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2007/04/08

五人組

アテネ・フランセ文化センターで開かれている上映会「小川紳介と小川プロダクション」で「パルチザン前史」を見てきた。開場前に列はできていたけれど、蓋を開けてみれば観客は60人程度か。 昔笑いが起きた、時計塔で裏返しなっていた旗のシーンは誰も笑わず。

台本と、ついでに「辺田部落日録'71.9-'72.11」を購入。計400円。よく残っていたな。(日録は見覚えがあるので昔購入した事があるのかも)

議論、と言うか言い争いのシーンになると何を言ってるのかわかりにくいので台本は助かる。もっとも、読んでみても論理展開がつかめない個所はあるが。またあたかも現地録音のように「今こそ 別れめ (聴取不能)」となっている大阪市大陥落時に学生が歌う「仰げば尊し」は実はアフレコ

議論の場に女性の姿はない。救対(逮捕時の救援対策本部)が女子学生なので京都大全共闘も性別役割分担か、と思っていると再封鎖された文学部棟にやってきた見るからにノンポリチックないでたちの女子学生が、柱に書かれた「再封鎖」の字をしばし眺めてから、やおら下に置かれていた筆をとって「斗うぞ」と書き足すのでびっくり。学生の会話から、その決意はファッションではなく実践に基づいていたことが分かる(「あの女の子な、勇敢だったぞ!ものすごく!」)。

また時計塔で篭城準備を進める中核部隊のなかにもきりりとした女性達が映っている。このシーン、台本には「女子“工兵”がめだつ」「汗で髪がひたいにはりついたまま、わきめもふらずに働いている、白ヘルメットの女子学生。」と書かれていた。

余談になるが、目立つ女性活動家は当時「〜のローザ・ルクセンブルグ(またはゲバルト・ローザ)」と呼ばれたようだ。第一号は東京大の院生らしい。

ちなみに映画では、本名でローザ・ルクセンブルグに関する論文も発表している滝田修が蔵書からルクセンブルグの腐乱死体(ドイツ革命のさなか、右派に殺害され、川に投げ込まれた死体が確認されたのは半年後だとか)の写真を示し、繰り返し「ごっつい写真ですわ」と繰り返していた。革命家の過酷な運命を思ってのことだろうが、このとき彼は自らが無実の罪に問われて10年余の逃亡生活と7年近い拘禁生活を強いられることを知らない。

さて本題。ここに登場する滝田らは党派に所属していない。党派がそれなりの力量を発揮していることを認めつつ、その「丸抱え」を批判して自分たちの闘い方を模索する。そして出てくるのが五人組。キーワードが「義理と人情」というのが面白い。

この手のものは、一方に偏ると相互批判が高じて相互批難から内ゲバへ、他方に偏ると現役ならば傷の舐めあい、「卒業」後は思い出を語りあうだけの同窓会になってしまう。後者を食い止めるのが義理、前者を防ぐのが人情なのかなぁと漠然と思う今日この頃。

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肝機能値が知りたくて献血をしてきた。勤務先が行う健康診断には、検診車を使う標準的 [続きを読む]

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