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2011/07/28

フルートは木管楽器ですが

ひょんなことから日本クラシック音楽コンクールの関東地区予選を見(聴き)に行った。

ところが主催者のウェブには開催日と会場の情報しかない。そこで会場のウェブを見ると、なんとコンクールについての情報は全くない。わずかに催物カレンダーに「利用有」とあるだけ。いやなことに進入禁止のようなマーク赤い円に右上から左下へ赤い斜線の記号が付いている。ソースを見るとsold.gif。

そんなこんなで当日を迎えてしまった。それまでに入場は無料らしいこと、来場者はほとんど参加者の関係者、会場には受付もなくて出入り自由らしい、といったことの調べは付いていたが、いかんせん何時から始まるのかが分からない。そこで主催者に電話をしてみたが、誰も出ない。会場となるホールに電話をしてやっと13時からと判明した。(電話をするならもっと早くに!)

コンクール自体についても何も知らなかったので少々調べてみると、「難易度の高い曲を選び、短い時間でピーアールしなくてはならないコンクール」(PRではなくてアピールではないか?)、「デュティユーのソナタなんかをどうだまいったかとばかりに弾く人が多数いらっしゃいます。無調の現代曲を弾くとやっぱり評価が出やすくなりますから。」(Yahoo!知恵袋)とのこと。

というわけでドキドキしながら会場へ向かう。日暮里駅からすっかり立派になった京成線に乗って青砥駅で下車。乗ったのは成田空港行きだが、降車ホームと出口との間にはもう一本ホームがあって、そこは羽田空港行き電車が来るという。間違える人はいるんじゃないかな(羽田空港駅の電車案内も相当シュールらしいが)。

かつしかシンフォニーヒルズ

会場に着く。予想通りなんの案内表示もない。ホール前ロビーにはいかにも出場者という一組。普通なら受付となる辺りに進行表が貼ってあった。ホールに入ってみると、用意はできているが誰もいない。これはなかなか見ることのできない光景。ビビって一度は出てしまったが、ロビーには出場者や関係者が増えてきたので入り直し、こんなこともあろうかと持参した新書を読むことにした。
部門・部・参加番号・開始時刻・終了時刻の書かれた進行表

定刻になると館内放送があって、最初の参加者が3人組で登場(伴奏と譜めくり)。演奏するのはマリンバ。知らない曲なのでよくは分からないが、たぶん上手いのではないだろうか。終演後、率先して拍手をする人がいたので追随。むかし、ジェネセルワークショップに参加したところ、ある座長が演者への拍手を要請し、この習慣を学会発表にも広めたいと話していたのを思い出す。打楽器部門はこの一人で終了。伴奏のピアニストは知人の誰かに似ているような気がしたけれど思い出せない。

次がフルート部門。さらに細かく小学校高学年・中学・高校・大学・一般と部に分けられている。放送を聞くと男女も分けられているようだが、これは聞き違いかもしれない。声楽ならともかく、楽器を男女別にする意味が分からない。

最初は小学生だが、素人耳には「えっ」と思うほどそつがない。ただ、次の中学生もそうだったが、息継ぎの音が響く。そういえばカザルスホールであったアマチュア音楽フェスティバルでも、息継ぎ音の大きい人がいた。ゴールウェイならどうだろう。チェロ奏者のカザルスは演奏中に唸りだして、録音にもはっきり残っているけど、これはまぁ別の話。

可愛いお嬢さんがハァハァ喘ぐのを見るのは、などとアホなことを考えているうちにどんどん進行。知らない曲ばかりで、たまにモーツァルトが出てくるとほっとする。Yahoo!知恵袋で例に出されていたデュティユーのソナタも演奏された。バルトークを連想させるなかなか趣きのある曲。この機会がなければ一生聴くことはなかっただろうと思う。ありがたやありがたや。

ところでフルートという楽器、今は金属製だけれど、もとは木製で、それで木管楽器に分類されている。ところがフルート部門の次は木管楽器部門だという。どういうことだ? あらためてこのコンクールの部門分類を見ると、ピアノ、ヴァイオリン、弦楽器、フルート、木管楽器、金管楽器、声楽、打楽器となっている。なるほどヴァイオリンが弦楽器から分離されているように、フルートも木管と分けているようだ。たぶんどちらも奏者が多くて、一緒にやるとその他の弦楽器(チェロ、ビオラ、コントラバス、ギター、アルペジオーネ?)や木管楽器(クラリネット、オーボエなど)が割を食うのかな。この予選会でもフルート9人に対して、その他木管は総勢で5人だった。これも会場に行かなければ気付かなかったであろう。

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