丸木美術館開館42周年
開館42周年を迎えた「原爆の図丸木美術館」に行って来た。
いつもなら、美術館クラブ(工作教室)が終わってから行くのだが、今年は先に「沖縄戦フィルム1フィート運動の会企画制作の映像上映」があるというので早起きして10時半到着を目指す。
ところが高坂駅から歩いたところ、途中で道を間違えたらしく予定時間を超過。着いた時には11時。やはり慣れるまでは地図を用意しなくては。沖縄戦ビデオはとっくに始まっていた。ただ、幸いなことに複数回上映だったので、後半と次回の前半をつないで全編を見ることができた。
そこに登場する証言者によると沖縄には朝鮮半島から徴用されて来た軍夫がいたという。食料が足りないので民間の畑に盗みに入る。農民が軍に苦情を申し立てると、取り調べがあり、ポケットなどから作物が見つかった者は...殴られたのかと思ったら銃殺になったと言う。しかし帝国軍人が民間人の苦情を受けて内部調査をし、犯人処罰までしたというのが意外。盗んだのが兵隊だったら、文句を言った農民の方が痛めつけられていたのではないだろうか。
この上映は本館前の四阿が使われたが、記念式典他は展示室(南京第虐殺の図などがかかっている)で行われた。そのため天候を気にしないで済んだ(終わって出てみたら土砂降り)。
この展示室は天井の上に採光窓があることに気付く。何度か来ているはずなのに気が付かないことは結構あるものだ。そういえば、「原爆の図」では人物は多く描かれているが、背景は省略されていることが多いようだ。特に第三部「水」で顕著。
不思議なのはますます記憶と乖離して、印象が不鮮明になっていること。墨は褪色しないはずなのに...
それにしても人間とは不思議なものだ。放っておいたら戦争を始めるというのが一つ。その、ほとんど業と言っても良い性質をコントロールしようとしないのがもう一つ。戦争肯定派はべったりと身を委ねてしまうし、戦争反対派はその存在を認めようともしない。それじゃ戦争はなくせませんって。
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