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2006/01/07

トラックバック文化考

知人の紹介でトラックバックをめぐる4つの文化圏の文化衝突を期待して読んだ。ところが私は4つのいずれにも属さない。

「内容さえ関連していれば条件を満たしている」派ではあるが、トラックバック返しには批判的なので「関連仲間文化圏」からは遠い所にある。

「相手への言及(リンク)」をトラックバックの必要条件とはしない理由は勤務先アカウントのブログで書いたが、会社が倒産して近々閉鎖されるだろうから一部引用しておこう。真っ先にリンクをトラックバックへの必須条件としたはてなダイアリーへの批判。なお、原文では強調表示はない。

トラックバックspam対策として有効なのは認めるけれど、ガイド自身直前で「こちらの記事に関連した記事があります。(関連記事紹介)」をトラックバック要件に挙げている。これなら一方通行でも問題はないだろうに。それに個別に名指しにしたらトラックバック送信元の性格が限定されてしまうではないか。場合によっては送信先に恥をかかせてしまうかもしれない。

たとえばあるblog(blogA)にしょーもない勘違いというか質問が書かれていたとする。それに同情して、詳しい解説をしてあるblogBからトラックバックをすると、blogAを読んだ人はblogBに辿りつけて蒙を啓くことができる。ここまでは良い。blogBを読んでいる人にはblogAは意識されない。

ところがもしblogBからblogAへのリンクが必須条件になっていると、blogBを読んだ人には、blogAが「バカの例」として血祭りに上げられているように見えるだろう(同じ間違いをしているblogは他にもあるのに、よりによってblogAだけを名指しにするなんて!)。そして一般的な解説であったblogBは単なるblogAへの嫌がらせに成り下がってしまう。

blogAの内容がそれほど恥ずかしくない場合でも、blogBはblogAへの回答が主目的ではない。

blogBはblogAを書いた人のため(だけ)にトラックバックした訳ではない。blogAを読んだ人のためにトラックバックをしているのだ。そしてまたblogAにリンクをしないのも、blogAを書いた人の名誉のため(だけ)ではない。自分のブログを読んだ人に意味の無いリンクを提示しないためだ。

トラックバック返しには批判的なのも同じ理由。

しかし二番目の問題として、トラックバックのループが浮かんでくる。書いてる当人はあまり気にしていないようだが、後から読む側にとって、トラックバックを辿っていったら元に戻ってくると言うのは非常に腹立たしい。実際のところ、トラックバックスパムも相まって、議論が深まるどころか迷路に陥りそうになったことがある。まるである種のサイトの広告をクリックしたみたいだ(ぉぃぉぃ)。

常に考えるべきなのは読む側の利益、だと思う。読者あってのblogでしょ。以下もその立場で書いたもの

さて、この機会にblogへ情報処理技術者試験の問題を載せている人へ一言。「問題だけ」は止めてほしい。調べ物をしていて、そういう無内容なページがヒットすると、こう黒い情念がむらむらと。問題に続けて自分の回答を、オリジナル表現の根拠を添えて書き込んであれば、これは「引用による利用」で大手を振って公開できる。間違えていた場合は恥をかくかもしれないが、失敗を恐れていて前進はありえない。その緊張感を維持してしっかり考えたまえ。公明正大かつ勉強になる。どうか問題だけのblogは止めてくれ。

私が「4つの文化圏」の考察から除外されてしまった理由が見えてくる。あそこに登場する作者が考えるのは自分の都合だけ。だからトラックバックが「相手の記事からアクセスを奪ってくるもの」という、私にとっては不可解な考えが出てくる。コメントでアクセス至上主義みたいだと批判されて、アクセスが「一方通行」になるというか、不均衡になるのがよろしくないと感じると弁解しているが、それこそ「違う文化の人だなぁ」としか感じられない。

「アクセスを奪う」を正確に理解すれば、本来こちらに来るべきアクセスをよそへ誘導してしまうことで、トラックバックをされても自分へのアクセスは減ってはいないのだから、「奪う」とは言いがかりにしか思えない。相手のアクセスのおこぼれに与れないのは確かだが、それって権利として主張すべき事? 相互にアクセスを融通するって、下手したら上に書いたように読者をループに誘い込んでぐるぐる回すことになるんですけど。

とはいえ、マトリックスで4つに分類したのは議論を整理する上で有効だと思う。それにしてもspam文化圏からの「宣伝させろ」トラックバックに対してごあいさつ文化圏からの返礼が「トラックバックありがとうございま〜す」というのには笑った。

住み分けるのは摩擦を避ける方法にはなるが、たこ壷にはまる危険もある。「郷に入りては郷に従え」で、異文化圏を見て回る余裕も必要だろう。ネット上の争いで血が流れる事は無いとはいえ無用な文化摩擦は避けたいもの。そのためには自らの属する文化圏を明示(「リンクのないトラックバックお断り」など)するのは有効だろうが、そういう言明をしないという文化もあり得るな。これは空気読め(暗黙知)派とお知らせ読め(形式知)派の争い。まぁ、皆さん、自分が世界の中心にいるとは思い込まない事ですね(←これすら、「自分が中心と思えないようではダメ」という考えの人には受け入れられないだろうな。それ以前に「仕切るな」と石が飛んでくるかも)。


最後に禁じ手?を披露。ライブドアの仕様は知らないが、はてなの場合、トラックバック先URLをコメントアウト等で不可視にしていても受付けてもらえる。「知人の紹介で松永さんの【絵文録ことのは】掲載のトラックバックをめぐる4つの文化圏の文化衝突を期待して読んだ。」とすれば目視確認でもすり抜けるだろう。これでおわかりのように、冒頭のリンクは一つに見えるけど実は2カ所向けなのだ。もっと悪戯して、正しいリンクは最初の一文字(あるいは半角スペース)だけ、残りは軒並み無関係サイトという手も考えたが、こちらが冗談と思っていても、世の中の人すべてが理解・同意してくれる訳ではないのでやめておく(真面目にリンクを辿ろうとする読者も混乱するだろうし...意図を見抜いてニヤリとする人ばかりでもない)。

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コメント

 一方通行のトラックバックを受けたので打ち返しました(笑)
 いや、この記事で引用されている元記事でも同様のことがあったので今回も同じ対応ということで(爆)……コメントするにあたっては、細川さんが私の書いた何を読んでこの記事を書かれたか明確にしておくことには意味があるだろうし。

 というわけで、以下、細川さんが転記された元記事に私が付けたコメントをこちらも一部転記するわけですが(笑)

***転記部分はじめ***

 私自身は、一方通行のトラックバックは、「全面反対とは言わないが不愉快」という立場ですが、この記事のようなケースまで全面否定するつもりはありません。
 私自身も、一方通行のTBを打つことはあります。( http://hiro.intlcafe.info/item/879 にあるケースその1)
 ちゅうちょなく削除する場合(ケースその2)では、ほとんど迷わないのですが、それ以外の場合は、一律に対応を決められないので、削除・放置・ただ打ち返す・新規に記事を起こしてTBする、のどの対応にするか、毎回真剣に悩みます。

***転記部分おわり***

 なお、上記のコメントを付けた後、うちのブログはスパム除けのため機械的に「言及なしトラックバック」を拒否する仕様にしてしまったので、現在の私は半強制的にそっちに分類されることになるとは思います。
 しかしながら、他の文化圏に分類された人、どこにも属する気のない人の存在まで否定するつもりはありません(スパマーは除く、と書くとどこまでをスパマーと定義するかで話が循環するかもしれないが)。

 TB 元の記事にも書きましたが、TB の仕方についてコンセンサスがない以上、自分の考えを人に押し付けようとせず、相手の希望にも配慮してほしい、ただそれだけです。それがなければ、待っているのは「文明の衝突」でしょう……どうももう始まってるようだが(苦笑)

投稿: ひろ | 2006/01/07 15:08

 すいません、「知人の紹介でトラックバックをめぐる4つの文化圏の文化衝突」の部分のリンクのアンダーラインが全部つながっちゃってたので、「トラックバック」のあたりだけクリックして一方通行のトラックバックだと思ってしまいましたが、「知人の紹介で」の部分は私の記事につながってましたね。
 おわびして訂正いたします。

投稿: ひろ | 2006/01/07 18:24

……という風に釣られればいいのねこの場合(笑)

投稿: ひろ | 2006/01/07 18:29

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