ワルシャワ労働歌
ふと自分を鼓舞したくなって「ワルシャワ労働歌」の音源を探してみた。
すぐに見つかったのはなんとポーランド語版だった(題名から分かる通り、ポーランドで作られた歌)。
日本語の歌詞は鹿地亘の手によるという(この人は占領中に米軍情報機関に拉致され、スパイになるよう強要された)。
ところが歌詞は2バージョンある。ご存じの人も多いだろうが、敵の嵐は「荒れ狂う」と「吹きすさぶ」(以前、「荒れすさぶ」というのも目にした覚えがあるが、漢字で書くと「荒れ荒ぶ」なので「吹きすさぶ」になったのだろう)。
「狂う」が精神障害者への差別ではないかという議論の影響らしい。時計が狂う(=時刻が不正確)も差別発言として糾弾されたという話を聞いたことがある。それに対して「そんなバカな」などと言おうものなら大騒ぎだったとも。1980年頃だろうか。
82年に死去した鹿地が、そんな議論を受けて訳を書き換えたとも考えにくい(そもそも対立する党派の主張だし)。ということは誰かが気を回して著作者人格権を侵害している、ということだろうか(少なくとも鹿地訳として載せるのは問題)。
それはさておき、能天気に胸をジンとさせていた「今や最後の闘いに 勝利の旗はひらめかん」の部分、考えてみれば「負けたら最後」という闘いは歴史上いくらでもあったろう(そして負けてしまったことも多々)。だが、「これに勝てば千年王国成就」というようなありがたい闘いはなかった。勝っても勝っても新しい敵がしぶとく出てくる。しかも旧敵がよみがえるだけでなく、かつての味方が敵になることもあった。いや、自分自身が当の闘いの相手と同じになってしまうことさえ...
かつて口ずさんだ戯れ歌が無難かもしれない。
取手の上に 我らがキセル 築き固めよ こっそりと (詠み人知らず)
(実際にキセルをした訳ではありません。「できるなぁ」と理論的に?検討しただけで。)
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