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2015/08/12

帰還困難区域を走り抜ける

いわき市まで行ったついでに、マンガ「いちえふ」を真似して常磐自動車道の最近開通した区間を走り、帰りは国道6号を使って帰還困難区域を通り抜けてきた。高尚な目的など微塵もない、好奇心に駆られた行為。

マンガ「いちえふ」の主人公が開通したばかりの常磐道を走るシーン。片側一車線の対面通行だが、本人は「うひょー、ピカピカ」と大喜び

出典:竜田一人「いちえふ」第十四話「(Get Your Kicks On)Route 6!」/週刊モーニング2/5号 p.110(2015)

この絵に描かれている通り、恐怖の対面通行(上下線ともそれなりの交通量)であり、また沿道の電光掲示板には空間線量が表示されている。この日の最高値は5.3μSv/hで、さすがにそれを目にしたときは軽い緊張を覚えた(役所から線量計を借りて自宅で測ったときは雨樋にたまった泥に近づけても0.06μSv/hだったので、普段の100倍近い値)

パーキングエリアの庭にサッカー選手の足形が2列に並べられている ならはパーキングエリアは今年3月に開業したばかりの小奇麗なPAだが、飲料の自動販売機が1台とトイレ、それから喫煙室くらいしかない。もっとも屋外には「フットボールレリーフ」という、サッカー日本代表の足形を集めたものがあるので、好きな人にはたまらないかもしれない。中央にあったのはザッケローニ監督の足形。大きい。

常磐富岡インターチェンジから先は搭載している旧いカーナビにデータがなく、マンガと同じく「道なき道を突き進」む、「おー、これぞフロンティアスピリット!」なのだが、これ自体は何も常磐道まで行かなくても、最近開通した区間を走れば体験できる。しかし追体験というのは楽しいもの。

下りるインターチェンジを通り過ぎぬよう、「道の駅そうま(これが大間違いで、本来は「道の駅南相馬」とすべきであった)を目的地にセットしておいたところ、下道と偶然重なるのであろう、突然「300メートル先、右折です」などと案内されることが数度。もちろん無視して走行。

ナビがアテにならないので南相馬インターチェンジで降り、いくぶん空腹を覚えながら道の駅を目指す。当初の予定ではまず凍天を食すはずであったが、これがあるのは道の駅相馬。当然、道の駅そうまにはなく、しかもなぜか食堂の券売機にダンボールが貼りつけられていて「食べさせません」という強固な意志を感じたため、震災展示(津波でひしゃげた道路標識は圧巻)を見てから土産物(七味にんにくだが、材料の原産地は書いてない。ラベルに早池峰とあるから岩手県だったか?)を買って退散。その段階で、次に道の駅相馬があることを発見したが、やんぬるかな、行ってみると入り口は国道6号の下り線に面しており、上り線から入ることは絶望的(後で地図を確認すると手前の交差点で右折すれば入れた)。そこに凍天があるともしらず、「しゃーない、次」と通り過ぎることに。しかし6号を進み、小高地区までくると震災の傷跡がまだあり、食事処らしき建物が見えても営業していないものばかり。そしてあれよあれよという間に帰還困難区域になってしまい、営業している店はおろか、自販機さえない状況に。もちろん停車禁止。ここでは万が一にも事故を起こすわけにはいかないので、運転はより一層慎重に。そのため左右に広がる風景もちらちらと見るしかない。そこへもってきて疲労と空腹が重なってきたため、双葉駅への道に通じる道に掲げられた「原子力 明るい未来の エネルギー」の看板も第一原発への交差点も気がつかないで通り過ぎてしまった(「第二原発左折」の看板を見て「あれっ?」)

せめて「いちえふ」を諳んじられるほど読み込んでいけばこんなことはなかっただろうに。とはいえ「獣と衝突」の注意を呼びかける看板はちゃんと見つけられた。初めから「獣と」で作られたものもあれば、シールを貼ったもの(その下の字はたぶん「牛」)も。また「猪と衝突」というものあった。少数ながらまだ「牛と衝突」も健在。またところどころに立てられた「除染作業中」の幟に混じって、「除草作業中」の幟も。これに気づいたときは嬉しかったけれど、停車して写真を撮るわけにも行かず、頼みのドライブレコーダー映像は、帰宅したときには上書きされていてお見せできないのが残念。

帰還困難区域を出ると〈北限のコンビニ〉があったので、とりあえずパンと飲み物を購入して休憩。平日の午後であったが、結構混んでいた。道の駅ならははトイレしか使えないというので通過。「豚丼」と看板がチラリと見えたが、やってはいないだろうな。

このように得るもの少ない通りぬけであったが、後日の福島エクスカーションの良い予習となった。

アクアマリンふくしま

広野インターチェンジから常磐道に乗り、いわき湯本でいったん降りてアクアマリンふくしまへ。いわきの名所を紹介して、少しでも観光へ誘わなくてはという義務感よりは、「行って還ってだけでは、あまりに能がない」という焦燥感。前日、覗きに行った泉駅で「わくわく里山・縄文の里」オープンなんてチラシを持ってきた影響もある。

下調べをしてこなかったので1800円という入場料に狼狽し、さらに「閉館17時半ですがよろしいでしょうか」(着いたのは16時半ころ)という追い討ちをくうが、グッとこらえて入場券購入。入るとすぐに、右手が縄文の里、直進で本館という分岐。止せばいいのに縄文の里へ進む。遠回りになったけれど、カワウソに会えたので満足。

続いて本館へ。古生物学が終わるとエスカレーターでいきなり4階へ。「熱帯アジアの水辺」コーナーで思ったのは、生物の展示は生育環境を再現しなければならず、そうなると「水族館」「昆虫園」「植物園」といった区分けはあまり意味がなくなるのでは、ということ。とはいえ蚊とか虻とか蛭とかまで再現して欲しいとは思わない。

ゴマフアザラシは水の中を大きな目をぐりぐりしながら泳いでいたが、隣のトドの水槽は生き物の気配なし。もしや?と思って階段を登って水面の上(アクリルの前では高さ2mほどまで水)を見ると、案の定トドは陸上に寝転がっていた。トドというのは一部のツイッタラーの間ではToDo(やるべきこと)の隠語。

水産資源としての魚についての展示もあり、福島県の海産物の放射能汚染状況についての説明もあった。ここはじっくり見たかったので、機会があれば再訪したい。

17時を回るといよいよ閉館の音楽がかかりだす。三拍子だったら「別れのワルツ」、四拍子なら「蛍の光」だけど、どっちだったかな。寿司屋も閉まっていたし(これも後で調べたら15時まで、「食材がなくなった場合は、早めに閉店」)、諦めて早足で出口まで。途中、ショップ前スロープに震災の記録が展示されていた。地震と津波そして引き続く停電と燃料供給停止のため、多くの展示魚が死んでしまったという。飼育者としては痛恨であったことだろう。

ショップでの買い物ができなかったので、中郷SAで福島土産を購入。

一見したところ酪王カフェオレの1Lパックなのだが、実はパイというおちゃめな商品(偶然だが、道の駅そうまで購入した七味にんにくと同じ販売会社だった)。それと福島産ではないけれどおひたち しょうゆラングドシャという醤油スイーツに心惹かれてこれも購入。どちらも美味でした。

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