86400秒=1日 86,400 bq/d
ベクレルに時間をかけたり日数で割ったりするのは意味不明。たとえば半減期が2.5分の核種であれば、最初の測定時に100Bqあったとしても、3分後に測ったときには50Bqを下回っている。180秒で積算するのはナンセンス。セシウムの場合は半減期が長いのでバカバカしさが目立たないだけ。算数のできない子が、問題文に出てきた数字を適当に計算して〈答え〉を出しているのと似ている。
ベクレルの記号はBqと大文字で書く。これは人名に由来する単位に共通。先人に対する尊敬の念がないからこういう書き方が平気でできる、というのは牽制。
/dは「1日当たり」という意味なので、「1日.../d」というのは重複表現。こういうことを平然と書けるのは、自分が何を書いているのか理解していないからではないだろうか。

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放射能についての勉強会(2月11日/東京・練馬)

東京電力の福島第一原発事故による放射能汚染は、全国に不安の影を落とした。現段階では、事故直後に覚悟した多数の人命損失を伴う悲劇的大惨事は免れ、また不満タラタラの人はいるようなものの冷温停止状態となって現地は避難解除に向かっている。

しかし広まってしまった放射性物質による汚染に対しては、まだ安心できない人は多い。そして、そういう人に理詰めで説明をしても、なかなか届かないようだ。(実際、稲わらロールや砕石などで〈想定外〉が繰り返されもした。)

KEKの野尻教授らが精力的に進めてきた、放射能を自分たちで正しく測る活動は効果を上げ、線量計を地面に置くような頓珍漢や、雨や雪のたびに観測される天然放射能で大騒ぎする人は減ってきた。

しかしこのガイガーカウンターミーティングを開くには、適当な強さの放射能を持つ標準試料(線源)や校正済み線量計、ときには鉛ブロックが必要で、勢い大規模開催とならざるを得ない。ベクミルなどを使う場合も「全部検出限界以下」では実感がわかないだろう(その実例が無料配信中の鈴木みそ作「僕と日本が震えた日」第5話に)。

今、より必要なのは大規模講習会に出る余裕のない人を対象にした小規模集会ではないか、という声がツイッター上で上がりだした。ひとつには危険を過剰に強調する側がこまめな講演会で賛同者を広げていることへの危機感もあるようだ。今ひとつ真剣さの感じられない政府と、どう見ても煽りすぎの危険強調派の間にあって、適切な警戒感を保つのはなかなか難しいこと。そこで協力することにした。

TMIやチェルノブイリ事故の時、「文明の終わりか」と慄いた経験がある私は、固唾を飲んで事故の推移を見守る反面、初夏の頃には「峠を越えた」という印象を持っていた。それで、どちらかというと「怖い怖いと思っている人と直に対面して、生の声に耳を傾けよう」という目的で準備会に参加した。ところが、何を勘違いされたか、科学的助言役を期待されてしまい、焦っている。

第一回は2月11日に開かれた。いろいろな質問をいただいたので、2,3紹介してみよう。

ヨウ素131とでんぷんを青くするヨウ素は同じ物?

小学校の理科でやった「ヨウ素でんぷん反応」。うがい薬以外でヨウ素なんて言葉が日常生活に出るとしたらこれくらいかもしれない。今なら梅毒には抗生物質ですもんね(ぉぃ)。

おずおずと切り出されたこの質問に対する答えは「その通り」。うがい薬や消毒液に入っているヨウ素と原発から出てきた放射性のヨウ素は化学的には全く同じ。ただ、放射能の有無など物理的性質に若干の差があるだけ。ある程度の量があれば、でんぷん液を紫色に染めることができる。とはいえ、ヨウ素(単体)は他の元素と化合物を作りやすい。化学反応をしてヨウ化物イオンになってしまうとでんぷんとは反応しない。また濃厚なプルーム(放射能雲)が来れば別かもしれないが、200Bq/kgくらいの濃度ではでんぷん液が目に見えて青くなることはないと思われる(ヨウ素でんぷん反応の感度を調べたが分からなかった)。したがって水道水にでんぷん液を垂らしたり、でんぷん紙を軒先にぶら下げたりして放射能を測ろうというのは現実的とは思えない。そもそも原発の外に出た放射性ヨウ素はあらかた消えてしまっており、新たな爆発でもない限りヨウ素を心配することはない。

ちなみに高校時代、化学の教師が大気汚染の研究をしており、オキシダントがヨウ化物を酸化してヨウ素にする性質を利用して大気中の濃度を測っていた。そのヨウ素の量(濃度)を測定するのに吸光度計を使っており、「なぜでんぷんで呈色させないのだろうか」と不思議に思ったのを覚えている。質問はしたはずだが、答えは覚えていない。定量性の問題かもしれないが、あるいは感度が問題だったのかもしれない。まだ存命なので聞いてみようかな...ヨウ素でんぷん反応の感度が分かるかもしれないし。

外部被曝と内部被曝の違い

どちらの影響もシーベルトで同列に評価できる。以上。

内部被曝の方が影響が大きいというのはある意味で正しいのだけれど、シーベルト(Sv)を算出する際にそれはすでに織り込み済み。1000ベクレル(Bq)のセシウム137があったとする。この値はしばらくの間変わらない。そして十分遠くにあるか、遮蔽されていれば0シーベルトと評価される。むき出しで近くまで来るとガンマ線が当たるようになりXシーベルト、飲み込んでしまうとベータ線の影響も受けるのでYシーベルト(Y>X)となる。

舞い上がる土埃の危険性

さすがに毎日おびただしい放射能が降ってくると怯えている人は来なかったけれど、昨年降った放射能が付いている土が春風で舞い、それを吸うのではと心配している方は多かった。関東地方は風塵といって視界が悪くなることも珍しくないし。

この話が出たときは、深く考えることもなくあっさりと否定してしまった。良くない態度なのだが、どうしてだろう。

土埃が舞うのは今に始まったことではない。その昔はマスクなんてなかった。だが、肺に泥がたまって死んだ人間はいない。厳密に言えば塵肺症という病気はあるのだが、土埃で真っ白になって遊んだ子供が呼吸困難で死んだりはしない。なぜか。彼らの鼻くそを見れば分かる。土埃は鼻でトラップされ、翌日までには排除されている。さらにヒトの気管支は内面が粘液で潤されている上に、線毛というものが生えていて、これが常に外に向かって波打っている。だからたいがいの埃は呼吸の途中で取り除かれてしまう。煙くらい粒子が細かくなると肺の奥まで入ってしまうが、入ったものが全部沈着するわけではない(もしそうであれば冗談に言う「タバコは吸ってもいいが、煙は吐くな」そのもので、喫煙者がこれほど嫌われることはなかっただろう)
だから、鼻くそを食べたり痰を飲み込んだりする癖がなければ、土埃と共に入ったセシウムは体内にとどまらない。飲み込んでしまったら? セシウムは土に強く吸着しているらしいし、そう大した量にもならないと思うので、怯える必要はないとは思うが、「手洗いとうがいは励行」「鼻水は紙でちゃんとかむ」「鼻くそは食べない」「痰は紙に吐く」をしつけておくことは放射能と無関係に有意義である。

生体の異物排除機構を説明したら、皆さんがあまりに晴れやかな顔をされたので驚いてしまった。ちょっと楽観的過ぎたかと心配になるくらい。自分たちが土埃の中で遊んで元気に育ってきたという経験と共鳴したのだろうか。こういう説明が大切だ。


なお、マスクの着用にも2つ注意をしておきたい。マスクは鼻と口を覆わなければ意味が無い。また花粉やウイルスもそうだが、汚染物質はマスク(表面)にたまる。毎日同じマスクをしていくのは防除として有効性に劣る(マスクが線源になる)し、不適切に取り扱えば1日かけて集めた汚染物質を室内にまき散らすことにもなる。こんなことは常識だと思いたいが、ガンマ線を長袖で防ごうとしたとんちきからして、あながち杞憂とは言い切れない。

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2011/12/08

アルカリ性飲料水

先日、ツイッター上で質問を受けた。


アルカリ性飲料水があるでしょ?強酸性は殺菌にいいけど飲料水に向かないと聞いた事あるけど、強アルカリ性水ってどうなの?

「昨日朝の私のTLを読んでいただけると助かります」ともあったので、遡ってみる次のようなツイートがあった。


泉があって、その水が凄いアルカリ性。試験液でテストしたら水色に変色する程。OSGて浄水器メーカーの営業マンがしっぽ巻いて逃げ去る土地です。その水が水道水として供給されている奇跡の村です。

それに対して私に質問した人が「そんなにアルカリ性が強いと逆によくないとかはないのでしょうか?」と尋ね、それに対して「水道水はエメラルドグリーンでした。」という謎の回答を受けて「それが地元の皆さんが通常飲んでいる飲料水なのですか?私には知識が乏しく、詳しいフォロワーさんに自分の疑問解決の為にも聞いてみますが体に良いとされる成分も大量、過剰摂取は逆に健康を損ねる危険もあります。」と返していた。この「詳しいフォロワーさん」というのがどうやら私のことらしい。

それで「強アルカリ性水ってどうなの」という質問になったと理解した。

思いつくままに連続ツイートしたものを整理する。

酸と塩基

まず基本的なところから。酸とはなにか? 酸性とはどういうことか? 実は酸の定義には3種類ある。しかし義務教育修了(国民の教養)レベルならば「水に溶けて水素イオンを出すもの」というアレニウスの定義で十分だろう。水素イオンの濃度(の逆数)を対数で表したものがpH(ピーエイチ;以前は「ペーハー」というドイツ語読みだったが、今は英語読み)。pH7が中性で、それより小さければ酸性。pHを計るには試験紙を使う方法とガラス電極を使う方法がある。もっともポピュラーな試験紙はリトマス試験紙。

落ち着いて考えると、水素イオンって、水素原子から電子が一つとれたもので、水素原子が持つ電子は一個だから水素イオンというのはむき出しの水素原子核! その正体はなんと陽子! 食酢の中にはむき出しの陽子が飛び回っているのか? ンなわけはなくて、実際には水分子と結合してヒドロニウムイオン H3O+ として存在しているとのこと。中高では全然気にしなかったなぁ。

酸には鉄や亜鉛を溶かす、タンパク質を固める、ある種の色素(これをpH試験紙に利用)の色を変える、(希薄水溶液には)酸味があるといった共通する性質がある。濃厚な酸を舐めると舌が爛れる場合もある。

この酸の性質と打ち消す一群の物質があり、それを塩基という。塩基性とアルカリ性はほとんど同じ意味(塩基の方が広義)。

酸と塩基が反応(中和反応)すると塩(えん)と水ができる。食べられる塩が食塩(塩化ナトリウム)。「酸と塩基から塩が生じる」を「酸と塩基からしおが生じる」と読み、しお=食塩という理解だと、「消石灰を酢酸に溶かしても塩化ナトリウムが生じるの? カルシウムと酢酸はどこへ消えた? 塩素とナトリウムはどこから来た?」と悩むことになる(経験談)。

酸と塩基にはそれぞれ強酸・強塩基/弱酸・弱塩基がある。強酸の例としては塩酸・硫酸・硝酸、弱酸の例としては炭酸、酢酸、クエン酸など。強塩基の例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、弱塩基の例としてはアンモニアなど。

強酸と強塩基からできた塩は中性だが、強弱の組み合わせでは、塩の性質は強い方になる。たとえば硫酸アンモニウム(硫酸+アンモニア)は酸性、炭酸ナトリウムは塩基性。

毒物として有名な青酸カリは、青酸(弱酸性)と水酸化カリウム(強塩基性)の塩なので塩基性。しかし青酸は炭酸より弱い酸なので、空気中に置くと青酸カリは炭酸カリに変わってしまう。青酸カリは塩であるけれど、相対的に強い酸である炭酸に対しては塩基として働く。塩である炭酸カリや炭酸ナトリウムが塩基とされるのはそのため(硫酸や塩酸に対しては塩基になる)。

アルカリ性水は良い水か

上記の酸・塩基の話でわかるように、飲み水として「アルカリ性が良い」というのはナンセンス。アンモニア水を飲みたいと思いますか? 上述のとおり青酸カリの溶液も強アルカリ性。

大切なのは何によってアルカリ性になっているか。カルシウムなら問題は少ないけれど、たとえば施肥した石灰窒素由来だと考えもの(カルシウムシアナミドに残留毒性はないというが)。

(セシウムはナトリウムの仲間、ストロンチウムはカルシウムの仲間で、水酸化物は強塩基性なので、水に溶ければアルカリ性を示すことが多いんですヨ。もちろんこれと放射能は無関係。なお、アルカリ性がはっきり分かるくらい放射性セシウムが入っていたら、放射能はとても強くなるでしょう。)

閑話休題。水道水質基準値はpH5.8~8.6。その根拠は「自然水のpHがおおむね5~9」だから(東京都水道局)。

水道法では「異常な酸性又はアルカリ性を呈しないこと。」が求められている(第四条)。「厚生労働省令で定める」となっている具体的な数値が「5.8以上8.6以下」(水道法第4条に基づく水質基準(PDF))。

ちなみに「天然のミネラルが豊富だから」と言っても、その水1リットルを蒸発させたときに、500㎎超の残留物があれば飲用不適となる。設備に対する影響も考慮されているのかもしれないが、要は「できるだけ不純物のない水を飲め」ということであろう。

なお、日本の水は概ね軟水であるため、ミネラルの多い硬水を飲むと下痢をするかもしれない。

(3月の混乱の中で、「ミネラルウォーターで授乳用ミルクを作らないで」とメーカーが言っていた。粉ミルク自体が水道水利用を前提にミネラルを調整しているので、ミネラルウォーターを使うとミネラル過剰になる心配があったとか。)

また、地下水が極端に酸性だったりアルカリ性だったりすると、普通(中性)なら水に溶けない有害物質が溶けてくることも考えられる。(普通なら溶けない物質は、検査項目にも上がらないだろう。)

地下水というと、井戸水を連想し、夏でも冷たいきれいな水という印象があるかもしれないが、温泉も地下水である。つまり高温のものもあれば、いろいろな化学成分を溶かし込んだものもある。飲める地下水というのは世界的には少数派という話も。バングラディシュでは、天然のヒ素による地下水汚染で深刻な被害が生じた(NHKアーカイブス「井戸からヒ素が~バングラデシュ・3500万人の苦しみ」で概要が分かるか)。

「試験液でテストしたら水色に変色する」というのが、なんという試験液か分からないのでpHでいくつなのか不明だが、もし飲料可否を判定する試験液だとすると、良くない結果ではないだろうか(「水道水はエメラルドグリーン」というからには「色がついたら飲用不適」はないようだが...対照はどこの水道水?)。

酸性水は飲めるか

次に「強酸性は殺菌にいい」について。極端な酸性では通常の微生物は死んでしまうが、それくらい酸性だと鉄鍋も溶けてしまうかと。これはいわゆる電解水の話であろうか。酸性の電解水に殺菌作用があるとすれば、それはトリック。

(基本的なところですが、水は電気を通しません。濡れた手で電気器具を操作して感電するのは、汗(食塩)がまじったりしているため。水道水も、小学校でやるような「電池と豆電球」テストなら「電気を通さない」となるはず。なお、水を電気分解するときは少量の硫酸などを加える。)

今でも中学で習うと思うけれど、水を電気分解してできてくるのは水素と酸素だけ。でもそれではアルカリ電解水ができない! その通り。で、アルカリ電解水を作る装置には魔法の粉が付いているらしい。

一方の酸性水と呼ばれるアノード(いわゆる陽極)側の水。これは作り方(魔法の粉の種類)によっては強い殺菌力をもつけれど、その正体はキッチンハイター®と同じ。お年寄りならさらし粉といったほうが通じるか。

殺菌力のある酸性水を作る〈魔法の粉〉の正体は食塩(塩化ナトリウム)。食塩の電気分解で塩素が生じ、それが水に溶けて殺菌力のある塩素水になる。塩素水は化学的には次亜塩素酸。キッチンハイター®は次亜塩素酸のナトリウム塩。さらし粉はカルシウム塩。酸性水は遊離の次亜塩素酸水溶液。

(しかし、食塩を使うとアルカリ性水は苛性ソーダ溶液。希薄溶液とはいえ飲んで身体に良いとも思えない。殺菌用に電解水を作っているところはアルカリ性水は飲まないのではないだろうか?)

ちょいとググッたところ、森永乳業が殺菌用電解水生成装置を販売していた。そこには「次亜塩素酸水」と明記されている。そして食塩の代わりに希塩酸を加えているとも。その結果、「アルカリ水を副生せず」と。

添加物(食塩または塩酸)の濃度や通電時間にもよるけれど、塩素ガスがブクブク出るようでは装置は腐食するし、周囲は危険地帯になってしまうので、そのようなことはないであろう。ならば〈酸性水〉は薄い塩素水で酸性もそれほど強くなく、飲んでも害はないと考えられる。しかし大量に飲んでも何か効能が期待できるとも思えない。

ちなみに塩素ガスは、第一次大戦で初めて本格的に使われた毒ガス。毒ガスの中では弱い方であるが、それでも最初の使用で死者5000人を出したという。塩素系の漂白剤・カビ取り剤(カビキラー®など)と塩酸系の洗浄剤(サンポール®など)を混ぜると発生するので混ぜるな危険の標語が生まれた。

カルシウム水

カルシウムは健康に良いというイメージがあるが、飲み水の水質基準では上限が定められている。これは味の問題が大きいと思われる。

使用済みの押入れ乾燥剤(水とりぞうさん®など)があれば、捨てる前に中の液体を極々少量舐めてみると、カルシウムイオンの味を体験できる。特に有害物質が入っているという注意書きは見当たらないが、舐めたら吐き出すことを推奨。(いわれなくても吐き出してうがいすること必定ですけど)

医薬品として使われるカルシウム剤は、内服するものは不溶性(胃酸で溶ける)で、水に溶けるものは注射用。

医薬品としての乳酸カルシウムには服用上の注意がいくつかある。腎臓結石や重い腎臓病の人は飲まない方が良い。つまりカルシウムなら誰でもいくらとっても大丈夫、というわけではない。

この乳酸カルシウムがアルカリ電解水を作るための魔法の粉である。つまりアルカリイオン水というのは薄い石灰水のこと。

塩基の毒性

「強い酸/塩基」と「強い酸性/塩基性」は意味が違う。強い酸(塩基)でも十分に薄めれば弱い酸性(塩基性)になる。

水酸化ナトリウムが別名「苛性ソーダ(かせいソーダ、caustic soda)」と呼ばれ、劇物に指定されているのは、タンパク質分解性があり、皮膚を溶かすこともあるから(目に入れば失明の危険がある)。

ナトリウムのことをソーダと呼ぶのは、英語名sodiumに由来する。漢字で書くと曹達。炭酸水素ナトリウムを重曹と呼ぶのは重炭酸曹達の省略形。炭酸飲料のことをソーダ水と呼ぶのは、二酸化炭素を作るのに重曹を使っていたからか。

しかし固体の水酸化ナトリウムやその濃厚溶液は劇物になるけれど、希薄な水溶液であれば危険は少なく規制もない。たとえばある種のインクジェットプリンタのインクには水酸化カリウムが入っているが、インクカートリッジの購入時に身分証の提示や押印は不要。

校庭のライン引きにも使用されていた水酸化カルシウム(消石灰)は、安全な物質と思われていたが、失明事故が起きている。そのため文科省はすでに使用を控えるよう学校に通知している。

石灰水(消石灰の水溶液)で失明するかというと疑問だし、とても飲めたものではないから飲んで健康障害を心配する必要もないだろう。とはいえもし飲めば、量によっては胃酸が中和され、消化不良や食中毒の危険が高まる(胃液の塩酸には殺菌機能がある)。

まとめ

pHが7から極端に離れている水は水道水として不適格(水道法)。

水の液性(酸性か塩基性か)を決めている物質は何か、その濃度はどれくらいか、結果として総量はどれくらいか、が大切である。

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2011/08/09

噛み合わない質疑

専門家が答える暮らしの放射線Q&Aというサイトがある。東電福島第一原子力発電所の事故で人々が抱いた放射線への疑問・不安に対して日本保健物理学会の会員を中心とした有志が答えている。

非常に精力的に回答されているのであるが、どうも空回りをしている観もある。

先日イベントの為に東京の下北沢に行ったのですが、西日本にある自宅に帰ってから友達に言われて心配になり、世田谷区内の町中の放射線量を調べたら、私が行った日は0.48μsvもありました。

その日は6時間ぐらい外に居たのですが私も関東の人達みたいに被ばくした可能性はありますか。

多分通った公園とかならもっと高いと思います。親や友達からは、放射能が溜まってるから髪を切れとか病院で検査して来いとまで言われたんですがその必要はありますか。

あと東京とかは観光やお金の為に情報を隠している可能性はありませんか。
ホットスポットと公表しているのは1都2県の田舎地域だけだけど、東京で計測してる人達のを調べたら、公園や学校以外でも、町で普通にホットスポットや福島ぐらいの凄い数値がどんどん出てます。

都が発表してるのと全然違うじゃないですか。はっきり言ってすごく腹が立ってるし本当のことを知ってたら東京なんて絶対行きませんでした。

この問いには3つの質問が含まれる。

1.私も関東の人達みたいに被ばくした可能性はありますか。
2.放射能が溜まってるから髪を切れとか病院で検査して来いとまで言われたんですがその必要はありますか。
3.東京とかは観光やお金の為に情報を隠している可能性はありませんか。
3-1.東京で計測してる人達のを調べたら、都が発表してるのと全然違う(東京都は意図的に低い数値を発表していないか)。

ところが回答はというと、
関東の人のように被ばくしたというのは行き過ぎた質問だ
関西の方が関東よりも、外部から受ける放射線量は1年間当たりおよそ0.3~0.5ミリシーベルトも高い
全食物から摂取する内部被ばく線量は1年で0.8 mSv程度と評価されている

そして「これらの量と比較した上で、危ないかどうかを判断して頂ければと思います」。これは「あなたは被曝の危険性を過大評価している」と言っているに等しい。

さらに続けて、聞きかじりではなく体系的な知識の習得を薦め、大学か専門学校の教科書レベルの専門書を読むか、聴講生などで大学で学び直せとまで書いている。

行間から回答者の苛立ちが伝わってくるけれど、おそらくこの〈回答〉では納得は得られないのではないかと危惧する。

まずもって、質問に答えていない

仮に私が回答者ならば、
私も関東の人達みたいに被ばくした可能性はありますか。
いいえ。西日本は一般的に関東よりも自然放射能が高いので、東京にいることで被曝量は低下したと推定されます。

放射能が溜まってるから髪を切れとか病院で検査して来いとまで言われたんですがその必要はありますか。
ありません。身体についた放射性のチリなどは洗髪・入浴などで落とすことができます。親御さんやお友達と一緒に、味噌汁で顔を洗うことをお薦めします。なお、側溝の泥などをなめたりした場合は内部被曝の可能性はありますが、泥をなめたのが東京滞在中に限られるのでしたら、野菜と水を多めに取る生活を続ければ放射性セシウムがあったとしてもじきに体外に排出されるでしょう。

東京とかは観光やお金の為に情報を隠している可能性はありませんか。
→東京都が公表している線量は実際に計ったものより意図的に低くされているということはないでしょう。そんなことをすると、仮に低線量被曝による健康への影響が発見された場合、実際よりも低い線量で影響が出たように見えてしまうからです。
逆に言うと、不正確な計測や何らかの思惑を持って実際よりも高い数値を公表する人たちは、「××ミリシーベルトまでは影響が出ない」という目安を作る際、その値を不当に上げてしまいかねない行為をしていると言えます。(本当は50mSvだから何の影響も見いだせなかったのに、「ホットスポットで100mSvだ」と騒いでいたために、「100mSvでも影響はない」という誤った結論に...もちろん国や国際機関は怪しい民間計測の数値を取り入れたりはしないでしょうが)
なお、公表されているのは普通空間線量といわれる、γ線の値です。これは気温を測定するときに風通しの良い日陰の温度計で計るのと似ています。日なたに置いた自動車の中やボンネットを計って「60℃だ、80℃だ」と騒いでも、その日の最高気温とはみなされません。


そもそも、この質問者は本当に被曝のことを心配しているのだろうか。本当に心配しているならば、被曝した場合、健康障害を防ぐにはどうしたら良いか?という質問にならないか。ところが質問者は、親や有人から「髪を切れ」「病院へ行け」という助言を受けながら、これに従いたくない風に見て取れる(「必要ありますか」と否定を期待するような聞き方)。

もう一度質問を見てみよう。最後の「本当のことを知ってたら東京なんて絶対行きませんでした」に尽きるようだ。「本当のこと」をどうやって知ったのか分からないが、とにかく質問者の中には怒りが渦巻いている。

こういう場合は、持ち出されている疑問もどきに回答しても納得される期待は薄い。質問に見えるのはただの思いつき。いわゆる〈でもでもだって病〉の疑いがある。

また放射線に対して漠とした不安は抱えているようだが、それを理詰めで否定されても気分は晴れない。

たぶん、「下北沢のイベントは楽しかったですか。行って良かったですね。」から始めないと通用しないのではないか。ほとんどカウンセリング。実に面倒臭い手がかかる

面倒臭いからここは、「少々神経過敏になられているようです。有馬温泉にでも行って静養されてはいかがでしょうか。」と答えるのがベストだろうか? (関西原子力懇談会のサイトにある温泉から放射線を見ると三朝温泉や池田鉱泉もいいかもしれない。東日本の人なら増富鉱泉で決まり。)

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2011/06/16

ガイガーカウンターミーティング0611 に行ってきた(続)

前回のエントリーは愚痴モード全開になってしまったので、反省しつつミーティングの紹介と感想。

まず全容はUStreamで見ることができる。

また関連ツイートはTogetterにまとめられている。ただし余計なツイートを多く含み大変冗長。

それから第三部で絶賛されていたのが野尻さんのブログ「東北紀行(1) ガイガーカウンターを持って福島へ」。

(2011/7/14 補足) 参加した人が分かりやすく漫画で紹介している。

おかざき真里「お母さんのためのGCM講座体験談」

「ガイガーカウンターミーティング」レポ


私なりに要点を纏めると以下の通り。

  • 放射線は、測定機のボタンを押せばそれで測れるわけではない

  • 測定機にはそれぞれ目的があって作られている(目的外に使用した値は信頼できない)

  • 微小線量を測るには不向きな測定機がある(実際より高い値を表示する→東京のように線量値の低いところで高めに出て心配のもと)

  • 東京電力の人間も放射線分析が分かっていない(38Cl騒動のお粗末:装置が表示する数字を右から左に発表)

  • Svを出すには放射線の種類が特定されている必要がある(γ線を前提に計算)

  • 1回測って数値に一喜一憂すべきではない(何度も測っていると〈読み〉が可能になる)


...いやいやいや、「だから素人が手を出すもんじゃない」は結論から除外。今回は素人でも紛いなりにも意味のある測定ができるようにするためのミーティング。(素人とは放射線測定の素人の意味。理学博士でも医学博士でも、その意味の素人はゴロゴロしている。)

正しく測るために

個人的な見解も交えて纏めると以下のようになる。
  • 取扱説明書をよく読み、そこに書かれている通りに使用する
    • 本マニュアルが外国語で、日本語の説明は紙1枚のような物は要注意
    • どこが検知部かを理解する
  • 測り方はいつも同じにする(自分で手順書を作ると良い)
    • 測定機の向きによって値がどう変わるかなど機械の特性を把握する
  • 放射線が少ないと分かっているところでどのような値を示すか確認しておく
    • 厚いコンクリート壁で囲まれた場所や地下は少ないと考えられる
  • 値は測定を始めてから時間を置いて読み取る(待ち時間は取説に書いてある筈だが、見つからない場合は数値が安定するまで待つ)
  • 複数回測って平均値を求める
  • 日を置いて測り直す(一喜一憂しない)
  • モードの切り換えスイッチが分からないものは、検知部をアルミ板(厚さ2mm程度)で覆って、値が変化するかをみる(変化しなければγ線測定モードなのでシーベルト換算して構わない)
  • 日時と測定場所や天候も併せて記録する
  • 測定値を折れ線グラフにまとめてみる
  • 公式発表や他の人の測定値と比べてみる

まぁ、ここで畳水練をしても意味ないわけだが(私自身も線量計は持っていない)。

それにしても野尻(猫)さん、使う言葉が一般向きじゃないし、β線とγ線をなんども言い間違えるのは、お疲れとはいえ困ったもの。しかしながら測定機を指して「この子」と呼ぶのは微笑ましい(?)

あと野尻(猫)さんの発言にしばしば出てくる「けっく」「けーいーけー」とはKEKすなわち高エネルギー加速器研究機構のこと。今回こちらから精密測定済みの線源が提供されたことで参加者の線量計を較正することができた。

また東京大学からは大量(300kg)の鉛ブロックが提供されたことで、環境放射線を遮断した状態を実現できた。(銀行で両替すると10円銅貨を塊でもらえるから代用になるかも。10万円で45kgと地金で買うより3倍ほど高いが、用が済んだらまた両替できるのが利点。もっとも最近は両替手数料を取られるのか...)

提案

前のエントリーにも書いたけれど、自分で線量計を持って計測するというのは、実は良い教育法かもしれない。他人の測定値と突き合わせれば 、そうひどい間違いもしないだろう。

前回は不満ばかり書いてしまったが、専門家の指導を受けられた今回の試みは非常に有意義であり、主催した八谷和彦さんの労を讃えたい。

次回はちゃんと測った場合と自己流で測った場合の値の違いを実感できるようブラインドでコンテスト(競技会)にしたらどうだろうか。規制を受けるほどではないけれどホットである(放射能がある)ことが分かっている茶葉とか汚泥焼却灰も持ち込んで(これらを市中で入手できる線量計で測っても何も出ないことを実感してもらう)。

それから模範的測定を実演してもらい、最後にもう一度(大きくズレてしまった人を中心に)測定して太鼓判を押してもらう。そうすれば地域・家庭に帰っても安心して測定できる。

またこの手の講習会の需要を考えれば、講師養成も真面目に考えるべきだろう。

印刷して配布できるレジュメの準備は必須。

はは、また要望という名の苦言がポロポロと。

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2010/05/16

「くすりと健康2010」を聴いて

講演者本人のツイートで日本薬学会関東支部の市民講演会「くすりと健康2010春季講演会」があるのを知った。「当日直接会場へお越し下さい (申込不要)」に惹かれて聴きに行くことに(先日の星新一展の記念座談会は開催を知った時には申し込み受付日を過ぎていて悔しい思いをした)。

久々の渋谷。会場の日本薬学会長井記念館に入ろうとすると、玄関前に立っていた2人から、講演会は地階と案内された。うーん、いかにも講演会を聴きに来た風に見えたか。玄関の反対側の階段を下りると、あろう事か喫煙場所。息を止めて通り過ぎ、中に入ると、不思議なことにそこが地下二階。受付では今後の案内を希望する場合は記帳をということなので資料だけもらって入場する。

早めに着いたのでまだ人は少ない。前方の席に座り、資料に目を通す。メインはあらかじめ印刷してきたPDFと同じなので、ざっと目を通してから持参した『未来への周遊券』を読み始める。


定刻に開始。資料で名前を誤記された荻原委員長の挨拶に続いて、医薬品食品衛生研究所の花尻室長による「身近に迫る薬物乱用」が始まる。法律を中心とした乱用薬物の概説に続き、その実態、最後に毛髪分析法が話された。

毛髪分析法は血液や尿の検査と異なり過去数か月の薬物利用歴がわかる。血糖値におけるヘモグロビンA1cみたいなもの(ちがうか)。頭髪以外でも分析できるので、摘発前に丸刈りにしても無駄だとか。最後の分析例は物悲しい。覚せい剤中毒の産婦で、出産の一か月前になって薬をやめたけれど手遅れ、新生児の毛髪からもしっかりと覚せい剤が検出された(胎内暴露)。その直接の影響かは不明だが子は健康とは言い難い状態らしい。

残念だったのは、「なぜそれらの薬物の使用や所持が法律で制限されるのか」の説明が乏しく感じられたこと。モルヒネ類と覚せい剤と幻覚剤では話が違う。医薬品と非医薬品でも話は違う。その辺を区別しないで一律にダメというから、講演でも指摘されたように緩和ケアのような適正な麻薬使用までもが世界的に見て少ないと言う日本の状況を生んでいるのではないだろうか。

個人的には違法薬物の害は3種類
1)依存性
2)闇社会の資金源
3)急性・慢性の毒性

麻薬と言うとまず思いつくのが依存性だろう。同じ量では効かなくなる耐性とあいまって、薬漬けという恐怖のイメージがある。ところが逆に「1回だけなら大丈夫」という安易な発想には歯止めにならないし、実際問題すべての薬物が激しい禁断症状を示す訳でもない(らしい)。

依存が生じれば売り手市場になる。「インストールベースビジネスモデル」には独占禁止法の睨みがあるし、適正な価格帯というものがあるけれど、乱用薬漬けの場合は上限がなく「身体で払う」に至ることもある。そしてニコチンならば代金は国庫に入るけれど、それ以外の多くは地下経済に流れてしまう。消費税はもちろん、所得税さえかからない。地下経済と言っても焼け跡闇市程度ならいいが、闇社会つまり暴力団とか犯罪組織が絡んで来ると厄介だ。覚せい剤代金の何割かは北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に流れていることだろう。犯罪組織の資金になると知ってか知らずか、金を渡してしまう無思慮の罪深いことよ。(無思慮は時に命に関わる。麻薬などに対して厳しい国で捕まってから「そんなはずでは」と慌てる死刑囚が後を絶たない。)

しかしそれでも薬物乱用は止まらない。「自家製なら問題ないっしょ?」というわけだ。最近は大麻栽培のニュースが多いが、化学系の学生だと合成もお手の物。その筋では有名な話だろうが、自家合成の麻薬を使ったところ副生物の毒性でパーキンソン病になった学生がいる。純正品でも油断はできない。覚せい剤は使用を続けると神経が変性し、幻覚などの症状が現れる。実験動物に精神病(のような症状)を起こすのに使われるほど。

以上とは別に「幻覚に耽る」「多幸感に浸る」という行為そのものを、宗教倫理や勤労精神から問題にする立場もある。賭博と同じ扱いだ(賭博依存症の脳内で起きている現象は麻薬中毒と似ているらしいが)。この場合は「安全な」麻薬も非合法になる。非合法にされれば闇社会の資金源になりやすいのは禁酒法が示す通り。(タバコを非合法化して、そちらにシフトさせるのが覚せい剤対策の決め手になったりして)

2番目の講演は熊本大学医学部の粂准教授による「体内時計と病気の深い関係。この日は土曜日の市民講演会ということで比較的若い人から高齢者まで年齢層が幅広かった(平日午前の市民講演会だと高齢者ばかりだとか)。そのため年齢差の大きい睡眠の話(青少年は早寝早起きが望ましいが、年寄りは宵っ張りの朝寝坊でも問題は少ない)は難しい、と。

まず睡眠とは何かというお話。睡眠不足の悪影響。学習後に睡眠を取れば、復習しなくても4日目に効果最大となるという話など。

手を上げて質問しにくければツイッターでツイートしてくれれば、と事前にツイートされていたが、会場は地階のため電波が入りにくく、リアルタイムチェックはできなかった由(講演中のツイッターチェックはよろしくないんじゃありません?)。

帰ってからお言葉に甘えてメモしておいた質問を連続ツイートしたけれど、落ち着いて考えると「ググれカス」レベルのものもあるな。

ツイートしなかった分も含め疑問は以下の通り。
学習のリプレイについて
 自転車に乗るとかバッティングのような、あまり考えないでする行動にも当てはまるか(はじめは計算問題のようなトレーニングを想定しながら聴いていたのでピアノ(?)を例に出されてアレッと思い、続けてマウスの例を示されて混乱)。

体内時計(生物時計)について
 進化上、体内時計が出現するのはどの辺りか? 脳がない生物にもあるのか? 神経のない生物にも? 大腸菌の増殖に日周期がある? 植物を24時間照明し続けたら絶え間なく成長するか。

 地中にいるセミの幼虫は外界刺激と無関係な体内時計で羽化すべき時を知ることができるのか(そもそも時計の動き始め=孵化がまちまちで地上の時刻と同期していないのでは?)。

 体内時計の光補正は、時期によって「進める」「遅らせる」と逆に働くと言うが、その切り替えはいつ?(後から考えると体内時計の0時を境とすれば辻褄は合う? もっとも機械時計と違って0時はそんなに明瞭ではないだろうが)

 そもそも体内時計の「進んだ」「遅れた」はどうやって測定するの?


終わりの睡眠薬の話のところで、今の睡眠薬は過剰に飲んでも死にません、長く眠るだけ、と言われたのが印象的。そうすると睡眠薬を要指示医薬品(2006年の薬事法改正で処方せん医薬品)にしていた根拠はどうなるのか...

あとは「快眠を得たければ脳を使え(身体の動作も脳の疲労を引き起こすので有効)」「夜眠れなくとも、昼間の調子が良いなら不眠症ではない(不眠症の国際的な定義の変更)」がためになった。朝のツイッターを見て、思い立って出かけて良かった。

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2010/03/22

閉じ込められても生きていける

NHKスペシャル「命をめぐる対話 “暗闇の世界”で生きられますか」を見た。

意識はハッキリしているし、感覚系つまり視覚聴覚嗅覚味覚触覚は正常なのに、運動系がやられてしまい全く動く事ができない、したがって意思表示が全くできない「閉じ込め状態」に陥る人が増えているという。脳出血や外傷でも起こるけれど、これらが場合によっては意識障害も併発しているのに対し、特異的に随意筋だけが冒される筋萎縮性側索硬化症(ALS)では意識があるまま意思疎通が不可能になること(=閉じ込め)が明白だ。以前であれば呼吸筋が麻痺した時点で死亡していたが、人工呼吸器のおかげで生き延びる事ができるようになって顕在化した問題。

「ジョニーは戦場へ行った」のジョニーや全盲聾に比べれば、光は感じるし、音ははっきり聞き分けられるので恵まれているようにも思えるが、たとえるならば永遠の金縛り状態にあるわけで、その苦痛は想像を絶する。俗にいう幽体離脱状態(自分の体に家族が取りすがっているのが見えるけれど、いくら話しかけても誰も気付かない)にも似ており、これを信じる人ならば臨死状態だと思うだろう。

(タイトルに「暗闇の世界で」とあるのは不適切ではないだろうか。たしかに瞼が垂れて自力では眼を開ける事はできなくなるし、眼球を動かせないから焦点を定めるのも難しいだろうけれど、光を感じる事はできるはず。)

ICTの発達に助けられて、瞬きや頬の筋肉を使ってコミュニケーションを図って来たけれど、その最後の希望が絶たれる事態を前に、ALS患者の中には人工呼吸器の停止を要望する人も出てきた。

実を言うと、この番組を見るまでは、完全な閉じ込め状態になって生き続ける事に意味を見いだせなかった。

だが、一足早く完全な閉じ込め状態に陥った患者とその家族の様子を見た時に、それも一つの選択肢かな、と思えるようになった。

何の反応も示さない(まさに「まるで屍のような」)夫に対し、妻は語りかける。子どもたちも父に話しかける。その様子はまるで位牌に向かってあれこれ話しているようにも見える。だが夫(父)は聞いている事を彼らは知っている。妻は「お父さんがいるといないとでは子どもたちの態度がちがう」ともいう。家族にとって患者が生きている事は意味がある。

では患者の方は? 果てしない金縛りの苦痛を上回る悦びはあるだろうか? これは軽々しく決めつけられないけれど、可能性はあると思う。

不謹慎に聞こえるかもしれないが、胃ろうから毎晩お酒を注入してもらったら私の場合はQOLは高くなる。

モーツァルトの全曲をエンドレスでBGMとして流してもらうのも良いかもしれない。新しい演奏が出るたびに追加してもらい聴き比べをするとか。


前提として、虐められたり不本意な安楽死をさせられたりする事はないという信頼関係が必要であるけれど。ん? そーっと麻酔薬を増量されたら陶酔状態のまま逝ってしまうから心配する事はない? というのは冗談として、介助者(家族)との信頼関係、そして楽しい思い出があれば、立ち向かえない事もない、のではないかと思う。そういえば映画「父の祈りを」の中で、無実の罪に問われて投獄されてしまった父ジュゼッペは、獄中にあっても心の中では常に妻とともにいると言っていたな。だから耐えられる、と。

また治療法が開発される希望、はさておくとしても、意思疎通を可能にする技術の開発なら実現可能性は高い。それを楽しみにしても良いだろう。思考をダイレクトに音声化されたりすると、若い看護師が近づいて来たときにスピーカーからあらぬ音声が出る心配もあるけれど。:-p

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2010/02/11

献血、ビッグイシュー、望郷台

11日はかねてから予約していた成分献血の日。前回の生化学検査で肝機能値(GTP)が標準値から外れていたので10日間の禁酒をして臨む。

この献血ルームにはビッグイシュー日本版を寄贈している。前回以降に発行された135号と136号を調達しようと8日から歩き回っているが、なぜか販売者が見当たらない。この日も朝、買いに行く予定だったが寝坊したので献本されているものを流用。

血小板献血は他の献血よりも制限年齢が15歳若い。“定年”なんてだいぶ先のことと思っていたら、今までのペースで行くと大して協力できないうちに打ち止めになることに気付き、重点的に血小板を提供している。もっとも問診中にそのことを言うと、非公式ながら年齢制限は緩和の方向にあるという話。提供側としてはありがたい話だが、花粉症の服薬制限緩和、イギリス渡航歴による制限の緩和と総合して考えると、血液不足は相当深刻なのだろう。困った話だ。

血漿と血小板を「15」(単位は何だろう?)提供し、しばし休憩してから次回の予約をし、職員に断って待合室の書架にダスティン・ホフマンが表紙の136号をおいて辞去する。時刻は12時半。向かいのうどん屋にはいり、ちょいと奮発して鴨南うどんを注文。飲酒も解禁だが、さすがに直後はまずかろうと自制。とまれ汁で水分を補給。

新宿へ移動してビッグイシューの販売者を探す。メーリングリストに、休日には新宿ピカデリー前で販売しているという情報があったので行ってみたが空振り。ま、雨模様だから仕方がないか。伊勢丹前、大塚家具前、新宿駅新南口前、南口改札付近、京王でパート前、小田急でパート前と回るが今日も一人も見つけられず。これで今週、延べ20か所以上で空振りの計算。たぶんいないだろうと思いつつも、三井ビル前まで足を伸ばしたところやっぱりいなかった。さすがにそれ以上の売場を探す気力はなかった。

西武線に乗って久米川駅で降りる。かつてハンセン病患者が強制収容された全生園の中には患者が作った築山があり、その頂上から帰れぬ故郷の空を眺めて涙したと伝えられる。しかし前回訪問時には樹々に阻まれ、とても「所沢街道を往きかう人や車、そして富士山や秩父の山並み」は見えなかった。そこで冬に再訪を決めていた。うかうかしていると春になってしまうので雨をもものとせず行った訳だが...やっぱり周囲は見えなかった。樹が高くなったのは後年のことなのだろうか?
手前の樹に葉はないが、その先の視界は樅の樹に遮られる

かろうじて園内は見渡せるが


歩数計をつけていなかったので定かではないが、軽く一万歩は歩いたことであろう。

紀元節粉砕行動は遠くなりにけり。

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2009/12/13

NHKの公開ライブラリーで千葉敦子の声を聞く

突然、思い立ってNHK放送センターにある番組公開ライブラリーを見に行った。
NHKふれあいホール
ライブラリーはNHKホールの隣「みんなの広場ふれあいホール」3Fにあるのだが、正面に案内はない。ガラスドアを押して入ったエントランスは2階なので左手の階段を上るとすぐライブラリーになる。

受付で名前を書くと(空いていたので)好きな席で視聴できると言う。利用は2時間まで。

目的は千葉敦子の追悼番組。据え付けのPCで番組検索をし、再生ボタンを押すと大型液晶画面で始まった。(出演者に「伊藤律子」とあるが、テロップでは「伊東律子」となっていた。おそらくウェブの誤り。念のため受付には言い残して来たが。)

本人の声は、死の前年、上智大学での講演の録音だけ。映像はないので静止画での紙芝居。肝心の声は...ちょっと予想と異なった。やや急くような話し方で、昔は高かったのだろうがやや濁りの感じられる音質(この後しばらくして声が出なくなる)。適当な「似ている声」は思いつかない。

話はちょうど、がんが再発して死を意識し、その治療を終えてから棺桶リストの実行よろしくニューヨークへ転居して半年した頃。2度目の再発が発見される(非常に危険な兆候)。7か月に及ぶ化学療法(髪は抜け、食欲は落ちる辛い治療)に加え、原稿の売り込みは不調で経済的な困難まで現実化して来る。この畳み掛けて来る困難に対して、なんと「人は鍛えられる」と言う。「こういう困難が重なると、人は」に続けて「落ち込む」とか「参る」という言葉を予想していた私はつんのめる。ああ、たしかに古人は「艱難汝を玉にす」と言ったっけ。

ゲストは上智大学のデーケン学長(当時)と朝日新聞科学部の大熊由起子。大熊は日比谷高校以来の親交だそうだが、連絡がエアメールかファクス(か電話)というあたりに時代を感じる。ちなみに画質はとてもよくて、今年の番組と言っても通用すると思うほどなので、よけいギャップを感じた。Skypeなんかを手にしたら喜んだだろうな...

デーケンと大熊は口を揃えて、書いたものは硬質だが、千葉本人はユーモアのある人だったと回想していた。自分の書いた物は日本のがん患者やその家族が読む、だから弱気なことは書けない、という制約を意識もしていたらしい。


それにしても録画も録音もできないとはいえ、20年前の番組を高画質かつ無料で視聴できるとは。権利関係処理の問題があってNHK内部でしか視聴できないが、全国の放送局には配信可能である。千葉敦子に関心を持った人は是非出かけて見てほしい。

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2009/10/12

やっと血小板を提供

前回、献血ルームの人と相談し、血小板献血の可能性の高い日時として選んだ連休最終日の午前。見事に的中し、念願の血小板提供となりました。もし今日もダメだったら河岸をかえようと思っていたのでひとまず安堵。

血小板は2週間あければ次が可能だけれど、年間12回と言う制限がある(血小板を2回と数え、血漿と合わせて年に24回まで)。調子に乗って2週間ごとに献血していると、突然長期の休止期間を設けられる訳。

というわけで次回は11月23日の午前に予約。

常連の特権?で、待合室にビッグイシュー日本版を寄贈させてもらっています。今回は購入方法の案内を挟まなかったところ、なんと基金通信に購入先である下谷さんが紹介されていた。ちゃんと入手したらすぐ読まないといけませんね。

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2009/09/28

成分献血は午前中に

普通の献血は69歳まで可能だが、血小板は54歳までと制限がかなり早い。

年に最大12回だから、あとン回と見えたところでにわかに残る日々を血小板献血に捧げる気になった。だいたいいつH?Vポジティブとかなんとかで不適格者になるか分からんし。たまには記録天使の手を休めさせないと連中、書痙を起こしかねないし。

ところがここ数回、せっかく献血ルームに赴いても血漿採血しかしてもらえない。そこで献血ルームの看護師さんに聞いてみた。すると血小板のオーダーは午前中に来ることが多く、午後には需要がないらしい。血小板は3日間しかもたないので、日曜午後に提供した方が良いというのはこちらの思い込みで、それが裏目に出ていたらしい。

というわけで次回は休日の午前に予約。それでも血漿だったら...血小板採血の多い新宿に場所替えしようかな。

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2009/08/13

GTPは正直

GTPは56

摂酒を再開したところ、予想通りγ-GTP値がてきめんに上昇した。ALT(GPT)は下降継続。

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2009/07/31

7月の肝機能値(2)

2回目の献血結果が届いた。

というか、複数回献血クラブに入会するとオンラインでチェックできるのね。

GPTは28、GTPは40

γ-GTPはさらに下がって40IU/lに、ALT(GPT)も少し(誤差範囲?)下がって28IU/l に。

次回(9日、あなたは何の日と答えますか?)の値も楽しみ。もっともひょんなことから摂酒を再開してしまったので、効果覿面の要注意値になるだろうか??

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2009/07/15

7月の肝機能値

献血の検査結果が届いた。実はここしばらく酒を断っていたので肝機能値を楽しみにしていた。

γ-GTPが46に下がっている

おおっ! γ-GTPが劇的に下がって46! ALT(GPT)があまり下がっていないのは不満だが、それでも1年前よりは8ポイント下がっている。

その他の値はだいたい前回までと同じ。

禁酒の効果が見えて来たので、
1)このまま禁酒を継続する
2)肝臓の健康を祝して乾杯する

...ここは思案のしどころぞ。当初設定の「Xデー1周年まで」はやっぱり長すぎるし、アレなので、もうちょっともっともらしい名目を措定しよう。

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2009/05/14

5月の肝機能値

献血の血液検査項目にグリコアルブミンが加わった。これは持続的な血糖値を反映するというので(たぶん)HbA1cと同じ。血糖値が高いと糖分がタンパク質に結合してしまうとかなんとか。

幸いにも標準値16.5%を下回り、要注意とされる15.6%をもクリア。

で、肝心の肝機能値だが、これも標準値以下(γ-GTPはすれすれ)。もっとも肝細胞が壊れきってしまうと ALTなんかは下がると聞いた気もする。あれ、ASTが検査項目からなくなってる。

ALTは27、γ-GTPは62、グリコアルブミンは14.7

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2009/01/19

このところの肝機能値(2008-2009)

2008/6
ALT(GPT):35(5-45)
AST(GOT):30(11-37)
γ-GTP:55(10-65)
()は標準値

2008/8
ALT(GPT):38(5-45)
AST(GOT):24(11-37)
γ-GTP:70(10-65)
()は標準値

GTPが一気に悪くなった。

2008/10
ALT(GPT):39(5-45)
AST(GOT):29(11-37)
γ-GTP:73(10-65)
()は標準値

2009/1
ALT(GPT):34(5-45)
AST(GOT):24(11-37)
γ-GTP:64(10-65)
()は標準値

やっと標準に収まった。16日に痛飲したから、また上がってるかな。

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2008/10/17

女性にだけ発症する遺伝病

いまは「遺伝子病」という方が良いのかな。

偶然、「40歳になった女性にのみ発症する病気のある家系」という話を見つけた。

40歳前後に好発する病気と言えばハンチントン病が思い浮かぶ。だが、これは女性限定ではない。

そもそも女性だけに発症する遺伝性の病気と言うのはあるのだろうか? ふつう伴性遺伝する病気としては血友病のように、X'を補うXを持つ女性(XX)は病気にならず、男性(XY)のみ発病するものが思いつく。

正常なXが不活性化されると発症するが、確率は1/2。

また家族性の卵巣がんとかなら女性にしか発症しないけれど。

と思っていたら伴性優性遺伝というものがあった。X'だけで発症する(優性)の遺伝病。男も発症するだろ、と思いきやX'Yは致死でした(産まれない)、というオチ。半数の確率でXYも生まれるので「女腹」にはならない。

これだろうか。(正常な女子も生まれるが、たとえば5人姉妹で3人発症すれば「あの家系の女は」と評判が立つだろう。)

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2008/10/10

六君子湯

数日前、みぞおちが激しく痛み嘔吐もしたので医者に診てもらい、今日は内視鏡検査をしてきた。

081010intestines

その結果、見た範囲では病変はない。ポリープや潰瘍はおろか、治癒痕さえなかった模様。父が悪性の胃がん(スキルス)だったので心配していたが、これで一安心(もっともスキルス胃がんは内視鏡でも見つけにくいというから...実際、父も術前に内視鏡検査を受けていたにもかかわらず、開腹するまで末期がんとは医者も気づいていなかった)。

となると、やはりアレが原因ですな。器質的な異常がまだないなら精神力で乗り切れるかな? いや、精神力が低下したから症状が出たのだとすると別の手だてが必要か。しかし水虫を根治するのに脚を切断するようなやり過ぎはしたくないなぁ。がんで死にたくないからと首を吊るのもご乱心。禅寺にでも籠るか...(^^;

医師からは改めてお守り代わりのオメプラール錠と、胃の不定愁訴に有効と言う六君子湯エキスを処方してもらった。

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自分の腸を見る

佐々木倫子描く菱沼聖子は手術をされている最中に、腹から腸が引き出されている様子を眺めていて「自分の腸を見た女」と命名されているが、私は胃カメラで内側から自分の十二指腸を見てきた。

病院にいくと、まず消泡剤を飲まされる。胃の中の泡を抑える薬。最後の食事から15時間以上経っているので、まさに「茶腹も一時の腹の足し」。続いて薬剤を胃内に拡げるため、ベッドに横たわり体位を変えながら16分。

次に、鼻から入れる内視鏡なので、血管収縮剤を点鼻して鼻粘膜の充血をとる。さらに局所麻酔剤を垂らされてからシリコンチューブを挿入して鼻道?を確保。5分後に太いチューブに変更して、今度は20分。十分に鼻の穴が広がった?ところで検査室に移り、いよいよ内視鏡挿入。

モニターに自分の顔がアップで映り、鼻の穴に突入! 声帯、気管支が瞬く間に通り過ぎていく。食道を下がり、まるで肛門のような噴門にズブリ。モツ煮でおなじみのヒダヒダは胃の内壁。しまいには幽門を越えて十二指腸球部まで到達。トポロジー的には「体の外側」なのだが、奇妙な眺め。写真を撮りながら後退し、無事終了。

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2008/10/07

胃カメラを飲む事に

夜半、急に生唾が出てきて目が覚めた。みぞおちに違和感がある。起きて口にたまった唾を吐き出したが落ち着かない。寝直すと今度ははっきりと嘔吐感。

すっきりさせてやろうと吐いたら2度目で夕食の内容物が出てきた。特におかしいところはない。だがみぞおちのシコリのような感覚はますます強くなる。冷や汗まで出てきた。「救急車」という言葉が脳裏をよぎるが、唸っているうちに収まった。

朝一番で近所の診療所へ。潰瘍か胃炎の疑いという事でオメプラール錠10mgを処方される。念のため胃カメラも予約。初めての胃カメラは経鼻内視鏡(鼻孔経由だから「飲む」ではないか)。バリウムと同じで前日夜から絶食。違うところは当日朝にコップ一杯の水を飲む事(胃壁洗滌と脱水予防)。ワクワク。

これで金曜まで生きる気力が持ちそうだ。

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2008/10/05

ホスピス

このところ周囲で筋萎縮性側索硬化症だとか末期がんだとかいう話が続いている。

昨日はALSの本人に会ってきた。幸いまだ歩ける状態で、店に出ていたが、足元はかなり危なげで、病気そのものよりも転倒骨折の方が心配。ご家族も明るく振る舞ってはいたものの、心中いかばかりか。

そういえば7年前の今ごろはホスピス選びをしていたっけ。父が世話になった信愛病院は、翌年の家族会に呼んでくれるなど心理面でのケアもしっかりしていたように思う(どこかと比較した訳ではないが)。気に入ったのは、入院した日に施設を案内してもらった際、共用スペースに患者用の冷蔵庫があり、なかにビールが冷えていたこと。


ここの緩和ケア病棟はがん専門だからALSは別に探さないといけないな。ホーキング博士のように長生きしてくれれば良いのだが(あるいはホーキンス博士が疑われているように、よく似た非致死性の別の病気であれば)。

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2008/08/02

一週間の禁酒

腰痛がぶり返したので医者に診てもらい、前回と同じ薬を処方してもらった。

そのうちの一つ、リンラキサー(カルバミン酸クロルフェネシン)の注意事項には「アルコール類は、薬の作用を強めることがありますので避けてください」と。

というわけで一週間の禁酒である(「酒を飲んだら服用しない」という選択も理論的には可能だが)。


調べてみると「精神安定薬のメプロバメートに似ており,精神安定作用もあります」とのこと。へぇ、道理で「眠気を催したり注意力・集中力・反射運動能力等が低下することがある」と注意事項にある訳だ。

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2008/07/24

ビールで身体を冷やす

連日の猛暑で消耗気味。

汗をかいた後のビールは実に爽快なのだが、ビールには利尿作用があって、水分補給としては無効、というよりは有害というのは冷厳な事実。「理性で分かってはいるけれど」とうそぶきつつ飲んではいるが、やはり後味はよろしくない。

何か合理化する理論はないだろうか?

ビールを飲むと尿量が増えるのは否定しがたい...そうだ、冷えた液体(ビール)を体内に入れ、体温と同温の液体(小水)を体外に排出すれば、身体から熱を奪うことになる。これこれ。

あとは脱水症状をいかに抑えるか。これはもう「渇きを覚える前のこまめな水分補給」です。ミネラルバランスを調整するために、枝豆に塩を振って、と。

さぁ、今日も頑張るぞ。

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2008/03/23

3月の肝機能値

クラリチン(ロラタジン)を飲んでいても献血はできると確認できたので、久々に血小板を提供したら、生化学検査値が送られてきた。円高と歩調を合わせるように肝機能値も上昇。いや、前回に比べてそれほど急激ではないか。

ALT(GPT):35(5-45)
AST(GOT):30(11-37)
γ-GTP:64(10-65)
()は標準値

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クラリチンはOK(花粉症と献血)

被輸血者保護のため、献血はなんだかんだと制限がきつくなっている。問診項目はやたら多いし、身分証明書の提示や暗証番号の入力も求められる(HIV検査目的で献血するスットコドッコイ対策らしいが、偽名で献血しても検査結果を受け取れないではないか。保健所で無料匿名検査をしてもらえ!)。 しかも過去の回答等がコンピュータ管理されていて、「いつも問診で問題なしとなるから」と申告を省略すると「矛盾あり!」と指摘してくる。

で、制限の一つが服薬。昨年は目薬が原因で採血を拒否された(ステロイド入りだったけど)。

ところが国民病の様相を呈している花粉症のせいで、この時期、多くの人が薬を飲んでいる。中にはステロイド(セレスタミンとか)のように避けたいものもあるが、杓子定規に「服薬中はダメ」とすると事実上、献血できる人がいなくなってしまうようだ。で、近年基準を緩和したらしい。

という話をうすうす聞いていたので、先日献血ルームに電話をして確認した。すると私が服薬中のクラリチン(ロラタジン)は問題ないとのこと。その場で予約を入れ、血小板を提供して来た。

以前に「服薬中はダメです」と断られた献血協力者がこの時期に遠慮している可能性は高いから、「血が足りません」というだけでなく、積極的な情報公開が必要だと思う。

なお、ステロイドを服薬していなくても、症状がひどい人には遠慮していただいているとのこと。そりゃそうでしょう。

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2008/02/24

ヘモグロビンa1cはセーフ

人間ドックの結果が届いた。気になっていた糖ヘモグロビン(HbA1c)値は正常範囲内。少なくとも過去3か月の血糖値はそう高くなかったようだ。

しかし胃にびらんが見つかった。ははは、荒れてるねぇ。

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2008/02/11

人間ドック

1日人間ドックを受けて来た。

勤務先の健康診断だが、オプションでいろいろ検査項目を追加できるので、身体的にガタの来るお年頃でもあるし、親族にはがん患者や糖尿病患者もいるので奮発した。

速報値をもとに解説をしてもらったところ、尿糖はでていないけれど空腹時血糖値がやや高いという。通常検査ではこの血糖値測定はないので追加料金を支払った甲斐があったというもの。糖ヘモグロビン(HbA1c)の値は後日。

またγ-GTPも基準値を突破。思わず「またですか」と言ってしまった。これもオプションである腹部超音波の結果待ち。

さらに心電図には「高電位」と。再び「またですか」。心電図の異常には食傷気味。

緩やかな検査衣を着て、何も考えずにぼーっとできる貴重な半日も経験。身体もそうだけど、精神面もきついのよね、このごろ。終了後は食事券をもらって併設のレストランで検査定食(?)。

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2007/12/30

目薬でもダメでした 献血と抗生物質

年末年始は輸血用血液の不足が予測されるので献血に行って来た。

以前は、年明けから春先まで抗アレルギー剤を服用するので「し納め」の意味もあった。しかし花粉症が国民病となって、「薬を飲んでいたらダメ」を厳密に守ると血液不足が深刻化するとかで、基準が緩和されているらしい。だから無理に400ml出す必要はない。

というわけで「成分お願いします」をあっさり受諾。

ところが問診の時に、フト気になって「抗生物質とステロイドの目薬を差してますが(問題ありませんよね?)」と聞いたところ、問診医もにわかに判断できずマニュアルを引っぱり出して来て苦悶の表情。結論は「3日あけて」。

げ、歯の治療や服薬がダメとは知っていたが、目薬でもダメですか。

というわけで今年2度目の門前払い

ちなみに献血ルーム前で配られていたお願い!には「医薬品を服用されている場合は必ず問診の際にお申し出ください」「以下の育毛医薬品(錠剤)を服用されている方は、一定期間献血をご遠慮ください。」とは書いてあるが、目薬についての注意書きは無し。普通、服用といったら経口投与を考えますよ。

とはいえ、以前に比べてずいぶんと説明が細かくなった。ほうほう、11年間冷凍保管するのですか。へぇ、規定外の遺伝子検査をする時は承諾を求めてくるのね。え、ヒトTリンパ球向性ウイルスってHTLVのこと?(Lはleukemia=白血病だと思っていたけど、今はLymphotropicなのね)。勉強になります。

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2007/12/08

禁酒継続 (T_T)

先週発症した麦粒腫の治療のため眼科医に行って来た。炎症を悪化させるという理由で申し渡されていた禁酒の解禁を期待していたのだが...

受付を済ませて待っていると、まず眼圧を計るという。先週も計ったのになぜまた? いぶかしく思いながらも測定装置に顎を載せると眼に空気が吹き付けられた。測定のためには瞬きが間に合わない方が良いのだが、なんとなく対抗する気分。運動選手なら勝てるだろうか。

またしばらく待ってから診察室へ(なぜ眼科の診察室は暗くするのだろう)。先生にまぶたをめくられ、じっと覗き込まれる。どきどき

説明によればマイボーム腺の梗塞は3カ所。大きいのが2つ。薬の副作用は出ていないので、前回処方の点眼剤を続ける。あと1,2週間様子を見て、もし治まらなければ切開も検討するが、たぶんそれはないだろう、と。

なるほど、眼圧を計ったのは副作用の有無を確認するためね。帰ってから調べてみると、予想に反して眼圧亢進はオドメール(ステロイド剤)の副作用でした。

ああ、まだ禁酒が続く。

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2007/12/05

死のワクチン

来週、インフルエンザの予防接種がある。予診票に記入して来てほしいというので取り寄せ、裏面の説明を読んで固まった。

写真:「インフルエンザによる重症化や死亡する効果が期待されます」と書いてある。


承諾のサインをしたら、何があっても文句は言えないのだろうか。

まてよ、重症化もせず死にもしなければ、「金返せ、ゴルァ!」とねじ込めるのだろうか?(「スミマセン、スミマセン」とあっさり殺されたりして)

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2007/12/02

混ぜるな危険?

目が覚めると右目に違和感があった。

鏡を見ると腫れている。ものもらいっぽい。

用心して眼科に行くと案の定マイボーム腺梗塞との診断。結膜炎にもなっているという。

目薬を2種類処方してもらった。1つはガチフロ(抗生物質)、もう1つはオドメール(抗炎症剤)。1日4回点眼。ただし、2つを続けて差してはいけないと言う。同じ注意は薬局でも受けた。薬の説明書には「5分間位の時間をおいて」と。結構面倒だ。

写真:薬局でくれた薬の説明。点眼剤を2種類以上使用する時は5分間位の時間をおいてください、とある。

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2007/11/24

11月の肝機能値

9月10月は体調が思わしくなかったのでお休みしていた献血を再開した。その生化学検査値は下記の通りで、肝機能に問題なし(たぶん)。

ALT(GPT):29(5-45)
AST(GOT):19(11-37)
γ-GTP:59(10-65)
()は標準値

その他の検査値にもすべて標準値に収まっている。めでたしめでたし。といわけでさっそく祝杯をあげてしまった。

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2007/11/22

心電図に

10日にビッグイシュー販売員拡大ミーティングに呼び出された。時間があったので献血ルームに行って肝機能を検査してもらうことにした。最後の検査から1年経っているということで心電図まで取ってくれるという。ありがたや、と横になったところ看護師の動きが変。しきりに電極の状態を確かめた後、医師を呼んできた。どうやら異常な波形が出たらしい。医師がチェックをして再計測しても同じ。医師曰く「心臓の一部からの信号が拾えない。心筋梗塞かもしれないから病院へ行け。」

というわけで、死なれては困ると採血中止。意外な宣告よりも1時間の過ごし方で途方に暮れた。

さて循環器科へ行く気にはなったが、自覚症状皆無なので危機感も皆無。ところが木曜日に、別の調べものをしていて心臓関係の相談が目に留まり、そこには「自覚症状はなかったが、医者に行ったら即日入院」とか「いまではペースメーカー装着」という怖い話が。

震え上がって土曜日に診療所へ。足を伸ばせば心臓専門の病院もあったけれど予約はいっぱいで断られた。心電図を取り神妙な面もちで診察室にはいると、待ち受けていたのは即日入院の宣告、ではなくて「異常なし」というありがたいような拍子抜けする診断。先週のは何だったのだろう。

ペースメーカー装着の可能性はなくなり、したがって携帯電話の使用にも問題はなくなったが、検討していたPHSが魅力的だったので快気祝いと称して購入。その足で献血ルームへ行き血小板を提供して来た。生化学検査結果はそのうち届くだろう。

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2007/05/04

4月の肝機能値

先日の血液検査の結果が届いた。

GPT:27
GOT:23
γGTP:62

去年の6月とほぼ同じだが、実は去年の9月にずっと悪い値が出ていた。

GPT:57
GOT:28
γGTP:85

特にGTPは標準値上限(65)を超える問題な数字。半年で回復したのは慶賀の至り。

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2007/04/30

検査目的で献血

肝機能値が知りたくて献血をしてきた。勤務先が行う健康診断には、検診車を使う標準的なものとは別に、健保直営または提携医療機関で行う人間ドックも選べるようになっている。ガタの出てくる年齢でもあるし、父ががん死していることもあって1日人間ドックを選択した。ところが予約がなかなか取れない。やっとの思いで取れたのが来年2月。やれやれ。


連休初日の土曜日。新宿に出たついでに模索舎へ行く。「ゆきゆきて神軍」のDVDとか、タモリ倶楽部で知った「酒とつまみ」とか面白いものが目白押し(「どこに目をつけてる!」と石が飛んでくるかな)。

目移りしたが、結局、先日観た「パルチザン前史」の滝田修あらため「たけもと のぶひろ」著の『泪の旅人』、泉麻人の『東京検定』そして堀田貢得の『実例・差別表現』を購入。

来る途中で献血の呼び込みがあった。そういえば昨年からやっていない。予定では年末に400ml提供して3か月のお休み中に花粉症の服薬期間を終わらせるつもりであったが、日赤が方針を変え抗アレルギー薬の場合は忌避しないと聞いて拍子抜けし、そのまま全血提供も見送りになっていたのだ。

そこで冒頭に書いた事情もあって、急きょ発心した。受付を済ませ、事前に答える質問票を受け取る。内容は前回と(たぶん)同じ。該当はするけれど問題はないとわかっている項目(毎回問診で説明)は、該当しないと回答する方が合理的だが、根が正直なので yesと答えてしまう。この辺りは改善の余地あり>日赤

以前は採血後に勧められた無料の飲み物は、このところ事前にも勧められるようになっている。ここにはホットアクエリアスはない。

採血中に鑑賞するビデオを選べるようになっているのに終わってから気づく。ま、いつも本を読むか寝るかしていて(途中で「はい終了」となるのも嫌だし)見ないから残念とも思わないが。

今回は血小板提供。利き腕から採血されたため反対の腕でまどろっこしく本を手繰っていたら眠くなってしまい、諦めて睡眠。そういえば「昨夜の睡眠時間は」という質問に、少しサバを読んで答えたな。昨夜は遅かったんだ。

手帳の欄が埋まったせいか、新しく献血カードをもらった。一見ただのプラスチックカード。

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