原子炉と核兵器
北朝鮮の核兵器開発をやめさせるためにアメリカが1994年に合意した援助はどれでしょうか。
1)軽水炉の建設
2)高速増殖炉の建設
3)水力発電用ダムの建設
4)ガスコンバインドサイクル発電所の建設
解答と解説
1)の軽水炉の建設が正しい。
1994年の米朝枠組み合意(US-DPRK Agreed Framework)は、北朝鮮が核爆弾の原料となるプルトニウムの抽出が容易な黒鉛減速炉の建設・運転を凍結する代わりに、米国が軽水炉建設を支援し、完成まで代替エネルギーとして年間50万トンの重油を供給するとしていました。
軽水炉の使用済み核燃料から取り出されるプルトニウムは核兵器に用いるには邪魔になるプルトニウム240を多く含むといわれます(原子炉級プルトニウムと呼ばれます)。原子炉級プルトニウムでも原爆は作れると主張する人もいるようですが、アメリカが北朝鮮に軽水炉を建設しようとしたことから考えて、実現は相当むずかしいことでしょう。
出題意図
核開発に結びつかない原子炉がある(あるいはプルトニウムには2種類あり、1つは核兵器に使えない)こと、および原発は援助に向いているとアメリカは考えていることの確認。
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