自分の腸を見る
佐々木倫子描く菱沼聖子は手術をされている最中に、腹から腸が引き出されている様子を眺めていて「自分の腸を見た女」と命名されているが、私は胃カメラで内側から自分の十二指腸を見てきた。
病院にいくと、まず消泡剤を飲まされる。胃の中の泡を抑える薬。最後の食事から15時間以上経っているので、まさに「茶腹も一時の腹の足し」。続いて薬剤を胃内に拡げるため、ベッドに横たわり体位を変えながら16分。
次に、鼻から入れる内視鏡なので、血管収縮剤を点鼻して鼻粘膜の充血をとる。さらに局所麻酔剤を垂らされてからシリコンチューブを挿入して鼻道?を確保。5分後に太いチューブに変更して、今度は20分。十分に鼻の穴が広がった?ところで検査室に移り、いよいよ内視鏡挿入。
モニターに自分の顔がアップで映り、鼻の穴に突入! 声帯、気管支が瞬く間に通り過ぎていく。食道を下がり、まるで肛門のような噴門にズブリ。モツ煮でおなじみのヒダヒダは胃の内壁。しまいには幽門を越えて十二指腸球部まで到達。トポロジー的には「体の外側」なのだが、奇妙な眺め。写真を撮りながら後退し、無事終了。
| 固定リンク
コメント