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2007/03/31

しばしも休まず

大学は化学系だったので、研究室にはガラス細工の場所があった。入ったばかりの4年生(卒業後は僧侶になる修行にはいった異色の人物)が、そこでフイゴを踏みながら「しばしも休まず♪」と歌って院生を喜ばせたことがあった。

そんなことを、NHKの「みんなの童謡」を聞きながら思い出した。あれ、歌詞が違わないか? ところが調べてみると、違っていたのはこちらの記憶で、正しい歌詞は放送通り「しばしも休まずつち打つ響き。飛び散る火花よ、はしる湯玉」(当初は「しばしもやまずに」だったがそれとは別の話)。

余談になるが三番の「刀はうたねど」は、大日本帝国が崩壊して軍備を廃棄したのとは無関係で(そういう説明を聞いた記憶もあった)、少なくとも1933年にはこの歌詞。尋常小学唱歌(四)に発表されたのは12年とのことなので、ワシントン軍縮条約(22年)も無関係。

こういったことがわかるのも歌詞を載せているサイトがあるからで、もし著作権が云々されて公開されていなければ、あやふやな記憶を正す機会は狭められてしまう(もっと困るのは不正確な異説の乱立)。

ちなみに「村の鍛冶屋」は作詞者・作曲者ともに不明とのことなので、公表後50年は経過しているもののひょっとすると著作権は継続しているかもしれない。JASRACは著作権は消滅したという態度で仲介はしてくれないから、「私が作詞しました」という老人や「49年前に物故した親の作品」という人が出たら大変だなぁ。

著作権を、著作者の死亡70年後まで保護しよう(現行は50年)という動きがあるが、権利を主張するからには義務も全うしてほしいもの。著作権法はその目的に「文化の発展に寄与すること」を挙げているのだから、「権利者が分からない」「どこに許諾を求めたら良いか分からない」という状況は法の趣旨にもとる。権利の上に眠るものは保護されないのだから、死後70年間しっかり権利関係を明らかにし、許諾申請も滞りなく処理してもらいましょう。(誰がその費用を負担するのかな。)

なお、現行法でも「相当期間にわたり公衆に提供され、若しくは提示されている事実が明らかである著作物は、」「相当な努力を払つてもその著作権者と連絡することができないとき」に限って、お役所に供託金を納めれば利用できるそうですけど...商用ならともかく面倒な話。かくてOrphan Worksが増えて行くのでしょうか。ミッキー功なりて、万骨枯る。

【追記】


さきほど放送を見ていたら、テロップには「暫しもやまずに」とあったような...(汗

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