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2007/04/14

世紀を越えた名誉回復、そして汚名挽回

中学生の時だ。教師が、われわれ生徒の無教養と言うか不勉強を腹に据えかねて、国語の教科書に載った長文、『八丈実記』を著した近藤富蔵の伝記と記憶する、を一人ずつ順に音読させたことがある。つっかえたり読み間違えたりしたら即交代。どういう順番かは忘れたが、とにかく私まで回ってきた。長いと言っても20ページもある筈がないから、平均して半ページも続かなかったのだろう。門内の生徒、習いたる教科書も読めず、だ。

実は前日、ストッパーの密命を受けていた。とはいえ、下読みくらいはしただろうが、総ルビの虎の巻を用意した訳でもなく、半ばぶっつけ本番。

弁士中止の声もなく、淡々と読み進む。サドンデスなので、読む方もそうだが、聞いている方も緊張しただろう。瞬く間に最長不倒記録の連続更新になる。

何ページかは忘れた。とにかく文句は言われない程度に読み続け、疲れも感じてきたころ、「漁舟」という単語が出てきた。一瞬躊躇して「ぎょしゅう」と読んだところで、「ハイご苦労さん」。お褒めの言葉は賜ったけれど、まぁ間違えたわけだ。

そんなことを、調べものの最中に舟艇という語を見つけて突然思い出した。あれは正しくはなんと読むものなのだろう? 世紀を越えた疑問の解答は一瞬にして出た。オンライン辞典には「ぎょしゅう」と。

念のため、漢和中辞典と広辞苑にもあたってみたが、やはり「ぎょしゅう」で正しい。なんか力が抜けた。

かくして世紀を越えて名誉回復はなった。

だが、漢和辞典も広辞苑も、当時から家にあったもの。あの日、帰ってすぐに確かめれば、翌日には職員室にねじ込めたのに。詰めの甘い性格を再確認することになってしまった。これぞ、文字通りの汚名挽回。

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