知的財産管理技能検定2級特例講習へ
制度変更にあわせて、いま持っている知的財産検定準二級を知的財産管理技能士二級にする特例講習を受けてきた。4コマの講習の後は修了試験。これに合格しないと受講料と受験料は無駄になる。
講師は弁理士だが工業所有権もとい産業財産権だけでなく著作権法や民法まで解説してくれた。陽気で親切な感じの方。
思い返せば6年前に受けた知的財産検定は「意匠・商標」の成績が悪くて「準」が付いてしまった。その穴さえ塞げれば大丈夫と思う反面、その後の法改正がジークフリートの葉になる可能性も。と思っていたら、違法コンテンツのダウンロード非合法化がしっかり出題されました。これ、講義でもいっぺん飛ばされて、ごめん言い忘れてた、と後から説明された項目。...印象づけるためのテクニックだったのかなぁ? そういえば冒頭で、知財関係の話にご無沙汰の人もいるでしょう、と東京地区最後の特例講習参加者の実態を見透かしたようなこともおっしゃっていた。
1コマ目は特許、実用新案。2コマ目は意匠と登録商標。苦手意識があったけれど、まぁまぁ常識的な話。3コマ目は著作権、不正競争防止法、民法、独占禁止法はては種苗法まで。もっとも民法については契約の定義と自力救済の禁止だけ。で、契約の定義はしっかり出題された。また権利の保護期間が出るたびに「特許は出願から20年、実用新案は出願から10年...」と繰り返され、おかげで助かった人は多かったのでは。もっとも数値は覚えなくてもいいと言われましたが、種苗法の保護期間はひっかけに出ましたぞ(25/30年なのに10年と)。4コマ目はおさらい。
実務的な話が随所に織り込まれていて、たとえば商標権侵害に問われたら使用実績を調べて不使用取消審判を請求するという対抗法があるなど、面白かった。特にロゴでは事業部門が勝手に(知財部門に連絡せずに)改変している場合があって、ご本尊は使用実績がないということがあるらしい。特許を押さえて国家の保護を受けるか営業秘密として自ら守る(不正な侵害に対しては国家の保護を受けられるが立証責任が重い)かの選択の話は、試験の第一問から出てきた。こうしてみると試験対策講習とは銘打たず、実際、三択ではウに正解が多い傾向があったけれどここ最近はそうでもないというアドバイス?くらいしかなかったけれど(あ、「誰の得になるか」が鍵になるとかも言っていたか)、オールエレメントルールなど強調されていたことはよく出題されていた。(ちなみに私がウを選択したのは11問あって、なるほど偏っている。)
あと、ここには書かないほうが良いであろう楽しい話も。
試験そのものは50分で25題とゆったりしたもの。しかも3択だから4択よりも検討時間を長く取れる。15分ほどで一通り終わってしまった。もっとも見直したら変更したくなったものもあったけれど。全問解答できたし、自信もあるけれど、傾斜配点がなく1問4点だとミスの影響が大きい。知財検定は50%で合格だったようだけど、これはどうなることやら。
仮に合格したとして、一級受験には実務経験を積まなければならないし、受験資格は3年しか持たないし、そもそもすごく難しいらしいし。どうしましょ。
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