『決してマネしないでください。』の続編を望む
月刊「細胞工学」の3月号(2月22日発売予定)を買いに三省堂書店まで出かけたが、未入荷だったので『決してマネしないでください。』第3巻だけ買って帰ったのが23日。いそいそと封を切って読み始めてから話がつながらないので第2巻を未読であることに気づく。慌てて電子書籍をダウンロードして読んだら、また第1巻を読みたくなって、結局第3巻に進んだのは24日。
結論を先に言うと、3巻ともとても面白い。舞台は工科医大。高科教授の下に集まる面々(と言っても研究室メンバーは2人だけで、中心は教授が主宰する怪しいサークルのメンバー)が繰り広げる活劇。聞けば作者の意図は学習マンガで、なるほど状況設定は似ている『動物のお医者さん』に比べると解説が詳しい(もうひとつ『もやしもん』とも似ているようだけれど、こちらは何故か未読)。末尾には参考文献も揚げられている。そしてとにかくもったいないほど(学術もギャグも)ネタが詰め込まれている。
雑誌連載は終了しており、したがって単行本もこれが最終巻になる蓋然性が高い(帯には「堂々完結!...したらクレームの嵐!」とも)ので、読者アンケートの質問5「続編が発売されたら購入しますか?」には「購入する」に丸をつけて返送しておいた。出版社では未だに紙版の売れ行きと読者ハガキが重視され、電子版の販売数は考慮されてていないという噂もあるので、紙版を購入して正解だった。
ちなみにアンケートには以下のように回答した。
- 購入するきっかけは?(複数回答可)
- 「モアイ」の1話試し読み、『日本人の知らない日本語』の著者の新作だったため
- マンガ本編で一番面白かったものは?(1つ)
- ムリ(1つに絞り込めないという意図)
- オマケで、面白かったものは?(複数回答可)
- 描き下ろし4コマ、決マネコボれ話、ニュートリノ解説、描き下ろし前日譚、描き下ろしおまけマンガ、インタビュー記事、あとがきマンガ(実験動画そのものは面白いのだが、解説は字が小さくて読みづらかったので選択せず、また「素数大富豪」も発想は面白いと思ったものの実際にやろうという気はないので除外)
- 続編が発売されたら購入しますか?
- 購入する
- 感想、蛇蔵氏へのメッセージ
- よくぞあれだけのネタを詰め込んだものと感嘆。頭おかしい(ほめてます)としか言いようがありません。なお、キラキラ女子が苦手というゾンビちゃんがふりふりのスカート(鹿コスはパンツ)等の、余韻というには大きすぎる謎が残っているので、是非続きを希望。スピンオフも歓迎。
(モアイで試し読みしたのはQ15のお笑いロボコンだったように記憶するが、今は別の3話が読める。)
細かいことを言えば、いくつか気になるところはある。もっとも調べてみると問題はない、たとえば工科医大なのになぜ理学部があるのか? と思ったら東京工業大学にも理学部はあるといったケースも。また飯島さんが構えている消火器のノズルは泡消火器っぽいと思ったら、強化液消火器の中にはレバー操作で噴射するものもあった(レバー操作するのは粉末式とガス式だけかと思っていた)とか。
飯島さんは普段パンツスタイルなのに、表紙ではスカートなのは読者サービスだろうか(これは第1巻でも)。掃除機ホバークラフトにはAC電源が必要なのに、どうやって給電したの?という疑問は(ケーブル延ばしたっていいんだから)「堅いこと言わない」。
しかしヨウ素の蒸気を発生させるのに注意が「蒸気を吸い込まないよう」だけというのは疑問(p.17)。パソコンや精密機器のある部屋ではやらない方が良い。なべの材質も指定していないし(アルミだと腐食するから琺瑯引き推奨か)、使用するうがい薬の量を指定するのは必須。
監修者が厳しくチェックした後の漏れをこのように探すというのも(歪んだ)楽しみ方かもしれない。エタノールの蒸留は空冷じゃ無理だから水冷だ(第1巻Q2)とか。
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