チリの「炭鉱」って書いている人たちは大丈夫?
チリ共和国コピアポ近郊で落盤事故のあったサンホセ鉱山は銅と金の鉱山です。炭鉱(石炭鉱山)ではありません。
ところが炭鉱(または炭坑)と書いている人がいる。日経BPのあるコラム(プロのライターが執筆し、編集のチェックも入っている)にさえ、炭鉱と3回(含む「炭鉱夫」)も書いてある。
もしかして、と思って「チリ 炭坑|炭鉱」で検索をして、目眩を覚えた。1か月以内に限定しても214,000件もヒットする(さすがに「チリ 鉱山」の2,260,000件よりは少ない)。
結果を少し見てみよう。まずニュース。
・ジョブズ、チリ炭鉱生還の33人に新iPod謹呈 ギズモード・ジャパン
・チリ救出劇、中国ネットに飛び火 炭鉱の安全管理批判の書き込み - J-CASTニュース【これは正しい】
・【チリ奇跡の救出】炭鉱事故多発の中国でも高い関心 - MSN産経ニュース【これは正しい】
さすがにマスコミはしっかりしていると言いたいが、8月にはこんな記事も(期間を絞り込む前に発見した)。
「愛する妻へ」生存知らせたラブレター チリ炭鉱事故 - MSN産経ニュース
8月23日の配信なので、かれこれ2か月間も放置されている。本文は正しく「鉱山」となっているので、整理部のミスなのだろう。
ちなみに「-中国」で絞り込んでも約 64,200 件ヒットする。
「まずニュース」と書き出したが、疲れたのでここで探索中止。
日本で落盤事故と聞いて炭鉱を連想するのは、ある年代以上なら当然かもしれない。また「炭鉱じゃないよ、銅山だよ」という記事もヒットしているだろう(明日にはこのエントリーも仲間入り)。指摘を受けて、書き直す代わりに追記で対応したところもあるだろう(さらに「-鉱山」で絞ると約 42,100 件)。掲示板のスレッドなら、一人が炭鉱と書いてしまえば、残りの参加者全員が銅山と正しく認識していても誤りに数えられる。
比率で言えば、正しく鉱山と書いたページが約50倍ある。しかし炭鉱(炭坑)という勘違いも無視できる数とは思えない。あえて偏見を交えていえば、ニュースをきちんと読み(聞き)とれず、そのくせ一文をものして世界に公表する人がこれだけ(どれだけ?)いるということだ。少数派とはいえ「世間の声の一つ」として影響力を発揮したら面倒なことにならないだろうか。
まさか、石炭を知らない世代が炭鉱=鉱山だと思って書いたと言うオチはないよね?
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