那須隆さん死去
弘前大学教授夫人殺し事件の犯人とされ、無実の罪で服役した後、再審で無罪を勝ち取った那須さんが亡くなっていた。この事件でまず思い出すのが古畑種基の『法医学の話』(岩波新書)。
再審無罪判決を受けて絶版となり「岩波書店も上告棄却」なんて週刊誌に書かれていたっけ(本人はその前に死去)。
実は院生が鑑定実験をしていたとか、再現性のない鑑定とか、おかしな確率論とかいろいろ後出しで言われたようだけれど、決め手とされた開襟シャツの押収時の写真を見れば血痕など確認は難しく、実は警察が後からつけたのではと疑われているほどで、もしそうならば古畑鑑定は正確で微量(かどうかは疑問が残るが)の古い血液の特殊な型判定に成功したことになる。
もちろん、国家機関による証拠捏造を認めるわけにはいかないから、それで故人に不名誉をすべてなすり付けちまったのかなぁ。
たしか国家賠償請求訴訟でも、有罪判決は違法ではないとされちまったし。
あと、この人のおかげで「本懐」という言葉を覚えました。
ところで、なんでこの時期に公表されたのだろう。
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