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2011/10/04

放射能とゾンビ

動画サイトyoutubeにMEOWという怖いアニメーションがある。

墓場から蘇ったネコのゾンビが集団となってネコの都市を襲う。ネコの軍隊が出動して制圧できたかに見えたが...

可愛らしいネコの絵柄とコミカルな動きそして軽快な音楽とは裏腹に、背中に冷たいものが流れる展開なのだが、なぜ死んだネコが蘇り、生きたネコを襲うのか?

もともとゾンビ(Zombie)とはブードゥー教のまじない師(ボコ)が呪術で蘇らせた死人のことで、意思を持たず命令のままに動くので奴隷として使役される情けない存在だった。

それをホラー映画の主役に昇格させたのがロメロ監督。ゾンビに襲われた人間もゾンビになるという、伝染病的な性格が確立した(これは吸血鬼ドラキュラのアナロジーで、さらに遡れば狂犬病に辿りつくのであろう)。

ゾンビが生まれる原因としては、明示しない話もあるが、魔法(便利なものですな!)の他には怪光線(人為的なもの、また宇宙から降り注ぐもので、放射線とも言いかえられる)、細菌("I Am Legend" Wikipediaでの「地球最後の男」の解説(2011年8月29日 (月) 07:40 UTC)では吸血ウイルスとなっているが、ハヤカワSFの『吸血鬼』では細菌と書かれていて、光学顕微鏡で確認されている)、ウイルスが挙げられる。

(それにしてもゾンビ映画って沢山ありますなぁ...ちょっと調べてびっくり)

近年のものはウイルスが多いように思う(「バイオハザード」「28日後...」2002、「28週後...」2007、「ゾンビランド」2009など)。ウイルスは自己増殖できず、宿主の細胞機能を使わざるをえないので、感染から発症までには時間がかかるという生物学の常識はまったく無視されているが、魔法や放射能の説得力が下がった結果の人気上昇だろう。アナロジーの元であろう狂犬病がウイルス性であることも勘違いの原因かもしれない。(もうひとつの勘違いとしては、感染してすぐ発症する病気は実は防御しやすいことの見落とし。エイズが爆発的に広まってしまった原因の一つがこれで、無症状でも感染させることができたため、人類が病気の存在を認識したときにはウイルスは世界に拡散していた。)

ところが、このMEOWの設定はというと、なんと放射能なのだ。

開始16秒後に、放射能標識 ☢(☢)が描かれたドラム缶から液体が流れ出し、そこから瘴気が墓地に向かって漂っている。(ドラム缶が笑っているように見えるのも怖い)

このゾンビ化原因物質が襲われた都市にまで広がっていたというのも無理な話に思える(注ぎ口が上にあるから半分も流れ出していないし、街に瘴気は漂っていない)が、一方で噛じられずに死んだネコまでゾンビ化することは説明できる。

これも放射能の呪いの一つではないかと、残念に思う次第。むしろ天空に妖しい星が輝きだして、の方が... 超新星爆発が誤解されるからダメか。

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