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2010/05/09

『科学との正しい付き合い方』への評価が厳しいワケ

前のエントリーはあまり建設的でないという自覚はある。それでも厳しく書かざるを得なかった。理由は3つ。

・期待をもって読み始めた
可愛さ余って憎さ百倍、である。

・細かい間違いが目につく
たとえばポリペプチドのことをポリアミドと書いている(p.75)。ポリアミドでも間違いではないようだが、イラッと来る。用語が変わって最近はポリアミドというの?と焦って調べたから余計腹立たしい。しかも次の行には「DNA。これも「核酸」が連なって」なんて書いてある。おい、「タンパク質はプロテインが連なって」と同じくらいひどい間違いだぞ。DNAはヌクレオチドが連なったもの! ちなみにヌクレオチドという単語はマンガ「The・かぼちゃワイン」にも登場します。

・科学の考え方が見えて来ない
前のエントリーに書いた以外にも、たとえば洗濯ボールの話。理系大学院を出ているのに3000円払って購入し、周囲にも薦めている知人がいて「個人的にはかなりショック」と書いている(p.119)。あれあれ、効き目がないなら分かりますよ。効果の有無を調べました? 薦めている本人の弁はカットですか? それこそ「まだ確定していない事柄に対して決めつけて判断してしまう「非科学的」な態度」(p.151)ではありませんか。


こうなると著者の信頼性に黄信号が点く。あばたもえくぼの逆で毛を吹いて疵を求めたくなる。エントロピー増大の法則の話(p.158)も、放っておけば乱雑になるという展開で問題は無い。なのに「こじつけ」と逃げてしまう。そこは「だから自由エネルギーを投入(=整理整頓掃除)しなければなりません」としめるところ。このようにいいところまで近づくのに、詰めが甘い。焼き芋の話(p.50)はβアミラーゼの最適温度が70℃前後という重要事項を省略されたら何の話か分からない。いろいろ「身近な科学」をあげているようだが、どうもどれも知識の問題ではないかと思えてならない。

あまり誉められた読書態度ではないことは承知の上。それで冒頭に「良いことが書いてある」と肯定評価を入れた訳だが。

振り上げた拳のやり場に困っていたところ、「科学なんて、騙されない程度の知識があれば十分じゃない?」というアンチテーゼまで出てくる始末。さあ、どう収束させようか。

「本の評価が厳しいワケ」を改題し、若干の修正を加えた。

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