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2016/07/21

献血ルーム巡り16(群馬県・高崎駅献血ルーム)

前回、太田献血ルームで想定外の400mL献血をしたために間があいてしまった献血ルーム巡り。群馬県2か所目は高崎駅献血ルームHarmony

血小板は不足気味?

群馬県赤十字血液センターではベッドの空き具合を複数回献血クラブにも載せていない(また、たとえば茨城県赤十字血液センターではウェブで各ルームの予約状況を公表しているがそれもない。)。そこで念のため前日電話で予約を申し込むと「平日血小板献血ですねっ♪」とえらくハイテンション。400mL全血にならなくて良かった。関東甲信越地域の献血状況を見ると成分は全型「困っています」なのに対し、400mLはいくぶん余裕がある(型によっては「困っています」だが、名乗る前なので向こうはこちらの血液型を知らない)。ちなみに「困っています」の状況がさらに悪化すると「非常に困っています」となる。そうなると2月に経験したようにハガキや電話で個別に要請するようになるのだろう。ともかく7月7日正午の予約をした。

ちなみに以前から疑問だった「血小板にABO式血液型は関係ないのでは?」については、血小板製剤にはABO式血液型が影響する血漿が含まれているということで解決した。

八高線は切り欠きホーム

さて鉄道を使うか自家用車を運転していくかで迷ったが、駐車場に関する記述に疑問があった(「利用可能です」とはあるが、自転車・バイクと異なり料金を負担するとは書いてない)こともあり、鉄道を使うことに。新幹線を使えば東京駅からでも1時間弱だが、八高線を使ってみた。奇妙な名前に聞こえるが王子と崎を結ぶから八高線。久しぶりにディーゼルカーというものに乗った。

八高線の車内。ロングシートとカーテン八高線の車内。ボックスシートとカーテン。後方上部に吊り革。
列車は二両編成でトイレ付き。トイレは入ってみなかったので詳細は分からないが、水郡線のように車イスでも入れるタイプではなさそう。座席はボックスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシート、ボックスシートは1-2の3アブレスト、つまり一人がけと二人掛けの組み合わせ。窓の日除けはブラインドではなくてカーテン、それもしっかりとした厚みがある。吊り革は持ち手の部分が三角形でかつ窓に対して直角(以前の電車は、乗客は進行方向を向いて立つという前提で、持ち手の輪は窓に対して平行だったが、実際には乗客は窓を向いて立つので吊り革を自然につかめるよう今の向きになった)

右は2番線、左は4番線のホームを100メートル進むと3番線になるという案内番線を示すホームの標識は4,3,2と並んでいる
高崎駅に着くとホームが狭い。しばらく進むと切り欠きホームということが分かった。降りたときは逆方向で気づかなかったが、迷う人が多いのだろう、郡山駅の水郡線ホームと同じ奇怪な案内表示が大きくなされている。1時間に1本しか列車がないため、念のため時刻表を撮影する。

献血ルームHarmony

2階エスカレーター脇の3つも出して努力はしているが目立たない案内改札を出ると、そこはイーサイトの2階。献血ルームは3階にあるのだが、階段もエスカレーターも見当たらない。普通、エスカレーターは売り場の中央にありますよね。店内をうろうろと歩きまわり、建物の隅にようやく発見。3階は献血ルーム、高崎市民サービスセンター、パスポートセンターだけで売り場がないから地味なのか。初めからそういう設計?

献血ルームの入り口は両開きのガラス扉窓からの眺め。青空の下、駅前から片側3車線の道路がのびている。
エスカレーターで3階に上がると正面に献血ルーム。扉を開けるとこれまた正面に受付カウンター。予約であると名乗り献血カードを渡す。住所申告と静脈認証で本人確認。体重を訊ねられた時はしばらく計測していなかったので内心慌てたが「だいたいこんなところ」を入力。同意事項などの確認は、質問事項を書いた紙の更新日が前回献血日より前であることだけ確認して(ときどき内容が変わるから油断ならない)「はい」。リストバンドの番号は13番。無線呼び出し機を渡されて、まずは血圧のセルフ測定。145と高いのが気になる。続いて食事時刻と睡眠時間を聞かれてからタッチパネル問診。合間に窓から外の風景を撮影。

一応仕切られた小部屋での問診は男性医師。タッチパネルでの回答をいくつか確認してすぐ終了。「待っている間に温かいものを飲んでください」と言われたので待合室に戻ると自販機でオニオンスープを選択。フーフー言いながら飲んでいると呼び出し機が鳴り、慌てて検査採血へ。

リストバンドの番号を確認され、バーコードを貼付される。ここのナースは紫色の手袋を着用。左右の血管を確認し、本採血に使う右腕には温パックを巻きつけられ、左腕の正中皮静脈から検査採血。あれ、上手だな、ほとんど痛みを感じない。検査結果はすぐに出て血小板を提供することが確定。

トイレ

トイレを済ませて待て、と言われたものの駅で済ませたばかりだからと無視して待合室で座っていたところ、カウンター内の女性がわざわざ出てきて「トイレは外にあります」と教えてくれた。申し訳ないので偵察がてら用をたすことに。

トイレ個室に入ると左側に便器。座ると左側に来る奥の壁にはL字手すりや非常呼び出しボタン。水を流すときは非常ボタンの隣のセンサーに手をかざす。トイレ個室に入ると右手奥にベビーキープ。正面壁の低いところに非常呼び出しボタン。小便器のそばに非常呼び出しボタンはない
外に出てエスカレーター脇の廊下を進むと手前に多目的トイレ、その奥の入口をくぐると右が女性用、左が男性用のトイレ。男性用は朝顔2に個室1。個室の中に赤ん坊を座らせておくベビーキープがあるのは今や標準? しかし手かざし式フラッシュはアクセシブルだろうか(「L字手すりの横棒の終端上」のように場所が統一されていればまだしも)。それと温水洗浄便座でないのがちょっと残念。一方、非常呼び出しボタンはペーパーホルダーの上と床近くと2つあって感心(しゃがみ込んでしまうと手の届きにくいボタンはたまに目にする)。なお、小便器のそばには「気分が悪くなった方はボタンを押して職員をお呼びください」とステッカーが貼ってあるものの肝心のボタンが無い。なんたる手落ち!と思ったが、よく見ると先に「脳貧血防止のため、座位でお願いします。」と書いてある。つまり①座って用を足せ、②個室で気分が悪くなったらボタンを押せ、ということのようだ。紛らわしい。

採血

無線呼び出し機が鳴ったので慌てて戻り(今回はどうも忙しない)採血室へ。11?ある採血ベッドの10番に靴を脱いで上る。テレビはさっさと消して周囲を観察。天井には星空を模したような電飾。テーブルの上には砂時計(太田献血ルームにもあったから群馬県赤十字の方針か)。レッグクロス運動の説明はA型看板というか受付サインプレートというか、要するに三角柱を横にした物で提供されていた。よそと違って、血液を返送中は足首の屈伸、採血が終わったら足を重ねて上下から押し合う(これが一般にレッグクロス運動として説明されている運動)とある。4サイクルで1時間ほどかかると告げられたけど、えーっとレッグクロス30分?

最後の返送が終わるとナースが来て砂時計をひっくり返す(終了後5分は座っていろということ)。針を抜き、ハイポ(チオ硫酸ナトリウム)ではなくエタノールでヨウ素を拭きとり、包帯を巻いて「1時間そのままに」。血圧を測ると126/73と、初めからこうなら文句ないという値。砂時計が落ちきったところで「取り消すなら今日中に」といういつもの紙とカルテや試料の入ったフォルダを渡されて退出。

終了後

待合室に戻り、フォルダをカウンターに渡し、「お願い」はかばんを入れてあるロッカーに放り込み、時刻を確認して休憩開始。採血室待合室それぞれ3人程度と、とても閑散としている。平日だからやむを得ないか。そういう訳で平日に予約して成分献血をした特典としてアイスクリーム券をもらえた(イーサイト2階にある31アイスクリーム)。ちなみに福島県の献血ルームには17アイスクリームのベンダーがあったけれど、ここにはない。記念品?はなぜかロールペーパー2巻とスマートホンクリーナー。ポイントカードも貰ったが、正直なところ群馬県はあと前橋ルームに行って終わらせる予定(でも、そういう事は言わない)。次回は7月21日以降。

所定の時間を経過したので退室し、まずは昼食。1階のイートインに吉野家があったが、メインは牛丼ではなく蕎麦なのでカレー蕎麦を食す。

デザートがわりに31アイスクリームを食べ(コーンタイプは暑さでみるみる融けて難儀)、ヤマダ電機をひやかしてから高崎駅へ。郡山駅の水郡線ホームへ向かうような不思議な案内に導かれて八高線ホームへ。

とても暑い日だったので、途中で薬局に立ち寄り500mLのヴァームウォーター(安売りしているところが多い)を買って飲みながら帰った。

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2016/07/14

血小板の血液型?

ABO式血液型は赤血球の表面にある抗原によって決まる。だから血小板には関係がない。にもかかわらず、成分献血の現場ではABO式血液型毎に足りるとか足りないとか言っている。不思議には思っていたが、深くは追究しないでいたところ、次のようなツイートを目にした。骨髄移植後の患者にはAB型の血小板が必要だ、と。

どういうことだろうか? そこで時間のあるのを幸いに調べ始めたところ、思いのほか簡単に理由が明らかになった。

ググって見つけたのは福井大学医学部附属病院輸血部のウェブページ。おお、これはプロだ。「輸血Q&A」の質問18の回答を見ると次のように書いてある。

血小板はHLAクラスI抗原や血小板同種抗原を持っていますが、赤血球に発現されるいわゆる血液型物質A,B抗原はあるけど微量のため無視できます。従って、抗Aや抗Bの存在を考慮する必要がありません。

ふむ、血小板にABO式血液型に関与する抗原は、あることはあるけれど考慮する必要はないと。私の抱いた疑問はだいたい合っていた。ではなぜ骨髄移植の場合にAB型血小板が必要になるのか。

しかし、血小板製剤は血漿をかなり含んでおります。赤血球の寿命は120日ありますので、移植後も当分の間は患者の赤血球が残っております。骨髄移植後は頻回に血小板輸血が必要になることが多いので、マイナーミスマッチの時には血漿中の抗A、抗Bが問題となります。

「血小板製剤は血漿をかなり含んでおります」で膝を打った。使うのは血小板そのものではなくて血小板製剤。A型の人からの血漿にはB抗原に対する抗B抗体が、B型の人からの血漿にはA抗原に対する抗A抗体が、そしてO型の人からの血漿には抗A抗体と抗B抗体の両方が含まれている。したがって受血者の赤血球と供血中の抗体が反応するマイナーミスマッチが起こりうる(他方、供血中の赤血球と受血者の抗体が反応するのをメジャーミスマッチといい、輸血した赤血球が壊れてしまう)。普通の血小板輸血であれば受血者と製剤の型を合わせておけば済む。ところが骨髄移植では、移植後に血液型が骨髄ドナーのものに変わることがあり、その場合、過渡期には2種類の赤血球が同居することになる(上記ツイートに「患者さんの血液型が定まるまで」とあるのはこれを指す)。その間に血漿を含む血小板製剤は何型のものを投与すれば良いのか。

対策としますと、血漿を除いた血小板(洗浄血小板)を入れればいい訳ですが、少し手間ですし慣れていないと不安です。そこでAB型血小板を使用すれば、血漿を除く必要がありません。

血漿中に抗A抗体、抗B抗体のいずれをも含まないAB型(の血液ドナーから作った)血小板製剤であれば、この問題を手軽に回避できるというわけ。

ただ、AB型血小板は手に入りにくいこともありますし、他に必要な方のために残してあげたい気がします。本来はドナーの血液型の洗浄血小板を使用すべきでしょう。自分の施設で洗浄血小板を作成できなければ、血液センターに相談すれば作成してもらえる場合もあります。

整理すると、次のようになる。

  1. 血小板そのものにはABO式血液型はないと考えて構わない。
  2. しかし血小板製剤には血漿がかなり含まれており、これは供血者の血液型を反映した抗体を持っている。
  3. 頻繁に血小板製剤を投与する場合はマイナーミスマッチが問題になる可能性があるから受血者の型に合わせた方が良い。
  4. 骨髄移植の場合、骨髄ドナーとレシピエント(受血者)のABO式血液型が異なることがあり、骨髄ドナーの血液型に変わりきる前にその型の血小板製剤を投与するとマイナーミスマッチとなる可能性がある。
  5. その場合は血漿を取り除いた血小板(洗浄血小板)を使うが、AB型血小板製剤は抗体を含まないので洗浄血小板の代用となる。

参考にした輸血Q&Aには「本来はドナーの血液型の洗浄血小板を使用すべき」とあるが、洗ってしまうなら血液型は無視して構わないのでは?という点が疑問。微量とは言え血小板にも血液型抗原が存在する場合があるからなのかな。

ちなみにこの問題、昨年に福島県赤十字血液センターで献血した際に軽く考察していた。「血漿中には血液型に応じた抗体が存在するので無視はできないのだろう」は正解。分離した血小板も血漿を含んでいる(それも「かなり」の量)を見落としたのは、名称に惑わされたというか頭が固いというか。そういえば採血基準には「血小板成分献血1回を2回分に換算」とあり、これは「一緒に血漿もいただいてます」ということなのだろうか(約400mL抜かれており、その分散媒は血漿だろう)

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