購入書籍
リスク理論入門—どれだけ安全なら充分なのか
瀬尾佳美(著) 中央経済社 2005/4/15 A5判 186頁 本体価格 2200 円(税込価格 2310 円)
「モラルハザードの本来の意味はなんだっけ?」とググッたところ、著者のサイトにスッキリとした解説(「リンク禁止」と書かれていたのでインターネットアーカイブから :-p)。
最後に「リスクとかモラルハザードなどを解説するための本を書きました。よろしく」とあったので書店で探して立ち読みして購入。
中央経済の本とは思えないような(失礼)おしゃれなデザインに仕上がっていますとある通り、落ち着いた装丁。同社の他の本と並べてみるとよくわかる。
さて読んでみると、これが明快。『環境リスク学』よりわかりやすい。気に入った一節は(本題からは離れるが)手段が正しければ目的まで正しいかのような議論は間違っている(p.135)。
筆者は読者に「限られた資源を配分して対策をとる政策決定者として考える」ことを要求する。これは正しい。嫌なら主権在民でない国へ行く他あるまい。しかし難しい問題を次から次へと。
「何もしないリスク」(p.40)では、最初に抽象的に問題を提示する。よほどのひねくれ者でない限り、選択肢は一つに絞られる。ところが、それにある現実を当てはめようとすると、途端にためらいが。総論賛成・各論反対に陥ってしまう。
世の中、大根やスイカのようにスパッと割り切れるものではないようだ。
グロテスクな教養
高田 里恵子(著) 筑摩書房 2005/6/10,2005/6/15 新書: 253 p 本体価格740円
教養とは「男の子いかにいくべきか」である
教養の対語は業績
業績の陰に編集者あり
といった指摘が目を引いた(但し三番目は人文系の話)。
なお冒頭、「あまり教養があるようには見えない武蔵」(p.16)とあるが、吉川英治の「宮本武蔵」はもとより映画すら見ていらっしゃらないようだ。たしかに最初の武蔵(たけぞう)は腕っ節が強いだけの暴れん坊だが、城に監禁されて万巻の書を読み教養を身につけたことになっている(私も中村錦之助主演の映画しか知らないが)。いつの間にか画も書くようになっていて、幕府への仕官がならなかった際、遺された画を見て「虎を野に放った...」と唸らせたのは有名なシーンと思うのだが。
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