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2016/06/11

水没コンピュータ

今年も国立情報学研究所(NII)のオープンハウスへ行ってきた。2日間開催されていたが、両日行く元気はなく28日(土)のみ。

参加登録をすると2次元バーコードの参加証が送られてくる。昨年まではこれを印刷して持参していたが、今年はiPod touchで撮影し、その画像を提示した。あっさり通過。以前、飛行機に乗るのに携帯電話に受信したメールのバーコードをかざしたが読み取られず、念のため持参したプリントアウトで事なきを得た経験があったけれど、今回は杞憂。

ガイドブック(PDFでも提供されている)をもらう。昨年までのA4判からほぼ半分のコンパクトサイズになり扱いやすくなったが、アンケート用紙がはみ出すのが邪魔。まずは2階の一橋講堂へ行って「NII研究100連発」。

NII研究100連発

NIIの研究者10人が1人7分30秒の持ち時間の中で、それぞれ10件の研究成果を発表する「NII研究100連発」。これはニコニコ生放送で生中継された(プレミアム会員ならばタイムシフト視聴可能)ほか、現在はyoutubeでも見ることができる(しかしこの動画は明らかに途中から始まっている)

450秒で10件なので、平均すると1件45秒のプレゼンテーション。なんだか「全英プルースト要約選手権」(プルーストの長編「失われた時を求めて」を15秒で要約するというモンティ・パイソンのスケッチ)みたい。

100も聞いて覚えていられるはずもなく、今すぐに思い出せるのは、かつてAIは画像認識が苦手だったが、今はディープラーニングによってそこそこの成績を収めるようになってきたという話(では何が不得手かというと、会場では「ほほぉ」と思ったのに、もう忘れている。調べてみるとどうも「意味の理解」らしい)。追い追い動画を確認しておこう。そういえば会場で「あ、これは去年のポスター会場で聞いた」ってプレゼンもあった。

水没コンピュータ

昨年までは中会議室にポスターセッションが詰め込まれていたが、今年はポスターは廊下・講堂前ロビーで、中会議室は半分が「デモ・体験コーナー」になっていた。

「直接自然水冷却PC」「浸水耐久試験中」とラベルの貼られた水槽の中で剥き出しの基板が水に沈められている
水槽の中には水草と金魚
で、足を踏み入れてすぐに目に入ったのがデモB10の「水と光をつかった未来のコンピュータの建築学」(鯉渕研究室)で展示されていた水没コンピュータ。水の中で動かせるコンピュータと言っても、水中で操作できるパソコンを目指しているわけではない。見ての通り電子部品を着けた基盤部分を水漬けにするのが目標。その目的は冷却。高価な特殊冷媒ではなく普通の水が使えることを強調するために水槽には金魚と水草が入れてあった(初日はイモリも入れていたそうだが、夜のうちに脱走してしまったという)

種明かしをすると、チップやメモリなどを組み上げたボードを防水性材料で丸ごとコーティングしてしまう。当然、部品の交換は無理(その気になればやってやれないことはないかもしれないが、費用対効果が悪い)で、故障したらボード毎交換となる。これはグーグルの「マシンは消耗品」という考え方(『アップル、グーグル、マイクロソフト』に書いてあったように思うが手元にないので確認できない)と同じだろう。実際、動画中の質疑で(部品交換はできないと答え、質問者がエコじゃないと不満げなのに対し)「でもデータセンターなんてみんなそんな感じじゃないですか」と答えている。

映像から人の顔を識別

会場では本屋さんコーナーが設けられていた。素見で手にとったら面白そうな本やゲームが沢山。さんざん迷って『IDの秘密』と『おしゃべりなコンピュータ』を購入。ひと休みしようとNII Cafe のテーブルに座ったところ、ちょうど戸山高校とのワークショップ「映像から人の顔を識別してみよう!!」をやっていて、気を回したスタッフが端末を持ってきてくれたので参加。

まず配布された資料に載っている三人の首相経験者(小泉・鳩山・福田康夫)の写真を専用アプリで読み取って映像アーカイブを検索。小泉・福田の二人についてはうまくいったけれど、なぜか鳩山の顔を検索しても別人しかヒットしない(資料を作る段階でチェックしなかったのかなぁ? それとも「こういうことも起きる」という見本?)。それからスクリーンに投影された人物映像を読み取って検索するデモンストレーション。概ねうまくいくのだけれど、緒方貞子(国連難民高等弁務官)の検索結果に堀江貴文がヒットしてしまうのは、まぁなんと申しますか(あんまり面白かったので結果のいくつかは写真撮影してきた)

今はまだ映像の解析だけのようだが、いずれは「怒っている人」「喜んでいる人」を映像アーカイブから抽出することもできるようになるだろう(研究の目的に「赤ちゃんのように目から入ってくる情報の意味を理解して学習」と書かれている)。たとえば国葬で弔問客の中から悲しんでいない人間を見つけ出す、なんて恐ろしいこともできるようになるのだろうか。もっとも問題になるのはその次のアクションであって、「やっぱり不人気だったなぁ」と諦めるとか「功績が理解されていないからもっと周知しよう」とかなら、それほど恐くはない...と言い切れるかな?

アンケート

スタンプラリーには参加せず、アンケートを提出して記念品としてフリクションペン(去年もこれだったっけ)をもらって退去。

アンケートでは、ポスターの前に立ち止まると説明を申し出る積極性と、中会議場内の通路が例年より広かったことを肯定的に評価。興味を持った展示には上記に加えD08「人工頭脳プロジェクト ―東大入試に迫るコンピュータから見えてくるもの―」を記入(「東 ロボくん」はどうやって問題文を読み込むのかと質問したところ、機械可読形式に変換して人が入力しているという答えに軽く失望)

餃子と鱧

帰りは神保町駅に向かい、神田すずらんまつりでビールを飲んで餃子を食い、ついでに和亭『なにわ』にも足を運んではしご酒。来週(5月30日)から鱧(ハモ)料理が始まるとのこと。夏である。

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2016/06/08

世界一大きな...飯給駅

太平洋に昇る朝日を見に来たついでに巡る房総半島の旅、粟又の滝の次は小湊鐵道の飯給(いたぶ)駅。ここに何があるかというと世界一大きなトイレ。ただし、ギネスブックに登録を申請したものの興味をひかれず、審査に値しないとして却下されてしまった由。

「世界一大きなトイレ」ギネス認定ならず (毎日新聞2012年10月17日)

飯給駅前の世界一大きなトイレ

開設当時にプロのカメラマンが撮影した(と思われる)きれいな写真があるので、屋上屋を架すことはないと思うが、一応訪問記念に。もっとも世界一の広さを誇るのはご婦人用なので外観のみ。

高さ2メートルほどの塀に「婦人用」を示すピクトグラムとドアの付いたトイレ。開設当時の写真と比べると花のプランターがなくなり雑草が生えて殺伐とした雰囲気を漂わせており、それを描写するには素人写真の方が効果的かもしれない。ちなみに今回はご婦人を同伴できなかったので、内部は撮影できなかったが、内側のプランターも撤去されているという話。

便座の壁側にはL字式手すり、反対側には可動式(はね上げ式)手すりがついている隣にある男性も使える多目的トイレも開設当時は小奇麗だったが、4年経つとかなり... 車イスでも使用できる多目的トイレで、その面の機能はしっかりしているのだが。「手すりはL字型だけじゃないよ」というつもりで撮った写真は水平がとれていない。orz それに比べプロの撮った写真は、鏡を使って死角にあるベビーキープまで1枚に納めてしまい、見事としか言いようがない(戸を開けて撮影できたからでしょ、と負け惜しみ)

木更津からアクアラインで海ほたるへ

当初予定ではこの後は高滝湖(高滝ダム)により、店があいていたら食事をし、市原鶴舞ICから圏央道に入って帰る(高滝湖PAの展望台からはダムの全景が眺められる)はずだったが、木更津郵便局に用事ができたため一般道で木更津市街まで。

平地に出ると道は広くなり長閑なドライブを楽しめた。郵便局でアマゾンマーケットプレイスの注文品(出発前日に千葉県内から注文が届いたので、「ついでだ」と持ってきた)を「ゆうゆう窓口」に差し出す。市内で食事をするにはまだ9時と早いので、東京湾アクアラインに乗って海ほたるパーキングエリアに向かった。カーナビが「料金は3000円です」(2014年4月から3090円だが、旧いカーナビなもので)と言うので心臓が止まりかけたが、これはETC非搭載車の場合。ETCアクアライン割引のおかげで800円で済んだ。

蕎麦の上に具としてむき身のアサリが並べられた「あさりそば」海ほたるでは「あさりそば」を食べてしばし休憩。走り始めが1時だから、なんだかんだの神保町で8時間近く運転していることになる。

屋上テラスの壁に貼り出された「ドローン使用禁止」のプレート屋上に出ると「ドローン使用禁止」の表示。なんでだろう? 風が強くて墜落の危険が大きいから? 船舶への影響を懸念? それとも。

5階テラスの手すりに貼られている「海抜23メートル」と下にペットの水飲み場があることを示すプレート
5階から見下ろした、植え込みの中にある1メートル四方はあるかと思われるイヌ(フォックステリアか)のアイコン
植え込みのそばにあるごく普通の水道と流し場
ペット(というと「アニマルコンパニオンだ!」と怒られるかな?)を連れて来る人も多いようで、ペット専用水飲み場が用意されているという。上から見て目立つよう大きなサインが出ているのでどんなものかと行ってみたら...普通の水道でした。流し台の角は、ぶつかってもケガをしないよう緩衝材で保護されているようだ。水飲み器に鎖が付いているのは持ち去り防止だろうけど、そういう事をする人がいるんだなぁ。

窓辺に置かれた「ここに座らないで」と4か国語で書かれたV字型プレート客のマナーといえば、展望席の窓辺には「ここに座らないでください」という注意書きが英中韓日の4か国語で。駅などの案内に中韓表記は不要!不快!と沸き立つ〈国士サマ〉はこれを見たらどう反応するだろうか。邪推だけど「日英表記は不要」と言い出しそうな。でも、注意書きのすぐ脇に腰掛けていたのは見たところ日本人のご家族でした。

旅の終わり

約1時間休憩して出発。川崎浮島JCTから首都高に入り、山手トンネルに差し掛かる辺りからカーナビを頼れなくなる。2015年3月開通なので、旧いナビにはデータが入っていないのだ。そしてなぜか大渋滞(全体の流れがゆっくりとなって助かった面も)。それでもなんとか無事帰宅できて、トリップメーターを撮影したことで、デジカメの時計が3分以上進んでいることが判明した。この日の撮影は137枚。内訳は、行きの高速道路での休憩が6枚、太東埼で18枚、椿公園で40枚、上総中野駅で7枚、粟又の滝が38枚(動画を含む)、飯給駅5枚、木更津市内で2枚、海ほたるで19枚、山手トンネル(渋滞で停車したところで撮影)1枚、そしてトリップメーターの記録1枚。

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2016/06/07

養老の滝だけど落ちてくるのは水

太平洋に昇る朝日を見に来たついでに巡る房総半島の旅、上総中野駅の次は粟又の滝(川の名前から養老の滝とも呼ばれ、正式には高滝らしいが「高滝」で検索すると下流の高滝湖ばかりヒットする)

当初、(あわ)又の滝なのに(くり)又と読み間違えていた。おそろしいことにグーグルでは「栗又の滝」で検索してもトップにヒットするのは「粟又の滝」。しかも「もしかして」などの注意も出ない。自尊心を傷つけないようにとの配慮は愚か者を甘やかすのではないかな。

それでも不思議なことにカーナビへのは設定できた。どうやったのかは覚えていないが、たぶん近くのランドマークで検索してから地図上で「ここ」とやったのだろう。カーナビの履歴には「粟又付近」と残っていた(それをノー天気に「くりまた」と読んでいた)。そして有名な観光スポットなので近くまで行けば案内看板が立っている。

滝へ降りる道

県道の川側に楼門のような木造の建物があり、3メートルほどの高さに「上総養老の滝」という白い行灯型看板町営駐車場に自動車を入れ、県道178号を徒歩で滝へ向かう。降り口には門があり看板もかかっていて分かりやすい(が、これは〈罠〉だと後で分かった)。看板に「養老の滝」とある(申し訳程度に「粟又の滝」とも)のは川が養老川だから。養老の滝といえば居酒屋(「養老乃瀧」が正式)ではなく、滝の水が酒に変わったという養老孝子伝説を連想するが、それは岐阜県のお話。したがって滝に流れているのはお酒ではなくて水(岐阜の養老の滝だって酒が流れているわけではないが)

「滝見苑の駐車場をご利用ください」とあるから、これは向かいの旅館滝見苑が設置したものだろうか。ちなみに駐車料金は1時間までなら300円と町営よりも安く、滝にも近いから、早朝に来ても使えるならこちらの方が便利。

粟又の滝

谷へ降りる道。幅は60センチメートルほどでセメントで舗装されていて谷側にはロープが張ってある。木々の向こうに滝が見える。この入口から降りていくと滝の中腹に出る。上流への道は途中で途切れているので、滝壺へ降りてみる。セメントで補強されているところもあるが、傾斜が急なところもあり、歩きやすいとは言えない道であった。

左手に滝が見えてきた左手に「粟又の滝」の検索結果で見慣れた滝の姿が見えてくる。やれやれもうすぐか、と思ったら甘かった。

滝壺脇へ降りる狭い鉄の階段。傾斜は急で20段以上。降りた先に川を渡る飛び石が見える。
降りてから振り返った鉄階段。最後の2メートルは階段が無くなっている。
なんと長くて急な鉄階段が現れた。しかも最後の数メートルは階段が途切れ、手すりはロープに変わり、足元は濡れた石段である。単に濡れているのではなく、どうも水が流れているようだ。これは滑りやすそう。

正面から見た粟又の滝。緩やかな岩肌を水が流れ落ちてきている。
川を渡ってから振り返ると下流に大きな看板のある階段が
それでも降りきるとおなじみの滝の姿が見えて「ああ、来たんだな」と安堵する。しかし、今のルートは万人向けとは言いがたい。どうしたものかと思いながら飛び石を歩いて川を渡り右岸を振り返るとしっかりした階段が見えた。よし、帰りはあそこを通ってみよう。

90メートル先に避難口があると知らせる木製看板 左岸に遊歩道があるので、しばらく下流に向かって歩いてみた。しばらくすると「避難口2番 90m」という気になる看板が。避難口って何?

川は右へ曲がり、青空が見え、山肌の緑が輝いていた。 木々が覆いかぶさるような道を歩いて行くと突然、視界が開け、朝日に輝く森が見えた。調子に乗って歩いてしまうと駐車場に戻るのが大変(あの上り階段が控えている)。そこでそろそろ戻ろうかと算段しているところで「避難口2番」の看板が見えた。

避難口

避難口2番とかかれた新聞紙を広げたほどの大きさの白い看板
セメントで固めてはあるが、落ち葉の積もった急な坂道。
公道に繋がる部分は高さ1メートルほどの竹垣で塞がれていた。
看板には細かい字でなにやら書いてあったようだが、今は読めない。好奇心に駆られて上り始めてすぐに後悔。なんという急坂だ。しかも落葉が積もっていて滑りやすい。つづら折れを上り、ようやく上の道路に出たと思ったら、なんと柵で塞がれていた。映画「地下水道」で負傷したコラブを連れて歩いたデイジーの気分。実際に避難する段になったら開放されるのだろうし、そうでなくても簡単に乗り越えたり倒したりできそうな代物だが、あの勾配と落ち葉は避難を妨げること請け合いだ。ってなことを考えながら降りてきた。

道端に落ちていた「避難口1番へ140メートル」の看板 滝まで戻る途中に「避難口1番 140m」という看板が倒れていた。向きからすると上流。だが滝壺まで戻り左岸を調べたがそれらしいものはない。

滝への入り口は

階段下に建てられていた遊歩道案内図なんのことはない、先ほど右岸に見えた石の階段が避難口1番。遊歩道全体の案内図もあり、どうやらここが起点らしい。つまり先ほど県道から降りてきたのは公的なルートではない。そういえば途中の休憩所風のところに「私有地」と書いてあったっけ(〈罠〉と書いた所以であり、憶測だけど途中に土産物屋でも店開きするのだろうか?)。そしてこの避難口の意義は、雨が降って急な増水の恐れがある場合に観光客を避難させるためのものであった(恐いのは避難口3番と4番の間には「この間は避難口がありませんので十分注意してください」という、具体的にどう注意するの?と疑問符のつく注意書きがあること)

避難口1番の石段。幅は2メートル弱でセメント製の手すり。
石段の上端から県道までの坂道。コンクリで舗装され、中央にはロープ。
県道へ出たところ。「粟又の滝自然遊歩道入口」「滝めぐりコース 養老の滝200メートル、(中略)下り口」という看板が。
さて、その避難口1番は、急ではあるものの広くてしっかりした階段であった。狭くて中途半端な鉄階段よりは使いやすそう。体力があれば人を背負って昇降も...金と力のない私には難しいか。階段が終わると今度は坂道。これまた急峻で長い。しかし上り下りが分離されており、歩きやすい。

そして県道178号に出て振り返ると、設置者名こそ書いてないものの「粟又の滝自然遊歩道入口」等の看板があり、ああ、ここが滝へのオフィシャルな入口だと分かる。

駐車場

町営駐車場出入口脇の小屋に紐でくくりつけられた「駐車料金はこの中へ」「1台500円」と手書きされた白い木箱。駐車場に戻っても、この時刻(7時40分)では1台だけ。当然、管理人の姿も見えない。料金収納箱が置かれているということは利用者の良心任せの無人駐車場なのかも(第三者が勝手に設置したニセ料金箱の可能性は...ま、ないだろうけど、手書き文字の怪しい箱だ。)。当然のことではあるが500円を納付してから出発。出口で人が突然現れて「金払わなきゃだめじゃないか」と難癖をつけられたら、と妄想して投入するところを写真に撮ったが、よく考えたら動画にして「入れるふり」でないことも明白にしておかないと証拠としては弱い。幸いなことにそんな人物は現れなかった。

滞在時間は約40分だったので、今度来るときは滝見苑の駐車場を第一候補にしよう。さて、次は飯給駅だ。

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2016/06/06

つながらない線路:上総中野駅

太平洋に昇る朝日を見に来たついでに巡る房総半島の旅。椿公園の次は御宿にある「月の砂漠の像」の予定であったが、自動車を停める場所を見つけられなかったので場所だけ確認して通過(駐車場はいくつもあったが、早朝のことで管理人はおらず、かといって無断で停めていると揉めそうな雰囲気があって、「もういいや」ということに)。この辺りで疲れが出てきたのか、勝浦まで海沿いの道路を走ってから大多喜街道を北上するつもりでいたのに、ナビへ粟又の滝(別名「養老の滝」)の位置を設定してしまったため、すぐ半島中央部に向かってしまった。粟又の滝近くまで来て上総中野駅のことを思い出し追加設定したのだが、カーナビというのは基本的に「ここでUターンしろ」とは言わないようだ。方向転換するためにかなり大回りをすることに。ともあれ6時半ころに駅前に到着した。

2つの鉄道が出会った駅

この駅は2015年6月21日に放送された「ヨルタモリ」の「始点・終点」に登場している。印象的なナレーションを書き起こしたページがある。

つまりここは、
ふたつの車止め標識が向かいあう
極めて珍しい始点・終点。

鴨川を目指して五井から南下してきた民間の小湊鐵道と、日本国有鉄道が内房の更津と外房の大を結ぶために建設してきた国鉄木原線(国鉄民営化後いすみ鉄道いすみ線に)は、この上総中野駅で出会ったところで力尽きたように延伸が止まり、今に至っている。そして駅は列車が互いに乗り入れられない構造になっている。ナレーションの結びは繋がらない線路のもどかしさを語っているようだ。

上総中野駅の二つの車止め標識は、
70年以上もの間、
複雑な思いを抱きながら
行きかう電車を見守り続ける。

ところがである。実は小湊鐵道といすみ鉄道とを結ぶ線路は存在する。Googleマップで見てもらえば分かるように、東から来た小湊鐵道線は駅舎寄りに、西から来たいすみ鉄道線はその南のホームに引きこまれているが、もう1本、ホームのないところを通っている側線がある。

つまり、「ここはあくまでリレーの中継地点。」というのは一種のフィクション(実際、保守用車両ではあるけれどいすみ鉄道から小湊鉄道へ乗り入れた例もある)。それを知ってやや興ざめした思いで見回すとそもそも電車は走っていないということにも気付く。幻想を打ち砕いてから現地に赴くというのも旅の醍醐味(ぉぃ)。

駅全景

左からいすみ鉄道、右から小湊鐵道の線路が来る上総中野駅のホーム

パノラマ写真は縮小して全体を見るより、ダウンロードしたものをウィンドウ幅1000ピクセル程度で原寸大表示にしてスクロールした方が実際に見渡しているのと似た見え方になる(ココログは仕様上1600ピクセルより幅広い画像をアップできないので、外部に幅8416ピクセルの画像を載せた)。向かって左端に駅前駐車場が見える。車止めで終わっている手前の線路は小湊鐵道のもの。左手から伸びてきている線路は大多喜を経て大原と繋がるいすみ鉄道。無人駅なので改札口はなく外から直接いすみ鉄道のホーム(1面1線)へ渡ることができる。いすみ鉄道のホーム右端には車止めが見える(その奥に側線が通っている)。小湊鐵道の線路はその右側を伸びている。駅舎は手前の小湊鐵道ホームにある。

一両編成の大原行き始発列車がホームに停まっている駅前に着いたとき、ちょうど大原行きの始発列車の出るところであった。見ての通り気動車(ディーゼルカー)であり電車ではない。小湊鐵道も電化されていないことは架線がないことで確認できる。

手前に駅舎のある小湊鐵道のホーム、線路を挟んでいすみ鉄道のホーム駅舎の五井寄り右半分は禁煙の開けた待合室駅舎の大原寄り左半分は喫煙可の開けた待合室
小湊鐵道ホームには木造の駅舎がある。無人駅なので改札口も券売所もない。外から来て右手(五井方面)は禁煙、左手(大原方面)は喫煙可となっている。扉がなく中央部が吹き抜けなので煙が漂ってくることはないだろうが、実におおらかな〈分煙〉である。なお、トイレは外へ出たところに竹筒型の公衆トイレ(写真は撮ってこなかったのでwikipedia参照。この写真には側線もはっきり写っている。)がある。

大原寄り、いすみ鉄道の線路から側線が分岐しているwikipediaの駅舎写真にはっきり写っているので、今さら載せる価値もないのだが、いすみ鉄道の線路と側線の分岐部分は撮ってきてある。手前の車止め標識は小湊鐵道の終点。

こうして出かけたときはなにかしら地域経済への貢献を考えるのだが、この時刻では開いている店もない。やむなく待合室の外にあった自販機で入場料代わりに飲み物を1本購入するにとどめた。次の目的地は粟又の滝(別名は養老の滝、正式?名称は高滝)。

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2016/06/04

椿山公園

5月21日に太東埼へ日の出を見に行った帰りに、いすみ市の椿公園に立ち寄った。

椿にそれほど興味があるわけでもなく、もとより開花の時期でもない(「開花時期がそれぞれ異なり」といっても秋から春にかけてだ)のに出かけたのは、園内にある大吊橋に興味を惹かれたから。

大吊橋

駐車場から入口広場へ入ると正面は四阿へ降りて小吊橋へ続く道
入口広場から大吊橋への道には門がある
畳一畳ほどの案内看板は錆びていて字はほとんど読めないが地図だけは色が残っている
門をくぐると幅1.2メートルほどの吊り橋
谷に奥には赤い小吊橋がかかっている
右手の下には池がある

谷を利用した公園で、両側を結ぶ吊り橋が大小2つかかっている。入り口から入って左(駐車場から来ると正面)は奥の小吊橋へ通じる下り道(途中で分岐して谷底へも行ける)、正面は大吊橋に直結する門。右は駐車場だが、こちらから来たので写真はない。

案内看板は見事に錆びていたが、なぜか地図部分のみ残存。公園案内図は上記いすみ市サイトにある。

「椿の森大吊橋」はがっしりとした造りに見えたが、やはり吊り橋、渡って行くとフワっフワっと上下に揺れだした。うん、これなら吊り橋効果も期待できそう(ぉぃ)

左手には奥にある小吊橋と谷底の中心施設(休憩所、トイレなど)が、右手には「西ノ谷堰」の池が見える。中心施設ではなにやら早朝トレーニングをしている男性が一人いた。

展望台から小吊橋へ

吊り橋を渡りきると右手に谷を登る階段
谷の奥へと続く尾根道は狭く両側は樹木
展望台へ続く急な上りの階段道
展望台から見下ろすと大小2つの吊り橋と円内を一望できる

70メートルの橋を渡りきると細い山道に。階段があるので車イスなどでは行くことができない。しかし転回するスペースはあるのでそこまで行って空中からの眺めを楽しむことはできる。

この先は尾根道で、細い上にアップダウンが激しく、また樹の枝が張り出して来ているので歩きにくい。奥の展望台への道は急階段。

とはいえ(晴れていれば)頑張って上るだけの価値ある眺望がひらけている。椿の花の咲く季節ならさぞ壮観であろう。それにしても展望台の踏み板の傷み具合は気になる。ちなみに展望台から四阿(あずまや)へ通じる道は整備中のため立入禁止となっていた。

展望台から北を振り返ると高圧送電塔が
イノシシ避けの電気柵への注意を促す看板
谷の奥の道から眺めると大小2つの吊り橋の向こうに東京電力の鉄塔

深山の趣はあるが振り返れば高圧線鉄塔が立っている(深山にも高圧線は走っているけれど)。階段道を降りていくと、イノシシ避け電柵の注意看板。素人細工でなければブレーカーがあって死ぬほどの電流は流れないと思うけれど、それでもショックは受けるだろう。

案内図⑦の位置から小吊橋と大吊橋をまとめて撮影。その向こうに見えるのは東京電力の鉄塔。小吊橋は短いせいかそんなには揺れない印象。

入口広場へ

吊り橋の下にある「つどいの広場」へ続く道
坂道を登り切ると入口広場へ
西ノ谷堰池の畔から見上げた駐車場へ続く階段

四阿の前で道は二手に分かれ、左は中心施設のある「つどいの広場」へ。右の道は「椿の森大吊橋」を左手に見ながら坂を上って入口広場へ。戻ってきたのがおよそ5時半。

駐車場に「トイレは下」という案内看板があったので確認しておこうと入口広場の手前の階段を降りてみると、結局つどいの広場にある中心施設のトイレに行けるということらしい。たしかに地図を見ると入口広場からつどいの広場へ降りる道は四阿の前へ迂回している。急ぐ人は階段で大吊橋の下に出るのが賢明だろうが、この急階段である。ちなみに駐車場はこの斜面に櫓を組んで鉄板を敷いた構造。

ここから小湊鉄道といすみ鉄道が乗り入れている上総中野駅へ向かった。

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