12人の怒らぬ男
以下は6月に書いたmixi日記から。ニュースにリンクさせたので、炎上するかもと思ったが、捨てアカウントをとって荒らしにくる暇人の目には触れなかったらしくごく真っ当なコメントをいただいて終わった。
有名な法廷劇である「12人の怒れる男」だが、もし死刑事件でなかったら、彼らはあそこまで熱く真剣に取り組んだだろうか。いや、最初にたった一人で有罪に疑問を呈した8号は、「何の討議もなしに死に追いやってしまうことはできない」と述べている。無期懲役なら、多少の疑問はあっても、刑務所の中で頭を冷やすのもいいだろうと合理化してしまったかもしれない。劇の中の少年(被告人)は無実を訴えた。しかしもし警察なり検察なりが、「死刑にはならない。無期懲役でも十年で仮釈放になる。その間に手に職をつけたらどうだ。」と囁いていたらどうなるだろう。どうせ大人は言い分を聞いてくれない。それなら裁判なんてサッサと終わらせて30歳になる前に出所した方が、と妥協することは考えられる。
被告人が争わなければ国選弁護人が事を荒立てることはまずない。裁判官は職権で真相究明に乗り出すことはできるが、それは理屈の上での話。かくして一丁上がりとなる筈が...
人生を諦めた者に運命は過酷だ。あの世から正木ひろしを呼び寄せても勝ち目はあるまい。いや、真相はわからないが。
それにしても、詳しく知らないことでよくまぁ怒れる人の多いことよ。
■光市の母子殺害被告、差し戻し審で殺意・乱暴目的を否認(読売新聞 - 06月26日 16:42)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=240162&media_id=20
つまり、「反省の色を示せば無期懲役」という予定調和に惑わされて真相究明が疎かになっていたのではないか、という疑問。
最近、弁護人に対して多数の懲戒請求が出され、それをテレビ番組で煽ったとされる弁護士を提訴するという場外乱闘が始まった。その話題を追っている途中で(被告人は)「下手に争って死刑のリスクを高めるより、反省の情を示し無期懲役を確実にする方が得策」と示唆を受けたという記述を見つけ、「やっぱりね」。
もっともこのblogがデタラメを書いていない保証はないので、当該フレーズで検索してみると、今度は「弁護士のため息」というブログの記事がヒットした。これは今回、橋下弁護士を提訴した今枝弁護士の説明だと言う。といって、それが本当という保証もないのが困ったところ。ほかの記事を見た限りでは騙り弁護士ではなさそうだが。
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コメント
はじめまして。
TBならびにブログをご紹介いただきありがとうございます。
現在、私は弁護団の方から当該案件に関する資料をいただきました。その資料にもだいたいその旨記載してあります。また、今枝弁護士のコメントはご本人のものです。
現在資料の読み込みをしています。
その場合はSo-netブログではなく、はてなのほうで書くと思いますので、よろしければご参考ください。
投稿: 瑠璃子 | 2007/09/09 23:25