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2006/01/16

昆虫の図鑑、青臭い恋愛小説、心と遺伝子(+同性愛)を聴いてきた

ジュンク堂トークセッション「昆虫の図鑑、青臭い恋愛小説、心と遺伝子(+同性愛)」を聴いてきた。企画は台場にある日本科学未来館らしい。

前半は演者である山元大輔教授が何をしているのか、という行動遺伝学の紹介。これがうけて、終了後の質問も大半が同性愛の遺伝子に集中。少しは本の質問もしましょうよ。

遺伝決定論は忌み嫌う人がいるし、虫の話をしているのにヒトのことだと誤解して怒り出す人もいるから少し心配だったが、軽妙に、慎重にさばいていたのはお見事。

少女^h^h^h^hショウジョウバエの性行動変異の話はもっと聞きたかった。特にsatori変異の脳の話は、聞き違いとは思うが合点がいかない(脳が雌化しても雄を追いかけるようにはなるまい)。また性行動異常で不妊になる変異系統の維持は大変だろう(「禁欲主義は遺伝しない」)。

さて、本のお話。ご自宅と研究室の書棚の写真を示しながら読書遍歴の紹介。実にいろいろな本をお読みになる。しかし「本はためない」主義で、引っ越しの度に処分するというのに、高校以前の本も残されている。どういう淘汰圧に耐えたのか、は興味深い。これについて「いろいろな本を読まれているが、共通点は?」という質問があったけれど、一つの共通点を求めるのは無駄だろう。読み手の心の琴線にしても一本とは限らない。

むしろ読み手の精神状況によって読みたい本が変わるのではないか。実験がうまくいってアイデアが次々湧いてくるような時はあまり本は読まないだろうし、論文が受理されて一段落という時と、行き詰まってしまいグラントの心配がのしかかっている時とでは、読みたい本は自ずと異なると思う。その辺りが意識化できれば、逆に手にとる本によって意識を変える事ができたりして。

また読書は個人的な営みと思われているが、友人等の影響が意外に大きい事を再認識した。

最後にお薦めの本の紹介。
いち・たす・いち」(中田力)
ヒトゲノムとあなた」(柳澤桂子)
まだあったかな? 柳澤さんは何となく避けていたけれど、ああ誉めるのなら読んでみようか、という気になった。これも他人の影響の重要性の証左?

後は雑感。
・やはりコーヒーやお茶ではなく、ビールか焼酎を前に聞くのがふさわしいと思う。(欲を言えば日本酒と天ソバか何かの台抜き関東だと天抜き?で)
・書棚の写真はプロに撮らせなさい。せめて撮影術を伝授して(ストロボが反射して書名が見えない)。
・一日は24時間、一週間は7日と平等に与えられている筈なのに...時間にも人によって濃淡がある。
・恋愛小説を読んだり、女性誌に連載を持ったりすることで脳が刺激されているだろうな(参考「男性なら、無作為に女性誌を買ってみよう」)
・生物系の人はSF嫌い、という事はないと思う。たとえば遺伝研にSF好きの人がいるのを知っている。
・研究室の机に載っているのはG4cubeだろうか。液晶モニタの前に小型ノートPC(Let's note?)がタンデムになっているのがカコイイ。
・館内放送で女性が「昆虫の図鑑、青臭い恋愛小説、心と遺伝子、同性愛」と繰り返していたのはなんとも。

終了後は即席のサイン会。並べて販売されていたうちから「男と女はなぜ惹きあうのか—「フェロモン」学入門」(+「ミーサイマガジン9」)を購入。先生、私の事は覚えていてくださいました。

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コメント

細川さん、取り上げてくださりありがとう。相変わらず鋭いですね。脳が雌になるだけでは他の雄に求愛しないだろうと。確かに。実際にはsatoriの脳は雌雄モザイクになっていて、性行動の引き金を引く部分は雌、行動を作り出す運動中枢は雄、ということで、指令を受けて生ずる行動は雄型、と解釈しています。古い本が一部残っている点。捨てたくないと言うpositive selectionと汚くて誰にもあげられない、というnegative selectionの賜物。ところで代抜きという言葉、教えてくださりありがとうございます。それは親子丼か天丼かにかかわらず使う一般名でしょうか。確か私は固有名詞を聞かされたと言う記憶が・・・
もう一冊紹介した本は、金子隆一氏の「新世紀未来科学」です。
とりあえずの解答でした。

投稿: 山元大輔 | 2006/01/16 18:47

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» 「かまくら」だろうか? [Before C/Anno D]
山元先生のトークセッションへの感想に「日本酒と天ソバか何かの台抜き」と書いたのに [続きを読む]

受信: 2006/01/18 18:35

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