僥倖
所用で新宿に出た。用を済ませてJRに乗ろうとし、いつもならSuicaを使うのに、残額が少なかったこともあり切符を買い、改札を通ろうとしたその刹那、携帯電話が鳴った。会員になっているNPOの職員からで、新宿のカメラ量販店に来ていると言い、何か困ったことになっているらしい。電池の残量が心配だったし近いことでもあり、行って直接話を聞くことにする。
あと数秒遅ければ改札の中で、JRに貢がなければ外には出られなくなるところ(そうなったらわざわざ出たか分からない)。そもそもSuicaを使っていたら車中の人になっていただろう。それ以前にちょうど新宿に来ている時に電話をかけられたとは。実に運のいい人だ。
さて店で会ってみると、急ぎの印刷中にプリンタのインクが切れたので買いに来たものの何を買ったらよいのか分からない、と。参照するために持ってきたのは不幸にしてサードパーティーの互換製品。
いま「不幸にして」と書いた。以前ならば「愚かにも」と書いただろう。間違いを指摘することと人格を否定することは別という主義なので、割と平然と口にも出していた。しかしこの一年で、不必要に人を貶める感情の起きることが減った。間違いは間違いだが、それが愚かかどうかはまた別の話と割り切れるようになったのだ(以前は反語的に「愚か」「馬鹿げた」と口に出したこともある)。それにはそのNPOの事務所に出入りしていた影響が大きい。別に怖い目に遭わされたわけではない。自分でもよく分からないが、そこの人たちのモタツキを見てもあまり苛立つことがなく、しばらくするうちに「辛抱強く」という形容さえ不要になるほど淡々と接することができるようになったのだ。この変化は対象が変わっても持続し、以前なら悪し様に痛罵していた人に対しても相当(当社比)寛容になった。
閑話休題。幸いにも私はプリンタの型番を覚えていたので、それを手がかりに純正品を探す。運良く互換インクも見つかった。
教訓
- インク(に限らず消耗品)は最後のカートリッジを開封したら次を注文する(あれ?「この箱を開けたら注文」と貼っておいたはずだが)
- インクはプリンタの型番で探す
- 校正用や内部文書はインク節約モードで印刷する
僥倖は「ぎょうこう」と読みます。意味は自分で調べましょう。
また本人の名誉のため、多少脚色してあります。あおりを食らう人が出たら陳謝。
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