NK細胞を活性化
先週の土曜日(2月23日)は神田の大衆割烹で開かれた落語会を聴いて来た。腹の底から笑いでもしないと身が持たない情勢だったので本当に助かる。
この日、時間に余裕があったので新宿から靖国通りを歩いてみた。春の陽気で、汗ばむほど。そして新宿区なのに意外なほど空が広いことに驚く。と、そこに漁船、じゃなくて空を切り裂くような鉄塔。はじめは放送局かと思ったが、あとでgoogle mapで確認すると自衛隊市ヶ谷駐屯地の施設らしい。
市ヶ谷駅近辺でうっかり外堀通りに入ってしまい、飯田橋駅そばで軌道修正。それでも西神田に着いたのは開場30分前。腹ごしらえをしてから店に向かう。なにしろ、以前の落語会では空腹のまま「親子酒」を聞くという地獄の体験をしているので。
この日の出演は三笑亭可龍(二つ目)と桂平治(真打ち)。二人2席ずつ4席に2時間というたっぷりとした時間配分(通常の寄席は15分くらい)。
平治師匠の平治メモによると一席目の「長短」は満足のいく出来ではなかったらしい。偶然にも、前週のNHK「笑いがいちばん」でこの「長短」が放送されていた。もちろん噺の比較などできるわけもないが、素人にも明白なのはマクラの長さ。平治師匠は気の長い人の話し方をたっぷりと演じていたけれど、短気な職人風の話し方もお似合いだと思う。ま、それは延々とは演じられないけれど。
二席目の火焔太鼓は身振り手振りを交えての熱演。テープやCDなどの音源ではこれは分からない。大名屋敷の庭を通る際の仕草を見て、「松」という言葉が出る前に笑い出してしまった(家を出る前に、太鼓が汚いから縛られて松の樹に吊るされるかも、と脅かされたのを庭の松を見て思い出す様子が伝わってくる)。
なお、「世に二つという火焔太鼓」は言い間違いではなく、火焔太鼓は二つで一対のものであることを踏まえての工夫だそうだ。
可龍さんは最初に「宗論」。いくらキリスト教に帰依したからと言って、あんな外国人宣教師みたいなしゃべり方をするようになる訳はないのだが、際どい内容だから少々誇張した方が安全なのかもしれない。それにしても落語で賛美歌を聞くとは思わなかった(しかも、去年、叔父の没後7年記念会で歌ったもの)。羽織を替えての二席目は「幾代餅」。一席目の反応を見て予定を変えたと言う。さすが。ただ、幾代太夫が一途さに打たれて心惹かれるようになるところが、こちらは筋を知っているから良いものの、ちょっと物足りないような(と、生意気なことを言ってみる)。
会場の隅に父君がいらしたが、別にステージパパという訳ではなくて、以前からの店の常連だそうだ。まったく縁は奇なもの。
高座のあとは酒と料理。大皿料理もいいけれど、ここでは少量多品種が次々と運ばれ、いろいろな味が楽しめる。もしかして、かなり贅沢。
この会がなければ生で落語を聴くことはなかったかもしれないので、誠にありがたい催しだ。次回は6月21日。
この日、大笑いした御利益か、今週(25-29)は運気が上昇したようだ。
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