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2009/12/13

NHKの公開ライブラリーで千葉敦子の声を聞く

突然、思い立ってNHK放送センターにある番組公開ライブラリーを見に行った。
NHKふれあいホール
ライブラリーはNHKホールの隣「みんなの広場ふれあいホール」3Fにあるのだが、正面に案内はない。ガラスドアを押して入ったエントランスは2階なので左手の階段を上るとすぐライブラリーになる。

受付で名前を書くと(空いていたので)好きな席で視聴できると言う。利用は2時間まで。

目的は千葉敦子の追悼番組。据え付けのPCで番組検索をし、再生ボタンを押すと大型液晶画面で始まった。(出演者に「伊藤律子」とあるが、テロップでは「伊東律子」となっていた。おそらくウェブの誤り。念のため受付には言い残して来たが。)

本人の声は、死の前年、上智大学での講演の録音だけ。映像はないので静止画での紙芝居。肝心の声は...ちょっと予想と異なった。やや急くような話し方で、昔は高かったのだろうがやや濁りの感じられる音質(この後しばらくして声が出なくなる)。適当な「似ている声」は思いつかない。

話はちょうど、がんが再発して死を意識し、その治療を終えてから棺桶リストの実行よろしくニューヨークへ転居して半年した頃。2度目の再発が発見される(非常に危険な兆候)。7か月に及ぶ化学療法(髪は抜け、食欲は落ちる辛い治療)に加え、原稿の売り込みは不調で経済的な困難まで現実化して来る。この畳み掛けて来る困難に対して、なんと「人は鍛えられる」と言う。「こういう困難が重なると、人は」に続けて「落ち込む」とか「参る」という言葉を予想していた私はつんのめる。ああ、たしかに古人は「艱難汝を玉にす」と言ったっけ。

ゲストは上智大学のデーケン学長(当時)と朝日新聞科学部の大熊由起子。大熊は日比谷高校以来の親交だそうだが、連絡がエアメールかファクス(か電話)というあたりに時代を感じる。ちなみに画質はとてもよくて、今年の番組と言っても通用すると思うほどなので、よけいギャップを感じた。Skypeなんかを手にしたら喜んだだろうな...

デーケンと大熊は口を揃えて、書いたものは硬質だが、千葉本人はユーモアのある人だったと回想していた。自分の書いた物は日本のがん患者やその家族が読む、だから弱気なことは書けない、という制約を意識もしていたらしい。


それにしても録画も録音もできないとはいえ、20年前の番組を高画質かつ無料で視聴できるとは。権利関係処理の問題があってNHK内部でしか視聴できないが、全国の放送局には配信可能である。千葉敦子に関心を持った人は是非出かけて見てほしい。

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