吉牛食うか、食わざるべきか
アメリカ合衆国からの輸入牛肉が食べられるようになる。
他に食べる物はいくらでもあるから、無理に食べる義理はないのだが、ある種踏み絵的な感じがする。
ウシのBSE(って、Bはウシという意味だから「白い白馬」だね)はヒトに感染するのか。マウスで感染は確認されている。だが、たしか異常プリオンを脳内に注射するという、かなり過激な方法で。ヒトのvCJD(変異型クロイツフェルト・ヤコプ病)はBSE牛を食したためと広く信じられているようだが、未確定のはず。仮にそうだとしても、「若齢牛」の「特定危険部位以外の肉」を「週に一度のごちそう」程度の食べ方で感染するだろうか。
唐突に思われるかもしれないが、私は宝くじを買わない。オーウェルの『1984』で、宝くじに熱中するプロール(有象無象の貧困労働者階級)の醜態を見たのが決定打だが、そもそも投資額を上回る賞金を得る確率がかなり低い。つまり無駄。もっとも百年コンサルティングの鈴木貴博によると競馬には必勝法があるとのこと。本人が「洒落のつもり」と書いているのにわざわざ紹介したのは、同じ連載の心に残る反人種差別教育について気の利いた事を書こうと思ってなかなかできないので取りあえず言及したかったから。あれは良い話。
閑話休題。宝くじを買わない私は当然の事ながら牛肉を食ってvCJDになる事もほとんど心配していない。
むしろ牛肉の拒絶で業者の努力を無視する事の影響が心配。「20ヶ月以下だろうが30ヶ月以上だろうが批判している。月齢はいくつでも同じ」なんて開き直りたくてウズウズしている人もいるようだし。
とはいえvCJDにはなりたくないなぁ。「少しでも確率を下げるためには食べない方が良い」というア○○の囁きに心が動かされる。そんな時は「国産牛なら大丈夫」「アメリカ産なら大丈夫」謳い上げ、その後右往左往した醜態を思い出そう。豚肉や鶏肉だって安全の保証はないのだから。
理性の勝利を宣言するために特盛を頼んで「誤った信念の代償を命で払った」と加藤周一に批判された横光利一になるのだろうか、それとも...
この本については著者のサイトで書評が一覧できます。ただし、山形さんのものなど一部はInternet Archive頼り。
この本については昨年紹介した。
「この本を読めば、ボルシェビキに原爆を落とさなければならない理由がわかる」と薦めた人がいたそうだ。「戦争は平和である」を地で行く妄言だが、賢い小泉純一郎閣下とは違って、素で信じていたらしい。桑原桑原。
一高生が横光をリンチする様は圧巻。横光の没後、加藤は「お前らが殺したようなものだ」と言われたとか。
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