規律は大切だ
メールとかインターネットとかを経験させていく過程には2種類ある。とにかく自由にやらせてみせる方法と、厳重に保護して規定通りに習得させる方法と。
世間では前者の方が受けが良い。だが、本当にそれが良い方法だろうか?
そんな議論の中でふと思い出したのが、ハシェクの小説『兵士シュヴェイクの冒険』に出てくる次の一節。記憶では規律の重要性を強調するのは将軍だったが、念のため岩波文庫(栗栖継 訳)を購入して確認したところ中尉だった。
しかし軍隊では規律というものが絶対に必要ですな。でないと、だれも人のいうことなんか聞かなくなりますからね。ぼくらの隊のマコヴェツ中尉は口癖のようにいつも言っていたものです。『このバカども、規律は絶対に必要なのだ。でなけりゃお前たちは猿のように木に登りかねないからな。お前たちは手のつけようのないバカどもだが、軍隊はお前たちをきっとまともな人間に仕上げるよ。そうだろう? なんなら想像してみるがいい。たとえばカレル広場の公園の木という木に、規律を失った兵士がひとりずつ登っている、という光景を! 何が心配といっても、わしにはこのことがいつもいちばん心配なのじゃ。』
もちろん、この中尉殿は揶揄されている。にもかかわらず、私には一面の真理があるように思えてならない。ろくな教育も受けずにパソコンやメールに慣れてきた人間が何をやらかすか、だいたい見当がつくし、実際に手を焼いてきたから。
幸いにも第一巻で見つかったが、残り三分冊をどうするかが課題。
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