大入りムンク展
国立西洋美術館で6日まで開かれているムンク展に行ってきた。ちなみに7日から3月3日(月)までの期間は、新館設備改修工事に伴う館内整備のため全館休館とのこと。
間際なのでためらいもあったが、「叫び」の背景のような3日の夕焼けを見て行くことに決めた。
最終日はいくら何でも混むだろうと予想して、前日午前中の入館を予定したものの、諸般の事情で上野駅に着いた時にはすでに12時を回っていた。長時間の逍遙に備えて先に腹ごしらえをしようと向かったカフェ「すいれん」の前には席が空くのを待つ人の列。気圧されてそのまま展示会場へと進んでしまった。
〈生命のフリーズ〉は、全体として生命のありさまを示すような一連の装飾的な絵画として考えられたものである。
───エドヴァルド・ムンク「生命のフリーズ」より
今回の展示は「装飾」という観点から、一連の作品をセットで見ようと言うもので、最初の部屋ではアトリエでムンク自身がした配列が再現されていた。残念ながら人垣で一望することはかなわなかったが。
My first Munch、つまり最初に見たムンクの絵である「別離」のオリジナルを見ることができたのも大きな収穫。
原画を近くで見ると、絵の具の盛り上がりなどいろいろ気づくことがある。気になったのは絵の傷み。おそらく元はなかったであろう亀裂を目にすると、あとどれだけの期間、人類がこの芸術を鑑賞できるのかが心配になる。劣化を防ぐために照明も落としてあり、作者が描いたのと同じ光の下で見るのはもはや不可能に近い。以前にも書いたが、複製や複製のためのデータ取りを急ぐべきではないだろうか(もう始まっている?)。
たっぷり時間をかけて鑑賞し、ふらふらになって出てきて驚いた。入り口には長蛇の列。入場制限をしているらしい。早くに入って良かった。
公園で食事を済ませてから再び前を通ると行列はさらに伸びていた。諸君、もう少し早起きしたまえ。
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