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2009/03/29

ブロガーならずとも知っておきたい著作権の基礎

“不知はこれを罰する(違法だということを知らなくても違法な行為をすれば罪に問われる)”

事実とアイデアに著作権は無いが、表現にはある


著作権法の第二条で「思想又は感情を創作的に表現したもの」と定義されています。思想や感情そのものは対象になりません。「事実」も著作権法の対象外です。

よくある?勘違い

「写真家に私の肖像を撮ってもらいました。私が写っている写真だから、私が自由にできる。」

一般的には、たとえば「私」が撮影条件をいろいろ指示して写真家は「シャッターを押すだけ」という場合とかあらかじめ著作権をどうするかを決めていた場合とかを除けば、写真の著作権は撮影者にあります。

自分が写っているからといって、他人の著作物を勝手に複製したり改変したり自分の作品のように発表したりすることはできません。

自分用にコピーするのは自由ですが


著作権法は、個人が自分であるいは家族と楽しむための複製(コピー)を認めています。だからこそたとえば放送を自由に録音・録画できるわけです。

これは法律では「著作権の制限」という項目にまとめられています。制限、つまり「本来は権利があるんだけど」という例外規定ですから厳格です。自分用の複製であれば「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用」「その使用する者が複製」という条件があります(さらにコピープロテクトの解除などは違法だという例外の例外規定も)

家庭内ならOKといいますが、親族100人に配るのはどうかなんて問題(100人がダメなら50人は?25人は?とゼノンのパラドックスに)は、あとで説明する「告訴がなければ起訴できない」が解決します。「100人も親族が集まるなんておめでたいことだ」と喜んでくれる人もいれば、「会ったこともない遠縁までいるのはおかしい(告訴されたくなければ正当な使用料を払え)」という人がいてもおかしくない。

なお、個人用に複製したものでも、そのあとで「目的外使用」をすれば、普通の複製(つまり許可が必要だし無許可でするのは10年以下の懲役となる犯罪)となります。法律の条文には「複製物によつて当該著作物を公衆に提示」とありますから見せるだけでもダメ

営利/非営利は関係ない


「それで儲けてはいないからセーフ」と考える人がいます。著作権法で営利かそうでないかを考慮するのは特別な場合で、無断コピー(複製権侵害)は非営利であっても違法です。

納得できない人はこう考えてください。あなたが無料でコピーを公開しているために、本来は売れるはずのものが購入されず、著作権者の利益を害している、と。今は販売されていなくても、これから販売する計画があるかもしれません。

もっともこれは、金に換算しないと理解できない悲しい人のための比喩です。

守らなければいけない権利は著作権以外にもあります


法律が保護するのは著作権だけではありません。著作権法的には合法でも他の法律に引っかかる場合があるから注意しましょう。また刑事罰はなくても不法行為として差し止めや損害賠償の対象となることがあります。たとえば写真の著作権は撮影者にありますから、自分で撮った写真ならば著作権問題はクリアしています。しかし芸能人にはパブリシティ権というものがあるので、その写真を了解なくブログに載せることが不法行為となる場合があります。

冒頭に挙げた写真の例では一般人である「私」にも肖像権があります。したがって著作権者(写真家)もその写真をどんな風にでも自由に使える訳ではありません。撮影申込書に小さな字で何か書いてあるかもしれませんが、それでも「私」の名誉感情を害するような使い方は差し止め・賠償の対象となります。

「みんなもやってる」は子どもの屁理屈


いい大人が、いたずらを叱られた子どもみたいな言い訳をしないでほしいものです。

公道での自動車の運転だと、制限速度を愚直に守ることが渋滞や事故の原因となることがあります。しかし著作権法を遵守しても誰にも迷惑をかけません。

厳密にいえば、許諾請求を処理する事務能力がない人に大量の請求が届くと面倒くさくなって「全部拒否」となってしまう危険も、理論的には考えられますが。

あなたは「みんながやっている」ことならば、犯罪にも手を染める人間ですか? 著作権の侵害に窃盗罪よりも重たい刑が科せられるのをどう理解しますか?(もちろん被害の高額化が直接の理由でしょうが、無断複製は少なくともドロボーと同じ、場合によってはもっと悪い、というのが現代の考え方といえるでしょう。)

それに、本当に「みんな」がやっていることですか?

著作権法違反の起訴には告訴が必要ですが


著作権法違反を起訴するためには告訴、つまり被害者(著作権者)が検察に「犯人を処罰してくれ」と申し出ることが必要になっています(告訴を必要としない場合もある)。

これを「著作権者にばれなければ大丈夫」「軽微な侵害ならば問題にならない」などと解釈する人もいるようですけれど、そういうのを反社会的と言います。

たとえば強姦罪(単純強姦)も、起訴するには告訴を必要としますが、だからといって「無理矢理しても、金を渡すとかして半年間おとなしくさせておけばOK」と考えるのはまともな人間でないのと同じこと。「愛しているから許される」「結婚するつもりだから問題ない」なんてのも勝手な理屈に過ぎません。相手が怒ったら3年以上の懲役を覚悟しましょう。

守られるのはあなた


今までは「他人の権利」について説明してきました。しかし他人の権利をないがしろにする風潮が広まれば、その害はいずれあなたにも及んで来るかもしれません。他人の権利を尊重することは「あなたの権利」にとっても大切なのです。

また裁判に持ち込まれても勝つけれど、「それをやっちゃあおしまい」ということもあります。特に社会的な声望のある方は、その行為が恥ずかしくないかよく考えてください。自分の利益のためならグレーゾーンでも果敢に突入というのは、一つの個性ではありますが、失うものも大きいと思います。

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