献血ルーム巡り11(福島県・赤十字血液センター会津出張所)
今回は会津出張所での献血のあと郡山市で「心理学カフェ」、その翌日には伊達市で開かれている「第12回ICRPダイアログセミナー」とハシゴをしたので、書きたいことがたくさんあって、早く整理しないと忘れてしまいそうなので急いで書く。
もともとの予定では、9月の献血は月末のはずだった。それが福島エクスカーションに参加したとの当ブログエントリーを読んだ方から、(こいつなら福島まで来るかもと期待されたのか)郡山でサイエンスカフェを開くとの連絡をいただいた。初めは「テーマは面白そうだけど郡山はねぇ...」と思っていたが、午前中に献血を済ませれば間に合うことに気付き、9月12日に日帰り強行軍を設定した。と、その後からICRPのダイアログセミナーが12,13の両日に開かれ、これが一連のダイアログセミナーの最後になるという情報。うーむ、これは聞きたい。会場の伊達市は遠いけれど郡山からは近い、ということで郡山に一泊することにした。そのため今までの遠征は前泊だったが、今度は早朝に出ることに。
会津出張所
出発して間もなく震度5弱の地震に見舞われる(地震とは思わず、エンジンの不調で車体が震えだしたのかと思った)も、土曜の早朝は道が空いていていて快適。順調に会津へ向かう、と書きたいところだが出発が少々遅かったのに加え、途中で巡邏中のパトカーにぴったりとつかれて制限速度順守走行を強いられたり、パーキングエリアで空揚げそばを頼んだら肉を揚げ始めて待たされたりがあって(最大の原因は出発遅延だが)、予約の10時になってもまだ高速道路の上。うまい具合にパーキングエリアがあったのでそこから電話をし、「気をつけておいでください」と焦りを見透かす注意を受ける。さらに例によってカーナビが音声案内を終了しても建物を見つけられないという事態発生。さいわいにも屋上に設置された大きな赤十字マークを彼方に発見して辿りつくことができた(帰りはすんなりと表通りに出られたので、何が悪かったのか謎)。ちなみに「ふくしまけんせきじゅうじけつえきせんたーあいづしゅっちょうじょ」ではカーナビに入力できなかったので、所在地「会津若松市一箕町大字八幡字門田1-2」で検索したのだが、そこに何か問題があったのかも。
受け付け
駐車場に車を入れ、玄関へ入るとスリッパへの履き替え。さらにガラス扉を開けると奥に受付カウンターのある待合室。かなり小ぢんまりとしている(ウェブページに載っている写真を見て分かるように、椅子が8脚)。遅刻を詫び、献血カードを渡すと同意事項の説明から(今までの献血ルームもそうだったはずだが、なぜか新鮮な印象)。ろくに読まないで「はい」と言ってから27年5月18日からの第2版と気づく。どこが変わったのか尋ねると、4の研究利用で、単に「研究開発等に使用することがあります」だったのが「個人を特定できる情報と切り離し云々」と厳格化されたとのこと。
成分献血で予約をしており、「血小板で」と確認を求められたので、「緊急!400mL献血のお願い」というメールが来ていたことを念頭に「全血が不足しているのなら400でも」と申し出るも成分で構わないとの返事。でも後ろに貼り出してあるボード(福島市のセンターに掲げられていたのとおなじもの)には「超ピンチ」となっていた。400mL献血をすると3か月はお休みなので(その間に6か月禁忌となる行為に及ぶという道もあるが)、ちょっぴり安堵。
タッチパネルの問診はいつもの通り。ついでセルフ血圧計で測定、したが結果を印字した紙が出てこない。職員2人があれこれ調べ、紙切れと判明(直前に用紙不足の警告が出て、互いに確認しないまま「補充されたもの」と思い込んでいたらしく、紙の点検が最後になっていた)。遅刻したり道が分からなくなったりのせいであろう、深呼吸をして臨んだのに最高血圧150を超える結果だったので、再測定ににんまり。2回目も下がったとは言え140を超えていたが、お咎めはなし。その間に手首に個人識別用の紙テープを巻かれたので、2回目の測定は腕を機械に通すのが大変だった(ここは個人名で呼ばない方針)。
トイレ
医師による問診を待つ間に荷物を玄関にあったロッカー(硬貨不要)に入れ、水分補給をしてからトイレをチェック。扉を開けると奥に個室が1つだけ。一瞬、間違えて婦人用を開けてしまったかと振り返った。間違いなく男性用と確認してから個室へ。「採血後は、小便も座位で」とある。洋式便器だけなら便座を固定してしまえば合理的と思ったが、固定はされておらず、床には〈誤爆〉の痕が。
非常呼び出しボタンは目立たない。テプラは水平に貼りましょう(タイルが貼ってあってグリッドになっているんだから)。
問診と事前検査
戻って待っていると番号で呼ばれて医師による問診(検診と書かれることが多いと思うが、ブースの表札は「問診」)。「前回献血のあと何か問題は?」「ありません」で終わり。続いて血液検査のための採血へ。前回、採血のあと止血帯を巻かれず指で押さえていろと言われたことに不満を漏らしたが、会津出張所では「包帯は使いません」という説明書きが用意されていた。指で押さえた方が止血成績が良いそうだ。ただ、看護師に頼めば絆創膏の上に包帯を巻いてくれるようだ。
結果は特に告げられず(ルームによっては教えてくれる)待合室へ戻る。本棚を眺めたり(震災のあと会津若松市の仮設住宅へ避難されてきた楢葉町民の記録『会津の日々』(非売品)が雑誌ラックにあった)、ガラス越しに採血室(の美人看護師)を眺めたりして待つ。
献血
短期記憶がいかれているのか、自分の番号を勘違いしていて、呼ばれたにもかかわらず無視。職員が不審そうに眼を向けるので「私じゃないから」と手首を見たら、呼ばれている番号ではないか。慌てて入室。
部屋の右端は検査カウンター、入口正面は問診ブース。残り(左の約2/3)が採血スペース。淡いピンク色の採血ベッドが3,2,3で8台あり、熊谷献血ルームと同じくらいか(熊谷は6床だが、待合室は会津より広い)。
ひざ掛け毛布はやや濃いピンクで、全体に明るい感じになっている。アームレストには温パックが用意されていた(前回ほど熱くはない)。前回疑問に感じた「テレビの音はどうやって聞いている?」と確かめるべくリモコンで点けてみるとベッドの平坦なヘッドレストから音が聞こえてきた。イアホンを使う必要はないんだ。
Tシャツ(?)の上にエプロンを着けた看護師は新しい白いニトリル手袋をはめるとエタノールを噴霧し両手を擦り合わせて消毒。次にこちらの肘窩をエタノール綿で3回清拭してからポピドンヨードを塗布。ヨードが乾くまでの間に色々な作業をすすめるのは共通だが、目を離した隙に左手人差し指が茶色になっていた(ヨードで消毒)。その指で未消毒の部位を触ったら消毒した意味がなくなるので、人差し指だけピンと伸ばしているのだが、アレやったりコレやったりが大変そうで、ちょっと段取りが疑問。気になったので、採血の間に他の献血者への作業をじっと見ていたら、あれれ人差し指の消毒はしていない! 別の看護師を見ているとエタノール綿で丹念に拭いているのでヨードは使わないのかと思って目を離すと、いつの間にか指先が茶色になっている。どうなってるの?
いよいよ針を刺す段になって、「メガネが曇って血管が見えない」と言い出した。律儀に鼻までマスクをかけているので、呼気がメガネに当たって曇るのだ。「見ようとするな、感じるんだ」と言いかけたが、洒落にならない気がしたので沈黙を守る。幸いにもちゃんと血管に刺さってくれた。後は4サイクルの採血と(遠心分離した赤血球の)返送が終わるのを待つだけ。
採血ベッドのテーブルにあったラミネートの内容は、福島市の赤十字血液センター献血ルームと同じく、気分が悪くなったらしゃがめ、内出血の予防法、提供した血液の使用を止めて欲しい場合の連絡方法そしてレッグクロス運動の案内。このレッグクロス運動は、見回してみると皆さん真面目にやっている模様。少なくとも隣の男性と向かいの女性ははっきりやっていた(向かいの女性は真面目に足首屈伸をやっているせいか毛布がずれて裸足が露出して結構艶かしかったが、気づいた看護師が毛布をかけ直してしまった)。
土曜日のせいか、ほぼ絶え間なく献血者が入ってくる。回転が早いのは400mL献血者もいるためのようだ(成分献血のほぼ半分の時間で終わる)。採血の終わった血液バッグの処置を見ていると、どうも見慣れた光景とは違う気がする。チューブシーラーが据え置き型なのかな。
献血を終えて
待合室に戻ると定型の儀式、すなわち献血カードの返却、「献血の同意説明書」「お願い!」「今一度、ご確認をお願いします!」といった書類の交付そして感謝の言葉。
「今一度、ご確認をお願いします!」は、6か月禁忌に抵触するけど正直に言えなかった人のために、匿名で血液利用を止める方法の説明(電話をかけて採血番号と生年月日を録音すると該当血液は使用されない)。禁忌事項の筆頭は「不特定の異性または新たな異性との性的接触があった」。これはかなり厳しい条件(だし、該当しても正直に答えにくい質問)であるが、B型肝炎ウイルスは性交渉で感染するし、検査で発見できるようになる前に感染させられるようになるという危険極まりない病原体なので危険(かもしれない)性的接触があれば献血をしないというルールを全員に順守してもらう必要がある次第。ちなみに前記リンク先にあった症例の一つはオーラルセックス(をされて? 確認しようとしたらリンク先の毎日プレミアは閲覧回数制限があるようだ)で感染しており、当人はなかなか納得しなかったとか。これはB型肝炎ウイルスだけでなく、C型肝炎ウイルスやヒト免疫不全ウイルス(これに感染した重症例がAIDS)も同じく危険なウインドウ・ピリオドを持つ。
献血記念として社会福祉法人こころんで作られた型抜きクッキー・シュガーラスクを、また予約特典ではエゴマラスク(だんでらいおん製造)をいただいた。選べる記念品の中には福島市でもらった「佐賀の神崎 名水そうめん」、いわき市でもらった「タフマン」もあり、どうも株式会社ヤクルトがまとめて提供しているようだ。
前回から新たに挑戦を始めたセブンティーンアイスクリーム制覇ではブルーベリーのチーズケーキを選択。しかしアイス抹茶ミルクに続けると身体が冷えて、これは失敗。献血後の飲み物はホットにしよう。
次の予定の時刻が迫っていたので休憩は20分ほどで切り上げて辞去。玄関にはアニメ風の女子の等身大パネルがあった。これこれ、福島市の血液センターにあったのはこれ。裏からみると、白い人形(ひとがた)で、ここでは1つだけど4つも5つも並んでいるとシュール。調べてみると、これは小峰シロという白河観光物産協会の公認キャラクターで、献血にもオリジナルポスターやオリジナルクリアファイルで協力している。
さらに調べるとパネルのきれいな写真を撮影している方が見つかった。
日本赤十字社 福島県支部、「小峰シロ 献血応援プロジェクト」の立ちパネル その1 pic.twitter.com/xUCSjvqqhd
— をぐ (@wogu) 2014, 3月 2
名前の由来は小峰城なのね...
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