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2007/09/24

なんでジオシティーズ

先に「弁護士のため息」を論じて「橋下弁護士を提訴した今枝弁護士の説明だと言う。といって、それが本当という保証もないのが困ったところ」と書いた。

というのもブログがプロバイダ(@nifty)のものだったから。昔のニフティはクレジットカードを持っていなければ会員になれず、それなりの与信調査をクリア、少なくとも実在は保証されていた。ところが、今のココログはメールアドレスさえあれば開設できる。つまりオーナーは架空の人物かもしれない。

最近は金融機関の本人確認は厳しくなっているらしいので、金を払っているならば、少なくとも全く架空の人物ということはない。で、上記ブログ主である寺本さんは、事務所のウェブとして@homepageを使っているから、架空の人物ではない、とはいえる。しかし本当に弁護士なの?という疑問は残る(たとえば弁護士会の公式サイトがあって、そこに間借りしていれば、現役弁護士であることは保証される)。

その正体不明の人が「事務所に電話をして確認しました」と書いて下さっても「はい、そうですか」と信じるわけにはいかない。記事を拝読した限りでは本物の弁護士らしいけれど。

フィッシング詐欺なんてものを知っていると、ウェブの実在をやすやすと信じてしまう人の無警戒っぷりには呆れてしまう。逆に言うと、ネットで信じてもらいたければ、それなりの努力が必要。ネットショップがhttpsを使っているのもその一つ。

会社であればco.jp(取得するには登記簿謄本か印鑑証明が必要)、その他の法人であればor.jp(法人の登記簿謄本が必要)、私的グループならgr.jp(代表者の印鑑証明が必要)を取得することで、少なくとも「どこの馬の骨とも知れない」という怪しさは払拭できる。あるいは所属組織のユーザーベージを使うとか。

以前、何か政治的な運動をしようというメールを受け取った時、ホームページがジオシティーズだったので、そんな誰でも身分を明かさずに作れるようなウェブは信用されないと忠告したところ、「ジオシティーズはYahooというネットの一流企業のサービスです」みたいな頓珍漢を返されて絶句したことがある。

NTTは元国営で、日本の代表的企業であることに異論はないが、だからといって電話の内容が信じられるかは別問題。現にオレオレ詐欺なんてものがあって、いまだに収まる気配がない。イタズラ電話や脅迫電話も「NTTという日本有数の企業」のサービスを使っているのだ。

(別にジオシティーズにあるウェブがみんな怪しいと言っている訳ではありません。)


光市母子殺害事件の弁護人であり、またテレビで懲戒請求を呼びかけた橋下弁護士を提訴した今枝弁護士が自身のブログを開設している。それがジオシティーズなのだ。

すでに3週間を経過し、多くのところで紹介されているので、よもやニセモノということはないだろう。

しかし、偽サイトを作って支離滅裂な主張を展開して弁護人への敵愾心を煽るなんてのは、実に初歩的な嫌がらせなのだ。サイトを作るまでにはいたらなかったが、イラク人質事件で「ヒミツの大計画」に担がれたおっちょこちょいが多数輩出したことを忘れてもらっては困る。

ご本人も、今枝を名乗るニセモノの登場を警戒していらした筈なのに、よりによってジオシティーズとは。

また光市事件懲戒請求扇動問題 弁護団広報ページはライブドアのwikiを使っている。「広告をいれるのは無神経」と噛み付かれ、「有料で広告の表示されないページを使用するべきだというご意見であるならば,我々はそこまで配慮するべき必要性を感じておりません」と返しているが、誰でも弁護団を名乗って開設できるサービスを選んでいる事自体が無神経だと思う。

民事訴訟は弁護人じゃないということを知っていたら、「弁護団ホームページ? 素人の作ったニセモノじゃないの?」と思いかねない(本文中にはちゃんと代理人と書いてある)。

どちらも、せめて広島県弁護士会のサイトからリンクしてもらうとかすべきだ。

繰り返しますが、ジオシティーズやライブドアに開かれているブログ等が信用できないという意味ではありません。しかし成り済ましての開設が容易なサービスであり、イナゴに対抗する砦としては脆弱に思えてならない(サーバーは頑強だろうけど)。あれはあくまで個人用、趣味向けのサービスだと。

非営利活動の団体がcomドメインをとるのも困りもの...

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