麻暖簾
臨時の寄席で落語を聴いて来た。噺家が気を利かせてくれたのか「テレビではやらないもの」と演じたのが「麻暖簾」。
蚊帳も按摩も通じ難くなって来たというのもあるだろうが、なんと言っても盲人を笑いものにしているのがマスメディアで取り上げない理由だろう(差別だと判断したというより差別だと言われるのを恐れて)。
視覚障害者を「一人では何もできない無能力者」とするのはもちろん差別だが、「なんでもできる」と持ち上げるのも、一見能力を高く評価しているようで、実は「個人を見ないで“視覚障害者一般”でくくる」点で同じだし、さらには「介助をしない口実」になるからよろしくない。
この話には、自信家の盲人が一晩中蚊に悩まされるなど底意地の悪さも垣間みられる。しかし、晴眼者の中途半端な気配りが一番悪いこともわかるようにできており、もっと聞かれて良い話ではないだろうか。下げのところを少々工夫して。
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