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2006/05/31

自然と左に曲がっていく

盲人ガイドの訓練に出くわした。目が見えないとはどういうことかを体験させているらしい。

晴眼者が目隠しをして、白杖を使って歩いている。見ていると、だんだんと進路が左に逸れてこちらに近づいてくる。後ろにはトレーナーがついているが、道が広く通行人が他にいないせいか逸れるに任せている。少し痛い目にあうくらいが訓練には良いのかもしれない。

とはいえ、こちらからぶつかるわけにもいかないので、対向していた私は道を譲る。トレーナーが会釈をしたので頷き返す。何も知らない訓練生は杖を前にかざしながら通過。

前に障害物がないのを確かめて歩きながら目をつむってみた。恐ろしくて数秒ともたない。

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2006/05/30

Windows 1.0

勢いだけで良いですか」という記事のために「送信ボタンをクリックする前に、一回読み直せばこんな恥をさらす事はないのに」の具体例を探した。しかし、これはある意味「バカの代表」としての晒し者だから、慎重さを要する。一つには、いくらバカな事を書いているからといって、他を差し置いて「このバカを見よ」とすることが妥当かどうか。また強い思い込みで書いているものは逆恨みされる危険もある(トラックバックしなければ本人は気づかないだろうが、同類が集団的自衛権を発動するかも)。

そこでブログではないけれど、有名人の講演を例にした。「これは勢い余ってではなくて本質的なバカだろう」という批判はあるかもしれない。

ちなみに、この講演、ライブで聞いている。すぐに何か書いた記憶があったので探してみたらmixiの日記だった。より広範な問題指摘は既にしている人がいるけれど、せっかくなので公開。半年経つと「公には書きにくい」も弱まるのね。

19,20の両日、日経コミュニケーション創刊20周年記念フォーラムに行ってきた。あわせて14セッション。本来なら合間合間にまとめ、翌日にはレポートを提出するところ、あいにくと鼻風邪をひいてしまい...orz

金曜に残業してメモと記憶を整理したが、まぁ難しいこと書いても読んでもらえないもんね。

ところで公には書きにくいのが表題の件。2日目に「 企業を変えるネットワーク革新 〜21世紀をリードするための条件〜」というご大層な題の基調講演を行った大えw研一。一言でまとめると、「教師の言うことなんか聞くな」と言う親の言いつけに子供が従ったとご満悦のおぢさんによる無邪気な自慢話。(いやいや、結構邪気にまみれ、脂ギッシュだったという評価も)

アンケートには「大変わかりやすかった」が「あまり参考にならなかった」と回答しておいた。

わずかに参考になったのは...新入りに古参社員を教育させろ、というところくらい。

フレームワークを理解していなければ、(天才は別にして)それを超えることなどできないでしょうよ。

googleは適切なキーワードを入れられなければ求める情報を得ることはできない。

ヒットした記事も読まなければ身につかない。コピペで済むと思うなよ。

googleも間抜けではない。利用者が求める情報を提供しなければそっぽを向かれる(競合に敗れる)と言っている(情報提供側のSEOとは友好的緊張関係)。

iTMSのSはStoreの頭文字ってご存じ?

携帯電話からインターネットに入った人間はセキュリティ意識ぼろぼろだと思う。

参考記事:「楽天・ライブドアでさえ経営モデルは古い」−−大前研一氏
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051020/223142/

「大前氏は,Windows OSのバージョン1が登場した1985年を「すべてのデジタル革命の起点」と位置付け」 ぉぃぉぃ 藻前はWindows1.0を使ったことがあるのかと問いつめたい。Windowsがなんとか使い物になるようになったのは3.1からというのが世間の評価だと思うが。

末尾に取り上げた記事は記者による要約だから講演を聴いていない人は「何をバカな...日経の記者も質が落ちた」と好意的な解釈も可能だったが、SAFTY JAPANは署名記事だから逃げも隠れもできない。

NASDAC (^^;


で、ゴキブリは一匹見たら...で他にもないかと探すとありました。NASDAC銘柄! 人をバカ呼ばわりする前に念のためgoogleで検索したら、予想通り「もしかして: NASDAQ」と御注進。そうですよねぇナスダックはNASDAQ。さらに念のためNASDAC銘柄で検索すると新語流行語大賞狙いか?とWindows1.0と合わせて指摘している記事発見(NetwereはNetWareの間違いですね)。ああ、最近はホットコーナー読みに行ってないな。読みに行ってないといえばがんばれ!ゲイツ君もご無沙汰(ここでも取り上げられている事は検索で見つけた癲声塵語で知った)。それはともかく、NASDACというゴキは結構多いようだ(すべて誤記とは断定できないが41,600件ヒット)。

ところでこのBG/AG(ビフォアゲイツ/アフターゲイツだって 弔鐘)について調べてみると、真に受けている人が結構いる事に驚く。もしかしたらこういう人たちにとってはWindows1.0というのは単なる比喩で、その実際はどうでも良いのかもしれない。そういう考え方はありえる。何か時代の区切りが必要だ、85年は区切りが良い、この年に何があった?そーだWindowsだ、程度なのだろう。そうするとWindows1.0なんて、というのはただのパソコンおたくがキャンキャン吠えているのと同じ? 勘違いから出発して正しい結論に辿り着く事もあるから、細かい事を気にしていたら大成できないと鷹揚に構えるべきか。

しかし、この恣意性には腐臭を感じる。これに関して大前を「実際に彼の「残り2割になる方法」というのは、...「実戦検証済み」の方法ばかりで、その意味で「勝ち組マニュアルライター」としては、最も良心的な作家の一人」「彼は還暦を過ぎた今も、まだ教師であるよりも生徒」「力のある人が老いる事を知らないというのは、実は結構な悲劇」と評しているのを見つけて、なんとなく納得。

マスコミなおもて往生す


さて編集者がついているプロの物書きですら、こういう間違いをしでかす(芸風なのかもしれないが)。これに関して、上野千鶴子が曽野綾子に対して「第二に、曽野さんの理論展開が、すこぶる粗雑で事実誤認を含んでいる事である」と指摘しながら「これを読んで、私はアゼンとした。それから、ちゃんとした編集者に巡りあえなかった彼女の不運に同情した。」と書いているのを思い出した(今は廃刊となった月刊Asahi Vol.1 No.6)。これは「現実の出版界にもゾッとするほど低劣なものはありますよ」と平野啓一郎が「新潮」の対談で述べていることに通じるだろう。

とすればブログにおいておや。だから「細かい事は気にしない。必要なのはリアルタイム性と勢い。」という意見もわかる。でも、悪いところまで真似する事はないと思う。ネット上で「私は初心者なので」を免罪符に繰り広げられる迷惑行為を知っている人なら、「初心者だからこそ」慎重にすべきという意見に賛成してくれると期待する。

後から直せるのがブログに限らずオンライン公開の利点ではあるけれど、それは公開前校正省略論を正当化しないだろう。

議論は活発であった方が良い。そのためには異論を歓迎し、自分とは違った見方考え方に寛容であるべきだ。しかしそれも「私はこう考える」と述べられていればこそ。「真実はこうだ」と嘘を書かれたら突っ込みたくなるのが人情。

枝葉末節には無闇に突っ込まないようにと自戒しつつ

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勢いだけで良いですか

久々にCNETで江島健太郎のblogを見たら「新潮」6月号に『ウェブ進化論』を著わした梅田望夫と作家の平野啓一郎の対談「ウェブ進化と人間の変容」が載っているというので買って来た。(A4判と思って探したのでなかなか見つからなかった。「新潮」ってA5判なのね。日本語で書いてあるけど。)

ワクワクしながら読み始めて、2ページ目でのけぞった。

ブログは書き始めて三年になるんですが、自分でやってみて痛感したのは、文章の推敲が足りなくても、少々誤字があっても良いから、リアルタイム性と勢いが必要だという事です。
(梅田発言 強調は引用者による)

半分、というよりは2/3はわかる。だからこうして、全体は後回しにして、この部分だけで一文ものしている訳だが、推敲が足りなくても、少々誤字があっても良いというのはどうだろう。

管見の範囲ではあるけれど、「送信ボタンをクリックする前に、一回読み直せばこんな恥をさらす事はないのに」という代物は実に多い。誤字脱字誤変換だけではない。前提となる事実関係が間違っていたら、そのご高説は砂上の楼閣ではないか。いや、一見枝葉末節の誤りでも「一匹見たら三十匹いると思え」で全体の信頼性が揺らぐ事がある。「付け焼き刃の知識」「知識を欠いている自覚が無い」「思いつきで書く」「思い込みが強い」「知的誠実さに欠ける」


論文誌への投稿ではないから、そんな厳密な事を要求している訳ではない。オンライン辞書やwikipediaグーグルテクノラティで確認する、あるいは自分の主張や認識をひっくり返すような事実がないかをチェックするだけだ。そんな手間さえ惜しむのは、自他ともに認める得意領域に止めておいた方が良い。(人は得意領域で大失敗するものだけど)

いやいや、梅田さんのブログにウソが多いといっている訳ではない。おそらく普段からよく考えている事に関しては、新しい刺激を受けてパパッと書いてもそうひどく外す事はないだろう。たとえ勘違いがあっても、新しいものが生み出されるような勘違い。

だが、世にあまたいるブロガーはそうではない。だからプロの技法を一般化してほしくない...というのが違和感の正体のようだ。

特に梅田さん自身が彼らがネットで正しいことを言えば、世の中はずいぶんよくなっていくのではないかと期待する「クラスの上から五人」「親戚中で一番敬意をもたれている人」には慎重に書いてほしい。この人たちが誤った事実認識に基づいて、あるいは思いつきを確かめもせずに、一時の感情に駆られて、影響力を行使したら恐ろしい事になる。

以上が1/3の不同意。そうは言ってもリアルタイム性と勢いは必要だな。六日の菖蒲じゃ勝負にならないし十日の菊は誰も聞かない。

読む気をそぐような誤字脱字誤変換は自動校正機能が発達すれば解決するだろう。いずれはサーバ側でチェックしてくれるようになるかもしれない。

内容のチェックは難しい。下手をすれば検閲になってしまう。これはたとえばキーワード自動リンクによって基本的な勘違いは防げるようになるかもしれない。下書き段階で言葉の意味やキーワードの解説を確認できれば、(ブログではないけれど)1985年を指してウィンドウズのバージョン1が公開されて、ビル・ゲイツが表舞台に登場したこの年こそが、ネットワーク時代の「紀元」にあたるみたいな恥ずかしい発言はしないだろう(Windows1.0がどんなものかの評判も知らないならIT史を語るなよ)。「情けは人のためならず」や「カーキ色」のように意味が変化しているものなら「私はこっちの意味で使っている」とリンク先を指定したり。

それでも親切な読者がついているのが一番かなぁ。

後は格付け。具体的な方法は思いつかないけれど、床屋政談は御自由に、但し隔離しておく事で影響を抑えるような。本人が「これはホンの思いつき」とマークしておくだけでも、真に受けられて独り歩きすることを防げる。検索の時代は、前後の欠けた1エントリーだけが注目される危険があるから(たとえば別フレームにエイプリルフール特集と書いてあっても見落とされる)。

ちぇっ、月曜中に登録しようとしてたのに。

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2006/05/27

胃の薬

水曜の夜に突然腹部に不快感を覚え嘔吐した。朝になっても収まらないので病院へ。待合室で辛そうにしていたら処置室のベッドで寝かせてくれた。横になったまま診察。水分補給をかねて鎮吐剤?の入った点滴合計700ml。その間に血液検査で炎症の有無を調べてもらう。

CRP(C反応性タンパク質)の値から消化管損傷の心配はなく、吐血・下血もないので、軽い胃炎(ウイルス性?)ではないかと。胃薬をもらって経過観察する事に。

処方されたのは下記二剤。

ガスターD錠 10mg
胃炎、消化管潰瘍の治療に用います。
胃酸の分泌を抑える薬です。
主治医の指示なしに服薬を中止しないでください。
缶などの気密容器で保管してください。

ドンペリドン錠 10mg 「EMEC」
消化管の運動を整え、吐き気を抑えたり食欲不振や腹部の膨張感をなくす薬です。
ナウゼリンと同じ成分の薬です。
眠気や動揺感があらわれる事がありますので、車の運転や危険の伴う機械の操作等には十分に気を付けてください。

※このトンペリ(ちがう)にはジェネリック製品もあるとのことだが「味が不評」なので、初回はこちらを、と薬剤師さんの弁。舐めてみると確かに美味しい。でも苦いのは平気ですけど。

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ユニバーサルデザイン度

こういうテストがあるとホイホイ受けてしまうのは他人の評価を気にする性向か、あるいはペーパーテストに慣らされた世代的傾向か。

設計者向けテストだが、だいたい常識で判断がつく。で、結果はあなたのUD度は 上級レベルです。本当のことを言ってもお世辞にはならないぞ。ユニバーサルデザイン(UD)とバリアフリーの違いを突いていたように感じた。

ユニバーサルデザインをかなり理解しています。 設計者にとって建築主の意向は重要ですが、その指示をうのみにしていると、使い勝手の悪い建物になるかもしれません。建築のプロとして、より使いやすいデザインを提案してはいかがでしょうか。

後半の指摘が気になりますね。

詳しい解説は、日経アーキテクチュア5月22日号の特集「今すぐ実践 気配り設計〜新法制定でユニバーサルデザインは不可避に」をご覧くださいとのこと。

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携帯電話の時代

総務省の「通信利用動向調査」によれば、インターネット利用:携帯電話が主流に パソコンを上回るとのこと。

これはわからないでもない。いつも身に付けているし、電源オンですぐ使えるし。

でも携帯電話でインターネットは好きになれない。パソコン利用から入ったというのが一番の理由だろうが、他にも
・完全従量制で広帯域の恩恵に浴せない
・閲覧できるサイトが限られている
・定額制で利用できるのは囲われたコンテンツ
・掟破りの絵文字が当然のメール
・メールのヘッダが見えない
・携帯電話でメールを始めた人はタイトルなしで送ってくる傾向

パソコン(だけ)を使っている人と携帯電話(だけ)を使っている人とでは、「常識」が相当かけ離れているように思う。たとえば「メールは36文字毎に改行」なんて、携帯電話ユーザに言わせたら「なんで?」「めーわく!」なことだろう。逆に全文引用はPC初心者にも多い顰蹙行動だが、携帯電話から来ると「パケ死したいか、このマゾ」と罵りたくなる。

ウェブサイトの方はどうだろう。まだ「Windows+IE+SXGA(1280×1024)」を前提に作っている所は多いだろうが...気がついたら携帯サイトを充実させた方が勝っていたりして。

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業績を上げた個人を高く評価する事は

日経のbpspecial「こんなとき、あなたならどうする?」社員のモチベーション向上の方法にコメントしようと思ったが、もたもたしているうちに閉め切られてしまった。orz

お題は、社員のモチベーションを高めるために業績を上げた者を個人として大きく評価することの是非。

A社長方針は、チームの和を乱すから個人を大きく評価はしない。対するB社長方針は業績を上げた者を評価するのは当然のことである。

(毎度思うけれど一つの会社と考えたら社長が二人いるのって変じゃない? 方針Aと方針Bで十分なような。)

これについての私の考えは


A社長方針では、業績向上の果実が社員に行かないではありませんか!? チーム全体に一律ボーナス? 間接部門がやる気を無くしますよ。もっとも「経営者だけが美味しい目」が一番モチベーションを下げますが。

という訳で基本はB社長方針。ただし、その個人が「自分一人の功績」「部署の他の連中は寄生虫」といった勘違いをすればチームは崩壊しかねない。

そこで、表に出ない働きっぷりは人事や上層部よりもチームメンバーやリーダーの方がわかっている筈なので、「使い方は任せるから、メンバー全員に感謝して還元するように」と言い添えれば、より公正な報酬となる。それに現金で一万円もらうより、一万円の食事に招待されて「あなたのおかげ」と言われる方がモチベーションは高まるでしょう(特に地味なプレイヤーの場合。ローンを抱えていれば話は別)。

派閥形成の危険性はあるが、チーム内でいがみ合っていてはチーム全体の生産性が落ちる事は、会社全体の云々よりは感覚的に理解しやすいので、そう極端な事にはならないであろう。いざとなれば

「いざとなれば」の続きがでないままタイムアウトでした。会社の規模とか業種によって様々ですからね、具体的処方は。

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2006/05/19

日経パソコン マラソンテスト

日経パソコン創刊500号記念の「マラソンテスト」をやってみた。

第一回 Windows編 2月23日開始
あなたの得点は 16点 平均点16点、解答者14694人中7231位です。
第二回 Office編 3月9日開始
あなたの得点は 19点 平均点16点、解答者11954人中1879位です。
第三回 ハードウェア編 3月23日開始
あなたの得点は 17点 平均点15点、解答者10842人中3192位です。
第四回 インターネット/セキュリティ編 4月6日開始
あなたの得点は 19点 平均点17点、解答者10230人中1621位です。
第五回 パソコンとネットの常識編 4月20日開始
あなたの得点は 20点 平均点17点、解答者9808人中1位です。

受けた順番は、4,5,2,3,1。解答者数は日々更新されている(2日のセキュリティ解答者は8423人)。

正解「ウイザード」の引っ掛けに「ウィニー」とあったりして笑えた。当てずっぽうを防ぐため「わからない」もあったので、お手上げの場合は正直に選択。思いのほかMS-Office関係が高得点だったのが不思議。

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「開発した者が売れ」は正しいですか?

日経のbpspecial「こんなとき、あなたならどうする?」へ回答した。

技術主導型で売上げに悩んでいる会社で、A社長の方針は「開発者をある期間、人事異動させて、営業担当にする」、一方B社長方針は「開発者はそのままで、営業への支援はしても、営業担当にはさせない」。正しいと思う方を1000字以内の理由を添えて送信しろ、と。

普通に考えればA社長の方針を選ぶ事になるが、あえてB社長方針に分がないかを考えてみる。

B社長の疑問はもっともである。ただ、A社長方針への反論が多く、前向きな提言がないのが難。

よく見るとA社長は「悪いのは開発側」、B社長は「営業側に問題がある」と言っているに過ぎない。二人とも技術系とすれば、自らが変わろうとするA社長に軍配を上げたくなる。だが営業側に問題はないのだろうか? 説明の中に「開発が営業の意見を聞かない」とはないので、営業が開発側に顧客ニーズを伝えてないのではないか。それに気づいているB社長は「開発者は今のままで良い」にとどまらず「営業をこう変える」と踏み込む必要がある。たとえば週に一つは技術クレームを持ち帰るよう義務づけるとか。一番大切なのは、営業(に限らず社員が)自社製品に誇りと自信を持つこと。


開発を営業を経験させるのは短期間で十分。「売るのって大変だ」と実感すればよろしい(新しいセンスで売り込みに成功すればもっと良い)。「技術開発側をコキ使う」とは、慣れぬ営業をさせて悲鳴を上げさせる事ではなく、本業で力を発揮させる事の筈。

31日に集計結果が出るそうだ。ひょっとするとコメントをいただけるかも。

あれ、同じ日経のIT Proにもこんな記事が。
営業担当者がSEに抱く不満とは


「SEに足りないと思うスキル」の上位3項目は、「顧客の課題などを聞きだす力」、「その場に応じた会話ができる力」、そして「専門知識を生かした積極的な企画提案」が占めた。

当然、読者(多くはIT技術者)からは猛反発。一言で言えば「SEがそれをやったら営業は何をするの? 客と天気の話でも?」。もちろん中には冷静な人もいて、SEは契約における関連法規(商法・派遣法・下請法等)を理解していないから営業担当は必要と擁護していますが、これも裏を返せば「営業、もっとしっかりせい」。

2ちゃんねるの「ビジネスニュース+」にこのIT Proの記事が載っていて、こっちは営業経験者?も交えてほとんど煽り合い(SEとはSirimasen EngineerとかSumimasen Engineerとかいうのは未見)。まぁ専用ブラウザで捻りの無い特定IDを非表示にすれば、息抜き+小さな発見になるかもしれませんが。

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ゲイに偏見?

mixiコミュニティでの「拙著ですが」という本の紹介に興味を持ち、書いた人のプロフィールを見たら自分がゲイであること表明していた。

この時点で戸惑ったこと自体、記録天使に書き留められても抗弁のしようがないのだが、続きがある。

プロフィールに書かれた内容と本の著者像が一致しないのだ。後から考えれば「別人」と判断して終われば良いのに、「それはゲイに対する偏見」と格好つけたから面倒なことに。「この人は、実生活ではゲイであることを隠していて、mixiの中でだけカミングアウトしていたのに、実生活と紐付けできる発言をうっかりしてしまったのではないか」と余計な(これ自体「ゲイであることは隠すべきもの」という思考の結果だから)心配。

ならば発言削除を注進するのが親切というもの。だが、幸か不幸か「ゲイに偏見があると思われたくない」という浅ましい見栄が、「本当に隠しているか」の確認に向かわせた。

「表明している」の証明なら事例を一つ見つけるだけで済む。だが「していない」は悪魔の証明。いろいろ検索すると惑乱させるような結果まで見つかる始末。

結局、アマゾンのデータでは著者となっているが、これは編著で他にも著者がいて、その一人がmixi内の人、と結論を出すまで小一時間。短絡判断しなかったのは賢明だけど、夜中に何をムキになって調べていたんだか。

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2006/05/17

ウイルス対策ソフトを導入しても

日経IT Pro SMB(中堅中小企業)の Q&A:ウイルス対策ソフトを導入しても感染する原因は?にコメントを記入。

全ドライブの予約スキャンは実際的でない。業務に影響が出ないよう「金曜17時から」にセットすると「終わるまで帰れない」「急いでいるから残業しているのに仕事にならない」という苦情必至(昼休みなら前者は解決)。スキャンは常駐させる前に一回やれば、パターンアップが正常に行われている限り行う必要はないと考える。

ウイルス対策ソフトと定義ファイルが最新でも防げない場合がある。まず、対応する定義ファイルがリリースされていない最新のウイルスは検出も駆除もできない(0day攻撃)。また派手な活動を行わないものは対策ソフトメーカーの目に留まらないので対応されない。

ウイルスはセキュリティホールを衝くものが多いので、システムおよびアプリはなるべくバージョンアップする(最低限セキュリティパッチが出たら当てる)。これが基本。ウイルス対策ソフトはその次。0 day攻撃に備えて「必要でかつ安全と確信できたファイルのみ正当に利用する」(「怪しいファイルは開かない」は「怪しい」を適切に判断できないから無意味)を徹底する。それでも防ぎきれないのがウイルスなのですよ。だからデータバックアップは必須。

字数制限で省いたけれど、トロイの木馬が組み込まれたソフトが2年間以上も有名ダウンロードサイトで公開されていた例がある。これは作者が不正利用を発見するために仕掛けたもの(世界最初のコンピュータウイルスも不正コピーに腹を立てたプログラマによって作られたというのを思い出す)。それで当初「安全と確信できたファイルのみ開く」としてあったのを正当に利用すると変更。

巷間「怪しいファイルは触らない」が心得として語られているが、「怪しい」を見抜く力は一朝一夕には養われない(身に付いた人はそれを忘れがち)。また下手に勘違いされて、全うなファイルを捨てられる危険もある。逆にいま話題のWinnyなんて、ほとんどが「怪しいファイル」を求めているのだから、開くなといっても無理がある。

「安全と確信できるファイル」とすることで利用者に能動的な判断を求められる。また送り手も誤解を受けないように、件名をちゃんと書く要件もちゃんと書く(「添付ファイルをご覧下さい」は×)、添付ファイルの名前も本文に書くといったことを守るようになるだろう(できれば「添付ファイルは××のバージョン××でウイルス検査済み」とダウンロードサイト並の注意も記入してほしい)。

思えば昔(といっても10年経ってない)は、「知らない人から送られたファイル」が怪しいファイルだった。ところが送信者詐称ウイルスでこれがパー。また日本では「英語(または他の外国語)のメールは要注意」だった。これも日本語タイトルのものが現れてパー。「実行ファイルは危険」に至っては「実行ファイルってなんですか? 拡張子ってなんですか?」というユーザの前に崩れ去る。おまけにjpegウイルスなんてものまで現れて。かと思うとgoodtimesとかpenpal greeting!とかの類を信じてチェーンメールばらまく人もいるし(「テキストだけでうつるウイルスは無い」と言い切れた時代が懐かしい)。


最近の自動車はABSとか衝突予防システムとか積んでいるけれど、それでも公道を運転するには免許が必要な訳で、PCも素人への野放しは考え直した方がよろしいんじゃないでしょうか。AT限定で良いから免許を取れと。

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2006/05/10

「風の又三郎」を観てから読む

誘われて、映画「風の又三郎」を今年末に閉館となる三百人劇場で観てきた。

原作は1931年〜1933年にかけてまとめられたものだと言う。映画は1940年製作、ではあるが戦争の影は感じられない(37年の盧溝橋事件から宣戦布告のないまま日中は全面戦争状態)。生徒は登校すると国旗掲揚塔にお辞儀はするものの、それ以外に国家を想起させるようなものは出てこない。複式学級(全学年一教室)で先生も住み込み一人という小規模校という点を考慮してもちょっと不思議。原作に忠実であろうとしたためか。そういえば教師も、威厳はあるが優しく教導するタイプで、生徒が騒いだり怠けたりしても手を上げる事はもちろん、声を荒げる事さえほとんどない(原作の先生はもっと現実離れしている)。

そういえば大人たちも、面食らうほど物わかりが良い。わずかに実際には登場しない「専売局の役人」だけが恐い大人で(村の大人にとっても恐い存在?)、「遊んでないで手伝え」なんて言わないし、馬を逃がしても迷子になっても叱らない。そういえば子供も言われなくても農作業を手伝う物わかりの良さ。ひょっとして都会の映画人が夢見た「理想の農村?」(原作には汚れた足で床を汚す子供らは出てこない)。

風の効用問答で、映像化された風のする悪さには苦笑。帽子を飛ばされる、傘を壊されるくらいならまだしも、家が壊れる、屋根まで飛んだを実写する事はあるまいに(「シャボン玉」の歌詞勘違いを思い出す)。それに比べて、風車の効用はアニメーションで教科書的。

原作には無い鉛筆の後半エピソードは「又三郎は風の神の子ではない」を暗示しているようだが、相撲後に風を起こすところはいかにも「風の神の子でござい」で謎(この島耕二版を「原作の雰囲気をよく伝えている」映画と評価している風の又三郎の世界では「三郎が密かに空の雲行きを計算して歌を歌い出したことを明示的に描写しており、ここでは三郎が又三郎ではないことが示唆されている」とあるが、そこは記憶が曖昧)。

そういえば又三郎は風を起こせばよいのであって、雷雨は管轄外だと思った。

終わってから、「風の又三郎のオノマトペ表現の分析(レジュメ)」を読ませてもらう。表の作り方がイライラするほど稚拙(資料の作りは発表会でも不評だった由)なので作り直してみようか。

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xx記念血小板提供

スギ花粉症の季節が過ぎ、抗アレルギー剤が体内から抜けたので先月末に血小板を提供(成分献血)してきた。その検査結果が到着。

GPT:21
GOT:20
γGTP:55

GTPがやや高めではあるが標準値の範囲内。その他の生化学検査値・血球計数検査値にも問題は無し。

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2006/05/07

「私の人生を変えた3冊の本」

週刊誌「アエラ」No.22を読んでいたら「私の人生を変えた3冊の本」という、なんともベタな記事があった。ビジネスなど一線で活躍する53人に聞いたというが、挙げられた延べ159冊には読んだ事も見た事もないものが多数。これだから私は一線で活躍できないのか?

それでもリストに目を通すと、読んだ本がいくつか。
坊っちゃん
「死への準備」日記
羊の歌—わが回想
『夜と霧』
『方丈記』
『権利のための闘争』
『日本語の作文技術』

正直なところ、ここで千葉敦子と再会するとは思わなかった。「難局に出会うたびに思い出し、客観性を失わずに自立して切り開こうという勇気をもらった。」...確かに。

加藤周一を評して「こんな秀才が世の中にいるのかと思わせる伝記...近づくことの出来ない気品のある人生観に魅力」...納得。

ちなみに『羊の歌』には続編があります。

アマゾンの『「死への準備」日記』レビューには


この日記は、『朝日ジャーナル』に連載されていました。
毎週 千葉さんの文章を ハラハラしながら読んでいました。
「ずっと千葉さんの日記がつづいてほしい」と ひたすら祈っていました。

とある。そうだ。連載二回目で気づき、捨てずにあった前号をあわてて引っ張り出して読んだな。ある種予測された、しかしやはり突然の最終回は、入院を告げ休載を詫びる編集部宛のファクス。あれれ、最近涙腺が緩みがちだぞ(照)。

少しでも力になりたくてニューズレター「ウーマン・ウォッチ」を申し込んだりもした。遺産を元にアジアのジャーナリストを留学させる基金が作られた筈だが、どうなっただろう。と思い「千葉敦子 基金」でyahoo!検索したら自分の読書記録がヒットしてびっくり。

死後10年を過ぎ、流行を追う日本では忘れられかけているのではないだろうか。

その心配はないようだ。テクノラティでも結構ヒットするし。

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原典に当たる

週刊誌「アエラ」No.22を読んでいたら「私の人生を変えた3冊の本」という、なんともベタな記事があった。ビジネスなど一線で活躍する53人に聞いたというが、挙げられた延べ159冊には読んだ事も見た事もないものが多数。これだから私は一線で活躍できないのか?

それはともかく、夏目漱石の『坊ちゃん』を挙げた人がいて


いたずらをした寄宿生がシラを切った後、坊ちゃんが叫んだ。

〈世の中に正直が勝たなくて、外に勝つものがあるか、考えてみろ〉

 そのシーンが忘れられない。

と思い出を語っている。

? 憚りながら漱石は『我が輩は猫である』『二百十日』『坊っちゃん』『虞美人草』『行人』『夢十夜』くらいしか読んだ事はない(『それから』と『草枕』は途中まで)が、『坊っちゃん』にそんなシーンがあったか?

そこで原典に当たってみた。すると件の箇所は見つかったが、どうもシチュエーションがちと異なる。


おれが戸を開けて中に居る奴を引っ捕らまえてやろうと、焦慮てると、また東のはずれで鬨の声と足拍子が始まった。この野郎申し合せて、東西相応じておれを馬鹿にする気だな、とは思ったがさてどうしていいか分らない。(中略)どうしていいか分らないのが困るだけだ。困ったって負けるものか。正直だから、どうしていいか分らないんだ。世の中に正直が勝たないで、外に勝つものがあるか、考えてみろ。今夜中に勝てなければ、あした勝つ。あした勝てなければ、あさって勝つ。あさって勝てなければ、下宿から弁当を取り寄せて勝つまでここに居る。おれはこう決心をしたから、廊下の真中へあぐらをかいて夜のあけるのを待っていた。

寄宿生のいたずらに翻弄され、夜の廊下に独りウロウロしているところだ。決して叫んでいる訳ではない。寄宿生を叱っているのでもない。自分を鼓舞している訳ですね。

この人(東京大の小宮山総長)の記憶違いか、ライターが勘違いでまとめたのかは不明だが(総長を「学長」なんて書いてるから編集部のミスも怪しい)、ちょっと説得力が減じてしまって残念。本のタイトルのミススペルとどっちが問題だろう?

(実は最初、「正直」を「正義」と見間違えていた。危うくとんでもなく見当違いに見える批判をする所だった。原典に当たるというのは大切な作業。)

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2006/05/04

防ぐ気あるのか情報流出

アスキー社主催の情報漏えい対策セミナーに5250円払って行ってきた。

まず電通国際情報サービスの熊谷誠治が、お寒い日本の実情(電車の中でマル秘と書かれた書類を広げて仕事をする公務員など)を告発。Winny使用を禁止すれば取りあえず流出は抑えられるし、日本企業の実情云々なんて言ってるから流出を止められない、と意表をつく分析(セミナーの惹句が“「Winny禁止」「情報管理体制強化」では何も解決しない!”なのに)。「何をやっても効果はある」(ただし、費用対効果は別の話)と。そしてまずやるべきはルールの策定、次にルールが守られるための仕組み(道路におけるハンプのようなもの)を作ること。

※発表ではバンプ(bump=衝突)と書かれていたが、自動車を減速させるための道路の段差はハンプ(hump)。

このルールや仕組みは組織・人・技術力・業務内容によって異なる。人のスキルが高ければ投入する費用は安く済むし、ルールは柔軟にできる。組織の中で資格を認定するのも一法。

※これを組織外に広げると半ば冗談半ば真顔で語られるインターネット免許になる。真面目な話、無知不用心大胆傲慢な人はネットから隔離したいヨ。組織内資格は、たとえば昭和(ネット利用禁止)、二十世紀(制限ユーザで利用可)、平成(一般ルール適用)、二十一世紀(緩和ルール)の四段階はいかが。

次にIPAの加賀谷伸一郎が「眠くなる時刻ですので、トピックをいくつか」と登場。「人はなぜウイルスを踏むのか」という考察と懲りない面々の相談事例には会場から失笑。

※考えてみれば我が師匠「阿」の行動はこれそっくり。近々査察をかけねばなるまいな。
「反セキュリティ対策行動」は案外と根深い問題かもしれない。2005年4月にウイルスバスターの不具合でWindowsXPが動作しなくなる事件が起きた際、2ちゃんねるでは、いち早くウイルスバスターが原因と気づいたのは立派だが、「常駐を解除しろ」「アンインストールしろ」と無茶苦茶なアドバイスが。そして「それは危険」という意見には罵倒が雨霰。最新パターン(定義)ファイルを削除して一つ前の版に戻すだけで済むのに、アンインストールまで突っ走るのはなぜなのか。なぜウイルスに対して無防備になるという真っ当な警告を発した者(ちなみに私ではない)に罵声を浴びせるのか。なにか歪んだ美意識の存在を感じる。

「心構え」と「技術」の両面からの対策が必要であるとし、
心構えとしては
○漏れては困る情報の管理は厳重にする
○ファイル交換ソフト(Winnyに限らず)の利用を止める
自分だけでなく情報をやり取りする相手にも注意
○規則を遵守する意識の醸成
技術としては
○OSおよびアプリを最新状態に保つ
○ウイルス対策ソフトの導入とアップデート
○パーソナルファイアーウォールの導入
などウイルス対策 7箇条にまとめられているもの。

※2004年のファーストキンタマでは、チャット相手が感染していて、会話内容をキャプチャで暴露された人がいた。正直なところ、これではメールも迂闊に送れない。MLで注意を促そうかな。あるMLにはklezに感染した県議さんもいたし。

三番目は日本ネットワークセキュリティ協会の山田英史が登場し、いきなり「山田ウイルスの作者ではありません」(笑)。報道された情報流出事故を分析し、2004年までは
○盗難・紛失が件数で過半数
○紙媒体・PC本体が7割
○ところが被害者数では不正な持出しが55%でトップ(数は少ないが、一件あたりの被害が大きい)
と結論付ける。権限のある人間が意図して持ち出すのだから宜なるかな。

そして2003年度情報セキュリティインシデントに関する調査報告書で示された方法により、2004年度には一件あたり約14億円、総額4667億円相当の損害と計算する。ただし、実際には被害者のうち訴訟に参加したのは0.02%(今後もこの率が保たれるかは不明)。

そうすると対策としては、「盗難・紛失」に対するもの(電車の網棚を使わない/自動車の車内に残さない/飲食店では身近におく/暗号化/持ち歩く情報の選別等)と「内部不正」に対するもの(ルールの強化/教育/秘密保持契約/監視等)の両面作戦。

※聞けば盗人は被害者の行動パターン・心理をよく読んでいる(パチンコ屋の駐車場は狙い目とか)。無差別の金品狙いでこうなのだから、特定の人が持つ情報を狙われたら赤子の手をひねるようなものではないか。
そういえば熊谷さんも嘆いていたが、出張にPCを持参したら、ホテルに残すのはNG、肌身離さずを守ると迂闊に飲み屋にも行けないというジレンマに。

しかし、対策をとっていても完全には防げない。流出事故後の後始末も大切。インシデント発生後の対応フローを作っておく必要がある。

アリエル・ネットワークの徳力基彦は、「「Winny問題」から、ソフトウェア開発者が学ぶべきこと」のなかで、事故が報道されているにもかかわらずantinny等による情報流出が続出していること、それどころか(Winnyではなくカタカナで)「ウイニー」「ウイニー ダウンロード 無料」といった検索が非常に増えており、つまり興味本位のド素人が警告を無視して手を出している可能性の高いことを指摘。「ウイニーを使うのを止しましょう」は対策として不十分と結論付けていた。

※世の中には呑気に「Winnyは悪いソフトだから使わせなければそれで十分」と対策に消極的な人もいるようだが、AIDS封じ込め失敗の愚を繰り返さないようにしてほしいものだ。

グローバルナレッジネットワークの片岡正枝が、Windows基本機能で情報漏えいを防ぐ方法を解説したが、肝心のActive Directoryを使っている人が会場にもほとんどいなくて残念でした。

※だいたいさぁ、まだWindows98やMeを使っている会社だって多いあるんですぜ。それにライセンスを購入する必要がある上、効果は限定的なんだから。もちろんActive Directoryを使っているところは大いに活用してもらいましょう。

そのあとベンダーによるソリューション提案があったが割愛し、お待ちかねの金子さんによる「Winny開発者にできること」。まずWinnyは「情報共有ストレージ=電子図書館」を実現するソフトであると説明。Windowsの「フォルダ共有」のWAN版であるとたとえる。

次の昨今の情報流出事故を分析し、
1)重要な情報の組織外持出し ←この時点ですでに流出なのだ!
2)外部PCが情報漏えいウイルスに感染
3)情報がWinnyネットワークで閲覧可能に
これらすべての課程過程を経なければならないと指摘。Winny使用=情報流出という世間の見方に異を唱えた。

続いて現在の暴露ウイルス(情報漏えいウイルス)の仕組みを解説。なんとWinnyは公開フォルダをupfolder.txtで設定しており、それを書き換えるというのが暴露ウイルスの基本動作だという。さらにWinnyは「サブフォルダは公開しない」「隠しファイルは公開しない」という制約をしていたが、「隠しフォルダは公開可能」という見落としがあり、ここを衝かれた(アップフォルダ内に隠しフォルダを作り、そこへ非公開領域のファイルをコピーして公開か)。

そこで対策の第一は、バージョンアップ等で設定ファイルの名前をupfolder.txt以外にする(ちなみにupfolder.txtをリードオンリーにしても属性を変更されて書き換えられる由)。このあまりに簡単かつ効果的(既存antinnyは無害化)には「すぐ亜種が出る」と/.辺りでは不評のようだが、伝聞や孫引きではなくオリジナルを聞いてから批評しようや。ちゃんと設定ファイルの暗号化さらには設定ファイル書き換え時の警告もセットになっている(但し、「アップフォルダが変更されますがよろしいですか?」はうっかりユーザーにはあまり効果が無いだろう。デフォルトを「いいえ」すれば大丈夫?)。

しかし、京都府警に対してバージョンアップをしない旨の念書を出していること、また裁判では頻繁なバージョンアップが幇助に問われているので、自分ではバージョンアップは難しい、と。

※免責保証があれば喜んでやる感じだったので京都府警か検察が頭を下げれば万事丸く収まるのではないだろうか。検察が××をこねるなら総務省か経済産業省が大人の対応をみせるとか。

バージョンアップ以外の方法としてはパッチがある。パッチなら開発者以外でも作れるので「誰か作りませんか」。ただし、セキュリティパッチという触れ込みでウイルスがばらまかれる可能性もあるので、公表されても適用には十分注意してほしい、と。

※この「誰か作りませんか」がまた幇助に問われたりして、と半ば冗談でレジュメに書き込んでいたら、次の壇弁護士が「パッチを作って逮捕されたら、京都の人なら面倒は見ます」と警戒感を表明していた。あれ、センセ大阪では?
講演後はあきらかに他の演者に対してより盛大な拍手。参加者の多くは企業のシステム管理者であると聞いたが、皆さんWinnyが情報流出を起こしているのではないとわかっており、またWinnyは著作権侵害のための悪いソフトとも思っていないことが感じられた。たしかに電子図書館ソフトだ。だけど、そうだとすると初期設定がダウンロードオンリーって妙じゃない?

最後の壇俊光は金子勇の弁護人(弁護団事務局長)。ご本人のブログには皆さんのお目当ては金子さんだったりするので、私はとても気が楽と書いてあるが、どうしてどうして、世間の誤解、司法記者クラブの怠慢(無能?)、キンタマ(本人は伏せ字を使っていたが)被害者の壊れっぷり、検察の...をしっかり弾劾。

※このセミナーに来ていた人には常識だろうが、「Winnyで情報流出」が正しいなら「Windowsで情報流出」とも言えるんだよね。すでに「山田オルタネイティブ」などWinnyネットワークを介さない情報流出もあるのだから、マスコミも頭使えや。まぁiPodもmp3プレイヤー扱いだから無理か。

「情報漏えいの要件」としてあげられた項目はそのまま「antinny被害者の謎」
○Winnyをインストールして複雑な設定をする
 弁護団で実際にやってみたところ、ほとんどの弁護士がポートの開け方がわからなかったという。感染者はTCP/IPの知識はあるのにセキュリティの基礎が守れない。どうして?
○暴露ウイルスをダウンロードして実行する
 暴露ウイルスの簡単な偽装すら見破れない。どうして? 「人はなぜカチカチとするのか」と軽率なダブルクリックをお嘆き。
○暴露ウイルス感染PCに公開されてはマズい情報が第三者に閲覧可能な状態で入っている
 そもそも機密情報の取扱がなっていない。どうして? 情報の秘密度・重要度のアセスメントを行い、適切に処理(ex.暗号化)をしてあれば、仮に流出が起きても被害は少ないのに。

後半は情報流出事故に伴う責任問題の解説。北海道警(県警じゃないでしょ!)アンティニー事件国賠訴訟では、過失の要件である予見可能性が高裁で否定された(原告上告中?)が、現在これだけ報道された後ではもう無理。従業員が暴露ウイルスによる流出事故を起こせば会社は使用者責任を問われると警告。

情報のアセスメントをしておくことが重要。万一流出事故に至っても、「この情報ならQuoカードで済む」かどうかの判断ができる。


***

いやぁ、5時間の長丁場でした。おまけに本屋によって月田承一郎さんの遺稿本を買ったりしていて昼食を摂り損ねて。

まとめると
○本質は機密情報の不適切な取扱い。Winny利用の有無は二次的な話(Winny非依存の暴露ウイルスの存在、PCの盗難・紛失の方が数は多い)。
○精神論で解決できる問題ではない。
○人が最大のセキュリティホール。ルールを守らせる仕組みが必要。

というところか。どの演者か忘れたが、「Winnyを強制削除するようなツールを導入しても、ユーザはツールを停めてWinnyを動かしますよ」と言っていたのが印象的。

それにしても政府は本当に情報流出を防ぐ気があるのだろうか? ひょっとして「Winnyを使うのが悪い」という思考停止に陥っていないか。政府主導で対抗コンテンツ放流は冗談としても、もう少し実効性のある対策はとれないものか。防衛庁が私物PCの持ち込み一掃に取り組んだのは英断だが、盗難・紛失という鬼門もあるし、「Winnyじゃなければ良いんでしょ。役所の方が高速回線だから」というダウソ厨がいれば元の木阿弥。

もっと恐いのは、Winnyユーザ成敗論だ。キンタマウイルスはWinnyユーザを「懲らしめる」ために放流されたような気がする。JASRACやACCSはそんな過激なことはしないだろうが... サイバーマフィアが親切ごかしにP2Pソフトユーザに攻撃を仕掛けるかもしれない。ファイル共有ソフト悪玉論に安住し、現実に苛ついていると、悪魔のささやきに乗ってしまわないだろうか。そしていつの間にか自力救済の世界に。それはまた弱肉強食の世界だ。おお、なんと素晴らしき新世界!

(でも、「基本的セキュリティ知識があれば避けられる、しかし感染すれば致命的なウイルス」を放流することで、アホユーザを人為淘汰するという考えを振り切ることができない。誰か私を納得させて!)

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2006/05/01

Creator's Table Vol.4でのアンケート

 28日に参加したCreator's Table Vol.4 「デザイナーが本当に聞きたい『Webの話』」へのアンケート回答。懇親会で知り合った方に内容の一部を話したら、なぜかすごく感心された。ということは他にもこれが役に立つ人がいるだろう(一人でもいれば意味がある)ということで公開。色字は補注。

2.今、マスメディアの、宣伝媒体としての実効果や有り方が問われています。これからの媒体はWebが主流となると思われますでしょうか?
 思う
 思わない
○どちらとも言えない

4.その理由(自由記述)
20年後なら(終末戦争がなければ)そうなっているだろうが、5年後だとわからない。まして来年再来年においておや。

5.今、宣伝やプロモーションの有り方が問われています。新しい手法にはデザインや見栄えだけでなく、心に響くメッセージや見せ方が必要になると言われています。マーケティングとデザインの今後の関係については、どうお考えでしょうか?(複数回答可)
 無縁でなく密接なもの
 マーケティングはクライアントの領域
 クリエイターはデザイン、センスが命
 出来ればマーケティング視点からデザイン提案をしたいと思う
○その他(プッシュ型プロモーションは禁止になるかも。)

(これは半分冗談、半分本気)

6.メディアミックスと言われて久しいですが、現実にWebと連動する宣伝媒体として、一番何を連想しますか?
 テレビなど電波
 広告(商業印刷)
 新聞・雑誌
 フリーペーパー
○ケータイ

11.本イベントについて伺います。内容についてはいかがでしたか?
 充実していて、良かった
 今ひとつ物足りなかった
 詰め込みすぎて、消化不足だった

(記載漏れ:「○充実していて良かった」)

13.もし有料となった場合、どの程度の金額でしたら参加を希望されますか?
 2000円

14.次回以降、ゲストで呼んでほしい方をお書きください。
 視覚障害のあるユーザー、デザイナー

(デザイナーではないが日本IBMの浅川智恵子や静岡県立大学の石川准、東京大の福島智らを想定)

16.その他、ご意見・ご感想など、なんでもご記入ください。
 このアンケートは字がテカテカしていて読みにくい。

(富士ゼロックスご自慢のプリンターなのだろうが...文字は艶消しブラックが良いよ)

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