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2014/12/31

献血ルーム巡り4(埼玉県・熊谷/川越/越谷)

順序は前後したけれど、埼玉県制覇の途中経過をひとまとめに。

なかなか仕事が決まらないため、暇つぶしと社会貢献を兼ねて始めた献血ルーム巡り。手始めに数も手頃な埼玉県の攻略にとりかかった。というのも神流川にある下久保ダムへフラッシュ放流を見に行く途中に熊谷駅献血ルームがあることに気づいたから。

熊谷駅献血ルーム


JR東日本埼玉県赤十字血液センターも「くまがや」と読むが、「あれはクマガに決まっている」(「熊谷次郎直実」は「くまがいじろうなおざね」である)という方もいらっしゃる。噺家の桂文治(十代目)はそれで駅員に食ってかかって弟子が困ったという話も(故人は高田馬場駅についても「あれはタカノババ」と山手線内で放送を聞くたびにお怒りになられたそうで、十一代目曰く「埼京線ができて本当に助かった」)

それはさておき熊谷駅献血ルーム。駅前という交通至便の位置にある。電車ならばJR高崎線で上野駅から1時間ほど、上越新幹線を使えば30分強で着く。自動車の場合は国道17号あるいは関越自動車道で(ちなみに「次はオマエダ」(動画で有名な小前田駅は花園インターチェンジのそば、秩父線で熊谷から8番目なので好事家は立ち寄られては)。近隣駐車場と提携しているので、受付でいえば駐車サービス券をもらえる(わりと太っ腹に余裕を持たせてくれるので、食事や買物も済ませるとよろしいかと)ティアラ21の駐車場は店内で精算しておくとゲートでは停まらずに出場できる。


「雨の日献血」の看板が出ている熊谷駅献血ルーム入り口
駅と同じ建物のためか、非常にこじんまりしており、案内によれば「6ベッドの県内では一番小さなルーム」。しかし待合室は遜色ない。型通りにタッチパネルを使って質問に答え、問診医のところへ行くと「この予防接種(MMR)はいつですか」との質問。歯の治療は3日、予防接種は24時間と思っていたが、24時間なのはインフルエンザなど限られたワクチン。MMRに含まれる風疹とおたふくかぜは4週間空けないといけないと知って驚愕。さいわい接種は8月26日だったのでギリギリセーフ。問診医もしばらくマニュアルとカレンダーを確認していた。


雨の日に献血した記念の缶入りサクマ式ドロップスこの日は血小板を提供。雨天だったので、「雨の日献血」でサクマのドロップをいただいた。


川越クレアモール献血ルーム


10月は川越クレアモール献血ルーム。25日に肝機能を悪化させるイベントが予定されていたのでその前に。待合室は広く、キッズコーナーまで用意されている。ここは血圧を自分で計る(熊谷駅ルームもそうだったような気がするが定かでない)。血圧測定器のそばの掲示板に「川越献血ルームなうとつぶやこう」と貼ってあったが、無料wifiに弾かれてしまった。そして今回も「1年以内の予防接種」で問診医が悩む。あのー、接種後にもう献血しているんですけど。

3周年記念としてもらった菓子の詰め合わせ この日は血漿のみ提供(夕方だったせいかな)。移転3周年ということで記念にお菓子の詰め合わせを頂戴した。

越谷レイクタウン献血ルーム

入口の看板 11月は越谷のイオン店内にある越谷レイクタウン献血ルームへ。血小板製剤は採血から3日(72時間)で寿命となってしまうため、平日の献血が喜ばれる。というわけで木曜日に出動。最寄り駅はJR武蔵野線の越谷レイクタウン駅だが、自動車で。
駐車した場所の番号を控えた 広大な駐車場を前に迷走し、適当な入り口から入り、帰りに迷子になるのを防ぐため、番号を撮影。店内に入ると幸いにしてルームは目の前にあった(「近い駐車場は「イオンレイクタウンmori立体駐車場」」と書いてあったのに...事前の調査不足を毎回反省)。ちなみに駐車料金は平日は5時間まで無料。ただし店内精算をしてもティアラ21の時のようにそのままは出られず駐車券の提出を求められるので注意。


看護師さんたちが花柄のエプロンをつけ、指をヨード消毒していたのが印象的。採血ベッド(イス?)には靴を履いたまま(熊谷や川越もそうだったような気がするが定かではない)。休憩室の自販機でファンタメロンというものを体験。

灰色の水をたたえた湖。対岸には住宅が見える。 レイクタウンとご大層な名前だけれど、その「湖」はこれ。もっとも晴天であれば見栄えも良かったかもしれない。おそらく元は農業用溜池。
「歩行者は青信号2回でわたってください(=1回で渡り切ろうとするな、中央分離帯で1回待て)」と国土交通省からの指示 周辺道路は車線が多くて幅広いため、歩行者にはやや厳しい。

検査結果



夏に悪化した肝機能値は徐々に回復している
献血をすると生化学検査と血球計数検査の結果が送られてくる。脈拍はいつも高めだが血圧は医者に誉められるほど。問題は肝機能値で、特にALTは高すぎて献血を断られたこともあった。それが秋以降順調に低下(10月25日に前後不覚になるほど飲んだのだが、値は低下)。γGTPはまだ基準値超だが、これも順調に低下。しかし年末年始の暴飲がどう出るか...



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献血ルーム巡り3(栃木県・うつのみや大通り献血ルーム)

なかなか仕事が決まらないため、暇つぶしと社会貢献を兼ねて始めた献血ルーム巡り。次は栃木県制覇を目指す。

うつのみや大通り献血ルーム


山梨県コンプリートから2週間を過ぎた12月下旬、今度は栃木県のうつのみや大通り献血ルームへ出かけた。またしても乗用車。そしてこちらは12時から昼休みに入るのに、渋滞に捕まったり道を間違えたりしているうちにタイムアウト。予定を変更して食事と給油を先行(なぜか給油しようと思うとGSが見当たらなくなり、おかげで時間調整には困らなかった)。14時少し前に立体駐車場に車を入れて通用口から入って受け付けへ。

表通りに面した入り口
表通りに面した入り口は分かりやすい。

表通りに出された「旅人献血大歓迎」の看板「旅人献血」なる看板が出ていて、県外からの献血者を歓迎していた(栃木県民は献血をしないのか、なんていう人もいるけど、キャンペーンで県外から人を呼び込めれば地元でお金を落としていく経済効果も期待できるから悪いアイデアではないと思う)
「いちごけんけつちゃん」クリアファイル。裏には関東甲信越のご当地けんけつちゃんが勢揃いこれが記念品の一つ「いちごけんけつちゃん」クリアファイル。裏には関東甲信越のご当地けんけつちゃんが勢揃いしている。
バスケットボールチームTochigi Brexなどスポーツ選手の写真を配した「栃木プロスポーツメモ用紙」もうひとつの記念品は4種類のメモパッドがセットになった「栃木プロスポーツメモ用紙」。TOCHIGI BREX(バスケ)、宇都宮BLITZEN(自転車)、ICE BUCKS(アイスホッケー)、TSC(サッカー)と、すみません、全部知りませんでした。

さて、受け付けが終わると、腕に紙のタグ。通し番号(?)が振られていて26。無線の呼び出し機ではなく館内放送で呼び出されるのはレトロな雰囲気。待合室兼休憩室のインターネットコーナーに血圧の自動測定器はあったけれど、これは利用者サービスらしく、プリント出力はなし。血圧は問診医が測定。そしてここでも1年以内の予防接種で悩まれる(話が前後してしまうが、この後アップする熊谷駅献血ルーム参照)。 採血イスは11台あり、うち2台は全血専用の模様。ここも靴を履いたまま。靴を履いたままでタオルを掛けられるとレッグクロス運動はしにくいのよね(そういばレッグクロス運動の案内はなかった)。テレビはいつも見ないのでさっさと消したが、ここのモニタは少し大きく(13インチ)て、それは自慢の一つみたい。 終了少し前には看護師さんが注文を聞いて飲み物を持ってきてくれた。これは初めての体験。また、あのぶっとい採血針を(よそでは「抜きます」と宣言してから慎重に抜くのに)アッという間もなく抜かれたのにも驚いた。

県外からの初献血ということなので、終わると上記の記念品を渡されるとともにアンケートを依頼された。汚い字でごちゃごちゃ書いたことを反省し、後でツイッターアカウント宛に清書したものを送った。

きっかけ:その他(献血ルーム巡りの一環)
意見・要望:表通りに面していて入りやすい造りだと思います(ビルの上階というルームも多い)。
できれば昼休みなしでお願いしたい(12時に間に合わず時間調整することに)。
モニタにTwitterアカウントが貼ってあったが、携帯を切っていては控えられない。
いろいろな献血ルームを巡っていると、微妙な差があって面白い。スタッフの皆さんもプライベートで他県のルームに行ってみては?(実行済みでしたら失礼)。

昼休みを取るなとかブラックな要求に見えるけれど、実際ノンストップでできているルームもあるわけで...とはいえ複数の問診医をそろえる必要があるなどハードルは低くない。ひっきりなしに来るならともかく午後になっても献血者が2名という状況では人員増強は困難か。もっとも私が行った日は1時間のうちに10人も来る盛況ぶりだったが。

宇都宮でお買い物


終わってから近所に書店はないかと尋ねると、ドン・キホーテの上階か宇都宮パルコの8階にあるという。ドンキは見つけられなかったので(後で地図を見たら、パルコより遠くにあった)、パルコにある紀伊國屋書店へ行き『知ろうとすること。』と『水危機 ほんとうの話』を購入。20日に会った知人(2児の母)が、放射能のことを気にしているのに福島県の乳幼児をホールボディーカウンターで精密に測定しても汚染は見出されないことをご存じないことに危機感を覚えて献本を決意(『水危機』は自分用)。あれば『いちから聞きたい放射線のほんとう』も買いたかったが、駐車場の時間(献血ルームでくれた駐車サービス券は余裕が30分ほど)が気になってじっくりと探せず(自動車をパルコの駐車場に移していれば、ゆっくりと探すことができた...と気付いたのはレジで「駐車券はご入用ですか?」と聞かれて)。ともあれ、昼食をけちって地域経済にあまり貢献しなかった埋め合わせは完了。次回、栃木県血液センターに行けば栃木県はコンプリート!


(珍しく年内に投函した年賀状に「12月26日の宇都宮遠征から無事帰還できているならば元日にはブログ(http://ow.ly/GpQMq)が更新されて近況とか新年の抱負みたいなことが書かれていることでしょう。」と書いて、無事帰ってきたものの抱負は未だ用意できず。どうする?!)

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献血ルーム巡り2(山梨県・甲府献血ルーム)

なかなか仕事が決まらないため、暇つぶしと社会貢献を兼ねて献血ルーム巡りを始めることにした。すでに記念品を頂戴するほど回数を重ねてはいたが、少数の〈馴染みの店〉に固まる傾向があった。見聞を広めよう。そして、どうせやるなら全部を〈制覇〉しようという趣旨。

甲府献血ルームGrape


山梨県には献血ルームが1か所にしかない。というわけで遠征を決意したのが11月。ちなみに山梨県赤十字血液センターは服薬についての細かい注意を公開している。これは全国共通と思われるが、なぜかよそでは見つからない(日本赤十字のサイトでさえ「薬の種類によって献血をご遠慮いただくことがあります」と一般論)。そしてそこには目薬など局所投与の薬物は当日使用していても構わないと書いてあったが、「外用薬については、服用当日献血をお願いできない場合もありますので、血液センターまでお問い合わせください」と注があったので、以前ステロイド入り目薬を理由に断られたことも思い出し、電話をかけてみた。すると私が使っている外用薬は、当日塗布しても全血献血ならば構わないが、成分献血の場合は72時間あけてほしい、と。それでリスケジュール。

さて12月の上旬に甲府まで出かけた。常識的に考えれば列車を使うべきなのだが、いろいろあって乗用車を運転して行った。

ビル前の通りに街灯と同じ高さに掲げられた甲府献血ルームの標識ココリの前には大きく看板。
実はこの看板を見つけたのは終わって出てきてから。ちなみにこの通りは一方通行。緑の看板がココリの駐車場だが、事前に見つけることができなかったため手前の提携駐車場に入れ、徒歩で来て建物の反対側から入ったのは内緒だ。

献血ルームの入り口はガラス張り。人の背丈ほどのクリスマスツリーやポスターが飾られている。2階へ行くと早くもクリスマスモードの献血ルーム。12年9月に移転したとあって、真新しい感じの明るいルームであった。型通りの手続きを終えると問診。血圧が高く出て女医さんに不審がられる(とっさに「先生がお美しいから」なんて言うほどの度胸はない)。駐車場であたふたしたせいだろうと説明して再測定で合格。

採血室には写真撮影お断りと大きな掲示。中の様子を知りたい方は公式ページの写真をご覧ください。採血イスへは靴を履いたまま。

休憩室の書棚には『キャン・ユー・スピーク甲州弁?』『女性の品格』などと並んで近藤誠の『がん放置療法のすすめ』が! 休憩室もゆったりとした造りで、雑誌や書籍も豊富なのだが... なんと近藤誠の著書『がん放置療法のすすめ』が置いてあった。日本赤十字はこれを推奨するのだろうか? と頭に血が登りかけたが職員を問い詰める気力が湧かなかったし、万が一「何がいけないんですか?」とか「お読みになっての批判ですか?」と反論されたら脳出血してしまいそうなので黙って退出(ちなみにある放射線科医は「近藤某は持続的に恐らく数百万以上に働きかけて、私ですら死者を複数知ってますからね。直接的には2人。」「私は仮に他のあらゆるものを一切罵らなくなったとしてもあいつだけは最大限の罵倒語で罵りますよ。」とお怒り)。山梨県赤十字か日本赤十字にメールを送ろうと思いつつも手付かずのまま。
記念品のクリーナー付きストラップ(胴体がブドウの房になっているご当地けんけつちゃん)の絵柄入りにこやかに記念品を受け取り、籤を引いて帰った献血者の中には、こういう陰険なのもいるということで。
Imgp0102 「平日限定年末お楽しみ抽選」(PDF)で当たったトートバック。今まで赤十字からいただいたもの(タオルとかエマジェンシーアルミブランケットとか)を詰め合わせて非常持出袋にした。

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献血ルーム巡り

学生の時に始めた献血は、途中にブランク期間を挟みながらも70回を超えた。男性の場合は69歳まで供血可能だけれど、疾病その他で欠格者となる事態も十分にあり得る。あと何回協力できるだろうかと考えたら「いつも同じ献血ルームで良いのか?」という疑問が湧いた。思い返せば、飯屋飲み屋も固定しがちな〈定住民族〉。これではいけない、生き方を変えよう(大袈裟な)。そこで一念発起した「全国献血ルーム巡り!」。


とはいえ、さすがに飛行機で遠出するほどの余裕はないので、近県から攻略すべく計画を立ててみた。


期間制限・年間制限


献血には全血(200mL/400mL)と成分(血漿/血小板)とがある。日赤サイトにある献血基準によれば、成分献血をしたら次は2週後以降という期間の制限がある。また血小板成分献血1回を2回と数えて、血漿成分献血と合計で年間24回までという年間の制限もある。つまり血小板献血だけなら年に12回(月1ペース)、血漿だけなら24回(2週に1回で続けると12か月目に制限)。400mL献血だと年に3回しかできないのとは大違いである。


ちなみに輸血を受ける側からしても、全血ならば400mLずつ少人数から提供された血液の方が安全であり、それよりも必要な成分を選択して投与される方がなお副作用が少ないという利点がある。実際、献血ルームではほとんど毎回「成分でお願いできますか」と聞かれる。


東京都と埼玉県は攻略途上


行動エリアの都合で、今までは東京都内の献血ルームに行くことが多かった。ところが15か所もある! そのうち足を運んだことがあるのは4か所(移転その他でなくなってしまった所を除く)。これはコンプリートに時間がかかりそう。いずれも交通至便なので後半に回そう。


埼玉県は7か所ある。既に行ったことのあるルームもあり、残りは半年もあれば攻略可能。そこで9月に下久保ダムのフラッシュ放流を見に行った帰りに熊谷駅献血ルームに寄って作戦の第一歩を記す。ところが鴻巣献血ルームは全血しか扱っていない。400mL提供したら3か月お休みだから、これも後に取っておこう(海外旅行など一時的な不適格になる直前に行くのが合理的か)。というわけで埼玉県も後回し。


千葉県は6か所で、しかもいずれも東京寄りで攻めやすそう。一方、神奈川県は9か所(2015年1月オープンを含む)と数が多い。とはいえ横浜市に半分が集まっている(横浜市と言っても広いけれど、横浜駅周辺でないのは旭区にある二俣川献血ルームだけ)


ここで北関東三県に目を向けると茨城3か所、群馬3か所、栃木2か所と、その気になればそれぞれ1か月でコンプリート可能ではないか。だが、もっと容易な県があった。それは山梨県。山梨県には献血ルームが1か所にしかないのだ。かくして献血ルーム県内制覇の第一目標は山梨県と決まった。




ココログではトラックバックを送れなくなった馬鹿りか、それまで送られてきたトラックバック一覧も消されてしまった。そこで献血ルーム巡りのエントリー一覧を作成。また投稿していない2か所もリストアップ。(2020年1月4日追加)



  1. 山梨県・甲府献血ルーム

  2. 栃木県・うつのみや大通り献血ルーム

  3. 埼玉県・熊谷/川越/越谷

  4. 栃木県・栃木県赤十字血液センター

  5. 茨城県・水戸献血ルーム

  6. 茨城県・つくば献血ルーム

  7. 茨城県・日立献血ルーム「さくら」

  8. 番外編:献血ルームMEET

  9. 福島県・いわき出張所

  10. 福島県・福島県赤十字血液センター

  11. 福島県・赤十字血液センター会津出張所

  12. 福島県・郡山駅献血ルーム

  13. 埼玉県・鴻巣献血ルーム

  14. 埼玉県・大宮献血ルーム

  15. 群馬県・太田献血ルーム

  16. 群馬県・高崎駅献血ルーム

  17. 群馬県・前橋献血ルーム

  18. 静岡県・柿田川献血ルーム

  19. 静岡県・献血ルームあおば

  20. 長野県・長野献血ルーム

  21. 静岡県・献血ルームみゅうず

  22. 長野県・赤十字血液センター諏訪出張所

  23. 静岡県・赤十字血液センター浜松事業所

  24. 長野県・松本献血ルーム

  25. 岩手県・もりおか献血ルームメルシー

  26. 神奈川県・横浜Leaf献血ルーム

  27. 千葉県・松戸献血ルームPure

  28. 宮城県・献血ルームアエル20

  29. 神奈川県・横浜駅東口 クロスポート献血ルーム

  30. 神奈川県・かわさきルフロン献血ルーム

  31. 新潟県・献血ルーム千秋

  32. 京都府・献血ルーム京都駅前

  33. 千葉県・献血ルームフェイス

  34. 宮城県・杜の都献血ルームAOBA

  35. 献血ルーム巡り35-39(石川県・山形県・千葉県・埼玉県)

  36. 千葉県:モノレールちば駅献血ルーム

  37. 東京都:akiba:F献血ルーム

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2014/12/16

「放射能ってなに」批判

youtubeに「セミナー: 放射能ってなに?」という動画がある。北海道で高校教師が開いている一連の原発出前授業の一つで、2012年の12月に開かれたものの記録。その内容があまりにお粗末ではないかという批判があり、枚挙しようとした人が「あまりの膨大さに整理がつかなくなってしまいました」とSOS。観てみると、70分ほどの動画で「膨大というほどのことはないのでは?」と思ったのが大間違い、「口を開けば間違い」が大袈裟でなく思えるほど問題発言が多い。そこで逐一指摘することを試みた。

実は放射能のことはあまり語っていない


この講師、本業は社会科の教師で、自分が理解したことを非専門家に共有したいというその志は買いたい。ところがどうもじっくりと勉強はせず、知識のつまみ食いをしてしまった模様。バックグラウンドがないためであろう、知識を総合することができていない。

それでも同僚教師(理科)からの意見等もある程度取り入れており、開き直った群馬の教師(同僚に質問すれば確認できるような間違いをいつまでも言い続ける不思議な人)ほど凝り固まってはいないようだ。

そのためか、前半でチェックの入った点が後半では正しく語られているようなこともあり、誤りとしてまとめるのに苦慮する。当初、逐次ツイートで済まそうとしたものを、こうしてエントリーにまとめたのもそのせい。

さて、全体を聞き終わった感想を3つに纏めると、
1)肝心の「放射能ってなに」についてはあまり語られていない
2)理化学的な誤りもさることながら、さまざまな事実認識の誤りが目立つ
3)受け狙いが滑っているためばかりでなく、軽薄・無責任という印象をうける

では、順を追って指摘してみよう。なお、タグを付与して整理を試みたが、うまくいっていない。また諸単位を仮名書きしたり記号にしたりと不統一で面目ない。


ここが変だよ、出前授業


行頭の数字は開始からの時間。たとえば0706は開始後7分6秒の映像(厳密ではない)


0655 「日本は地震大国で津波大国」
【原発事故】女川原発、福島第二原発、東海第二原発は津波に耐えている(改善の余地はあるとは言え「日本に原発は不向き」は短絡的)

そもそも原発が海岸近くに作られている理由を理解していないのではないか。だから世間ではしばしば原発を象徴させるのに巨大な冷却塔を使ってしまう。あれは大陸の川沿いに作られた原発に必要な設備で、日本の原発にはない。

0815 「ものすごい量の放射能が今もフクイチからは漏れている」
【要確認】「今」とは2012年12月。異常な量の放射性物質は放出されていないのではないか? 核反応は止まっているから、気体状の放射性物質はとっくの昔に飛んでしまい、今残っているのは不揮発性(固体)のもので、塵埃として舞うことはあっても「どんどん漏れている」というのは疑問。汚染冷却水の話と混同しているのか?

0945 「石油石炭を燃やす、天然ガスを燃やす」
【重箱の隅】火力発電の燃料を挙げるのに「石油石炭天然ガス」という語順からして、ひょっとして火発の主流は石油だと思っているのかも。石油ショック(73年および79年)を受けて石油を燃やす火発は新設されず、火力の燃料は石炭と天然ガスが主力になっている。1960年代に義務教育を受けている人は「石油を燃やす火力発電が電力の柱」という知識がアップデートされないままになっている可能性がある(当然、原子力発電の比率もご存じないだろう)

1102 「核分裂で何千度」
【大袈裟】原爆ならば正しいが、原発の場合、そこまで温度は上げない(沸騰水型で約300℃)。と思ったらペレットの中心は千数百度に達するらしい。しかし何千度ということはない。この先生は全般的に数字が大雑把な上にスケール(桁の感覚)がおかしい。

1214 「原爆と原発は基本的には同じ」
【こじつけ】これが通るならば、「焼夷弾と火力発電は基本的には同じ」「100メートル走とマラソンは基本的には同じ」「フーリガンとサポーターは基本的に同じ」も通ってしまう。

核分裂エネルギーを利用するのは同じだが、原子炉用核燃料を使って核爆発を起こすことはできない。だからこそ核兵器の拡散を心配することなくUSAは原子力発電を広めてきた米朝枠組み合意では北朝鮮に対してさえ提供しようとした)。「濃縮すれば可能」という理屈に従えば市販の風邪薬も麻薬や覚醒剤として取り締まらなければならなくなる(運動選手が試合前に服用するとドーピングを疑われ失格することがあるけれど、所持までは規制されない)。ちなみに風邪薬からの麻薬成分抽出よりも、核燃料から兵器級核物質を濃縮する方がずっとずっとずっと困難。

1258 「なぜ核発電としなかったのか」
【こじつけ】「原子爆弾」に「原子力発電」と言っている。確かに「核」を忌避する傾向は世間にあった(NMRをMRIと言い換えたなど)ものの、核兵器のイメージを隠すために原子力発電と呼んだというのは牽強付会であろう。音では「ゲンパツ」の方がよほど「ゲンバク」に近い(立地では「ゲンデン」と呼んでいるという話もあるが)。ちなみに英語でもatomic power plantという言葉はある模様。

[補]この出前授業の4か月ほど前に「核と原子力の使い分けは云々」と主張した元新聞記者がいたが、「それは無意味」と窘められていた。水爆が開発されて、ひとまとめにする用語が必要になったとき、日本語では原水爆という便利な言葉で対応できたが、英語ではnuclear bombとなったのだろうというはなるほどと思わせる。

1500 「もっと小さい単位はあります。分子陽子中性子」
【言い間違い?】分子は原子の集まった物(単原子分子を除く)で「もっと小さい」ということはない。「電子」の聞き間違いではないかとなんども聞き返してしまった。
なお、「物の最小単位」は分子の方が適切であろう。「水の分子」「砂糖の分子」「ケラチンの分子」はあっても「水の原子」は存在しない。続く発言からも原子と分子、原子と元素といった基本的な概念を理解していない疑いがある。

1510 「百なん種類の原子」
【物理化学】原子と元素の区別が付いていない。同位元素は元素としては同一だが、原子としては別種。たとえばセシウム134の原子はセシウム137の原子と異なる。原子の種類はゆうに3000種類を超える。

1558 「このワンピースを組み合わせていろんなものができる」
【物理化学】原子の説明としてレゴブロックのワンピースを挙げている。どうも分子という概念が欠落している疑い。

1610 「百なん種類ある原子の中に割れる原子ってのもあるんです、20種類くらい」「われわれを作っている原子は割れない原子」
【物理化学】「割れる」というのを核分裂に限定しても、鉄より重い元素(生体元素でいえば銅、亜鉛)は核分裂するので、20という数も生体構成元素は割れないというのも誤り。

1645 「ピカッと光ってますよね。これがいわゆるピカドンのピカなんです」
【物理化学】原子核が分裂する図を指しての説明だが、一個の原子核の分裂で光は出ない。これは詳しい説明が必要かなぁ? 面倒臭いなぁ。

1713 「核分裂生成物、中に閉じ込められていたものがパーンと出てくる」
【不適切な比喩】原子核が割れると、その破片はそれぞれ新しい原子核になるということを理解していない疑い。ウラン原子の中にセシウム原子やヨウ素原子が閉じ込められていたわけではない。

1805 「一瞬にやる」
【不適切な比喩】原爆に限定しない核分裂の連鎖反応の説明だが、2つおかしい。まず臨界量でなければ連鎖反応は途中で自然終息する。そうでなければ原爆は組み立てた途端に爆発してしまう。次に原子炉の中での核分裂の連鎖(臨界状態)は長く持続する。個々の反応はたしかに一瞬で起きるが、中性子の数と速度を調整することで全体としてはじわじわ進む。核爆発、すなわちまとまった量の核物質を一瞬に核分裂させるのと混同してはいけない。1830付近で原子炉は別と説明しているのに、原発と原爆は同じと錯覚させることを狙っていないか?

連鎖反応が持続しにくいのは、核分裂で飛び出した中性子が速過ぎるため。そのため原子炉では減速材というものを用い、原爆では中性子が飛んでいった先にもウラン235(またはプルトニウム239)原子があるような高密度状態で連鎖反応を維持する。

1825 「1個のピカは小さいけれど、これが何億何千とバーンと割れると」
【数量感】核爆発の説明なのだが、原子の数を論じるときのスケール感がおかしい。広島に落とされたリトルボーイで核分裂したウランの量は約1kgと推定されているが、これは約4モルである。つまり24×1023個の原子(核)が分裂した。これを命数法で表すなら「千垓」である(垓は万京であり京は万兆そして兆は万億である)。億の単位で考えることがいかに桁がずれているか分かるだろう。これは巨大タンカーの輸送量を油滴の数で考えるのよりもズレている(油滴はミリグラムの単位なので十万トンでも乖離はたったの百兆)。この数量感の欠落はベクレルを論じるときに致命的となる。

1832 「(原子炉では)これをゆっくりやるんです。減速材というのを間に入れて」

[補]【物理化学】減速材は核反応をゆっくりと進めるためのものではない。核分裂で発生した中性子の速度を落とすものだし、そもそもそれは核反応を持続させるため。JCO臨界事故では減速材の役割を果たしていた冷却水を抜くことで沈殿槽内で起きていた核分裂の連鎖反応を終息させている。一方、原子炉の中には減速材を用いない高速炉というものも存在する(高速中性子を使うから高速炉)

数秒後の「1個ぶつけて1個出す」に目を奪われて、18日の改稿まで気付かなかった。校正の実務においては「間違いを見つけて赤字を入れたら、その前後で見落としをしやすい」と言われているが、まさかこうまで集中してデタラメを垂れ流されているとは思わなかった。

1840 「1個ぶつけて1個出す」
【物理化学】減速材の働きは中性子の速度を落として原子核に吸収されやすくすること。核分裂で出てくる中性子の数を減らすわけではない。比喩ばかり読んで原理で考えないとこうなるのではないかと言いたくなる。

[補]「原子炉では核反応をゆっくり進めるために減速材を入れている」という間違いを発見したので、そちらに説明を追加した。なお、原子炉で中性子の数を抑制するのは制御棒。

1849 「制御しないで一気にやると原爆」
【こじつけ】原子炉では制御棒を抜いて出力全開にしても爆発などせず、連鎖反応は全体として〈ゆっくり〉と進む。そもそも核燃料の密度が違うことを理解していないのか?

1855 「チェルノブイリ原発事故は原爆と同じことが」
【こじつけ】チェルノブイリ事故では爆発は起きたが、それはいわゆる核爆発ではない。

[補]読み直していて気付いたが、原子力過剰忌避派の皆さんは、どうも核爆発というものの威力を誤解(強い言葉を使えば「舐めきっている」)のではないだろうか。3号機の爆発は核爆発ではないかという主張もそう(そもそも爆発が起きた際、異常な中性子線・ガンマ線は検出されていない。「核兵器は恐い」という割には不思議な現象である。恐れる対象のことを正しく理解せずに身を守ることができるだろうか。

1911 「すべての原発は原爆のようになる可能性がある」
【こじつけ】可能性はない。ウラン燃料はウラン濃度が低すぎる(爆発するには235Uが最低70%は必要と言われるが原子炉用燃料では4%以下)。またプルトニウムを核爆発させるには高度な爆縮技術(国家として核兵器開発に取り組んでいるイランは製造に費用はかかるが爆縮不要のウラン原爆を選択した)が必要。

1930 「これが世に言われる放射能」
【物理化学】放射能と放射性物質の混同。核分裂生成物は「世に言われる死の灰」。生成物は文字通り作られたものであり「ウランの中に閉じ込められていた」訳ではない。

1950 「放射能は他のものからは出てこない」
【物理化学】核分裂生成物が出てくるのは原発と原爆だが、「放射能」と言った以上は天然の放射性元素、たとえば炭素14やカリウム40を忘れてもらっては困るし、空からは宇宙線が降ってきている。概念が混乱していると言わざるをえない。

2054 「放射性物質はウランの原子核の中に閉じ込められていた粒粒(つぶつぶ)なんです」
【不適切な比喩】放射性物質も量が多くなれば眼に見えるようになる。どうも割れた原子核の破片がそのまま新しい原子核になるということが分かっていない? そもそもウラン自体が放射性物質なのだが(誤解が無いように書いておくと、その放射能は別に〈閉じ込められていた〉セシウムやヨウ素に由来するわけではない)

2136 「1秒間に1本の線を出すのが1ベクレル」
【物理化学】1ベクレルの定義は「1秒間に1個の原子核崩壊が起きる」(1個の核崩壊から放射線を2本だす場合もある)なので間違い。聞き齧りにありがちな、基礎的な用語の自己流解釈。教師の使命はこのような一知半解を矯正することではないのか。

2200 スライド「1秒間に100本の放射線=100ベクレル」
【重箱の隅】ベクレルの自己流解釈で間違い(だけど、実際には1秒換算で100本のγ線があったら100ベクレルとするだろうから「重箱の隅つつき的指摘」に格下げ)

2232 「福島産の桃があって100ベクレル」
【基準】基準値の「ベクレル」とはBq/kgである。桃の実は大きめのもので300グラム程度。これも単位を自己流に解釈し大袈裟に反応している。

2234 「100本も出たら恐い」
【放射線防護】100ベクレルだから1秒間に100本の放射線が出ている、と大袈裟に怖がっているが、全方向に対して100本である(平面の場合は「360度」というけれど、立体空間の場合はなんというのだろう?)。さらに距離の二乗に比例してヒットする放射線は減る。さらに後述するように、一本の放射線が生体に及ぼす影響はとても小さい。100Bq/kgの桃は外部被曝線源としてはもちろん、内部被曝線源としても到底心配する必要のない(ただし、毎日毎日10kgを1年間も食べ続ければ健康に影響が出かねない...肥満とか)物。

2335 「100以下でも(数値を)書いてくれれば」
【基準】基準値の意味も測定の実際も知らないようだ。1年間食べ続けても1mSvに達しないように定められたのが基準値。ちなみにチェルノブイリ事故後、汚染された輸入食材を弾くための基準は370Bq/kgだった(輸入食材ばかり食べはしないから)。また同じサンプルでもくり返し測ると値は変動する(放射能が弱い場合は特に)。だから現場では「百をぎりぎり下回ったからOK」みたいに杜撰なことはしていない。さらにいえば(この講演のあった2012年末でどうであったかは不明だが)検体の多くは検出限界以下であった(たとえば2012年8月の検査結果(PDF)を見ると、福島市のモモから5Bq/kg検出されているが、郡山市のモモは検出限界下(<3.1)である)。99の物が混じっているかのようにいうのは下劣な印象操作...と言いたいところだが、確かめもせず口から出任せで言ったのならばただの愚劣

2417 「つかむこともできない」
【重箱の隅】新生児ができる数少ない行動のひとつが「つかむ」(把握反射)。

2450 「放射性物質の能力は生まれた時がピーク」
【物理化学】放射線と放射性物質と放射能を区別しなさいと同僚の理科教師にツッコミを受けたとのことで「放射性物質の能力」という言い方をしているが、なるほどベクレルは時間経過と共に小さくなっていく。しかし一つ一つの原子核から出てくる放射線の強さは終始不変である。その数が減っているということを理解していないようだ。繰り返し「放射性物質は粒粒」と言っているのに、放射性物質の原子と言わないところからして、1個のセシウム137原子は放射線を出してバリウム137に変わったらそれでおしまい(もう放射線は出さない=放射能はなくなるということも理解していないのではないだろうか。

2628 「セシウムは半分になるのに30年もかかる」
【重箱の隅】セシウム134(半減期2年)とセシウム137(半減期30年)を区別していない。

2644 「広島も長崎も50年60年経って人住んでんじゃん」
【放射線防護】高校生の疑問として引用しているが、広島市も長崎市も被爆直後から継続して人は住んでいる。50年経って戻ってきたわけではない。そして当時「75年は草木も生えぬ」とまことしやかに噂され、放射能の害に無知だったわけではない(75年云々自体は誤った知識ではあるが)

2710 「数万トンです」
【数量感】核燃料の量と核分裂生成物の量を混同、と思ったがウランの量は一基当たり69-94トンなので、まったくのデタラメ

2719 「広島長崎の何十倍何百倍という量があそこに」
【数量感】広島の場合、核分裂したウランの量は手で持てるくらい(推定1kg)と言っていた。その千倍が「数万トン」? 確かに原爆の核物質はキログラム単位で、原発はトン単位である(4基合計しても400トン未満)が原子炉の核分裂生成物の大半は格納容器内(4号機では燃料プール内)にとどまっていると考えられる(建屋内がすぐに死んでしまうような高線量だと嬉々として語っているが、それこそ全部が外に出たわけではない証拠)。いかにこの社会科教師の数量の感覚がおかしいかが分かる。

2736 「福島はまだやっている」
【原発事故】1Fの核分裂はとっくの昔に止まっている。3月11日、地震と同時に制御棒が入って核反応は停止。この人は何を言っているのだ。しかも広島と長崎の核被害は大したことないとでも言いたげである。

[補]福島の被害を強調するために広島・長崎の被害を軽視するような倒錯は実に唾棄すべきことである。一方で、福島の被害を過剰に言い立てる勢力に対抗するため、そして希望を持ってもらいたいがために、つい「汚染は大したことはない」みたいな論調に自分が陥りがちなことには注意している。避難を余儀なくされている方がここを読んで、もし不快に思われたなら、とても申し訳なく思う。


腹が立ってきたのでさっさと進めよう。

2758 「プルトニウムは半分になるのに24,000年」
【放射線防護】半減期の長さがそのまま放射性物質の恐ろしさならばウラン235は7億年、238は44億年と上には上がある。ウラン238は劣化ウラン弾として剥き出しで戦車に積み込まれている。ビスマス209は半減期が (1.9 ± 0.2)×1019年(≒ 1700京〜2100京年)と極めて長いが、あまりにも長い(=重量当たりの放射能が弱い)ために放射能を持たないと思われてきたほど。半減期が長いから恐いわけではない。

2852 「放射性物質、粒粒には」
【不適切な比喩】放射性物質も放射能を持つということを除けば普通の物質と同じということを理解していないようだ。しきりに「粒粒」と言うが、原子と言わないところを見ると(「ウランの中に閉じ込められている」と合わせて考えると)PM2.5のような微粒子と思っている節もある。なお放射性の貴ガス(ラドンやキセノン)は常温では文字通り気体であり粒粒とは言えない(ガスも原子レベルでは確かに「粒粒」ではあるが、そういうレベルの粒粒ではないように思う)

2912 「放射線は粒粒」
【重箱の隅】ガンマ線やエックス線も光子ではあるけれど、あれは電磁波の一種であり、粒子放射線の中には含めないのが一般的だろう(wikipediaには「含むという説もある」と書かれているが)

3106 「放射線は身体を突き抜ける」
【放射線防護】エックス線を例にしてきた勢いで踏み越したのかもしれないが、代表的な放射線の中でもα線とβ線は身体を突き抜けない。というか、後段で本人も「α線β線は紙1枚で遮っちゃう」と言っている(ご丁寧なことにβ線の透過力を間違えている)

3212 「私はピストルと弾丸という喩えを使っている」
【不適切な比喩】放射線は弾丸で、突き抜けるから恐いと説明しているが、テニスボールと弾丸の違いは運動エネルギー。また防護三原則「遮蔽・距離・時間」に照らして、1km先から撃ったピストルの弾なら当たっても「いてぇなぁ」で済む。

3250 「放射線も身体を突き抜けるんです、ピストルの弾のように」
【不適切な比喩】突き抜けた放射線は無害。有害なのはエネルギーを渡してしまい、突き抜けない放射線。

3257 「(放射線の)当たり所が悪ければ命に関わる」
【数量感】放射線は原子より小さいから突き抜けるのではなかったか(この後3456で「細胞遺伝子の間をすり抜ける」と説明)。大きな弾丸と異なり、放射線は突き抜ける際に組織も遺伝子も破壊しない(破壊するのは吸収された放射線)。そして放射線の粒子サイズ(10-15m)と細胞のサイズ(10-5m)を比較すれば、実に百億分の一であるから、一本の放射線の破壊力も推して知るべし。

[補]これが納得できない人は痛くない注射針のことを調べてほしい。

3410 「遺伝子情報」
【重箱の隅】 この場合は遺伝情報で良いと思う。「遺伝子情報」といったら、「遺伝子に関する情報」であって、「遺伝子に書きこまれている情報」ではない。またその情報を担っているのは〈レール〉の方であって〈枕木〉ではない。

3449 「電子遺伝子の間を通り抜ける」
【言い間違い?】遺伝子の構造が分かっていない? 遺伝子は一塊の単位。またヌクレオチドは遺伝子ではない。

3535 「全く同じ遺伝子情報が入っているそうです」
【重箱の隅】DNAの二重鎖は互いに相補鎖なので情報は異なる(し、相補鎖は遺伝情報を持たない場合も)

3640 「なんでかっていうと遺伝子がちゃんと記憶しているから」
【重箱の隅】傷が治るのはDNAの「バックアップデータ」とは無関係。傷が治るのは遺伝子の修復ではなくて細胞の複製。この人は切り傷や火傷が遺伝子レベルの損傷だと思っているのか?

3654 「1ベクレルはいいけれど100ベクレル以上はダメ」
【放射線防護】ベクレルとシーベルトを混同している可能性。100Bq/kgは、1年間食べ続けることを前提。「100本の放射線に当たる」から規制している訳ではない。

[補]なお、散々言われていることではあるが、人体は自然放射能を6000ベクレル前後もっており、毎秒数千発の放射線を内部被曝している。それが自然発がんの原因の一つかもしれないが、6000ベクレルが一時的に6100ベクレル(当該の農産物を1kg食べた場合)になったとして、どれくらい影響があるだろうか?

3712 「100本も飛んできたら避けようがない」
【放射線防護】ヒトの細胞は約37兆個あり、それは原子よりはるかに大きい(直径でおよそ一万倍。遺伝子に当たる確率はかなり低い上に、細胞には遺伝子の傷を治す能力がある。電離放射線ではないが紫外線も遺伝子を傷つける。普通に生活していると紫外線を浴びてDNAはズタズタになるが、それでも皮膚がんになる人はとても少ない(色素性乾皮症(XP)という、紫外線によるDNA損傷を修復する能力を欠く遺伝病があり、その患者は少し陽に当たってもひどい日焼けを起こし、皮膚がんになりやすい。それを見ると、いかにDNAの損傷と修復が頻繁に起きているかが理解できるだろう。)

3728 「何箇所も切られたら修復できない、失敗する」
【医学生物学】分裂を止めたG0期の細胞であれば、DNAを相当切られても修復できる。造血細胞や腸細胞あるいは毛根細胞が放射線に弱いのは分裂が盛んで修復が間に合わないことがあるから。それでも影響が出てくるのは実効線量で2Sv辺りから。なお修復が間に合わない場合は自爆プログラムが作動して細胞は静かに死んでいく(この細胞死を司る遺伝子が損傷を受けたような場合はがん化の恐れあり)

3735 「放射能の怖さは遺伝子を傷つける」
【医学生物学】紫外線も遺伝子を傷つける。そしてヒトはそれに適応進化してきた。また自然界には多くの変異原(遺伝子を傷つけ突然変異を誘発する物質でそれらの中には発がん性を持つものも多い)がある。微弱な放射線はそれらに比べて頭抜けて強力な遺伝子損傷作用があるわけではない(調べるのが億劫なので「微弱とはどれくらいか」とは突っ込まないでほしいが、目安として1Sv以下?)

3750 「壊れたままコピーされる」
【医学生物学】修復が間に合わない場合はプログラム細胞死によって排除される。修復や細胞死を司る遺伝子が傷つくと大変だが、さてあれは一つだったかな?

[補]遺伝子が傷ついたら、その細胞は必ずがんになるわけではない。一部の例外を除き、すべての細胞は同じ遺伝子を共有しているが、たとえば神経になった細胞では筋肉で発現する遺伝子は眠ったままなので、そこが傷ついても影響は小さい。また〈ただある〉だけで、一生読み取られることのないDNA領域(そもそも情報を担っていないかもしれないので遺伝子とは言いがたい)も多数存在するから、そこが傷ついてもおそらく無問題。生存に必要な重要な遺伝子が傷ついてしまった場合、その細胞はがんにもならず死んでいく。さらに遺伝子にはdominant/recessiveという性質がある(日本語訳は優性/劣性だが、誤解が多いので中国で使われているという顕性/潜性で覚えてほしい)。recessiveな遺伝子が壊されても影響は出てこない。遺伝への影響が心配と思った人は生殖細胞と体細胞の違いを勉強してほしい(それゆえ生殖器の被曝には要注意)

3848 「シーベルトは何本殴られたか」
【放射線防護】「どれだけ殴られたか」の単位はグレイ(Gy)。γ線の場合はGy=Svと考えて間違いはないが、α線の場合は1Gy=20Sv。パンチがズシンと響くのが(紙1枚で遮られる)α線。

4016 「一般人の年間被曝許容限度量は1ミリシーベルト以内」
【放射線防護】1mSvは一般人で許容される年間過剰被曝線量。つまり自然放射線はバックグラウンドとして除く。居住地によってバックグラウンド線量は異なり、たとえばブラジルのグァラパリの自然放射線量(年間0.9~28mGyで平均で5.5mGy)は福島市の線量(2014年12月13日のから算出した年間1.9mSv)より高いけれど、さらに+1mSvまで許容する余裕がある(γ線の場合はmGy=mSvと考えて良い)。これは奇妙に思われるかもしれないが、医療被曝のように被曝リスクを上回る利益がある場合は1mSvに束縛されないし、また職業被曝の限度は5年間に100mSv(特定の1年間に50mSv)である。つまり安全と危険の境界を示す絶対的な区分ではない。あくまで、公衆被曝の追加限度1mSvとは、普段の生活よりもリスクを高めるのはこれくらいまでという目安に過ぎない。なお、現在は緊急作業の場合、職業被曝は年間250mSv(5年間でも250mSv)に引き上げられている。

4045 「CTは気をつけてください」
【放射線防護】CTによる被曝量は確かに単純X線撮影よりも高い。ではなぜCTが許されているかに触れていない。また職業被曝が別であることも説明できていない。知識が本人の中で統合されていないようだ。

4340 「地上で計れよ」
【重箱の隅】高いところの方が広い範囲の放射線を拾うのだが。測定条件の統一ということに考えが及ばないらしい。

[補]もともと高所での測定は、核実験によるフォールアウトを測定する目的だったという。福島県内のモニタリングポストはおそらく高さ1mで統一されているだろう。この人達は測定器を直置きしてβ線込みで高い値が出ないと満足できないのだろうか。そうだとしたら検温のとき体温計をこすって「熱あり」にしようとした小学生並み。

4402 「裸ではいったら」
【放射線防護】いわゆる防護服に対する誤解。放射線を防ぐ機能はほとんどない(防げるのはα線くらいか)。タイベックの機能は放射性物質を身体に付着させないこと、そして外部に持ち出さないこと。放射線と放射性物質を混同して「放射能を防ぐ服」と思っていることからくる誤解。

4452 「作業時間は一人15分から30分くらしかできない、それ以上いたらヤバイ」
【放射線防護】作業現場においては計画線量の75%に達したら撤収するため時間的制限がきつい。計画線量は健康障害が起きるには程遠い線量(平常時は年間20mSvが目安)。これについては、たとえば『いちえふ』を読むことをおすすめする。

4536 「絶対に放射能は漏れませんと」
【こじつけ】JCO事故のあと絶対安全論は引っ込められている。でなければオフサイトセンターなんてものが建設されるわけがない。こういうのを藁人形論法という

4740 「福島です、北関東です。年間で20ミリシーベルト、100ミリシーベルトっていう汚染地帯が」
【要確認】北関東に年間100mSvの地帯があるか?

4756 「確実にがんにかかる確率が上がる」
【言い間違い?】意味不明。確実とは100%であって、0.5%上昇では確実ではない。

4950 「がんにならないんだって読んじゃう」
【重箱の隅】そんなふうに読むというのは邪推ではないか。これもいるかどうか分からない想定上の人物を持ち出して非難する藁人形論法。

5107 「95なら安全ですか」
【測定】基準値は安全側にマージンを取って設定されているし、測定現場では95なんて出ていない。

5250 「ブチッと切ったらアウト」
【医学生物学】「放射線によりDNAがブチッと切れたが修復が間に合わず、プログラム細胞死(アポトーシス)もすり抜け、その変異ががん化に関係し、細胞の異常増殖が免疫系の監視をすり抜けたらがんになる」が正しい。それも検診で早期に発見できれば治療される。

5300 「できるだけ低くすることが放射線の場合は大事」
【放射線防護】ではなぜ、子供も含めた一般公衆に年間1mSvの無意味な追加被曝を許容するのか? この単純化された議論では、意味がある場合(たとえばCTなどの医療被曝)はさらに被曝しても構わないとしているのも説明できない。

5320 「放射性物質そのものを身体の中に入れてしまうんですよ。すっごいちっちゃいんですよ。小さい粒粒、埃より小さいんです。」
【不適切な比喩】またしても「放射性物質は粒粒」。放出当初のプルームは雲とか霧とか言われて確かに小さな粒子だったが、ほどなくして不溶性のものは会合したり土壌粒子に吸着されたりして大きくなっている。

5331 「今も少し飛んできているかも」
【数量感】どの程度「少し」なのか。2012年末であっても観測網に引っかかるような量は飛んでいない。

5344 「雨降ったらドーンと上がる」
【物理化学】これはおそらくビスマス(「雨です・ビスマス・降ってます」)。11年の夏には(一部とは言え)一般にも知られていた現象。

5414 「α線β線は紙1枚で遮っちゃう」
【放射線防護】β線は紙1枚で遮蔽は無理。

5458 「雨といっても、空中に浮いているのが雨で当たったら染み込むかもしれない」
【放射線防護】飲まない限り雨水が体に染み込むことはない。「放射能雨に当たってハゲる」は外部被曝(の脅威を誇張したものであろう)

5610 「ヨウ素は甲状腺、だから甲状腺がんになるんですけど、ここ、リンパって言うんですか、ここに入っちゃう」
【重箱の隅】甲状腺とリンパ節は全く別物。

5622 「似ているんです、成分が」
【重箱の隅】ストロンチウムの成分って何?

5650 「われわれは細胞はどんどん死んでくだけです」
【重箱の隅】年寄りの細胞は増えないというのは間違い。たとえば年寄りでも垢が出るのは表皮の細胞が入れ替わっているから。

5700 「彼らはどんどん吸収しちゃう」
【放射線防護】子供は放射線に対する感受性が高いというのは正しい。一方で子供はセシウムをどんどん排出する。生物学的半減期は子供の方が短い。

5750 「チェルノブイリハートという映画は是非見てほしい」
【要確認】チェルノブイリハートの話はどこまで本当か。「この映画は、科学的な研究を目的としたものではありません」という批判もある。

5923 「もう永久に住めないかもしれません」
【大袈裟】何を根拠に「永久」というのか。

10040 「200km以上離れているのにかなりの高濃度地帯、これホットスポットというのですけれど」
【要確認】「かなりの高濃度」とは。ホットスポットと呼ばれるところは相対的には高濃度であるが、そこに居住した場合の被曝線量は?

10135 「やられちゃいました私たちも終わりです」
【大袈裟】プルームが来たからと言って安易に「終わり」と口走るような人間を信用してはいけない(しかも北海道である)。軽薄の極み。正座させて「終わっているか?」と問いつめたい。

10320 「福島のコメは安いから」
【要確認】学校給食に福島産米を使う理由として本当に教委がそう答えたのか?

10500 「もうすぐ原発はゆっくりと止まっていきます」
【重箱の隅】原発が1-2年に1度、運転を停めて定期検査に入ることを知らないようだ。しかも、この直前には大飯原発が再稼動している。

10534 「福島の放射能は何万年も残る」
【大袈裟】炉外に出てしまった放射性物質についてなら間違い。どこまで下がったら許容するかによるけれど、長くても数百年(十分に長いことは認めるけれど、万年に比べれば百分の一である)

10539 「子供たちは原発の電気の利益を享受しない」
【重箱の隅】それは原発を無駄に停めてるからだ、というのはさておき、化学資源としての石油・石炭を享受している(石油・石炭は燃料以外の使い道も大きい)

10555 「原発をゼロにして死ぬのが大人の責任」
【物理化学】原発をゼロにしても借金(放射能)は減らない。

10610 「今度の選挙は」
【重箱の隅】2012年総選挙の民意は卒原発を掲げた日本未来の党を否定(61議席→9議席)。

10649 「核廃棄物の行方とエネルギーの行方をしっかり考えること」
【こじつけ】いくら考えても既にある核廃棄物の放射能は自然減よりも減らすことは不可能(高速炉に入れて〈燃焼〉させると半減期が短くなるという研究はあるが)。そして安全に管理する方法があるなら原発を止める理由の一つはなくなる。

10656 「福島の子供たちをあそこから早く救って」
【大袈裟】「福島」とはどこか。広い福島県全域か? 

10708 「すでに甲状腺がんになったという子供」
【医学生物学】甲状腺がんが「発見された」が正しい。従来やられてこなかった検査をすれば自然発生のがんが発見されても不思議はない。またチェルノブイリ(事故後4年)より早く病気が出てくるとする根拠不明。

10712 「間違いないんじゃないか」
【重箱の隅】これは「たぶん絶対」並に矛盾している。口頭だからやむを得ないともいえるが。

10719 「福島の子供を北海道に疎開」
【大袈裟】ヨウ素による被曝は既に無くなっているから疎開は無意味。セシウムについては、ホールボディーカウンター(WBC)の結果を見ると、低レベルの汚染さえ子供からは見つかっていない。

10744 「子供たちは新陳代謝が早い」
【自爆】これは正しい。しかしそれまでの主張(避難が必要)を自らひっくり返してしまっている。

10756 「最終日は辛い」
【こじつけ】子供たちが帰るのを嫌がっているの? 大人の勝手な思い込みではないのか。


意味のある「じゃあ、どうする?」が決定的に欠けている。

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