ついにファイナル! IT研修
NPO法人ビッグイシュー基金が行う就業応援プログラムの一つIT研修「メール販売」講座がついに最終回を迎えた。
この講座はモチベーションを維持し、日常的にIT利用を継続するために、「電子メールを使って雑誌の注文を受けて発送する」に特化したもの。4カ月にわたる講習を終え最終的に6名が卒業試験に臨んだ。
試験は実技と筆記の2通り。「筆記試験なんて久しぶり」という販売者は、皆がいくらリラックスさせようとしても「見えないプレッシャーを感じる」とそわそわ。思わず「なら、目に見える圧力をかけたろうか」と口走る私は本当にいい性格。
研修が始まった昨秋は、e-mailはおろかパソコンさえ触るのが初めてという人、ローマ字入力が理解できない人、キートップには大文字しか書いてないため小文字での入力ができない人...正直どうなるかと心配したものだ。しかし、いったん販売への応用の段になると、このおじさんたちはむしろ良い「味」を出し、ICTは主役ではなく、人を助ける従者であるという本来の姿が見えてきた。
会場となった地域コミュニティセンターのPCの1台は、なぜか日付が2002年の9月5日になっていた。そのため、ウェブメールサービスに必須のSSL証明書の日付がおかしい!とアラート出まくり。見たこともないダイアログボックスの頻出に、可哀想な受験者はほとんどパニック状態。異変に気づいて覗き込んだボランティアも「セキュリティの警告」に顔面蒼白。しかし、証明書に本当に問題があれば、ほかの受験者にも警告が出るはずと気を取り直し、とりあえず別のパソコンに受験者を移動させて試験は継続。
図らずもこの一件で、想定外の事態に対応できない脆弱性が露呈してしまった。自力で解決できればベストだが、そうでない場合は然るべき人に助けを求めるのが正しい対処。訳も分からずクリックするような真似は避けなければならない。もっとも自他ともに認めるインテリの中にも、ことコンピュータになるとアウストラロピテクスと一億五十歩一億百歩、いやチンパンジーのアイにさえ劣るのではないかと思える人がいるから(師匠! あなたのことです、と公開書簡)、これは必ずしも恥じることではないし、ひとりだけこれで減点するのは公平を欠く。とはいえ、インターネットのジャングルに放り出して大丈夫かという懸念は残る。
第2部は企画室円のまどかさんによる、名刺の授受とメールにおけるマナーテスト。ここでも実技試験中にパニック状態に陥る受験生あり。自分のなわばりである売り場なら大丈夫であろうが。
なぜか合否判定には一介のチャランポランティアである私も加わり、むろん内情はここには書けないが、「成功経験を通して自信をつけさせることが大切」という基金側の熱意によって、全員合格となった。採点を甘くしたのではなく、むしろ厳しい採点で問題点を把握し、システム側でフォローしようという方針に納得しての同意。及ばずながらシャペロン役を買って出て成長を見守る予定。いいかげん「すべてか、無か」的発想から脱却しなくては。
そして、講座は修了したが、その成否はこれからのメール販売の結果によって判断される。
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