瞬く星
夜空の星が瞬(またた)くのは大気の揺れのため、とは常識だと思っていた。
ところが、映画だったかテレビ番組だったかで、宇宙船(あるいは月とか火星だったかも)から見た宇宙のセットを作らせたところ、そこにあったのは煌(きら)めく星々。しかも製作者はそこに力を入れたらしい。
大気がないのだから、当然、星は瞬きはしない。
サイエンスアドバイザーだったら「作り直しっ!」と叫ぶことだろう。
言い方にはいろいろあるにしても、基本的にはそのまま使うか使わないかの二者択一。
使う側の論理として考えられるのは、
きれいだから気に入った
星空のイメージにぴったり
視聴者は大気圏外で見る星は瞬かないなんて知らないアホだから大丈夫
視聴者は気づかないだろう
視聴者に気づかれてもきれいだから許されるだろう
作りなおす余裕(予算/時間)はない
フィクションやバラエティだったら「科学的に間違っている」は通用しないんじゃないだろうか。
では政治経済を扱うものだったら? ありえない「瞬く星」を見せて平然としているのは、「事実よりも見た目」「思い込みに依拠」という制作態度の表明であり、知的誠実さの欠如と判定されるのではないだろうか。
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