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2017/04/20

夜ノ森の夜桜

福島県富岡町の夜ノ森地区は桜の名所だった。震災のため開催されなかった2011年の桜まつりに関する記事に由緒や規模が書かれている。原発事故の影響で富岡町は長らく居住が制限されていたが、2017年の4月に一部を除いて解除され、桜まつりも(会場は変更し、期間も短縮されたが)7年ぶりに開催された報道では桜まつりとなっているが、町の広報では「富岡町復興の集い2017」の一環としての桜イベント、当初は午後だけの予定だった)

桜並木のライトアップが復活したという記事を見て、祭り当日は無理でも、ご祝儀がわりに見に行こうと思い立ち、旧師Aを誘って10日に出かけてきた。

常磐道を北上

歩道の植え込みに咲くサクラ

旧師Aには走行中の写真撮影をお願いした。練習に撮影した友部サービスエリアのサクラ。

帰還困難区域を通る常磐自動車道には沿道に空間線量が表示されている。2年前に通ったときの最高値は5.3μSv/h(毎時5.3マイクロシーベルト)だったが、今回は3.4μSv/hとかなり下がっている。それでも放射能汚染の問題に関心のある人なら驚く数値(ちなみに役所が送ってくる某市の空間線量測定結果は0.03-0.06μSv/hなので50-100倍の値)だが、旧師Aはピンと来ない模様。

国道6号を南下

せっかく東北まで足を延ばすので、まず道の駅そうまへ行って震災伝承コーナー(PDF)を見学(ここは以前にも来ており、ひしゃげた道路標識等(こちらのブログに写真あり)を旧師Aに見てもらうため)、次に南相馬市の小高地区でハッピーロードネット(ふくしま浜街道桜プロジェクト)に植樹してもらったサクラの苗木を探したが、これは見つけることができなかった。停車できる場所を見つけては苗木についているプレートを見に行って番号を確認するのだが、番号が近づいたと思っているうちに気がつけば隣接する浪江地区になってしまっていた。暗くなりかけていたこともあって戻るのは断念し、そのまま国道6号を南下することに。

「ここまで津波が来た」「“獣に注意”の道路看板は以前は“牛に注意”だった」「放れ牛は回収されたが、今は野生のイノシシが出没する」「人を恐れることを知らないイノシシなので結構危険」と運転しながら解説していたところ、なんと前方路上にそのイノシシ発見! 運転中の撮影をお願いしていた旧師Aは「撮って撮って」と促しても反応できず、幸い渡りきって路外に出た脇を通過。考えて見れば後続車はなかったのだから停車して自分で撮れば良かったし、ドライブレコーダーの映像(帰宅までに上書きされた)も途中でiPod touchに取り出すことはできた。やはり長距離運転で疲れていたのだろうか。

富岡町の一部は帰還困難区域なので立ち入ることができず、カーナビの指示に従えない。もう通れるかと思って右折車線に入ったらやっぱりその先にはバリケードが。やむなくバリケードの前まで行って、警備の人に道を聞くと「自分、地元じゃないもんで」と頼りない。再び6号を南下。途中、赤色の誘導棒が振られているので何かと思ったら自動車が衝突したのか信号柱が交差点に倒れていた。

サクラのトンネル

そんなこんなはあったが、なんとか富岡第二中学校の脇の桜並木に到着できた。さて、どこに駐車できるか? 幸いにも警備員が立っていたので尋ねると「駐車場というのは特にない」とキッパリ。「おおっぴらには言えないが」という指示に従い××に駐車。このお宅の住人が戻られたら、場所を借りたお礼を述べ、できれば一緒に花見をしたいもの。

道路の両側に桜並木が続き、下から照らされている。

平日のせいか人通りはほとんどなかった。サクラ自体も満開にはもう一息という感じ。だが、それが良いという見方もできる。

枝先の花と蕾のアップ

役場の判定によれば五分咲き。旧師Aによればサクラの花は幹に近い方から咲くという。

道路右側の歩道に並ぶ照らされた桜の木

ライトアップはたぶんハロゲンランプ。手をかざすと暖かかった。右のシルエットが旧師A。

ストロボを焚くと花はかえって暗くなる。樹の前に立つ男性一人。

ストロボを焚くとこんなに雰囲気が変わる。

「休憩所 ご自由にご使用ください。」という立て看板。

休憩所とトイレは用意されていたが、期待していた屋台は出ておらず、地元への経済的貢献はまた今度。

道を塞ぐバリケードと手間にある「この先 帰還困難区域につき 通行止め」の看板。

ライトアップ再開のニュースにも書かれていたが、桜のトンネルの大半は帰還困難区域になっている。

バリケードの隙間から覗いた向こう側は遠くの交通信号が灯るだけの暗闇。

バリケードの向こう。また来るぞ。今度はこの先へ(こっちはライトアップされてないから明るいうちに着きたかったのだが)

中学校の校庭にリアルタイム線量計があり、赤い文字が闇に浮かぶ。

富岡二中の校庭に怪しく光る線量計(たぶんリアルタイム線量計)。数値は0.354μSv/h。気にする人はない。というか人がほとんどいない。

ちなみにこの値は、その場に1時間いると0.354マイクロシーベルトすなわち0.000354ミリシーベルト被曝(四方八方からγ線が飛んで来るような状況では、実際に被曝する実効線量は空間線量より低いことが知られている)する。24時間ずっといれば0.008256ミリシーベルト、1年間いれば3.01344ミリシーベルトになる。ただし自然放射線コミの値。700年いれば2シーベルト超になって造血器に障害が出て(これを確定的影響といい、100人が被曝すればほぼ100人に現れる影響だが全身へ短時間に被曝が前提)骨髄移植が必要になる計算。しかしこれは非現実的。30年でおよそ100ミリシーベルトになり、これは致死的ながんの発生が0.5%増える被曝量と言われている(何も無い時が25%なら25.5%に上昇)。200人が100ミリシーベルト被曝すると、がんで死ぬ人が1人増える勘定。残り199人には明瞭な影響が見られず(放射線以外の原因によるがんで死ぬ人はいる)、誰に影響が出るかは分からない(これを確率的影響という)

なお、便宜的に30年間放射線量が変わらないという前提で計算したが、セシウム134の半減期は約2年、セシウム137は約30年なので、30年後には半分以下になっている(6年経った時点で既にセシウム134は事故当初の8分の1近くまで減っており、今後の減少にはあまり寄与しない)。また建物の中に入れば壁や床による遮蔽により被曝量は減り、さらに雪が積もっても遮蔽になってその期間の線量は低下する。

道の片側だけに続く桜並木。

夜ノ森駅西側道路のサクラ並木。地元じゃないせいか、警備の女性は行き方を間違えて教えてくれた。だいたい富岡駅じゃなくて夜ノ森駅だし(富岡駅はずっと南。また駅舎のある東側は帰還困難区域で立ち入り禁止)。しかしGoogleストリートビューで予習してきたおかげで袋小路で立ち往生することもなく無事到着。

山盛りの刻みキャベツの上に揚げたメリカリ6匹が載った皿を中央に左手に飯茶碗、右手に味噌汁椀、新香、味噌の小皿が載ったトレイ。

帰途、四倉パーキングエリア(上り)のよつくら亭で食した目光唐揚定食。これは奢っていただいた。評判通りの美味。

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